お客様は待っていても来てくれません。特に美容業や飲食業のように競合が多い店舗ビジネスでは、売上げや利益を上げるために広告を打ち出し、集客に努めることが大切です。
今回の記事では、集客におすすめの広告媒体とそれぞれの費用相場について解説します。
集客にお困りの経営者や店舗運営の担当者は、ぜひ参考にしてください。
広告で集客を成功させるコツ
広告は出すだけで集客できるわけではありません。集客につなげるには以下の6つを意識することが大切です。
- ターゲットを明確にする
- 自社ターゲットがよく使う媒体で広告を出す
- 広告は継続的に出しておく
- 複数の広告媒体を併用する
- 一定期間で分析し広告内容を見直す
- 広告運用が得意な人材を採用する
以上の点を無視して広告を出しても、各媒体がもつ広告効果を実感できない可能性が高いです。
順番に詳しく解説しますので、まずは広告で集客を成功させるコツを意識しましょう。
ターゲットを明確にする
まずは狙うターゲットを明確にすることが大切です。
ターゲットマーケティングともいわれるもので、STP分析における「T(ターゲティング)」に注力した手法です。
STP分析とはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の略称で、各3つの視点で分析し、企業利益の最大化を目指します。
STP分析を構成する3要素を簡単に解説すると、次のとおりです。
【セグメンテーション】 市場や自社の顧客を細分化し、ターゲット顧客を絞る。4つに分類される細分化変数を元に細分化するほか、自社の顧客を購買特性で分類するのもこれにあたる。 【ターゲティング】 セグメンテーションで分類したグループからターゲットを定める。1つに絞る「集中型マーケティング」や、複数のグループをターゲットに異なるマーケティングを行う「差別型マーケティング」がある。 【ポジショニング】 ターゲット市場で自社の強みを発揮できる立ち位置を分析し、顧客視点からの自社の価値と行うべきプロモーションを明確にする。 |
ターゲットを決めなければ、広い層にアピールできる可能性があります。しかし、自社のビジネスの顧客層が限られている場合、範囲を広げるほど集客率は低くなります。
そこで広告を打ち出す前に、狙うべき顧客層および自社の顧客層を分析し、ターゲットを明確に定めましょう。
自社ターゲットがよく使う媒体で広告を出す
広告は自社のターゲット顧客がよく使う媒体で出しましょう。特に年齢層によって情報を得るツールは大きく異なります。
総務省の調査によると、情報源としてのインターネットの重要度は20代や30代の場合90%近くなっています。一方60代では、インターネットの情報源としての重要度は60%を下回り、テレビや新聞の重要度が高い傾向です。
また、同調査によるソーシャルメディアの利用率に関する調査結果では、YoutubeやLINEは全世代で利用されているものの、Instagramは50代や60代、男性の利用率が低くなっています。
この結果からわかるように、年代によって情報を得るツールや利用しているソーシャルメディアは異なります。
広告で集客するには、自社のターゲット層が使う媒体で広告を出すことが重要です。
広告は継続的に出しておく
広告は、継続的に出すことで継続的な集客につながります。なぜなら人はよいと思ったものでも時間の経過とともに忘れてしまうからです。
人の長期記憶に関する研究結果のもと提唱された「エビングハウスの忘却曲線」をご存知の方もいるのではないでしょうか。
時間の経過と記憶の関係を表した曲線で、復習をしなかった場合、1日後には74%、1週間後には77%、1カ月後には79%を忘れてしまうことを示しています。しかし間で復習を加え、反復させていくと記憶に定着しやすくなります。
つまり、一度広告を出して人々に認識されても1カ月も経てば、80%の割合で忘れられている可能性があるのです。
お店の存在を人々に覚えてもらうには、継続的に広告を打ち続ける必要があります。
複数の広告媒体を併用する
広告を出す場合には1つの媒体に絞るのではなく、違う性質をもつ複数の媒体をおすすめします。
ターゲット層を絞ると効果の高い広告媒体も絞れます。しかし20代や30代でもソーシャルメディアを使わない人や、ソーシャルメディアとテレビ両方で情報収集をする人もいます。
通勤で駅を使う人の場合、駅構内にある広告を無意識にインプットしている可能性もあるでしょう。
媒体ごとに性質や特徴が異なるため、併用することで集客効果の向上が期待できます。
一定期間で分析し広告内容を見直す
広告の効果を高めるには一定期間ごとに分析し、見直しましょう。
広告の目的は広告を出すことではなく集客です。掲載した広告によってどれほど集客できたのか、集客につながっていないのであれば、何がいけなかったのかを分析し、次の掲載に活かすことが大切です。
たとえば、分析機能が付いたオンライン広告であれば簡単に分析を行えます。またオフライン広告でもお客様に来店きっかけを伺ったり、チラシに特典をつけて来店時に持参いただいたりすればある程度の効果分析ができるでしょう。
ただし使う媒体によって効果が出るまでの期間が異なるため、分析のタイミングに注意が必要です。
広告運用が得意な人材を採用する
広告で集客の効果を最大限獲得するには、広告運用が得意な人材の採用をおすすめします。
最近では広告運用初心者でも簡単に使える分析ツールなども増えていますが、広告運用の経験者や知識に長けた人材がいるほうがより高い効果を狙えるでしょう。
広告運用はデータを見るだけでなく、地域の人の流れや経済、流行の変化などを敏感に捉える必要があり、経験や知識も運用に不可欠です。
今自社に広告運用が得意な人材がいない場合は、新たに採用することも検討しましょう。
欲しい人材を獲得するためのコツは下記サイトからご覧ください(ダウンロード無料です)
関連リンク
オンライン広告による集客のメリット
総務省が電通の調査を元にまとめた報告書によると、オンライン(インターネット)広告にかける費用の伸び率は右肩上がりで、今後も増え続けると予測されます。
特に10代から40代では8割以上がインターネットで情報収集しており、オンライン広告による集客は今の時代において高い効果が期待できるといえます。(参照:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 |総務省情報通信政策研究所)
さらにオンライン広告には以下のようなメリットがあります。
- 自社のターゲットに絞って配信できる
- 低価格から広告を出せる
- 分析や測定機能がありPDCAに活かせる
- 広告の内容変更や停止を行いやすい
- 人件費をかけずに営業時間外の集客ができる
自社のターゲットに絞って配信できる
オンライン広告は自社のターゲットに絞った配信が可能です。
ターゲティング広告といわれるもので、SNSやインターネットサイトを使うユーザーから自社のターゲットに当てはまるユーザーに限定して配信するものです。
またオンライン広告はユーザーの位置情報をもとに、狙いたい地域のターゲットのみへの配信もできます。
低価格から広告を出せる
オンライン広告は、広告枠を買い取る「純広告」と予算や内容に応じて運用する「運用型広告」の2つに分かれています。後者の「運用型広告」であれば少額から広告を始めることが可能です。
リスティング広告やSNS広告で用いられている運用型広告は、主に課金式になっています。広告がクリックされたら費用が発生するクリック課金や、1000回表示される度に広告費が発生するインプレッション課金などがあります。
あらかじめ入札価格を設定して始めるため、月数万円から10万円程度の予算でも広告掲載を始められます。入札価格とは広告スペースを得るための上限額を指します。
オンライン広告とオフライン広告の費用相場は以下のとおりです。詳しくは後ほど媒体ごとに解説します。
オンライン広告 |
クリック課金 |
1クリック数十円~ |
インプレッション課金 |
表示1000回につき数十円から500円程度 |
|
オフライン広告 |
折込チラシ |
1枚3円前後から(東京エリアの場合) |
駅や街中のポスター |
1万9000~7万6000円(JR東日本 駅張りポスター・A等級・7日間) |
分析や測定機能がありPDCAに活かせる
自社ホームページやSNSなど各種オンライン広告には分析や測定機能がついており、広告の改善に活かせます。
オンライン広告のアクセス解析ツールや広告分析では、以下のような内容がわかります。
- インプレッション数(広告が表示された回数)
- クリック数(広告がクリックされた回数=広告に興味をもった人)
- コンバージョン数(予約や商品購入など自社の成果につながった件数)
- クリック率(インプレッション数に対するクリック数の割合/クリック数÷インプレッション数×100)
- コンバージョン率(クリック数に対するコンバージョン数の割合/コンバージョン数÷クリック数×100)
- 顧客獲得単価(広告費÷コンバージョン数)
オンライン広告は上記のデータをもとに分析を行い、より効果を出すための改善のポイントを見つけられるのがメリットです。
PDCAをしっかりと回し、広告の効果を最大化していけるのはオンライン広告の強みといえるでしょう。
広告の内容変更や停止を行いやすい
PDCAを回す中で変更が必要となった場合、オンライン広告なら広告の内容変更や停止を容易に行えます。
運用を委託せずに自社で行っている場合はすぐに編集が可能で、最新の情報をターゲットに届けられます。
費用や時間をほとんどかけることなく、内容変更や停止をできるのはオンライン広告のメリットといえるでしょう。
人件費をかけずに営業時間外の集客ができる
オンライン広告は営業時間外でも人の目に触れる可能性が高く、営業時間外の集客が期待できます。人件費もかかりません。
株式会社日本マーケティングリサーチ機構の調査によると、スマホを見る時間は18時から夜中0時の間が一番多いと回答した人が最も多く、全体の6割を超えています。
▼スマホを見るのが一番多い時間帯
さらに同調査の「スマホを何に使うか」の問いに約5割がアプリやゲームに、約2割が動画視聴に使うと回答しており、いずれもオンライン広告を打つのに適した環境です。
オンライン広告は店舗営業をしていない深夜帯でも店休日でも、ターゲットに届く可能性があり、集客につながる効果が期待できます。
オフライン広告による集客のメリット
オフライン広告には以下のメリットが期待できます。
- 地域密着の集客に強い
- 不特定多数や幅広い年齢層の集客ができる
ほかにもオフライン広告は紙媒体であることから、手元に残せて顧客のタイミングでいつでも内容を確認できるのもオフライン特有の利点といえます。
地域密着の集客に強い
広範囲を対象としたビジネスではなく、地域に根付いた店舗ビジネスの場合はオフライン広告による効果が期待できるでしょう。
ターミナル駅に店舗がある場合は駅構内にポスターを掲示したり、住宅地であれば住人が動く時間帯に合わせてチラシを配布したりすることで集客につなげられます。
発信手段として、SNSを活用したデジタルな方法はもちろん、チラシ配りというアナログな方法も活用したんです。(中略)朝と夜の通勤時間帯は駅前で、お昼は主婦の方が外出しているので大型スーパーの近くで配布しました。結果、より多くの方にオープンの情報を届けることができたんだと思います。
引用:モアリジョブ|NEUTRAL – produced by GARDEN 代表 野田泰宏さん
地域密着型のビジネスの場合、繁華街にある店よりリピート顧客の比率も高い傾向にあるため、ダイレクトメールのような再来店を促す広告も効果を発揮します。
不特定多数や幅広い年齢層の集客ができる
スーパーマーケットやコンビニエンスストアのように幅広い客層がターゲットとなる場合、不特定多数に打ち出すオフライン広告が効果的です。
また男女とも利用可能な美容室やエステサロンの場合も、オンライン広告と併用してオフライン広告を活用することでより高い集客につながります。
ただオフライン広告の媒体によっても効果を得られる年齢層や客層が絞られるケースがあります。
例えば月ぎめで新聞をとっている人の割合は60代から70代では7割前後いますが、30代から40代では2割から3割程度です。
▼月ぎめで新聞を取っている人の割合(年代別、時系列)
画像出典:第17回メディアに関する世論調査(2024年)|公益財団法人 新聞通信調査会
30代や40代をターゲットにする場合は新聞折込チラシよりも、30代や40代が住んでいそうなマンションを狙ったポスティングのほうが高い効果を期待できるでしょう。
店舗集客に効果的なオンライン広告と費用相場
集客に効果的なオンライン広告を7つ紹介します。費用相場や特徴についても簡単に解説するので、参考にしてください。
自社ホームページ
ホームページは集客効果のあるツールのひとつです。
自社の情報紹介や取り扱う商品、サービスの紹介を通じて消費者の購買意欲を高め、購入や来店へ誘導します。
ホームページを作成する際には顧客ターゲットが検索したキーワードで、自社のホームページが上位に来るよう対策を打つ必要があります。SEOといわれるもので検索に関する専門的な知識が必要です。
自社でも作成できますが、SEOに強い専門家に任せるほうが短期間での集客が期待できます。
なお費用相場は、依頼する制作会社やホームページの仕様によって異なります。サイトを管理する月額費用も必要です。
大手の製作会社 |
中小規模の制作会社 |
|
費用相場 |
100万円以上 |
30~100万円 |
管理費用 |
月額 2~5万円 |
月額 1~3万円 |
ホームページは作って終わりではありません。競合サイトや時代の変化を見ながら定期的にアップデートする必要があり、管理費用はそのための必要経費です。
専門家に制作を依頼することでSEOのノウハウも学べ、今後の集客に活かすこともできます。
集客を学ぶために初めて広告費を使い、お店のホームページを作成しました。ほとんどお金はありませんでしたが、「これでダメだったら、アルバイトをしてでも返そう」と腹をくくって投資をしたのです。
引用:モアリジョブ|株式会社CHOUCHOU 代表 武藤鎌矢さん
リスティング広告
リスティング広告とはユーザーが検索したキーワードに合わせて表示される広告です。検索に連動しているため、検索連動型広告とも呼ばれます。
検索キーワードを指定して広告を出すため、狙ったターゲットに自社の商品やサービスの情報を届けられます。
リスティング広告はユーザーがクリックするごとに費用が発生する「クリック課金制」です。広告が表示されただけでは広告費用はかかりません。
クリック課金 |
数十円~数千円/1クリック |
初期予算相場 |
20~30万円 |
1クリックの平均単価は業界や設定するキーワードによって異なります。小規模事業の場合、1カ月数万円から10万円以下で始める人もいます。
なおリスティング広告は入札形式で掲載の順位が変わります。掲載順位はクリックされた際に発生する費用の上限クリック単価や、広告の品質などの「広告ランク」によってきまります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とはWebサイトやアプリの広告枠に表示される広告です。
画像や動画も使えるため、テキストのみで表示されるリスティング広告と異なり、視覚的にアプローチできます。
キーワード検索にはまだ至っていない潜在層のユーザーをターゲットにする際に有効で、幅広い層に向けて広告を出したい場合に向いています。
ディスプレイ広告はクリック課金とインプレッション課金、2つの課金方式から選べます。
費用相場は以下のとおりです。
クリック課金 |
50~100円/1クリック |
インプレッション課金 |
数十円~数百円/1000回表示 |
月額相場 |
20~50万円 |
ディスプレイ広告はバナーや動画を作成する必要があるため、テキストのみのリスティング広告より高くなる傾向です。
LINE広告
LINE広告はLINEトークやLINE NEWS、LINE マンガなどLINEが運営するプラットフォームに表示される広告です。
総務省の調査によるとLINEの利用率は94.9%で、ソーシャルメディア系サービスやアプリの利用率の低い70代でも6割以上が使っているユーザー数の多い媒体です。
高い年齢層も含め、幅広い年齢層におすすめのオンライン広告といえるでしょう。
LINE広告には「クリック課金」「インプレッション課金」「友達追加ごとに課金」と3つの課金方式があります。
リスティング広告と同じく入札形式で広告が掲載されますが、LINE広告の場合、入札価格が高い順に掲載されます。
いずれの課金方式も上限の予算を自由に決められ、途中で予算の変更も可能です。最低入札価格は以下のように設定されています。
最低設定価格 |
|
クリック課金 |
24円/手動入札 36円/自動入札 |
インプレッション課金 |
200円/1000回表示 ※手動入札のみ |
友達追加ごとに課金 |
50円/手動入札 75円/自動入札 |
※手動入札は運用担当者が都度入札価格を調整、自動入札は自動で入札価格を調整運用
なお、月額の予算も自由に設定できます。集客につなげるための月額の費用相場は10〜30万円とされています。
SNS広告
SNS広告とはInstagramやX(旧Twitter)、Facebookなどのタイムラインやストーリーズに表示される広告です。
年代や性別によって利用するSNSが異なるため、世代を絞った集客に適しています。
主な課金方式と費用は以下のとおりです。
クリック課金 |
20~200円/1クリック |
インプレッション課金 |
100~1,000円/1,000回表示 |
アプリインストール課金 |
100~250円/1インストール |
動画再生課金 |
5~150円/1再生 |
エンゲージメント課金(※) |
40~100円/1エンゲージメント |
フォロー課金 |
40~100円/1フォロー |
※エンゲージメント課金とはコメントやリポスト、いいねなどユーザーからアクションがあったタイミングで発生する課金方式を指す
SNS広告と似たものにSNS運用があります。どちらもSNSマーケティングですが、SNS広告はSNSプラットフォームに広告を出すもので、短期間での集客が期待できます。
一方でSNS運用はコンテンツを投稿し、フォロワーを増やすなど中長期をかけて成果を出していくものです。
SNS広告はフォロワーを増やすのにも有効なため、SNS運用を検討している人はまずはSNS広告から始めてみるのもよいでしょう。
フリーランススタイリストとして働くいっせいさんも、SNS広告でフォロワー数アップに成功したひとりです。
Instagramの機能にある、広告ツールです。1ヶ月10万円を支払うと、自分がターゲットにしている人に広告を表示してくれるんです。実際にその広告ツールを使用してフォロワーが増えた知り合いがいて。半年間継続した結果、計60万くらいで3千人ほど増えました。
引用:モアリジョブ|フリーランススタイリスト いっせいさん
メールマガジン・ステップメール
メールは既存顧客の集客におすすめの媒体で、メールマガジンとステップメールに分けられます。
集客を目的としたメールマガジンでは新製品やセールのお知らせ、誕生日クーポンの配布などを行い、販促意欲を高めるのが主な目的です。セール前や閑散期など、店舗側の都合に合わせたタイミングで送る傾向が強いです。
一方ステップメールは来店日を起点とし、顧客ごとに個別に送るメールです。ステップメールは主に「来店当日から数日以内」「1カ月後」「3カ月後」「半年後」と予め定めて置いた一定期間ごとに送ります。顧客に店舗のことを思い出してもらい、再来店を促すのが目的です。
メールマガジンもステップメールも無料で行える集客方法のため、積極的に活用していきましょう。
ステップメールは自動配信機能があるreservia(リザービア)がおすすめです。配信タイミングとメッセージを事前登録しておくだけで、既存客のフォローができます。
詳しくはこちらをご覧ください。
検索予約サービスサイト
店舗集客には各業態に強い検索予約サービスのサイトを使うのもおすすめです。
飲食店なら食べログ、美容室やリラクゼーションサロンなど美容系ならホットペッパービューティーやリザービアがあります。
検索予約サービスサイトの費用は月額定額制と成功報酬制に分かれます。月額定額制は集客人数に関わらず一定の金額が毎月かかりますが、成功報酬制の場合は集客の人数によって費用が異なるのが大きな違いです。
自動で予約確定されるため、他の予約導線を併用している場合にはダブルブッキングに注意しましょう。
リザービアはLINEや各種SNSなど各種予約導線を一元化でき、ダブルブッキング防止や予約管理の効率化の向上に貢献します。Googleマップからの直接予約も可能です。
店舗集客に効果的なオフライン広告と費用相場
地域密着型の店舗運営にはオフライン広告による集客もおすすめです。店舗集客に向いているオフライン広告を4つ紹介します。
ポスティング
居住者が多い住宅地ではポスティングによる集客も期待できます。
ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、美容室の初回来店時の重視点は「自宅から近い」が34.6%ともっとも高い結果となっています。
美容室だけでなく、小さな子どもを連れた場合やゆっくりしたい休日は近くの店舗で用事を済ませたいと思う人は多いでしょう。
チラシの反応率(配布したチラシから反応があった比率)は一般的に0.01%から0.3%といわれており、1万枚配布した場合1〜30人から反応を得られるイメージです。
チラシ1万枚の印刷費用は約2万円のため、単純に見ると決して高い集客率とはいえません。
印刷紙の種類 |
費用 |
A4カラー/光沢紙/厚さ標準/片面印刷 |
約2万円 |
A4モノクロ/光沢紙/厚さ標準/片面印刷 |
約1万7000円 |
参考:ネット印刷 ラクスル
ポスティングをする際にはターゲットが居住していそうな物件に絞ったり、目に留まるデザインにしたりと、反応率を高めていくための試行錯誤が大切です。
折り込みチラシ
折り込みチラシは新聞の購読者の手元まで確実に届くため、目に留まる確率が高いです。
チラシを折り込む日と地域を指定できるため、開店日やセールに合わせた集客効果が期待できます。ピンポイントで地域に密着した広告を打ちたいときに効果を発揮する媒体です。
折り込みチラシの費用相場は以下のとおりです。なお、折り込みチラシは新聞販売店の最低発行枚数に準ずる必要があり、平均3000枚程度といわれています。
チラシサイズ |
単価 |
3000枚 |
1万枚 |
3万枚 |
A4 |
3.4円 |
1万200円 |
3万4000円 |
10万2000円 |
A5 |
2.8円 |
8400円 |
2万8000円 |
8万4000円 |
参考:折込チラシ屋さん
折り込み枚数やエリアによっては別途、折込配布手数料や配送料がかかる場合もあります。
駅や街中のポスター
人の往来が多い場所から近いエリアに店舗がある場合、駅や街中に掲示するポスターによる集客も期待できます。
JR東日本の調査によると新宿駅では1日平均約65万人、東京駅では約40万人が駅を利用しています。
▼参考用データ:東京駅の利用人数/日
ゴールデンウィークや夏休み期間は観光客の増加も見込まれるため、駅利用者からの集客を狙うには有効な広告媒体といえるでしょう。
駅のポスターの費用相場は以下のとおりです。費用は利用者が多い駅や繁華街にある駅ほど高い傾向で、利用者が少ない駅は半分以下と大幅な費用格差があります。
等級 |
価格 |
S(新宿) |
2万1000~8万4000円 |
A(池袋、東京、秋葉原など) |
1万9000~7万6000円 |
C(新大久保、高円寺など) |
9000~3万6000円 |
参考:交通広告ナビ ※ポスターの価格は大きさによっても異なる
ダイレクトメール
既存顧客からのリピート来店の集客にはダイレクトメールもおすすめです。
顧客リストの中から特定の相手へ封書やはがきを送付するもので、インターネット社会の時代だからこそ記憶に残りやすい利点があります。
封書やハガキの目立つ箇所に「限定クーポン付き」や「期間限定のお得情報」のような顧客が気になるワードを入れるなど、読んでもらう工夫も大切です。
ダイレクトメールは自社で作成して送付する以外に、業者へ印刷から発送までを委託することもできます。
広告を出す際の注意点
最後に広告を出す際の注意点について解説します。以下2つを理解し、より効果の高い広告を打ち出しましょう。
競合が多いエリアでは相応の広告費を要する
同業種が多い競合エリアで集客するには、相応の広告費用を要します。
たとえば美容室が1つしかないエリアに広告を出せばすぐに見つけてもらえますが、100店舗の美容室がある場合、広告を出しても他の美容室の広告に埋もれてしまいます。
検索予約サービスサイトには掲載費が高い順に上位表示されるものがあり、競合が多いエリアで上位表示されるには掲載費を上げなくてはなりません。
また、競合が多いエリアでは好立地の場所に大きなポスターを出したり、折込チラシやポスティングの対象エリアを広げたりする必要もあります。いずれの場合も広告にかかる費用は高くなるでしょう。
Webマーケティングスキルを要する
広告で集客していくにはWeb広告業界の変化や顧客のニーズなど、Webマーケティングに必要なスキルを高めなければなりません。
エリアやターゲットの動向を調査して適切な広告媒体を使わないと広告費用が無駄になってしまう可能性もあるからです。
色々なサロンを集約したポータルサイトに掲載すると価格で比較されやすく、うちのようなサロンは不利になるんです。渋谷や新宿といったメジャーなエリアではないので、サイト内で検索もされにくくて。ポータルサイトのバナー広告にも何十万円の広告費をかけたこともありますが、全然来ませんでしたね(笑)。
引用:モアリジョブ|アンリュミエール オーナー 保戸塚優美さん
専門家に任せることもできますが、採用や育成を通じて店舗や自社のWebマーケティングスキルを底上げすれば、広告費用の軽減や持続的な集客力アップにつなげられます。
まとめ
本文を総括すると次のとおりです。
- 広告は定めたターゲットに合う広告媒体を使う
- 複数の広告媒体を併用し、一定期間で分析・見直しをする
- オンライン広告は分析がしやすく、低価格から広告掲載ができる
- オフライン広告は不特定多数や地域密着の集客に強い
- Webマーケティングスキルを高めて、集客につなげられる広告運用を行う

- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部