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アイサロン開業の方法3選|成功事例をもとに失敗しない開業方法を解説!

アイサロン開業の方法3選|成功事例をもとに失敗しない開業方法を解説!

アイサロンの開業を考えているものの「開業資金はどのくらい必要なのか」「どんな資格を取得すればいいのか」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、アイサロン開業に必要な資格や書類、具体的な開業資金、成功するための集客方法まで、開業に必要な情報を網羅的に解説します。

実際の成功事例も交えながら、開業への一歩を踏み出すための実践的な知識をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

アイサロンの市場はコロナ禍から右肩上がり

アイサロン市場は、新型コロナウイルスの影響から脱却し、大幅な成長を遂げています。

ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、アイサロンの利用率はコロナ禍が明けてから8.0%から11.8%まで上昇しました。

1.過去1年のアイサロンの利用率

また市場規模も同様の傾向を示しています。ホットペッパービューティーの調査によると、コロナ禍で777億円まで縮小していた市場規模が、2024年には1,179億円まで回復。約1.5倍の規模に拡大し、力強い回復基調が続いています。

2.アイビューティーサロンの市場規模

ただし、利用金額については注意が必要です。右肩上がりの傾向は続いているものの、2024年からは横ばいの状態となっているため、今後の動向を注視する必要があるでしょう。

また興味深いのは、コロナ禍がアイサロン業界にとって必ずしもマイナスばかりではなかった点です。マスク着用が日常化したことで、露出する目元や眉毛への美容意識が高まり、むしろ追い風となる側面もありました。

実際の事業者の声からも、この傾向が裏付けられています。

その後、コロナ禍に突入。はじめは焦りましたが、マスク生活で露出する目元や眉毛をきれいにしようという美容意識の高い方々が多くなり、逆に予約数が増えたんです。そこから順調に店舗数を増やしていき、現在は19店舗になっています。

引用:モアリジョブ|株式会社Lime 代表 矢口俊貴さん

このように、アイサロン市場は逆境をチャンスに変えて成長してきました。今後開業を検討する方にとって、市場の拡大基調は心強い材料といえるでしょう。

アイサロンは儲かりやすいって本当?

結論からいうと、アイサロンは商材の原価が低いため、利益を上げやすいビジネスモデルです。

まつエクの施術で使用する商材は、1回あたり100~300円程度のコストしかかかりません。施術料金はサロンによって異なりますが、材料費の低さが高い利益率を実現する大きな要因となっています。

また、アイリストの技術が向上すれば施術料金を引き上げられるため、さらなる収益アップも見込めます。

実際にどの程度の利益を見込めるのか、具体的な数字で見ていきましょう。

【前提条件】

  • 施術単価:6,500円
  • 1日の施術人数:4名
  • 月間営業日数:22日

【売上計算】

  • 1日の売上:6,500円×4名=2万6,000円
  • 月間売上:2万6,000円×22日=57万2,000円

【経費の内訳】

  • 材料費:250円×88回(月間施術回数)=2万2,000円
  • 光熱費・通信費:約8,000円
  • 広告宣伝費:約3万円
  • 経費合計:6万円

【純利益の算出】

月間売上57万2,000円-経費6万円=51万2,000円

自宅でサロンを開業する場合は、家賃や人件費が不要なため、利益率はさらに高まるでしょう。

ただし、この数字はあくまで一例です。集客力や技術レベルによって売上は大きく変動します。競合が多いエリアでは、他店との差別化やサービスの質向上が欠かせません。また、開業時の初期投資や資格取得にかかる費用も考慮に入れる必要があります。

とはいえ、低コストで高収益を狙えるビジネスモデルであることは間違いありません。適切な戦略と努力次第で、安定した収益を実現できるでしょう。

アイサロンの年収目安

アイサロン経営者の年収は、店舗の規模や立地、スタッフ体制などによって幅があります。一般的な目安として、年収は約250万~500万円程度といわれています。

材料コストが抑えられるビジネス特性上、利益を確保しやすい点が特徴です。ただし、実際の収入は以下の要素で大きく変動します。

  • 店舗の家賃や立地条件
  • 雇用するスタッフの人数
  • 客単価と来店頻度
  • リピート率や口コミ評価

丁寧な施術と接客を心がけ、リピーターを獲得する努力を継続することが、安定した収益につながるでしょう。

アイサロンの開業方法3選

アイサロンの主な開業方法は次の通りです。

1.自宅やマンションの一室で開業

2.店舗開業

3.フランチャイズ開業

以下にて具体的な開業方法を解説します。

1.自宅やマンションの一室で開業

最初にご紹介するのは、自宅やマンションの一室を活用して開業する方法です。持ち家であれば家賃負担がゼロになる点が最大の魅力といえるでしょう。賃貸物件であっても、商業用テナントと比較すれば費用を大幅に抑えられます。

ただし注意点もあります。賃貸マンションの場合、契約内容によっては営業行為が禁止されているケースがあるため、開業前に必ず大家さんや管理会社へ確認する必要があります。

また、自宅開業であっても保健所への届出は必須です。施術スペースの広さや換気設備など、保健所が定める基準を満たさなければなりません。

基準は地域によって異なるため、開業予定地を管轄する保健所への事前相談をおすすめします。

なお、自宅開業の場合、初期費用はおよそ150万~250万円が目安となります。

2.店舗開業

2つ目は、商業用テナントを借りて開業する方法で、駅前や繁華街など、人通りの多い立地を選べる点が強みです。

集客しやすい場所に出店できれば、開業初期から安定した来客が見込めるでしょう。居抜き物件を活用できれば、内装工事の費用を削減できる可能性もあります。

一方で、敷金や礼金、仲介手数料といった初期コストがかかる点に気を付けなければなりません。内装工事が必要な場合は、さらに費用が膨らむため注意が必要です。

店舗開業に必要な資金は、物件の立地や広さによって変動しますが、300万円前後を想定しておくとよいでしょう。

なお、シェアサロンやレンタルサロンを活用する選択肢もあります。この場合、物件取得費用が不要で設備も整っているため、50万円程度で開業できるケースもあります。

3.フランチャイズ開業

3つ目は既存ブランドとフランチャイズ契約を結んで開業する方法で、すでに知名度のあるブランド力を活用できる点が大きなメリットです。

経営ノウハウや技術研修のサポートを受けられるため、美容業界での経験が浅い方でも比較的安心してスタートできます。

反面、毎月のロイヤリティや加盟時の費用負担があります。また、本部の方針に従う必要があるため、自分の理想とする店舗運営ができない可能性がある点には留意が必要です。

フランチャイズ開業の初期費用は、加盟金や保証金だけで数百万円に達するケースが多く、500万~1,000万円程度の資金を用意しておくべきでしょう。

ただし、研修制度が充実しているフランチャイズであれば、スタッフ育成もスムーズに進み、複数店舗展開も視野に入れられます。

実際に成功している事例を見てみましょう。

店舗数はフランチャイズ店を含めて、今80店舗を展開していまして、月8から10店舗出店することもあります。

(中略)

ここ最近は、月に10名以上の採用が決まっています。研修に力を入れるなど技術を学べる環境が整っているので、新しい技術を学びたい方、向上心のある方が多く入社される印象です。

引用:モアリジョブ|株式会社Lime 事業責任者 林治希さん

このように、教育体制が整っているフランチャイズでは、人材確保もしやすく、事業拡大のスピードを加速できる可能性があります。

アイサロン開業に必要な書類

アイサロンを開業する際に提出が必要な書類は次の通りです。

  • 開業届
  • 美容所開設届

それぞれの提出先や期限について解説します。

開業届

個人でアイサロンを営む場合、税務署への開業届提出が求められます。

国税庁のWebサイトから書類をダウンロードし、必要事項を記載したうえで、事業所の住所を管轄する税務署へ提出しましょう。

提出の期限は事業スタートから1ヵ月以内です。ただし開業時はさまざまな準備に追われるため、できるだけ早い段階で手続きを完了させておくと安心です。

なお、届出を怠っても直接的な罰則規定はありません。しかし青色申告による税制優遇を受けるためには、開業届の提出が前提となります。

節税メリットを活かすためにも、必ず提出しておきましょう。

参考:国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

参考:国税庁「青色申告制度」

美容所開設届

アイサロンを開設する際は、店舗所在地を管轄する保健所への届出が法律で義務付けられています。

届出後、保健所の職員による現地調査が実施されます。この調査では、衛生管理や設備基準などが地域ごとの規定に適合しているかが確認されます。審査に合格すると、美容所としての確認証が発行される仕組みです。

基準の詳細は自治体によって違いがあるため、事前に管轄の保健所へ問い合わせて確認してのが重要です。

審査には一定の時間を要するため、開業予定日の2週間以上前には届出を済ませておきましょう。

注意点として、この届出をせずに営業した場合は違法行為となり、30万円以下の罰金が科される可能性がありますので必ず手続きを行ってください。

アイサロン開業に必要な資格

アイサロンを開業・運営するために必要な資格は次の通りです。

  • 美容師免許と管理美容師免許
  • 美容所の登録

それぞれの取得条件や注意点を見ていきましょう。

美容師免許と管理美容師免許

アイリストとして施術を行うには、美容師免許の保有が法律で定められています。無資格での施術は美容師法違反に該当するため、必ず取得が必要です。

ただし、オーナーとして経営のみを担当し、自分では施術を行わない場合は取得義務はありません。

また、スタッフを雇用してアイリストが複数名在籍する場合、管理美容師免許を持つ者が最低1名必要です。全スタッフが取得する必要はなく、誰か1人が保有していれば問題ありません。

この資格を取得するには、国内で美容業務に3年以上従事した実績が求められます。その上で指定の講習を受講すれば取得可能です。

なお、1人サロンとして自分だけで施術を行う場合、管理美容師免許は不要となります。美容師免許のみで開業・運営が可能です。

美容所の登録

アイサロンを正式に営業するには、美容所としての登録手続きが必須です。

前述した「美容所開設届」を保健所に提出し、審査を通過することで登録が完了します。

この登録なしに営業を始めると法律違反となるため、開業準備の段階で必ず手続きを進めておきましょう。

アイサロン開業に必要な手続きの流れ

アイサロンを開業するまでの手続きは次の流れで進めます。

  1. 開業の計画
  2. 資金調達
  3. 工事や設備の準備
  4. 採用活動スタート
  5. 美容所登録
  6. 開業届の提出
  7. 保険加入
  8. オープン

各ステップの詳細を見ていきましょう。

1.開業の計画

アイサロンを開業する第一歩として、事業コンセプトと具体的な計画を固めます。

コンセプトとは、サロンが顧客に届けたい価値や、どのような店舗を目指すのかという方向性を明確にしたものです。

たとえば「リラックスできる空間」「高技術で差別化」「低価格で通いやすさ重視」など、自分が実現したい世界観を言語化しましょう。

開業計画では、売上目標や利益の見込み、目標達成までのステップを設定します。月間の来客数やリピート率の目標値を設け、それを実現するための具体的な施策も同時に考えておくとスムーズです。

また物件選びも重要な検討事項です。周辺の競合状況、駅からのアクセス、視認性の高さなどを調査し、集客に有利な立地を見極めましょう。

家賃は立地条件に比例して変動するため、予算とのバランスを取りながら最適な物件を選定してください。

2.資金調達

開業に必要な費用を確保する段階です。

自己資金で全額をまかなえれば理想的ですが、不足する場合は外部からの資金調達を検討します。

選択肢としては、金融機関からの融資や、国・自治体の助成金・補助金の活用が挙げられます。特に日本政策金融公庫は、民間の銀行よりも低い金利で融資を受けられる可能性があるため、検討する価値は高いです。

事業計画書を丁寧に作成し、返済計画や収支見込みを明確に示せば、融資の審査通過率を高められるでしょう。

3.工事や設備の準備

物件が決まったら、内装・外装の工事に着手します。

居抜き物件を選択した場合、既存の設備をそのまま活用できるため、工事費用を大幅に削減できます。

工事のスケジュールに合わせて、施術用チェアやライト、消毒機器などの必要な機材を発注しましょう。搬入のタイミングも工事業者と調整が必要です。

また、電気・水道・ガスなどのインフラ契約も忘れずに手配してください。

4.採用活動スタート

開業日に向けてスタッフの採用活動を始めます。

研修期間を考慮すると、オープンの1ヵ月程度前には採用を確定させておくのが理想的です。

スタッフを迎える際は、働きやすい環境づくりが定着率を左右します。実際に働きやすさを重視した制度を導入している事例を見てみましょう。

代表的なものでいうと、自由度の高い休日設定制度があります。まず前提として、弊社はシフト制を採用しています。有給を使って連休を取得できるほか、月2回、土日に半休を取得することもできるんです。ライブなどのイベントは土日開催のものが多いじゃないですか。趣味を満喫してプライベートを充実させられれば、仕事の質も向上すると信じて採用しています。

(中略)

あとシフトが早番と遅番に分かれているのですが、毎月のシフト提出時に選べるようになっています。生活状況に合わせて設定できるので、プライベートな時間が阻害されないストレスフリーな勤務が可能です。

引用:モアリジョブ|株式会社CS オフィスマネージャー 逸見海斗さん

このように、柔軟な働き方を提示できれば、優秀な人材の確保と長期的な定着につながります。

5.美容所登録

保健所への美容所登録手続きを進めます。

まず管轄の保健所へ「美容所開設届」を提出します。提出後、保健所職員による現地確認が行われ、衛生基準や設備要件を満たしているかがチェックされます。

審査に通過すると、美容所確認証が交付され、正式に営業が認められます。審査には日数を要するため、開業予定日の1〜2週間前までには届出を完了させておきましょう。

自治体によって基準が異なるため、事前に保健所へ問い合わせて詳細を確認しておくとよいです。

6.開業届の提出

税務署へ開業届を提出します。

この手続きは事業開始から1ヵ月以内が期限とされています。国税庁のWebサイトから書類をダウンロードし、必要項目を記入のうえ、管轄の税務署へ提出しましょう。

開業届の提出により、青色申告の承認申請が可能になります。青色申告を利用すれば最大65万円の特別控除を受けられるため、節税効果が期待できます。

提出を忘れても罰則はありませんが、税制上のメリットを享受するためにも早めに手続きを済ませておきましょう。

7.保険加入

万が一のトラブルに備えて、賠償責任保険への加入を検討しましょう。

施術中の事故や、お客様の持ち物への損害など、予期せぬ事態が発生する可能性はゼロではありません。保険に加入しておけば、経済的なリスクを軽減できます。

また美容業界向けの保険商品も複数あるため、補償内容や保険料を比較して自店に適したものを選びましょう。

8.オープン

すべての準備が整ったら、いよいよ開業です。

オープン前には、内覧会やプレオープンを実施して、オペレーションの最終確認を行うと安心できます。

またSNSやチラシを活用した告知も忘れずに行い、初日から多くのお客様に来店していただける環境を整えましょう。

アイサロン開業を成功させるポイント

アイサロンを開業し、安定した経営を実現するためのポイントは次の通りです。

  • 入念な競合調査
  • 自サロンならではのコンセプト設計
  • ターゲットに合った適切な集客を行う
  • 効率的な採用活動
  • 従業員ファーストな環境づくり

それぞれ詳しく見ていきましょう。

入念な競合調査

開業前に周辺の競合サロンを徹底的にリサーチすれば、価格設定や営業時間を戦略的に決められます。他店が対応していない時間帯や価格帯を見つけられれば、それだけで十分な差別化要素になるでしょう。

実際に競合調査から営業時間の差別化に成功した事例を紹介します。

以前所属していたサロンでも赤坂周辺で勤務していたことがあり、この地域で働いているお客さまは経営者の方やバリバリとお仕事をされている方も多く、時間を大切にされている方が多い印象でした。実際お客さまから「夜遅くにやっているサロンはあるけど、朝早いところがない」と聞いたこともあって、早朝のニーズがあるのではないかと思ったんです。開業当時は6時に設定していたのですが、さすがにそれは早すぎて起きられないという方が多かったので(笑)、途中から7時に変更しました。まつげと眉毛のセットのメニューで1時間45分くらいなので、9時前にはお店を出ることができます。

引用:モアリジョブ|chiffon オーナー 関りささん

このように、顧客の声を拾いながら競合の営業状況を把握すれば、効果的な差別化戦略を立てられます。

自サロンならではのコンセプト設計

明確なコンセプトは、顧客に選ばれる理由を作ります。

「どんな価値を提供するサロンなのか」を言語化し、サービス内容や店舗の雰囲気に一貫性を持たせるのが効果的です。またコンセプトが明確であれば、顧客も「このサロンは自分に合っている」と感じやすくなります。

コンセプトに基づいたメニュー設計で成功している事例を見てみましょう。

当サロンは、「今」だけではなく、5年後、10年後の「未来」の綺麗も考える、がコンセプト。ただまつげを綺麗にするだけではありません。施術以外に、お客様のまつげや目元のお悩みを伺ってケアをするまでがワンセットと考えているため、90%以上のお客様がまつげの施術とケアのセットメニューでご利用いただけるように努めました。

それからは売上もキープできるようになりましたね。

引用:モアリジョブ|アイラッシュサロン経営者 當山佐菜さん

このように、コンセプトに沿ったサービスは顧客の共感を呼び、リピート率の向上にもつながります。

ターゲットに合った適切な集客を行う

アイサロンのメイン顧客層は20〜30代が中心です。ホットペッパービューティーの調査によると、20代女性の約3割が1年以内にサロンを利用していることが分かっています。

この世代にリーチするには、SNSやWeb広告の活用が欠かせません。

たとえば、InstagramやTikTokで施術のビフォーアフターを投稿したり、予約サイトでクーポンを配信したりと、ターゲットが日常的に使うツールで接点を作るのが効果的です。

広告宣伝への投資は、開業初期の認知拡大に直結します。無料で始められるSNSから着手し、予算に応じて有料広告も検討するとよいでしょう。

ただし、予算が潤沢でない場合、有料広告は後回しにしたほうがよいです。すでに大きな売上を作っているアイサロンの広告とぶつかると投資対効果を見込めないためです。スタートダッシュは重要ですが、慎重に検討しましょう。

効率的な採用活動

スタッフの採用は、サロン運営の成否を左右する重要な要素です。特に美容業界では人材不足が深刻化しているため、求人の出し方や採用のタイミングを工夫する必要があります。

SNSに詳しい従業員や開業スタッフとして働いた経験のある従業員がいれば、心強いパートナーになるはずです。

採用活動を効率的に進めるためのノウハウをまとめた資料がありますので、ぜひ参考にしてください。

従業員ファーストな環境づくり

スタッフが長く働ける環境を整えることは、サロンの安定経営に直結します。

美容業界では、人間関係のトラブルが離職の大きな原因となっています。風通しのよい職場環境を作り、スタッフが相談しやすい体制を整えましょう。

従業員を大切にする経営姿勢について、実践者の声を紹介します。

いくつかあるのですが、ひとつ挙げると人間関係に悩まなくてよい環境作りに力を入れています。美容業界に限らず、離職の原因で最も多いのが人間関係です。何かトラブルがあった場合、我慢をするか、もしくは退職をする2択がほとんどだと思います。しかし弊社はすべて直営店舗なので、本部が柔軟に対応でき、トラブルのあった店舗からスムーズに異動できるんです。

引用:モアリジョブ|株式会社CS オフィスマネージャー 逸見海斗さん

このように、柔軟な対応ができる仕組みを作ればスタッフの定着率を高められます。また従業員が安心して働ける環境は、結果的に顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

アイサロンが活用できる助成金と補助金

アイサロン開業において、資金面の負担を軽減する手段として助成金と補助金の活用が有効です。まずはこの2つの意味を押さえておきましょう。

項目

助成金

補助金

受給条件

要件を満たせば原則として受給可能

審査があり、予算の範囲内で採択

主な管轄

厚生労働省

経済産業省や自治体

目的

雇用環境の改善や人材育成

事業の成長や設備投資の支援

採択の確実性

高い(要件充足で原則受給)

低い(審査・予算による選考)

アイサロンで活用できる主な助成金は次の通りです。

  • 人材開発支援助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 地域雇用開発助成金
  • 両立支援等助成金

それぞれの制度について見ていきましょう。

人材開発支援助成金

従業員に対して職業訓練や技術研修を実施した事業主が受給できる制度です。

研修にかかった費用や、訓練期間中の賃金の一部が助成されます。スタッフの技術向上や教育体制の整備を検討している場合に活用できるでしょう。

複数のコースが用意されており、アイサロンでは「人材育成支援コース」や「教育訓練休暇等付与コース」などが利用可能です。

施術スキルの向上や接客力強化のための研修費用を補填できるため、質の高いサービス提供を目指すサロンに適しています。

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金」

キャリアアップ助成金

非正規雇用のスタッフを正社員に転換したり、処遇を改善したりする取り組みを行う事業主向けの制度です。

「正社員化コース」と「処遇改善コース」の2つがあり、従業員1人につき最大50万円の助成を受けられます。

まずキャリアアップ計画書を作成し、計画に基づいて実行します。審査を経て要件を満たせば助成金が支給されます。

スタッフの雇用形態を安定させたい方や、賃金アップを検討している方におすすめの制度です。

地域雇用開発助成金

厚生労働省が指定する特定の地域でサロンを開業し、雇用を創出した事業主が対象となる助成金です。

施設や設備を整備したうえで、新たに従業員を雇い入れることが要件となります。受給額は、設備投資の規模や新規雇用人数に応じて変動する仕組みです。

受給には、施設・設備の設置と計画書の提出が必要となります。地方でアイサロンを開業する予定がある方は、対象地域に該当するか確認してみるとよいでしょう。

両立支援等助成金

育児や介護と仕事の両立を支援する制度を導入した事業主が受給できる助成金です。

子育て中や介護中のスタッフが働きやすい環境を整えるための制度で、時短勤務や休業制度の導入などが対象となります。

たとえば「介護離職防止コース」では、休業取得時に30万円、職場復帰時に30万円が支給されます。

スタッフのライフステージに応じた柔軟な働き方を提供できれば、定着率の向上にもつながるでしょう。

アイサロン開業の成功事例3選

実際にアイサロンを開業し、成功を収めている事例を3つ紹介します。

  • 株式会社Lime|明確なターゲット設定
  • 株式会社KAMILLE|SNS運用に特化した集客
  • SOLuz eyelash salon|泥臭い集客方法の実践

それぞれの事例から学べるポイントを見ていきましょう。

1.株式会社Lime|明確なターゲット設定

株式会社Limeは、複数ブランドを展開し、それぞれ異なる顧客層にアプローチしています。

「most eyes」は20代後半から30代前半の方を中心に、「自分史上最高の私」をコンセプトに掲げたアイラッシュサロンです。お客様が自信を持てる目元づくりを大切にしており、間違いのない技術力の高さと丁寧なカウンセリングが評価されています。もうひとつのブランド「SSIN STUDIO」は、「目元の贅沢を暮らしの一部へ」をコンセプトに、より幅広い年齢層の方にも通っていただけるよう、手に取りやすい価格帯で提供しています。「most eyes」で培った技術をベースに、安心・高品質な施術を届けているブランドです。

引用:モアリジョブ|株式会社Lime 事業責任者 林治希さん

この事例から学べる成功ポイントは次の通りです。

  • ターゲット層ごとにブランドを分け、それぞれに合ったコンセプトを設定している
  • 価格帯と訴求ポイントを変えて異なる顧客ニーズに対応している
  • 技術力を共通基盤としながら、サービスの見せ方を工夫して差別化を図っている
  • 明確なコンセプトを掲げて顧客に選ばれる理由を明示している

2.株式会社KAMILLE|SNS運用に特化した集客

株式会社KAMILLEは、SNSマーケティングに力を入れ、スタッフの売上向上を実現しています。

SNS運用の指導です。昨今の美容業界での集客はSNSがメインになっているため、弊社ではSNSマーケティング部を設置して、さまざまな分析を行ったうえで導き出した撮影、投稿方法などをスタッフに細かく教えています。社内講習だけでなく、定期的に外部講習もあり、多角的な集客スキルを身につけることができます。

弊社は売上に応じてインセンティブが発生する形なのですが、SNS指導の成果もあってデビュー半年で多くのスタッフが月収30万円を実現しています。

引用:モアリジョブ|株式会社Lime 代表 矢口俊貴さん

この事例から学べる成功ポイントは次の通りです。

  • 専門部署を設けてSNS運用のノウハウを組織的に蓄積し、スタッフに教育している
  • 社内外の研修を組み合わせて最新のマーケティング手法を取り入れている
  • 売上連動型の報酬制度により、スタッフのモチベーションを高めている
  • 集客スキルの向上が収益に直結する仕組みを作り、早期の成果につなげている

3.SOLuz eyelash salon|泥臭い集客方法の実践

SOLuz eyelash salonは、開業初期にあらゆる手段を使って認知拡大に取り組みました。

最初は特に、集客面で苦労しました。前のサロンからのお客様がいるわけでもなく、新天地で本当にゼロからのスタートです。なんとかしてサロンのことを認知し、お客様として足を運んでいただく必要がありました。

まず始めたのが、サロン用のInstagramやHOT PEPPER Beauty。オープン前から運用して、オンラインでも周知に努めました。

また、チラシを作って駅前で配り、夫と一緒に近所の家にポスティングして回ったこともあります。当時は私も夫も時間だけはあったので、そんな泥臭いことも厭わずやりましたね。

嬉しいことに、当時のチラシを見てサロンを訪れた3人のお客様が、3年経った今でも通ってくださっています。そこからは、口コミやお客様からの紹介などを通じて、徐々に軌道に乗っていきました。

引用:モアリジョブ|SOLuz eyelash salon サロンオーナー 新谷美咲さん

この事例から学べる成功ポイントは次の通りです。

  • オンラインとオフラインの両方を活用し、地道な認知活動を継続した結果が実を結んでいる
  • 開業前からSNSや予約サイトを運用し、オープン時に一定の認知を確保している
  • チラシ配布やポスティングなど、アナログな手法も組み合わせて地域密着を図っている
  • 初期の顧客を大切にすることで口コミが広がり、安定した集客基盤を築いている

まとめ

アイサロンの開業は、しっかりとした準備と明確な戦略があれば成功の可能性を高められます。

成功のポイントは次の通りです。

  • 競合調査を徹底し、差別化できる要素を見つける
  • 明確なコンセプトを設定し、一貫性のあるサービスを提供する
  • ターゲット層に適した集客方法を選び、継続的に実施する
  • スタッフが働きやすい環境を整え、定着率を高める

まずは自宅や小規模な店舗から始め、実績を積みながら段階的に事業を拡大していくとよいでしょう。

事前の準備を怠らず、成功への道筋をしっかりと描いてください。

山田 大地(Yamada Daichi) プロフィール画像
執筆者情報
山田 大地(Yamada Daichi)
大学卒業後に上京し、新卒から転職エージェントと人事部を担当。その後、訪問型セラピストの展開を目指してリラクゼーションサロンに勤務する傍ら、副業として始めたWebライターで独立を果たす。現在はWebマーケティングの専門知識を活かし、父が経営する複数店舗の集客支援に従事。転職支援から接客サービス、コンテンツ制作まで幅広い業界経験を持ち、デジタルマーケティングを軸とした事業成長支援を行っている。