採用方法14選!新卒採用と中途採用それぞれに合った方法とコツを解説
「自社に適した採用方法を知りたい」
「採用のトレンドやコツがあれば知りたい」
このようにお考えの人も多いのではないでしょうか。
採用活動は企業の成功に直結する重要なプロセスですが、その方法は多岐にわたります。特に、新卒採用と中途採用では、アプローチや手法が異なるため、それぞれに最適な方法を選ぶことが大切です。
本記事では、新卒採用と中途採用に合った14種類の採用方法を詳しく解説し、各方法のメリットやデメリット、選び方のコツまでを紹介します。
採用の効率を最大化し、理想の人材を確保するための参考にしてください。
中途採用に合った採用方法9選
中途採用に合った採用方法は以下の通りです。
- 人材紹介
- 求人広告
- ダイレクトリクルーティング
- リファラル採用
- SNS採用
- ヘッドハンティング
- アルムナイ採用
- ハローワーク
- 転職サイト
それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
1.人材紹介
人材紹介は、専門とする会社を通じて、求める人材像にマッチする候補者を探す方法です。紹介会社は広範なネットワークをもっているため、求める人材像に出会いやすく、一般的に候補者のスクリーニングも対応してくれます。
メリット
- 採用にかかる時間とリソースを節約できる
- 専門的な知識と経験をもつ紹介会社が適切な候補者をスムーズに見つけてくれる
- 高度なスキルや経験が求められるポジションでも該当する人材を紹介してくれる
デメリット
- 人材紹介手数料(採用した人材の年収の30%程度)がかかる場合がある。
- 会社と候補者の間に第三者が介在するため直接のコミュニケーションが取りづらい
2.求人広告
求人広告は、企業が直接広告を出して候補者を募集する方法です。オンラインやオフラインの媒体を利用して求職者に対し、広範囲にリーチできます。
メリット
- 幅広い層の求職者にリーチできる
- 企業のブランディングや認知度向上にもつながる
- 自社の採用ニーズに合わせて柔軟に対応できる
デメリット
- 応募者の質にバラつきが生まれやすい
- 応募者の数が増えるため選考プロセスが複雑になりやすい
3.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が積極的に特定の候補者に直接アプローチする方法です。通常は、業界や職種に精通したリクルーターが対応します。レバレジーズ株式会社の調査によると、ダイレクトリクルーティングによる採用実績の割合で最も多いのは5名以下で48.8%でした。
以下はレバレジーズ株式会社の調査結果をもとにしたメリット・デメリットです。
メリット
- 採用コストが安い
- 自社の要件にぴったりあった人材を見つけられる
- 沢山の候補者に合うことができる
- 応募後の選考通過率が高い
- ハイスキル、ハイキャリアな人材が多い
デメリット
- 採用候補となる応募者を探すのに時間がかかる
- スカウトの返信率が低い
- 採用候補となる求職者を十分な人数確保できない
- スカウト文面を作成するのに時間がかかる
- 選考通過率が悪い(お見送りが多い)
- 選考通過率が悪い(辞退が多い)
4.リファラル採用
リファラル採用は、既存社員からの紹介を通じて新たな人材を採用する方法です。この方法は、社員が信頼できる人物を推薦してくれるため、企業は安心して採用しやすく、短期間での採用が見込めます。
メリット
- 採用コストを大幅に削減できる
- 社員が紹介するため企業文化に合う人材が集まりやすい
- 紹介者がいることで新入社員の早期定着率が高まりやすい
デメリット
- 社員のネットワークに依存するためリーチできる候補者の範囲が狭い
- 紹介者と候補者が近しい関係にあると客観的な評価が難しくなる
- 計画的な採用が難しい
上記のメリットに加え、信頼関係がすでにある状態で仕事を始めてもらえる点も大きなメリットとなるようです。
採用で大切にしているのは、その段階から価値観を共有していただけているかという点。そのためにリファラル採用(紹介制度)を推進しています。紹介してもらったら会社から紹介料も払うんです。紹介だと、信頼関係のスタートが違うんですよね。今働いているスタッフの半数近くは紹介で採用しています。
引用:モアリジョブ|美容サロン「FILMS」代表 若林紀元さん
5.SNS採用
SNS採用は、LinkedInやX(旧:Twitter)、Facebookなどのソーシャルメディアを活用して行う採用方法です。企業はこれらのプラットフォームを通じて自社の魅力を発信しつつ、求職者との交流をもちます。業界によってはSNS採用を主流としている場合もあり、美容室を営む株式会社LondではInstagramを活用して人材を獲得しています。
とくに学生だと、専門学校に置かれている求人票などのいわゆる紙媒体は、あまり見ていない印象があります。その学校の風土にもよると思いますが、紙の求人票をファイリングして置いてある学校もあるんです。でも、やっぱり見ないですよね。紙よりもウェブになれている世代ですから、求人票よりもSNSの投稿の方が親しみやすいのかなという感触はあります。中途の場合も、SNSと採用エージェントからの申し込みが半々くらいの印象ですね。
引用:モアリジョブ|美容サロン「Lond」ゼネラルマネージャー/リクルーター 関根孝文さん
メリット
- 広範囲のターゲット層にリーチできる
- 企業のブランドイメージを発信しやすい
- 直接的なコミュニケーションを図れるため候補者との信頼関係を築きやすい
デメリット
- 効果的な発信には戦略が必要になる
- 成果を得るためには時間と労力が必要になる
- SNS上の情報は即時に拡散されるため情報管理に気を抜けない
6.ヘッドハンティング
ヘッドハンティングは、特定の業界やポジションにおいて、すでに実績のある優秀な人材を直接スカウトする方法です。一般的にはヘッドハンターが候補者に接触して転職を提案します。スタイリストとして活躍していたmizukiさんもヘッドハンティングを受けたことがあり、その経験を次のように語っています。
スタイリストデビューしたあとに、複数の会社の方から、「一緒に働きませんか」とお声がけをいただきました。「NOT」の場合は、代表の長門さんとシダさんが元々同じサロンで働いていたつながりがあったので、一緒にご飯を食べさせていただく機会があって。その成り行きで、長門さんに「NOTにくる?」と声をかけていただけたんです。
引用:モアリジョブ|美容サロン「NOT」美容師 mizukiさん
メリット
- 優秀で経験豊富な人材を確保できる
- 高度な専門性をもつポジションや経営層の採用が可能
- 競合他社から人材を引き抜くことで戦略的な優位性を得られる
デメリット
- 優秀な人材ほど採用コストが高くなる
- プライバシーや倫理面での課題が発生しやすい
- 候補者が現在の職に満足している場合は転職への動機付けが難しい
7.アルムナイ採用
アルムナイ採用は、過去に企業で働いていた元社員(アルムナイ)を再雇用する方法です。これにより、企業の文化や業務に精通した人材を再び迎えられます。以下事例のように、アルムナイ採用は、結婚や出産で一時退職した人材を再雇用する際にも利用されます。
TBCには再雇用制度もあるので、技術を身につければ結婚や出産などで一時退職しても復帰することが可能です。やればやるほど技術が磨かれていきますし、キャリアを積めば積むほどお客さまから信頼され、より必要とされます。これ以上の仕事はないと思うくらいに素晴らしい(笑)。
引用:モアリジョブ|美容サロン「TBCグループ」代表 手塚佳子さん
メリット
- 元社員は企業の文化や業務に慣れているため即戦力に期待できる
- 過去の勤務評価にもとづいて信頼性の高い人材を確保できる
- 離職のリスクが低く定着率が高い
デメリット
- 再雇用の際に過去の問題やトラブルが再燃する可能性がある
- 組織に新たな視点や変化をもたらす効果にあまり期待できない
8.ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、政府が運営する職業紹介所で、企業が求人を無料で掲載できるサービスです。広く一般の求職者に情報を届けられます。厚生労働省の調査によると、採用決定の経路としては12.0%で全体の2番目でした。
メリット
- 求人広告を無料で掲載できるためコストを抑えられる
- 幅広い年齢層や職種の求職者にリーチできる
- 公的機関が運営しているためサ信頼性が高い
デメリット
- 求職者の応募数が多く選考に時間がかかりやすい
- 特定の専門スキルをもつ人材の採用には不向き
- 地域に限定された求人になりがちなため広域での採用には限界がある
9.転職サイト
転職サイトは、インターネット上で求人情報を掲載し、求職者を募集するプラットフォームです。企業は、業界に特化した専門的な求人サイトや総合的な転職サイトの活用により、幅広い求職者にアプローチできます。
メリット
- 自社の業界にマッチした転職サイトを活用すれば効率的に採用できる
- 求職者が自主的に応募してくるため、興味・関心の高い候補者を確保しやすい
- 自社の求人情報をタイムリーに更新・管理できる
デメリット
- 同じサイト上で他社と競争するため目立つための工夫が必要になる
- 大量の応募者が集まると選考に時間とリソースがかかる
- 転職活動に積極的でない受動的な求職者にはリーチしにくい
以下の例からも情報量の多さに困惑する人は多いため、利用する転職サイトの選定や求人情報の内容には十分に注意すべきだと言えます。
転職活動を始めた当初は、転職サイトに掲載されているサロンの情報が多すぎて、どこから選んでいいか分からなかったというayaさん。そこで家からのアクセスの良さ、地域密着型のサロン、提供しているスタイルなど自分が重視するポイントをしっかりと決め、情報を選別したそうです。その後、半年をかけて就活を行い、雰囲気もカリキュラムも自分にぴったりなサロンを見つけることができたといいます。
引用:モアリジョブ|美容サロン「MaNo」スタイリスト ayaさん
新卒採用に合った採用方法6選
新卒採用に合った採用方法は以下の通りです。
- 就職サイト
- 自社Webサイト
- 学校の就職課
- 合同企業説明会
- インターンシップ
- 新卒紹介
それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
1.就職サイト
就職サイトは、大学生や新卒者向けの求人情報を掲載するプラットフォームです。多くの企業が利用しており、求職者も積極的に活用しています。
株式会社マーキュリーの調査によると就活生にとっての主要な情報源は、就職サイト(ナビサイト)だったことが分かっています。
▼就職活動全体を通して企業の情報収集のために利用していたもの
メリット
- 多くの学生に対して幅広くリーチできる
- 求職者が企業に対して能動的にアプローチしてくるため採用活動が効率的に進む
- サイト上でエントリーから選考まで一貫して管理できるためリソースを削減できる
デメリット
- 他社と競争が発生するため求人が埋もれやすい
- 応募者の数が多くなりやすく選考に時間がかかる可能性がある
- 学生のエントリーが集中する時期には対応が追いつかず負担が大きくなる
2.自社Webサイト
自社Webサイトを活用した採用は、企業のホームページ上に採用情報を掲載し、直接応募を受け付ける方法です。企業の風土や文化を発信すればブランディングにもなります。
メリット
- 自社の魅力や価値観を詳しく伝えられる
- 自社サイトを訪れる関心度の高い求職者に直接アプローチできる
- 採用活動を自社で管理できるためコストが抑えられる
デメリット
- 企業の知名度やWebサイトの訪問者数に依存するため認知度が低い企業では応募が増えにくい
- 効果的なWebコンテンツやSEO対策が必要
- サイトの維持・更新には時間と労力が必要
3.学校の就職課
学校の就職課は、大学や専門学校が学生の就職活動をサポートする部門です。企業は直接就職課に求人情報を提供し、学生に紹介してもらえます。
たとえば、山野美容芸術短期大学の就職内定率は毎年高く、学校の就職支援体制が充実しています。同校では、進路を明確にするためのOB講演やキャリアカウンセリングに加え、企業と連携したインターンシップなどを実施しています。
企業は就活のサポートに注力する学校と提携すると、安定して人材の獲得が可能です。また学校との提携により認知度向上につながった例もあります。
美容師になったら東京で働きたいと思っていました。学校に来ていた求人票で、初めてapishのことを知りました。
引用:モアリジョブ|美容サロン「OVARL by apish」デザイナー 潤華さん
メリット
- 信頼性の高い求人情報として学生に提供できる
- 学校側から推薦を受けた優秀な学生にリーチできる
- 学校と企業の関係を深めることで将来的な採用活動にもつながる
デメリット
- 学校の推薦やサポートに頼るため企業側の自由度に制限がある
- 就職課のネットワークや影響力に依存するため全ての学校で同様の成果が望めない
- 特定の学校に依存すると採用の多様性が損なわれる
4.合同企業説明会
合同企業説明会は、複数の企業が一堂に会して行う説明会で、求職者に自社をアピールする場です。
学生は一度に多くの企業の話を聞けるため、人気があります。また株式会社リクルートが2022年に行った調査によると、合同説明会をオンラインで実施してほしいという声が全体の62%(※1)を占めました。そのため、これまでオフラインで合同説明会を行っていた企業はオンラインでの実施も検討しましょう。
※1「どちからといえばオンライン(33.0%)」「オンライン(29.0%)」の合計
メリット
- 多くの学生に対して一度にアプローチできる
- 直接的なコミュニケーションを通じて企業の魅力を効果的に伝えられる
- 学生の反応をその場で確認できるため採用活動のフィードバックを得やすい
デメリット
- 他の企業と同じ場で競争するため学生の関心を引くための工夫が必要
- 説明会にかかる費用や準備の負担が大きくなる場合がある
- 短時間でのアピールとなるため深い理解を得るのが難しい
5.インターンシップ
インターンシップは、学生が一定期間企業で働き、実際の業務を経験するプログラムです。企業はインターンシップを通じて学生の適性や能力を見極め、選考へとつなげます。
また「合同説明会はオンラインで実施してほしい」という声が多かったのに対し、インターンシップは64.9%(※2)が対面での実施を希望していました。ただ逆に言えば35.1%がオンラインでの実施を希望していることにもなるため、企業は風土や業種に合わせた対応が求められます。
※2リークルートの調査:「対面(25.8%)」「どちからといえば対面(39.1%)」の合計
メリット
- 学生の実務能力や適応性を直接評価できる
- 企業文化に合うかどうかを見極めやすい
- インターンシップ経験を通じて優秀な学生を早期に確保できる
デメリット
- インターンシッププログラムの運営には時間とリソースが必要
- インターンシップ後に内定を出しても他社に転職されるリスクがある
- インターンシップが失敗すると採用活動全体に影響が出る
6.新卒紹介
新卒紹介は、人材紹介会社が新卒者を企業に紹介するサービスです。学生一人ひとりの適性や希望にもとづいて、適切な企業をマッチングしてくれます。HRプロ株式会社の調査によると、企業は以下の学生を採用するために新卒紹介を利用したことが分かっています。
▼企業はどの層を採用するために新卒紹介を使ったのか
メリット
- 人材紹介会社のネットワークを活用して優秀な新卒者にリーチできる
- 企業の採用ニーズに合わせた候補者を紹介してもらえるため効率的に採用活動が進む
- 選考プロセスの一部を外部に委託できるため社内の負担が軽減される
デメリット
- 紹介手数料がかかるためコストが高くなる
- 自社にあった人材紹介会社を選ばないと効果が限定的になる
新卒紹介を利用した企業のコメントは以下の通りです。
ある程度フィルタリングされた学生と会えるので、業務の効率化が図れる。また、一人当たりのコストは高くなるが、成功報酬なのでリスク回避が図れる。
引用:HRプロ株式会社
採用方法の選び方
ここでは、以下の状況における採用方法の選び方を紹介します。
- 低コストで採用をしたい場合
- できるだけ早く採用をしたい場合
- ミスマッチの少ない採用をしたい場合
以下にて、詳しく解説します。
低コストで採用をしたい場合
コストを抑えながらも効果的な採用を行いたい場合には、無料または低料金で利用できる採用チャネルを活用しましょう。
最適な方法 |
理由 |
ハローワーク |
ハローワークは政府運営の職業紹介サービスで、求人情報を無料で掲載できます。地域密着型のサービスであり、地元の求職者にリーチしやすい点がメリットです。ただし、応募者の数が多くなるため、選考に時間がかかることもあります。特に専門職や高度なスキルをもつ人材の募集には限界がある場合があるので、求人内容の明確性が求められます。 |
自社Webサイト |
自社の採用ページに求人情報を掲載することにより、追加コストをかけずに求職者を集められます。企業のビジョンや文化を詳しく伝えられるため、企業に興味をもった求職者からの応募が期待できます。ただし、自社サイトのSEO対策が不十分だとリーチ数が増えづらいです。 |
リファラル採用 |
リファラル採用は、現在の社員からの推薦を通じて新たな人材を採用する方法です。既存の社員が推薦するため、企業のカルチャーに合った人材を確保しやすく、採用後のミスマッチも少なくなります。また、紹介料などの費用が発生しますが、成果報酬であるため高いコストパフォーマンスを発揮しやすいです。信頼性の高い従業員からの採用は、離職率の低下にもつながります。 |
できるだけ早く採用をしたい場合
採用を急ぐ場合、即戦力となる人材の素早い確保が求められます。スピードを重視した採用方法では、迅速な進捗管理と的確なアプローチが大切です。
最適な方法 |
詳細 |
ダイレクトリクルーティング |
企業が直接求職者にアプローチすることで、迅速な採用を実現できます。企業の採用担当者が自ら候補者に接触するため、スピーディーに候補者と面談設定も可能です。特に、採用に特化したLinkedInなどのSNSを活用すれば即戦力となる人材に短期間でリーチできます。ただし、リソースの負担が大きいため、専任チームをもつ必要があります。 |
転職サイト |
多くの求職者が登録しているため、すぐに応募が期待できます。特に転職を考えている求職者に直接アプローチできるため、選考スピードを上げることが可能です。加えて、求人掲載から応募、選考までのプロセスが一貫して行えるため、採用活動全体のスピードアップが図れます。しかし、人気の高い業種は応募が殺到するため、効果的な選考フローの設計が必要です。 |
ヘッドハンティング |
ヘッドハンティングは、特定のスキルや経験を持つ人材をターゲットに、プロのヘッドハンターがアプローチする方法です。特に、専門性の高いポジションや経営層の採用において、迅速に必要な人材を確保できます。短期間で確実に結果を出せる反面、コストが高くなることが多いため、戦略的なポジションでの採用に限定するのが良いでしょう。 |
ミスマッチの少ない採用をしたい場合
採用後の早期退職や企業文化に合わない人材の採用は、企業にとって大きな損失です。ミスマッチを防ぐためには、入念な選考と候補者との相互理解が必要です。
最適な方法 |
詳細 |
インターンシップ |
インターンシップは、候補者が実際の業務を経験するため、企業との相性を効率的に把握できます。またインターン期間中には学生の実務能力や適応力も確認でき、企業文化に合った人材を見極めやすいです。さらにインターンシップがうまくいけば、内定を出す前に十分なコミュニケーションを取れるため、ミスマッチのリスクを大幅に軽減できます。 |
アルムナイ採用 |
かつての社員を再び採用するアルムナイ採用は、企業文化を熟知した人材を獲得できるため、ミスマッチが発生しにくいです。また、企業側も候補者の強みや過去の実績を把握しているため、入社後の活躍も期待できます。離職した理由や再雇用の動機をしっかり確認すれば、過去の課題を克服するきっかけを作れるため、離職にもつながりにくいです。 |
リファラル採用 |
信頼できる現職社員からの紹介は、候補者が企業の価値観や文化に合致していることを保証する一つの手段です。社員のネットワークを活用することで、企業と候補者双方にとって満足度の高い採用が実現しやすくなります。また、紹介者のフィードバックがあるため、選考の過程での評価がしやすく、入社後のミスマッチも少ないです。 |
採用方法のトレンド
近年の採用方法のトレンドは以下の通りです。
- カジュアル面談
- 採用代行
- ミートアップ
それぞれの採用方法の概要とメリット・デメリットを紹介します。
カジュアル面談
カジュアル面談は、正式な採用面接とは異なり、リラックスした雰囲気で行われる面談です。候補者と企業の間で相互理解を深めることを目的とし、選考プロセスの初期段階で実施されるケースが多いです。
カジュアル面談の最大のメリットは、候補者がリラックスした状態で自分を表現できる点です。これにより、通常の面接では見えにくい候補者の素の姿を観察できます。また、候補者に対して企業の魅力を伝えやすく、企業への興味を高めやすいです。
一方で、正式な面接ではないため、選考基準が曖昧になりやすい傾向にあります。また、面談後のフォローアップが不十分になると、候補者が次のステップに進む意思を失うリスクもあるでしょう。
採用代行
採用代行は、企業が外部の専門業者に採用活動の一部または全てを委託するサービスです。採用の計画から実行、そして採用後のフォローアップまでを一貫して行えるため、大規模な採用プロジェクトや専門的な人材を必要とする場合に有効です。
採用代行のメリットは、採用活動の効率化と質の向上です。プロの採用チームが企業のニーズに合わせた最適な採用戦略を立案し、実行してくれるため、採用の成功率が高まります。また、採用にかかる時間やリソースを削減できるため、企業はコア業務に集中できます。
しかし、コストが高くなる場合があり、企業文化や方針を十分に理解していない業者に依頼すると、期待した成果が得られない点がデメリットです。
ミートアップ
ミートアップは、共通の興味やテーマをもつ人々が集まり、交流を深めるためのイベントです。採用活動においては、特定の業界やスキルをもつ人々をターゲットにしたミートアップが活用されています。企業が主催することで、潜在的な候補者との直接的なコンタクトを図り、企業の魅力をアピールできます。
ミートアップの最大のメリットは、カジュアルな環境で候補者と交流できる点です。これにより、企業文化やビジョンを自然に伝えられ、候補者の企業への関心を高められます。また、ミートアップを通じてネットワークを広げられれば、今後の採用活動において情報面で役立つ可能性があります。
ただし、イベントの準備や運営には手間がかかり、期待する成果が得られるかどうかは参加者の質に左右されやすいというデメリットもあります。
【全採用方法に共通】採用を成功させる3つのポイント
採用を成功させる3つのポイントは次の通りです。
- 採用基準を明確化する
- 求人広告の質を高める
- 1つの採用チャネルに絞らない
それぞれのポイントについて解説します。
1.採用基準を明確化する
採用基準が曖昧だと、人材の見極めが難しくなり、結果としてミスマッチが発生しやすくなります。採用基準の明確化により、企業が求めるスキルや経験、そして文化的な適合性をもつ人材の選定が容易です。
採用基準を明確にするためには、次の手順を踏むとよいでしょう。
- 企業のビジョンやミッションを再確認する
- ビジョンやミッションをもとに、求める人材像を具体化する
求める人材像に合ったスキルや経験、性格特性などをリストアップ
- リストアップした内容を選考基準として設定する
- 募集や面接などの各選考ステップで選考基準をどのように評価するかを明確にする
以上のステップを踏んだうえで、面接官や選考担当者が一貫した評価を行えるようにすることが大切です。
また採用基準は、業界や業種によってさまざまで画一的ではないため、業界によって独特な基準が設定されるケースもあります。美容業界を例にあげると、採用担当者の感覚をベースにした評価を重視する事例も見られます。
Londの採用基準は、技術が上手いとかSNSの発信が上手とかは全部置いておいて、とにかく「いいやつ」か。どうせ働くなら気持ちよく仕事をしていきたいので、「この子と一緒にサロンワークをしたら楽しいだろうな」「気持ちよく仕事できるな」という部分は、とても大切にしています。
引用:モリアジョブ|美容サロン「Lond」ゼネラルマネージャー/リクルーター 関根孝文さん
なお、採用担当者の感覚をもとに採用を判断する場合、日ごろから現場とのすり合わせも大切にしています。
採用の最終決定は現場の店長の采配も大きいのですが、やっぱり「いいやつ」という判断は共通しています。共通点は、斜めにいろいろなことを見ない、明るく素直な人柄。その人柄を、面接のなかで判断しています。
引用:モリアジョブ|美容サロン「Lond」ゼネラルマネージャー/リクルーター 関根孝文さん
経営陣と現場の意見を吸い上げ、企業に合った採用基準を選定しましょう。
2.求人広告の質を高める
求人広告は、企業と求職者をつなぐ最初の接点であり、広告の内容が応募者の質を大きく左右します。求人広告の質が高いと、企業の魅力を求職者に効果的に伝えられ、適切な人材からの応募を促せます。
求人広告の質を高めるには、まずターゲットとなる人材像を明確にし、その人材が興味を示す内容を盛り込むことがポイントです。職務内容や求めるスキルを具体的に記載し、企業の魅力や働く環境、キャリアパスなども詳細に説明しましょう。
また、応募者が読みやすいレイアウトや言葉遣いを心がけ、魅力的な広告の作成が大切です。さらに、広告の掲載先やタイミングを戦略的に選定することで、より効果的に求職者へリーチできます。
なお、美容・ヘルスケア業界の求人サイトの中で最大級のリジョブでは、求人広告に関するノウハウを豊富にもっています。
そのノウハウを以下にまとめておりますので、求人でお困りの採用ご担当者様はぜひ参考にしてみてください。
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3.1つの採用チャネルに絞らない
採用活動において、1つのチャネルに依存することはリスクが伴います。求職者のニーズや行動パターンは多様化しており、1つのチャネルでは対応できなくなっているためです。複数チャネルの活用により、幅広い層からの応募が期待できます。
たとえば、求人広告とリファラル採用、またはSNS採用とダイレクトリクルーティングを組み合わせることで、それぞれのチャネルの強みを活かしながら、求職者へのリーチを最大化できます。
また、転職サイトにおいても大手の転職サイトと特定の業界に特化した転職サイトの併用により、認知度を高めつつ安定的に応募を確保できます。
ただし、複数のチャネルを管理する場合は費用や工数が発生するため、社員の業務を圧迫するリスクがあります。具体的には、各チャネルの効果を定期的に分析し、結果にもとづいて戦略を見直す作業が発生します。しかし、このような作業に取り組める体制を整えることが、コストパフォーマンスを高めつつ、最適な人材を確保することにつながるのです。
美容室の業界では、SNSを活用した採用が一般的になっており、SNS採用とダイレクトリクルーティングの組み合わせが主流です。
今の時代ほとんどの美容室の採用で、応募の際に「SNSをしている方はアカウントを記入してください」という項目があると思います。SNSでの活動は採用側も事前に確認しているはずなので、そこでフォロワーがたくさんいるというのは有利になるんじゃないでしょうか。僕も今はサロン側の人事にも携わるようになり、SNSアカウントを持っている人の方が有利だと感じます。
引用:モリアジョブ|美容サロン「PERCUT」美容師 小宮郁巳さん
まとめ
採用方法は企業のニーズや状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
新卒採用では、就職サイトやインターンシップなどの方法が効果的であり、一方で中途採用では転職サイトの活用やリファラル採用が有力な選択肢です。
また、採用方法の選び方やトレンドを把握し、自社に合ったアプローチを取ることで、よりスムーズかつ効果的な採用活動が実現できます。
採用成功のポイントは次の通りです。
- 明確な基準設定
- 求人広告の質の向上
- 複数の採用チャネルを活用する
これらのポイントを押さえて、理想の人材を確保しましょう。
- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部