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離職率の平均とは?離職率が高い企業の特徴と定着率を上げるための対策

離職率の平均とは?離職率が高い企業の特徴と定着率を上げるための対策

美容室の人手不足を解消するためには、まずは自社が人手不足に陥っている本当の要因を正しく分析することが大切です。その中でも離職率は、働きやすさや従業員満足度を測るための重要な指標です。「予約をとりたいのに人手不足で断るしかできない」「定着率が悪く採用も難しい」などにならないように離職率が高くなっている要因を知る必要があります。

離職率が高い企業には以下3つのリスクが生じます。

離職率が高くなるリスク

  • 企業イメージが悪くなる
  • 採用や教育にコストがかかる
  • 企業の生産性が低下し、労働環境が悪化する

3つのリスクは企業にとっても働く従業員にとっても大きな損失になります。この記事では離職率を下げるために以下のことが理解できるようになっています。

  • 離職率とは何を指すのか
  • 離職率の計算方法
  • 具体的に何をすれば改善できるのか

客観的なデータをもとに、従業員が辞める理由や離職を防ぐために知っておくべき要因について知ることで離職率を下げることができます。

離職率とは

離職率とは、一定期間における従業員の退職者数を、その期間の平均従業員数で割った割合のことをいいます。離職率は、企業への定着状況や入社してからの魅力度を表す重要な指標とされています。

今、日本では転職に対する意識や終身雇用への考え方の変化により、人材の流動性が高まっています。中でも問題視されているのが、若年層〜中堅層の離職です。企業側にとっては入社してから成長し、活躍してもらうタイミングであるのに、近年の若年層〜中堅層の離職は、圧倒的に多い実態があります。

求人情報にも記載される従業員の離職率が高くなれば、新規採用の困難や人材の流出により、採用や教育にコストがかかるなどの課題がでてくるでしょう。そのため、適正な離職率を知り、維持や改善することは、企業にとって利益のあることになります。

離職率の定義

離職率の定義は、一般的に「全従業員のうち、一定期間内に退職した人の割合」を指します。企業の離職率は、一定期間を期初〜期末までの1年間とし、その期間に退職した人の割合を算出するために使われることが多いです。一定期間については決まりはなく、目的に応じて対象社員を新卒者や入社後何年以内など細かく区切ることで、その時に必要な離職率を算出することができます。

ちなみに、総務省統計局の就業構造基本調査における離職率は、離職者の1年前の有業者に占める割合です。この場合の離職者の定義は、「1年前には仕事をしていたが、その仕事をやめて、現在は仕事をしていない人」が対象になります。

次に離職率の計算方法はどのようにしたらいいのか解説していきます。

離職率の計算方法

離職率の計算方法は、法律で定義されておらず企業によって異なります。
厚生労働省が雇用動向調査で使用している計算方法は以下の通りです。


「一般企業で用いられる計算式=離職率 = 企業が定める一定期間内の離職者数÷起算日の在籍者数×100(%)」

例えば、ある企業で以下のようなデータがあった場合:
・2023年1月1日の従業員数:800人

・うち、2023年度の退職者数:20人

「20 ÷ 800 × 100」で、2.5%となります。

一般的に10%を超えると高い数値と見なされ、その企業の従業員が頻繁に退職していることを示します。

厚生労働省の雇用動向調査で使われている離職率の計算方法は、離職者数を1月1日の常用労働者数で割り100を掛ける(%)です。企業で採用されている一般的な離職率の計算方法は、一定期間に退職した人数を、起算日に在籍していた人数で割ります。

一定期間については規定はありませんが、転職サイトなどに年ごとの離職率が記載されるように、一定期間は1年間が多く用いられます。一定期間の期初〜期末までは4月1日を期初としている企業では、4月1日を起算日として計算します。

そのため、離職率を見る際は計算方法や目的、期間によって数字が変わってきます。

では、離職率について理解し、計算までできたところで、どのくらいの離職率が平均なのかを次で見ていきましょう。

日本企業の平均離職率

企業として何を参考にしたらいいのかわからない場合は、3つのことを参考にするといいでしょう。

  • 日本企業の平均離職率
  • 産業別の離職率
  • 新卒採用の3年以内の離職率

これらを順番に紹介していきます。

日本企業の平均離職率は8.7%

2023年上半期の日本企業の平均離職率は、8.7%となりました。男性より女性の離職率が2%近く違いがあり、多くの場合、女性のキャリアは男性のキャリアと比べて軽視されがちで、生活の変化に伴い離職の選択を迫られます。産休や育休などのライフイベントや保育園に入れなくて復帰できなかった、ロールモデルとなる先輩がいないなども関係してる可能性があります。

令和5年(2023)上半期常用労働者の動き

離職率(%)

合計

8.7

7.8

9.7

(参考:厚生労働省|令和5年上半期 雇用動向調査結果の概要

産業別の平均離職率

2023年上半期における日本の平均離職率は8.7%ですが、この数字は全産業の平均の数値になります。全産業では企業における正確な数値で比較することができないため、2023年上半期の産業別の離職率も紹介します。

産業分類

離職率(%)

生活関連サービス業・娯楽業

15.0

サービス業(他に分類されないもの)

11.7

複合サービス事業

5.2

医療・福祉

8.7

教育・学習支援業

11.0

宿泊業・飲食サービス業

14.8

学術研究|専門・技術サービス業

7.7

不動産業・物品賃貸業

9.7

金融業・保険業

5.6

卸売業・小売業

8.0

運輸業・郵便業

5.2

情報通信業

6.9

電気・ガス・熱供給・水道業

6.3

製造業

5.1

建設業

5.1

鉱業・採石業・砂利採取業

5.2

産業計

8.7

(参考:厚生労働省|令和5年上半期 雇用動向調査結果の概要

例えば、生活関連サービス業・娯楽業は、全てが理容美容ではないものの、データで客観的に見ても離職率が高いです。美容業界は離職率が高いとよく耳にしますが、日本の平均離職率8.7%よりも2倍近く違います。

過去の平均離職率と入職率の推移

2009年から2023年の過去の平均離職率と入職率の推移を見てみましょう。2020年や2021年は、コロナの拡大の影響もあり、雇用状況に影響を与えた可能性があります。 (参考画像:厚生労働省 | 令和5年上半期雇用動向調査結果の概要 図1-1 入職率・離職率の推移(各年上半期))

新卒採用の3年以内離職率

厚生労働省が発表した資料によると、3年以内の離職率は、新規高卒就職者が 37.0%、新規大学卒就職者が 32.3%となりました。

(参考:学歴別就職後3年以内離職率の推移)

ちなみに、新規学卒就職者の産業別就職後3年以内離職率のうち、離職率の高い上位5産業においては特にサービス業が高い結果になっています。

高校

大学

宿泊業,飲食サービス業 62.6%

宿泊業,飲食サービス業 51.4%

生活関連サービス業,娯楽業 57.0%

生活関連サービス業,娯楽業 48.0%

小売業 48.3%

教育,学習支援業 46.0%

教育,学習支援業 48.1% 

医療,福祉 38.8%

医療,福祉 46.4%

小売業 38.5%

(参考:学歴別就職後3年以内離職率の推移)

このように、離職率は業界全体の問題点でもあるといえますが、改善していくことを考える必要があります。どのようにして離職率を防ぐことができるのか、離職率が高い企業の特徴と改善方法について解説します。

離職率が高い企業の特徴8つ

離職率が高くなる原因として考えられる8つの要因を、従業員の視点からご紹介します。

  1. 長時間労働や残業が慢性化している
  2. 人事評価制度が整っていない
  3. 社員のモチベーションが低下している
  4. 人材の育成制度が整っていない
  5. 休暇が取りにくい
  6. ハラスメントが横行し、企業として対応していない
  7. 働き方の柔軟性がない
  8. 人間関係が悪い

それぞれ詳しく解説していきます。

長時間労働や残業が慢性化している

離職率を高める要因は、労働時間の長さが関係します。残業が多くプライベートな時間が取れず、従業員のワークライフバランスに影響を及ぼすことや業務量が過剰であることは、従業員の心身に負担がかかり、離職を選択せざるを得ない場合があります。

残業が当たり前にあった時代もあると思いますが、近年では、社会的に所定時間外労働が問題視され、残業時間に対する上限が法律で定められています。2020年4月以降は、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されています。


時間外労働の上限は、時間外労働(休日労働は含まず)の上限で抑えるべき点

  • 原則として、月45時間・年360時間

臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできなくなります。

  •  臨時的な特別の事情があって労使が合意する
    • 時間外労働 ・・・年720時間以内
    • 時間外労働+休日労働 ・・・月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内

とする必要があります。

  •  原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月までです。

特別な事情がない限り、時間外労働の上限を超えることはできません。従業員のワークライフバランスを保つためにも、業務の棚卸しや効率化のための見直しを行い、長時間労働にならないようにしましょう。

人事評価制度が整っていない

自分自身の能力が正しく評価されないことも、離職を考えるきっかけのひとつになります。評価基準が明確でなかったり、そもそもどのような基準であるかが公開されていなかったりすると、社員は正しく評価されているのか判断しづらくなってしまいます。

個人の売り上げなど見やすい数値もありますが、全てを可視化するのは困難なため、数値化しづらい仕事について納得できる評価基準を整える必要があります。数値を可視化することで、目標が立てやすくなるため、社員がどのくらい頑張れば評価されるのかも把握でき、いくら頑張っても評価されないなどモチベーションが低下してしまうのを防ぐこともできます。

転職が一般的になってきた今、優秀な人材はいい条件を探し続けるため、会社にいてほしい人材の流失を防ぐためにも、仕事内容に見合った人事評価制度の見直しが必要になるでしょう。

社員のモチベーションが低下している

この会社で働いていたいという社員のモチベーションがなければ、離職につながってしまいます。社員一人ひとりが仕事に対するやりがいを感じ、長く働きたいと感じることが重要です。特に自分が望むキャリアプランと会社の目標が合致していなければ、モチベーションの低下を招いてしまいます。

自分の業務が会社にどのくらい貢献しているのか見えてこない、ロールモデルとなる先輩がいないなど、目標が見えてこないと人のモチベーションは下がります。社員のモチベーションが低下することは離職につながりやすく、他の社員にも悪影響が出てしまいがちです。

例えば、従業員が一人でも辞めた場合、辞めた人の分の仕事は、通常の業務に加え、他の従業員が補うことになります。その間の給与をアップすることも少ない場合が多く、業務が増えたのに給与が増えないことに不満に思う人もいるでしょう。

また、新しい人材が配置されても、その人が慣れるまでに時間を必要とします。このため、離職者が出たことで、更なる離職者を生む悪い流れになる場合もあります。

人材の育成制度が整っていない

人材の育成制度が整っていないことも離職率を高める原因になります。とくに、新入社員に対する教育体制が整っていないと、仕事に対してストレスを感じやすくなり、新卒の段階からモチベーションが薄れて離職率を高めることにつながります。人手不足などを理由に適切で充分な指導がなされていないと、不慣れな業務を不安になりながらやることになります。

現場主義で背中を見て覚えることや自分で考えて行動してという指導方法もありますが、そういった指導方法では、社員のスキルアップにはつながりません。また、その先輩や上司によって指導方法が異なる場合、組織としての統一感がなく生産性もなくなります。ベースになるマニュアルを作成することや社員の能力に合わせた人材の育成制度を整えるというのは、組織として生産性を高めるために必要です。

休暇が取りにくい

仕事をする上で休暇は必要です。残業も含め、長く働くことを良しとする風潮があるところもまだまだ多いでしょう。有給休暇はもちろん産前産後休業や育児休業、介護休業の取りやすさは、働きやすさに直結する非常に重要な要素です。これらは全て従業員が必ず取得する日数が法律で義務付けられています。

従業員が満足に休むことができない場合、身体的に大きなストレスを溜めることとなります。生産性が下がるばかりでなく、離職率を高める大きな要因となります。

結婚や出産、育児、介護など、ライフステージの変化に合わせて休暇がとりにくいことがいまだに多くあり、仕事は続けたいけどやめなければならない人もいるでしょう。今は女性も多くの人が働き、男性も育児休業をとる時代です。休暇をとりやすいように職場環境を整えましょう。

ハラスメントが横行し、企業として対応していない

社会的にも問題視されているのが、セクハラやパワハラ、モラハラなどの嫌がらせです。行き過ぎた言動などで被害を受けた従業員は心身に悪影響を受けることもあります。人間関係の悪化や雰囲気の悪さは職場環境に悪影響を与え、働きにくくなり人が定着することも少なくなるでしょう。

職場で起きるハラスメントを防止するのは、企業側の義務です。対策を講じていない企業は、早急に取り掛かりましょう。

働き方の柔軟性がない

働き方に柔軟性がないことも離職率を高めます。働く時間や場所を自由に選択できる企業が増えている中で、美容関係の仕事は柔軟性がないため、働き方に不満を覚えた社員は、より柔軟な働き方を実現できる会社へ転職を検討するかもしれません。育児や介護による時短勤務などの柔軟な働き方ができないことも、労働条件への不満に繋がりやすく、離職の要因となります。

ワークライフバランスが重要視される今は、会社は多様な働き方へのニーズに応えていく必要があり、柔軟性のない職場はワークライフバランスを重視する人にとって「働きにくい」と感じるかもしれません。

人間関係が悪い

人間関係が悪いことも、ストレスにつながるため、離職率を高める原因に挙げられます。特に上司との関係は、職場の上司や同僚、顧客などの人間関係は、仕事のやりがいにかかわる非常に重要な要素です。

気になるのは毎日一緒に過ごす上司や同僚です。特に、近しい上司との良好な関係は、自身の評価や待遇に直結しやすいです。上司がパワーハラスメントをしていなかったとしても風通しが悪く、なかなか言いたいことが言えないことや相談がしにくいなどの環境があると辞めやすい環境になってしまいます。

働きにくさを感じた社員は離職や転職をする可能性が高くなるため、離職率が上がります。人間関係が原因の離職は回避できる可能性がありますので、適切な対策をしていきましょう。

このように、働き方の課題、コミュニケーション、将来への希望が持てないなどが、従業員の離職を招きます。企業は従業員が働きやすくする必要があります。

どのように改善していけばいいのかは次で解説していきます。

離職率を下げるためにできること

企業は、従業員が心身ともに健康に勤務ができるように環境を整えることが大切です。離職率を改善するためにどのようなことができるかを7つご紹介します。

  1. 退職する理由をヒアリングする
  2. コミュニケーションを活性化させる
  3. 多様性がある働き方ができる環境を整備する
  4. 育成施策の見直しを行う
  5. 研修制度を整える
  6. 福利厚生を充実させる
  7. 面談を定期的に行えるように仕組みを整える

施策と社員のニーズがマッチしないと効果が上がらないため、ニーズを把握するための取り組みも必要です。

退職する理由をヒアリングする

今後の離職防止の対策をするには、退職を希望する社員へのヒアリングが必要です。退職希望の申し出があった際や退職決定後、どちらでも構わないので、実施することで、自社の抱える問題点を洗い出すことができます。

退職前のヒアリングであれば、回避できる対策も出てくる可能性もありますし、退職決定後であれば、本音に近い意見を聞き出せる可能性もあります。

そのヒアリングをもとに、できる限りの改善方法を考えましょう。

コミュニケーションを活性化させる

離職率を下げるために従業員同士のコミュニケーション活性化は、離職防止対策の中でも実施しやすい大事な対策です。社員の相互理解のために、社員が抱える不満や悩みをしっかりと拾い上げてみましょう。

年齢やポジションなど関係なく、定期的なミーティングなどの意見交換をできる場を増やし、風通しの良い職場環境を整えていくことが重要です。従業員が意見を自由に述べられる環境を作ることで、職場の雰囲気を改善し、従業員の満足度も向上させます。

定期的なミーティングなどをおこない、フィードバックやアイデアの共有を奨励しましょう。

また、従業員の意見を改善策に取り入れることで、自分も会社の一員だという当事者意識も高まるでしょう。

多様性がある働き方ができる環境を整備する

時短勤務や可能な限りテレワークにするなどの制度があれば、育児や介護による離職を検討していても離職を選択せずに働き続けることが可能です。育児や介護などのライフイベントは多くの人が経験するため、致し方なく離職する人がいれば、同じ壁に当たった人の離職率は伴って高くなります。

また、育児・介護休業法への対応も重要です。希望した人が制度を快く利用できる環境を整えることで、会社への安心感にもつながります。

育成施策の見直しを行う

社員が望むキャリアプランに合った育成施策があれば、この会社にいることに利益があり、転職を考える必要がなくなります。

人材育成の方向性を明確にするためには、下記の順番に見直していくといいでしょう。

  1. 現状の課題を把握する
  2. キャリアマップと職業能力評価シートを作成し、目標を定める
  3. 人材の育成方法の決定

それぞれ解説していきます。

1,現状の課題を把握する

人材育成ではまず現状と課題を共有し、どのような人材がいれば解決に向かうのかを洗い出します。

・理想と現実の違いについて

・どの仕事を誰がどのようにおこなっており、効率よくまわっているか

現場での問題は現場にいる人間が一番わかっているため、実際に業務をおこなう従業員の声を中心にまとめることが大切です。

2,キャリアマップと職業能力評価シートを作成し、目標を定める

企業が目指すべき姿と現状が把握できたら、次は キャリアマップと職業能力評価シート を作成します。

効果的な能力開発や評価レベルの向上、キャリアパスの明確化、人材の早期育成を目的に、キャリアマップと合わせて職業能力評価シートを活用することで、キャリアの道筋に沿った社員の成長を支援することが可能になります。

キャリアマップを作成すると、スキルの見直しだけでなく、今後取得すべきスキルが可視化され、明確な目標ができます。キャリアマップは、理想の企業になるために何をしたらいいのか洗い出し、項目ごとにわけます。

3,人材の育成方法の決定

キャリアマップと職業能力評価シートを作成し、現在持っている力とこれからやるべき項目や程度、学ぶべき対象がわかったら、次は人材育成の手法を決定します。

新卒であれば、社会人として必要なOJTや、最初に獲得すべきスキルや知識を学ぶのもいいでしょう。

見直すことで育成担当者も何をすればいいのかわかりやすく、円滑に育成の施策に取り組めます。

また、何店舗かあれば、見直した結果を共有し改善していくことで会社全体がいい方向に向かうでしょう。人材は、企業にとって重要な資産です。戦略的かつ多角的なアプローチで育成に取り組むことが肝心です。

研修制度を整える

新卒の研修も大事ですが、階層別研修、職務別研修、選抜型研修など、目的別の研修プログラムもおこないましょう。従業員のスキルアップとキャリア形成を後押しできる学びの機会は、自己実現を望む人たちにとって非常に魅力的です。

各社員が自分にあった研修を受けることで全社的なスキルアップやリーダー育成が可能になり生産性もあがります。研修の効率化を図りたい場合は、外部講師などの社外の利用も検討しましょう。社内のやり方だけではなく、社外のやり方が加わることも従業員にとっていい刺激をうみます。

福利厚生を充実させる

福利厚生とは、企業が給与や賞与にプラスする形で社員に提供する報酬です。手厚い福利厚生は従業員の満足度を高め、定着率も高くなります。

具体例は以下のとおりです。

  • 住宅補助
  • 資格取得の支援、セミナー参加補助
  • 誕生日休暇などの休暇制度
  • 家族手当、子育て支援制度

社員のニーズに合った福利厚生を提供し、充実させることで、会社の居心地のよさにつながります。

面談を定期的に行えるように仕組みを整える

社員のキャリアプランを形成するためには、定期的に面談を行うことが大切です。社員の目線や立場に合った取り組みを進めていくために、年齢やポジション関係なくどのようなキャリアプランがあるのか、どういった育成施策があればいいかなど話し合う機会があるとより良いです。

具体例は以下のとおりです。

  • 1on1ミーティング
  • メンター制度

面談も含め、しっかりとコミュニケーションを取ることで、従業員が自社で働く目標が立てやすくなり、定着率も上がるでしょう。

まとめ

今では、転職するという選択肢が当たり前になってきた今、定着率が下がり、離職率が高くなることは経営の不安定化を招きかねません。従業員の離職を防ぐために、コミュニケーションをとりながら、不安や悩みを解決する適切な対策を講じましょう。対策をしたからいいのではなく、結果が出てはじめて企業や従業員に合った対策の評価となるので、常に改善をしていくように努めましょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。