多くの従業員を一度に教育したい際に、集合研修が効果的です。集合研修では、従業員間のコミュニケーションを促進しチームビルディングを実現できるため、個人のスキルや知識だけでなく組織力を強化できます。
しかし集合研修の主な手法を知らなければ、研修内容で悩んでしまうでしょう。
本記事では、集合研修のメリットとデメリットを具体的に解説します。集合研修とオンライン研修の使い分け方も解説するため、ぜひ最後までご覧ください。
集合研修とは
集合研修とは、従業員を集めて、特定のテーマやスキルについて教育することです。新入社員研修や階層別研修など、同一の内容を複数人に教育する場合、集合研修を実施します。
どのような研修を実施するか悩んでいる方は、次のポイントを確認しましょう。
- 集合研修の例
- 集合研修以外の研修方法
集合研修と他の研修方法の違いを押さえて、自社で実施する育成方針を定めてください。
集合研修の例
集合研修の具体例は、次のとおりです。
集合研修の具体例 |
概要 |
ロールプレイ |
営業と顧客、店員とお客様など役割を分担し、実践を想定して営業・接客の流れを確認する研修 |
OFF‐JT |
新卒研修やビジネスマナー研修など、特定のテーマを大勢で学ぶ座学やセミナー |
グループワーク |
複数人のグループで、特定のテーマでディスカッションしたり協力したり、問題の答えを導き出す研修 |
プレゼンテーション実習 |
自己学習した内容をプレゼンテーションでグループに説明する研修 |
ただ知識やスキルを学ぶOFF‐JTだけでなく、ロールプレイやプレゼンテーション実習など、実践形式の集合研修もあります。
集合研修以外の研修手法
研修の種類は、大きく分けて次の4種類です。
研修の種類 |
概要 |
集合研修 |
特定の会場に大勢の受講者が訪れ、座学を受ける研修 |
オンライン研修 |
ZoomやTeamsなどのWeb会議システムを用いて、スマートフォンやパソコンから参加する座学研修 |
自己学習(セルフスタディ) |
パソコンやスマートフォンを活用して、オンライン上の学習コンテンツに取り組む自主的な学習 |
OJT |
実際に現場で仕事をしながら、先輩スタッフに業務手順やコツを教えてもらう実務的な研修 |
集合研修以外の研修手法として、オンライン研修・自己学習・OJTがあります。
なお、株式会社IKUSAが実施したインターネット調査によると、対面での講座やグループワークなど集合研修を実施する企業が多い傾向にありました。
※「株式会社IKUSAの調査」をもとに作成」
なお、満足度が高い研修形式も、対面での講座やグループワークなどの集合研修でした。
集合研修の種類と特徴
集合研修の主な種類は、次のとおりです。
- ワークショップ型研修
- ロールプレイング型研修
- ケーススタディ型研修
各研修方法の特徴を押さえて、自社の研修プランを策定する参考にしてください。
ワークショップ型研修
ワークショップ型研修は、参加者が主体的に学ぶ、双方向型の研修形式です。
小グループでの活動や議論が中心で、実践的な課題解決や創造的な作業を通じて知識やスキルを学びます。ファシリテーターと呼ばれるまとめ役を専任し、円滑な進行をサポートします。
ワークショップ型研修の目的は、参加者の経験や知識を共有し、相互学習を促進することです。テーマについて自ら考え発信する実践形式の研修であり、理論と実践を結びつけやすい特徴があります。
また、参加者の意見を引き出し、多様な視点で物事を捉える機会が増えるため、新しいアイデアを生み出しやすいです。従業員同士が密にコミュニケーションを取りながら、自らの考えを発信するため、チームビルディングや協調性を向上させられます。
ロールプレイング型研修
ロールプレイング型研修は、特定の状況や役割を想定して、実際の場面を演じる研修形式です。
たとえば、参加者が営業と顧客の役柄で商談することで、実践的なスキルやコミュニケーション能力を向上できます。普段とは違う役柄や立場で物事を考える機会が設けられ、参加者が異なる視点や立場を体験できます。
ロールプレイング型研修の目的は、フィードバックを通じて、自己認識と他者理解を深めることです。失敗できない実践ではなく、集合研修の機会を活用して、安全な環境で失敗や試行錯誤ができます。
ロールプレイを通じて、理論を実践に移す際の課題や困難を体感できるため、実践でより効果的な立ち回りや手法を実践できます。また、観察者からのフィードバックにより、多角的な学びが得られる点も、ロールプレイング型研修の強みです。
主に接客、販売、交渉、リーダーシップなど、対人スキルの向上に適しています。
ケーススタディ型研修
ケーススタディ型研修は、「事例研究」の意味を持つ、実際のビジネス事例や仮想的なシナリオを分析・討議する研修形式です。
自社や他社で実際に起きた事例や仮想のシナリオを題材に、複雑な問題に対する分析力と意思決定能力を養います。事例やシナリオの課題を解決し、よりよい成果を挙げられるように、多面的な視点から問題を捉える力を養成しましょう。
また、理論を実際のビジネス状況に適用する能力を開発できるため、リスク回避や問題解決能力を高められます。
さらに、グループディスカッションを通じて、多様な意見や解決策に触れるため、アイデア創出に役立ちます。実務に近い状況で、知識やスキルの応用方法を学び、業界や企業特有の課題に対する理解を深められる研修です。
ケーススタディ型研修は、批判的思考力とプレゼンテーション能力の向上にも寄与するため、経営戦略、マーケティング、財務などの分野で特に効果的です。
集合研修を行う効果・メリット
集合研修を行うメリットは、次のとおりです。
- コミュニケーションが取りやすい
- チームビルディングと組織文化の強化
- 集中的な学習環境を提供できる
それぞれのメリットを確認して、集合研修の実施を検討しましょう。
メリット1.コミュニケーションが取りやすい
集合研修では、グループ内で意見交換や協力をしながら課題に取り組むため、コミュニケーションを取りやすいです。実際にコミュニケーションの活性化が、業務の効率化や課題解決につながることを示すデータもあります。
HR総研の調査によると、9割近くの企業が社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると回答しています。
▼「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思うか?」への回答
以上の結果から、コミュニケーションを改善する手段のひとつとして集合研修を取り入れると、業務上の障害を取り払い、業務上のパフォーマンス向上につながると考えられます。
メリット2.チームビルディングと組織文化の強化
チームビルディングとは、個人が能力を最大化させ、目標達成に向けて尽力するチームづくりを指します。また集合研修は、普段は話さない従業員ともコミュニケーションを取れるため、風通しのよい組織風土を構築できるでしょう。
人間関係が良好な組織は、従業員のモチベーションを向上させ、エンゲージメントが強化できます。集合研修を通じて、社内エンゲージメントが強化され、チームビルディングを実現可能です。
さらに、部署間や上下間を超えて意見し合える組織文化を構築すれば、多角的な視点から業務改善・リスク回避の施策を考案できます。組織の生産性と競争力を向上させたい場合は、集合研修でチームビルディングと組織文化を強化しましょう。
メリット3.集中的な学習環境を提供できる
同じ研修を何度もせず一度の実施で済むため、教育担当者の負担を軽減できます。人材教育にかかるリソースを軽減できる点も、集合研修のメリットです。
また集合研修では、講師に直接質問できるため、疑問や不明点をすぐに解消できる点も優れています。自己学習では、理解が難しい内容や技術でも、先輩従業員や講師に指導してもらえるため、スキル向上と知識獲得を効率化できます。
集合研修のデメリット
集合研修のデメリットは、次のとおりです。
- コストと時間の制約がある
- 個人の学習スタイルや速度の差への対応
- 地理的制約と参加者の移動負担が大きい
メリットとデメリットの双方を確認した上で、集合研修の実施を検討してください。
デメリット1.コストと時間の制約がある
集合研修は、さまざまなコストがかかるうえに準備に時間がかかるため、スケジュールを調整しにくいデメリットがあります。集合研修で発生するコストは、次のとおりです。
- 会場費
- 移動費
- 宿泊費
- 資料製作費
- 人件費
- 講師への謝礼
会場や講師の手配、カリキュラムの作成・準備にも手間がかかり、会場費や講師への謝礼、カリキュラム費用だけでなく人件費も発生します。
また、集合研修は参加者を一度に集める必要があり、スケジュール調整が困難です。対象者全員が参加できるスケジュールを押さえて、会場や講師を手配しなければなりません。
さらに研修にかけられる時間は、参加者や会場のスケジュールに左右されます。集合研修を実施する際は、コストと時間の制約があるデメリットを理解しましょう。
デメリット2.個人の学習スタイルや速度の差への対応
個人の学習スタイルと速度が異なるため、集合研修の参加者の理解度に差が生じます。
そのため、全員の知識レベルや理解度に合わせた研修が求められます。
それらの対応が疎かになると、研修スケジュールの遅延や参加者の理解不足が生じて、集合研修の効果を発揮できません。
デメリット3.地理的制約と参加者の移動負担が大きい
集合研修は、対面で複数人の参加者が集まって研修するため、地理的制約と参加者の移動負担が大きいです。
参加者が増えるほど広い会場が必要です。また事務所から離れた会場で研修を実施する場合は、参加者の移動に時間がかかり、負担が増します。
集合研修に向いている内容
次のような内容で研修を開く場合は、集合研修が向いています。
- 企業文化や価値観の共有
- チームワークやコミュニケーションスキルの向上
- 新製品や新サービスの導入トレーニング
- プレゼンテーションスキルの向上
- リーダーシップ開発
上記の研修内容を実施する際は、自己学習やOJTではなく集合研修を採用しましょう。
1.企業文化や価値観の共有
企業文化や価値観の共有を目的とした研修の具体例として、新人研修や階層別研修が挙げられます。
これらについて集合研修を実施して、経営理念や組織文化、新人や管理者など役職ごとに志すべき目標・課題などを共有し、組織力を高めましょう。
組織全体で統一した価値観で仕事に取り組めるよう、集合研修で企業が大切にしているコンセプトや経営目標、現状の課題を共有してください。
2.チームワークやコミュニケーションスキルの向上
集合研修は、従業員同士が対面で会話する機会を設けられるため、チームワークやコミュニケーションスキルの向上に効果的です。
グループワークやワークショップ・ロールプレイ・ケーススタディなど、意見交換や実践的な接客を意識した模擬練習を実施するとよいでしょう。
実践的な演習でコミュニケーションスキルを向上し、従業員同士が交流する機会を設けられるため、チームワークの強化が可能です。
3.新製品や新サービスの導入トレーニング
新製品や新サービスを導入するにあたって使い方をトレーニングする場合は、集合研修を開いて操作方法を実践的に学べる機会を設けるとよいでしょう。
新しいシステムや機器を導入する際に集合研修を実施すれば、実際の製品を操作しながら、使用方法や運用マニュアルを教育できます。また操作方法を習熟した講師に、その場で質問できるので効率的です。
また、新サービスの導入に向けて、顧客への対応や説明手順をロールプレイで教育すれば、統一された質の高い提案ができます。
4.プレゼンテーションスキルの向上
集合研修にて、参加者同士が聴衆の前で発表する機会を設けると、プレゼンテーションスキルの向上につながります。
自己学習した内容を同僚や上司の前で発表し、それに対して質問できるようにするとよいでしょう。プレゼンテーションスキルは、実際に人前で発表し評価を得る経験がなければ成長させられないため、集合研修の場でスキルアップを促しましょう。
5.リーダーシップ開発
リーダーシップ開発は、チームを先導できる人材を育成するために、グループワークやワークショップなど集合研修が効果的です。
そもそもリーダーシップ開発とは、従業員一人ひとりが自主性や自律性・責任感を高め、チームを先導して業務を進めるスキルを向上させる研修です。座学やeラーニングだけでは、人を動かし先導する統率力が磨かれず、自主性や自律性が養われません。
集合研修では、グループワークやワークショップなどチームで協力する研修だけでなく、ロールプレイやプレゼンテーション実習など、自主性が求められる研修を実施します。
その他
他にも、集合研修に適した内容があります。たとえば役職別に集合研修を開くと、必要な知識とスキルを教育し、同僚たちとのコミュニケーションを活性化できるため、モチベーションの維持・向上にもつながります。
またビジネスマナーや接客スキル・営業力など特定のスキルアップを望む場合も、集合研修がおすすめです。従業員全体に一度で同一の研修を実施できるため、組織単位でのスキルアップが期待できます。
集合研修に向いていない内容
集合研修に向いていない研修内容は、次のとおりです。
- 個人単位で行うことが効果的な内容
- 参加者間で知識レベルの差が大きい内容
- 長期間にわたる継続的な学習が必要な内容
上記の内容は、集合研修ではなく自己学習やオンライン研修で技術習得・知識獲得を促しましょう。
個人単位で行うことが効果的な内容
技術的スキルの習得や専門的な資格の取得など、個人単位で学習した方が効果的な内容は、集合研修よりも自己学習が向いています。
たとえば美容師のカットスキルを向上させたい場合は、個人単位で練習を繰り返し、ときには先輩スタッフの指導を個別に受けた方がスキルアップできます。
資格の取得を目指す場合は、参考書やeラーニングシステムを活用した自己学習が効果的です。質疑応答が必要な知識習得の場合は、オンライン研修で受講者が疑問や質問がある場合に、返答できる体制を整えましょう。
参加者間で知識レベルの差が大きい内容
集合研修で、参加者間の知識レベルに差が大きいと、研修内容についてこられなかったり、内容をすでに知っていて時間を無駄にしたりするケースが出てきます。この場合、自己学習の方が、学習者ごとに不足する知識を能動的に学べるため、学習効率が高いです。
また、eラーニングシステムで知識レベルに応じた教材を配布すれば、時間や場所を選ばずに好きなタイミングで自己学習を行えます。また参加者に熟練者と初学者が混ざると、研修の目標設定が曖昧になったり、前提知識がずれたりするため、集合研修は不向きです。
長期間にわたる継続的な学習が必要な内容
集合研修は、時間と場所の制約があるため、習熟まで時間がかかる内容は自己学習が向いています。
たとえば、リカレント教育と呼ばれる社会人向けの講座は、短期間のセミナー学習では習熟が難しいです。文部科学省の資料によると、リカレント教育は次のように定義付けられています。
リカレント教育は、就職してからも、生涯にわたって教育と他の諸活動(労働、余暇など)を交互に行なうといった概念
引用元:文部科学省|大学等がリカレント教育に取り組む意義と推進に向けた方向性
具体的には次のような内容が、リカレント教育に該当します。
- 外国語
- プログラミングスキル
- MBA(経営学修士)
- 専門的資格の取得
上記の内容は、時間と場所の制約がある集合研修では、十分な研修の機会を設けられません。長期間にわたる継続的な学習が必要な場合は、自己学習を促しましょう。
集合研修が苦手な参加者へのアプローチ
集合研修が苦手な参加者には、次のアプローチが効果的です。
- 多様な学習スタイルに配慮する
- 心理的安全性を確保する
- 事前準備とアフターフォローを正しく行う
- 小グループを活用する
参加者の苦手意識をなくすために、それぞれのアプローチを実践してください。
多様な学習スタイルに配慮する
集合研修が苦手な方は、周囲と足並みをそろえて学習できないケースがあるため、多様な学習スタイルに配慮することが大切です。進度への配慮やグループ分けなど、それぞれが学びやすい環境を用意すれば、集団研修への苦手意識を軽減できます。
個人のペースで学習できるスタイルを確立し、参加者の進度や状況に応じたスキルアップ・知識習得を促しましょう。
心理的安全性を確保する
グループや人前で発言しにくいことが理由で、集団研修が苦手なケースがあるため、心理的安全性の確保が重要です。心理的安全性とは、組織の中で自分の意見や気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態を指します。
心理的安全性を確保するには、次のような対策が効果的です。
- 質問や相談しやすい環境をつくる
- 発言の機会を均等にする
- 業務以外でコミュニケーションを取る機会をつくる
- 共通の価値観を持つ、異なる価値観を受け入れる
- 成功体験を感じさせる
- 定期的に評価基準を見直す
- メンター制度や1on1を実施する
事前準備とアフターフォローを正しく行う
集団研修が苦手な従業員が、安心して研修に参加できるよう事前準備とアフターフォローを徹底してください。集合研修が苦手な方がつまずきそうなポイントをあらかじめ把握して、フォローできる体制を整えましょう。
また、研修後にアンケートや1on1ミーティングを実施して、学びになった点やわからなかった点をヒアリングし、フォローすることが大切です。
小グループを活用する
集団研修の参加者が多い場合は、小さいグループに区切ると、効率的に研修を進められる可能性があります。文部科学省の「学力向上アクションプラン」に関する調査では、少人数での指導が生徒の理解力と積極性を高めているというデータが判明しました。
上記は児童・生徒を対象としていますが、大人数では質問しづらいと感じる受講者でも、少人数の研修では積極的に質問して理解度が高まります。集合研修が苦手な方でも意欲的に参加できるよう、グループ構成を配慮しましょう。
オンライン研修との比較と併用する方法
集合研修とオンライン研修を併用すると、相乗効果が期待できます。併用するにあたって、次の項目を理解して、それぞれのメリットや強みを活かすとよいでしょう。
- オンライン研修の特徴とメリット
- 集合研修とオンライン研修の比較
- 集合研修とオンライン研修の効果的な組み合わせ方
- テクノロジーを活用した集合研修の拡張
オンライン研修の特徴とメリット
オンライン研修は、クラウド型配信サービスなどを活用し、インターネット経由で受講できる研修形式です。オンライン研修には、大きく分けて次の2種類があります。
オンライン研修の種類 |
概要 |
録画型研修 |
すでに録画された動画を配信し、受講する研修スタイル |
ライブ型研修 |
動画を配信してコミュニケーションを双方向で取る研修スタイル |
録画型研修のメリットは、場所と時間を選ばず、何度でも繰り返し受講できます。ライブ型研修のメリットは、リアルタイムで講師とコミュニケーションを取れるため、質疑応答しながら受講できることです。
オンライン研修は、会場費や受講者の移動費・宿泊費が不要なため、大幅にコストカットできます。
集合研修とオンライン研修の比較
集合研修とオンライン研修の比較は、次のとおりです。
研修手法 |
集合研修 |
オンライン研修 |
内容 |
・ワークショップ型研修 ・ロールプレイング型研修 ・ケーススタディ型研修 |
・録画型研修 ・ライブ型研修 |
時間 |
開催時間が決まっている |
アーカイブ視聴により後日受講可能 |
場所 |
会場が決まっている |
場所を選ばず受講可能 |
コスト |
交通費・宿泊費・人件費・会場費などが発生する |
講師の謝礼とオンラインシステムの利用料が発生する |
管理者の役割 |
会場選びや日程調整、資料の準備が必要 |
日程調整と研修の視聴データ準備が必要 |
受講者のモチベーション |
複数人で受講できるため種注力が高まる |
1人で受講できるためリラックスして受講できる |
集合研修とオンライン研修では、それぞれメリットとデメリットが異なります。大勢の前で発表することに抵抗がある方や、会場への移動が難しい遠方に住んでいる方は、集合研修よりオンライン研修が向いています。
集合研修とオンライン研修の効果的な組み合わせ方
集合研修とオンライン研修のメリットを活かして、より効果的な研修を実施するには、双方を組み合わせましょう。たとえば、以下のようなパターンで集合研修とオンライン研修を組み合わせれば、参加者の理解度を向上できます。
- 集合研修でスキル学習した後、オンライン研修で復習する
- オンライン研修で予習した後、集合研修でスキル学習、さらにオンライン研修で復習する
- オンライン研修で予習した後、オンライン研修でディスカッションし、集合研修でグループ学習する
オンライン研修は、時間と場所の制約がなく予習・復習でき、集合研修ではディスカッションやグループワークなど多角的な視点を取り入れたアイデア創出に向いています。それぞれの特性を理解し、効果的な組み合わせで研修プログラムを策定しましょう。
テクノロジーを活用した集合研修の拡張
テクノロジーを活用して集合研修を拡張すれば、時間と場所の制約を取り払えます。たとえば、eラーニングシステムを活用し、オンラインでグループワークやディスカッションを実施すれば、チームビルディングと組織文化を強化できます。
また、近年はVR技術を活用したVR研修も注目されており、実際に自分が会場にいるような没入感で研修を受講可能です。現実では再現が難しいシチュエーションを仮想現実世界で作り出せるため、ブラックフライデーなど年に数回しかない繁忙時の対応を疑似体験できます。
大勢の前でスピーチやプレゼンテーションする経験をVRで疑似的に再現できるため、会場費や人件費などのコストを抑えて、オンラインで集合研修を実施可能です。
効果的な集合研修の設計と実施時のポイント
効果的な集合研修の設計と実施時のポイントは、次のとおりです。
- 明確な目標設定と期待値を共有する
- インタラクティブな要素を取り入れる
- 実践的な内容と実務への応用を盛り込む
- フォローアップと継続的な学習支援を行う
それぞれのポイントを押さえて、集合研修の精度を向上させましょう。
1.明確な目標設定と期待値を共有する
研修を実施する目標と得られる期待値を共有すれば、参加者のモチベーションを高めて、効果的な集合研修を実施できます。なお、研修の目標を設定する際には「SMARTの法則」を取り入れましょう。
- S:Specific(特定、具体化)
- M:Measurable(測定可能であること)
- A:Achievable(達成可能であること)
- R:Result Oriented(最終目標に関連した目標であること)
- T:Time setting(期限が設定されているか)
2.インタラクティブな要素を取り入れる
集合研修は、インタラクティブな要素を取り入れることで、参加者の理解度を向上させられます。インタラクティブとは「双方向」「相互」を意味し、集合研修において参加者が発言・経験できる機会を設けることが大切です。
研修をただ受講するのではなく、講師に質問したり参加者同士でディスカッションしたり、インタラクティブな要素を取り入れてエンゲージメントを向上させましょう。
3.実践的な内容と実務への応用を盛り込む
ロールプレイやプレゼンテーション実習など、実践的な内容と実務への応用を盛り込んだ研修内容は、参加者の経験値を高めてスキルアップさせられます。
実務型の集合研修の具体例として、大手リラクゼーション「りらくる」のトレーニング制度が挙げられます。
りらくるの場合、セラピスト未経験者がスタッフとして採用されたあとは、はじめに各地域に設置されているトレーニングセンターで集合研修を受けます。
2024年12月時点でりらくるは、全国に600店舗以上を展開していますが、集合研修を実施することで各店舗で働く施術者のレベルを一定に維持できています。集合研修を取り入れ、各店舗の教育にかかる負担を軽減している点も特徴です。
座学では育成できない実践的な研修を集合研修に取り入れて、参加者のスキルアップを促進しましょう。
4.フォローアップと継続的な学習支援を行う
ヒアリングやアンケートを実施し、それをフォローアップと継続的な学習支援に活かしましょう。
受講者の感想や意見を参考に、改善点やより理解しやすい手法を模索し、フォローアップを行うことが大切です。集合研修で理解できなかった点を、オンライン研修で復習できるようeラーニングシステムに研修内容を配信しましょう。
また1on1ミーティングを開催し、大勢の前では聞きにくい質問や発言できなかった内容をヒアリングし、継続的な学習支援を行うことが大切です。
まとめ
集合研修を実施する上でのポイントは、以下のとおりです。
- 明確な目標設定と期待値を共有する
- 集合研修が苦手な参加者に配慮し、事前準備とアフターフォローを徹底する
- 実践的な内容と実務への応用を盛り込み、インタラクティブな要素を取り入れる
- 集合研修とオンライン研修を組み合わせる
- フォローアップと継続的な支援を行う
集合研修は、個人の自己学習では得られない大勢の前で発表する経験や、実務的なスキルアップが期待できます。従業員同士がコミュニケーションを取りやすく、ロールプレイやケーススタディを通じてチームビルディングと組織文化を強化できるため、組織力の向上につながります。
ただし、コストと時間の制約があり、受講者ごとの学習スタイルや速度の差を考慮しなければなりません。
従業員のスキルアップと組織力の向上を目指して、効果的な集合研修を実施しましょう。

- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部