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脱毛サロンの集客方法10選|最新の傾向と成功のコツを徹底解説!

脱毛サロンの集客方法10選|最新の傾向と成功のコツを徹底解説!

脱毛サロンを取り巻く状況は年々変化しています。この変化の波に対応せずして集客の成功はありません。

そこで本記事では、脱毛サロン集客の現状や、時代に即した集客方法を紹介します。

サロン集客の事例や調査結果などを交えて解説していきますので、実践的なノウハウを知りたい人はぜひ参考にしてください。

脱毛サロン集客の現状

脱毛市場が急速に拡大している近年、店舗の経営者は時代に即したマーケティング施策の実施が必要です。

特に主要なターゲット層である20代を中心とした若年層は、インターネットとSNSを中心とした情報収集をするため、従来の集客手法だけでは新規顧客の獲得が困難になっています。

しかし、市場の動向を理解し、適切な戦略と手法を実践すれば、競合との差別化を図り、安定した集客を実現できます。

以下では、脱毛サロン業界の市場や主流の集客方法などについて詳しく解説します。

20代の認知度が最も高い

脱毛サロンの利用者層において、若年層の存在感が高まりを見せています。

ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、脱毛サービスの「特徴を知っている」人の割合は20代が最も高く、次いで30代、40代の順となっており、若い世代ほど脱毛に対する知識と関心が高いことが明らかになっています。

1.脱毛サービスの「特徴を知っている」人の割合

また同調査によると、首都圏や関西では、サロン脱毛、セルフ脱毛サロンの利用者はほとんど差がありません。しかし医療脱毛になると首都圏、関西、それ以外の地域の順番で差が出じています。

2.脱毛種類ごとの脱毛経験有無(居住地別)

したがって、サロン脱毛の経営者は地域性を理解し、自店舗のエリア特性に合わせた集客戦略を立てることが重要です。

利用者はサロン脱毛を除いて年々増加

近年、脱毛サロン業界は急速な成長を続けており、集客戦略も大きく変化しています。

ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、医療脱毛・サロン脱毛・セルフ脱毛サロンのいずれかを利用した人の割合は、2017年の3.3%から2023年には6.6%まで上昇しており、脱毛市場全体が拡大していることがわかります。3.脱毛利用率推移

また性別による認知度の違いも注目すべき点です。医療脱毛、サロン脱毛、セルフ脱毛サロンのいずれも、男性よりも女性のほうが認知率が高い傾向にあります。

しかし近年は男性の脱毛需要も拡大しており、メンズ脱毛市場も無視できない規模になっています。そのため、男性向けの集客戦略も重要といえるでしょう。

インターネット集客が主流

脱毛サロンおいては、インターネットを活用した集客手法が主流になっています。

株式会社ecloreの調査によると、主要なターゲット層である20代の情報収集は、インターネットとSNSが中心で、中でもスマートフォンが全体の9割を占めていることがわかりました。

4.普段情報収集を行う媒体

つまり多くの場合、顧客はスマートフォンを使って脱毛サロンを検索し、料金やサービス内容を比較検討してから来店を決定しています。

したがってGoogle検索での上位表示を狙うSEO対策や、InstagramやTikTokといったSNSでの情報発信、リスティング広告の活用など、多角的なインターネット集客が重要であるといえます。

脱毛サロンの集客方法10選

脱毛サロンの主な集客方法は次のとおりです。

  1. MEO(マップエンジン最適化)
  2. SEO(検索エンジン最適化)
  3. リスティング広告
  4. LINE広告
  5. チラシ・クーポンの配布
  6. 美容ポータルサイトへの掲載
  7. SNS運用
  8. ディスプレイ広告
  9. インフルエンサーマーケティング
  10. 看板の設置

以下にて詳しく解説します。

1.MEO(マップエンジン最適化)

MEO(マップエンジン最適化)とは、Googleマップで上位表示させるための対策です。

たとえば「地域名+脱毛サロン」で検索したときに出てくるGoogleマップの中に、自社店舗を上位表示させ、効果的な集客を図ります。

▼上位表示の例(検索ワード:新宿 脱毛サロン)

5.上位表示の例(検索ワード新宿 脱毛サロン)

上位表示させる方法としては「Googleビジネスプロフィール」に自店舗を登録し、プロフィールや基本情報を最適化するのが一般的です。登録に費用はかかりません。

基本情報には、サロン名、住所、電話番号、営業時間、口コミ、ホームページなどの情報を細かく記載します。

またGoogleマップでは、ユーザーからの口コミが充実していると上位表示される傾向にあるため、顧客に口コミの協力を依頼するアナウンスが大切です。口コミはサロンの信頼性にもつながり、ユーザーが来店のアクションを起こすきっかけにもなります。 

2.SEO(検索エンジン最適化)

SEO(検索エンジン最適化)とは、Googleなどの検索エンジンで自社のホームページやブログを上位表示させるための対策です。

たとえば「脱毛サロン+地域名」などのキーワードで上位表示できれば、その地域で脱毛サロンを探している顕在層を効果的に集客できます。

▼MEOとSEOの違い

6.MEOとSEOの違い

上記のとおり、MEOとSEOで上位表示できる箇所が異なります。基本的に、SEOで表示される箇所よりもMEOで表示される箇所のほうが検索画面の上部にあたるため、MEO対策の重要度は非常に高いです。

また、株式会社ecloreの調査によると、Googleは3ページ目まで見る人が14%を切っているため、少なくとも2ページ目以内での表示が望ましいとされています。つまり、検索結果の20位以内に入ることが集客効果を得るための最低条件といえるでしょう。

SEOを成功させるにはユーザーの検索意図を理解し、心に訴えかけるようなコンテンツ制作が重要です。

たとえば、脱毛サロンに行こうとしているユーザーの心理として「脱毛して綺麗な状態でオシャレしたい」「毛深いのがコンプレックスで昔から悩んでいる」といった検索意図が想定できます。

そこで、脱毛した事例を載せたり、脱毛サロンに通ったことで悩みを解消した体験レビューを掲載したりして、ユーザーの悩みを解決し理想の未来を魅せるような工夫が重要です。

3.リスティング広告

リスティング広告とは「脱毛サロン+地域名」などで検索したとき検索結果の上部に表示される広告です。

▼リスティング広告の例

7.リスティング広告の例

上記のとおり、リスティング広告の出稿により、緑枠での表示が可能となります。ただし、広告文やLPの内容によっては、検索画面の最下部に表示されるケースもあり、必ずしも検索画面の上部に表示されるわけではありません。

また上位表示されても、ユーザーにクリックしてもらえないと集客にはつながりません。そこで、ユーザーに刺さる効果的な広告文を考案することが大切です。

たとえば、未経験者には広告内で「相対的な価格の安さ」「気軽さ」「メジャーさ」「痛みの弱さ」を訴求するのが効果的です。

なぜなら、ホットペッパービューティーアカデミーの調査にて、サロン脱毛経験者と非経験者のイメージ差分を見ると「金額が安い」「気軽に通える」「周りにやっている人が多い」「施術の痛みが少ない」といった項目が上位に来ているためです。

8.サロン脱毛経験者と非経験者のイメージ差分

具体的には「限定クーポン」「初回施術無料」などお得感のある内容や「今なら1万円オフ」などの数字を入れた内容を含めるとクリックしてもらえる確率が上がります。

4.LINE広告

LINE広告は、全年齢層が使うツールであるLINEを活用して幅広い層へアプローチする集客手法です。

LINE広告にはLINE公式アカウント(旧LINE@)と、LINE Ads Platformの2種類があります。

中でもLINE Ads Platformはタイムライン上に広告を流せる機能で、LINEのタイムラインは月間9800万人ものアクティブユーザーが見ています。

そのため、「よい店があれば脱毛したい」「脱毛したい欲はあるけど合う店がない」のように考えている潜在層へのアプローチが可能です。

もちろんターゲットを絞った広告も出せるので、サロンの集客につながる層に限定したアプローチもできます。

5.チラシ・クーポンの配布

脱毛サロンの集客と聞くと、オンラインでの取り組みを考えがちですが、実は昔ながらのオフライン集客も有効です。

たとえば、人とおりが多いエリアで、ターゲットを絞ってチラシやティッシュ、クーポンを配布したり、ターゲット層が多く住むエリアにポスティングすれば十分な集客が見込めます。

チラシやクーポンのポスティングや配布のメリットは、エリアを細かく絞って集客ができる点です。

特に地域密着型の脱毛サロンを展開する場合、周辺住民への認知度向上に効果的な手法といえるでしょう。配布の際は、魅力的なクーポンを付けるなどし、来店動機を高めることが重要です。

6.美容ポータルサイトへの掲載

脱毛サロンの集客において、美容ポータルサイトの存在は見逃せません。

たとえば、日本最大の美容ポータルサイト「ホットペッパービューティー」は認知度を上げるだけでなく、予約機能も備わっているため活用は必須といえます。

実際、Promotion+Bの調査によると、美容系施術を予約する際はホットペッパービューティーを利用している人が過半数を占めています。

9.美容系施術を予約する際に使う媒体

ホットペッパービューティーはサイトのパワーが非常に強いです。そのため「脱毛サロン+地域名」で検索すると、検索上位に表示されやすいという特徴があります。この特徴も利用者が多い理由のひとつです。

低額のプランでも、定期的なブログの更新と最新写真や魅力的なクーポンの掲載により集客効果を高められます。

 

7.SNS運用

脱毛サロンの集客において、SNS運用は若年層を中心とした顧客獲得に非常に効果的な手法です。

特にTikTokとInstagramの活用が重要で、それぞれ異なる特性を理解して運用することが成功のカギとなります。

TikTokは短尺動画で多くのユーザーにリーチできるプラットフォームです。TikTok運用で成果を出している美容師のえりやさんは、投稿頻度と継続の重要性を語っています。

いくつかありますが、ひとつあげるなら自分の負担にならない投稿を心掛けています。SNSは投稿頻度と継続が大切です。私が力を入れるときには1日9本投稿したりするので、制作するときに億劫にならない内容にしています。

引用元:モアリジョブ|「TOKYO OTAKU HAIR」 えりやさん(限界オタク美容師)

この事例からもわかるように、TikTokでは継続的な投稿が何より重要です。脱毛サロンの場合、施術前後の変化や、脱毛に関する豆知識、スタッフの日常など、制作負担の少ないコンテンツから始めるとよいでしょう。

一方、Instagramは国内利用者数が6600万人を超えており、ターゲットの利用率が高いことから非常に重要なプラットフォームといえます。

Instagram運用の重要性が極めて高い点について、次の章で詳しく解説します。

8.ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、広告の掲載枠を設定しているWebサイト上に画像(バナー)で表示される広告のことです。

ディスプレイ広告はユーザーの行動や属性に応じて表示されるため、一定の集客効果が期待できます。

ただし「広告感」が強いため、しっかりとユーザーに訴求できなければクリックされないリスクがあります。そこで、ターゲットユーザーの心に響くデザインやメッセージを心がけることが重要です。

ディスプレイ広告は、Google広告で必要事項を入力すると出稿できます。広告代理店等との契約は必要ありませんので、手軽に始められる点もメリットです。

脱毛サロンの場合、美容や健康に関心の高いユーザーをターゲットにして配信すれば効果的な集客が期待できるでしょう。

9.インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、SNS上で影響力のある人物に商品やサービスをPRしてもらうマーケティング施策です。

インフルエンサーがPRすることで、インフルエンサーのファン達へ認知させつつ、自然な形で来店を誘導できます。

脱毛サロンの場合、YouTuberを利用したインフルエンサーマーケティングがおすすめです。YouTubeは長尺の動画投稿が可能で、複雑なシステムの商材や高額サービスの集客に適しています。

脱毛サロンは料金プランが複雑で契約金も高額です。その点YouTubeを使えば、ユーザーに分かりやすくサロンの強み・プランの仕組みを伝えられます。

また実際の施術体験や効果の紹介など、リアルな情報を発信してもらえば高い集客効果を得られるでしょう。

10.看板の設置

店舗への誘導効果を高めるため、わかりやすい看板の設置も重要な集客手法のひとつです。通りがかりの人に店舗の存在を認知してもらい、興味をもってもらえれば新規顧客の獲得につながります。

看板には店舗名だけでなく「脱毛サロン」という業種や「初回体験○○円」など、顧客にとって魅力的な情報を掲載すれば効果が高まります。

また、夜間でも見てもらえるよう、照明付きの看板を検討しましょう。営業時間外であっても、看板が見えていれば勝手に認知度が上がり続けます。さらに看板があれば、近隣ユーザーの想起率向上にもつながるため、中長期的な効果も見込めるでしょう。

脱毛サロンの集客でInstagramの活用は必須!

脱毛サロンの集客においてInstagramの活用は必須であるため、以下で解説する活用の手順や各種ツールの活用ポイントを押さえておきましょう。

Instagramを活用する手順

まず、脱毛サロンのアカウントを作成したら「ビジネスアカウント」へと移行しましょう。

ビジネスアカウントに移行すれば、以下の機能を使えるようになります。

  • インサイト機能を使ったアカウント分析
  • 店舗の電話番号・アドレスの公開
  • ホームページへの誘導
  • インスタ内での広告出稿(別途料金)

インサイト機能を使ったアカウント分析により、フォロワーの属性や投稿の効果を数値で確認できます。

また、店舗の電話番号・アドレスの公開やホームページへの誘導が可能になり、さらにInstagram内での広告出稿も可能です。

次に、コンテンツ戦略を立てます。まずはリール投稿によるフォロワー獲得を目指しましょう。

リールは発見タブに表示されやすいため、多くのユーザーに対して効率的にアプローチが可能です。実際の施術風景など目を惹く内容にすれば潜在層にアプローチでき、フォロワーを獲得につながります。

そしてフィード投稿では、フォロワーに向けて「ビフォーアフター画像」や「料金プランの紹介」などを発信し、来店の動機付けを行います。投稿には一貫性をもたせ、ブランドイメージの統一を心がけるのがポイントです。

各種ツールを活用するポイント

Instagramにはさまざまなツールが用意されています。それぞれの特性を理解して活用すれば、集客効果を最大化できます。

ストーリーズ機能は24時間で消える特性を活かし、リアルタイムな情報発信や限定感のあるキャンペーン告知に活用しましょう。

また、ストーリーズのハイライト機能を使えば、重要な情報を常時表示できるため、料金表や店舗案内などの基本情報をまとめておくのに役立ちます。

リール機能は短時間の動画コンテンツで、一般的にトレンドの音楽やエフェクトを使用して多くのユーザーにリーチしていきます。施術の流れや効果の紹介、スタッフの日常など、親しみやすいコンテンツ制作を意識するとよいです。

さらにライブ配信機能を使えば、リアルタイムでフォロワーとコミュニケーションを取れます。ライブでは、脱毛に関するQ&A、サロンツアーなどを実施し、信頼関係を築きましょう。

加えて、Instagram内では広告の出稿も可能ですが、開業したばかりのサロンだと運営資金を圧迫するリスクがあるため、初期からの運用は避けるのが無難です。広告を運用したい場合は、資金とのバランスを見て計画的に進めましょう。

ハッシュタグの活用

Instagramにおけるハッシュタグの活用は、集客を高める上でとても重要な要素のひとつです。

「Of HAIR 銀座店」の高橋英昇さんは、オリジナリティのあるハッシュタグを考案するなどし、多くの注目を集めることに成功しています。

そんな高橋さんが推奨する3つのハッシュタグ活用術を紹介します。

  1. 伝えたい言葉をあえてハッシュタグにする

ハッシュタグは青色で表示されるので、伝えたい言葉をハッシュタグにして本文中に入れると強調表示できます。

  1. オリジナリティのあるハッシュタグを使う

脱毛サロンの場合、独自の施術名や店舗の特徴を表すオリジナルハッシュタグの作成により差別化を図れます。

  1. 語呂あわせがよいハッシュタグにする

覚えやすく親しみやすいハッシュタグは、ユーザーの記憶に残りやすく、再検索される可能性が高まります。

また、脱毛サロンに特化したハッシュタグ活用のポイントとして、地名と脱毛サロンを組み合わせたハッシュタグは非常に効果的です。たとえば「#渋谷脱毛サロン」「#新宿全身脱毛」など、地名が入ることでサロンのエリアがわかり、具体的な来店検討につながりやすくなります。

さらに、検索ボリュームが大きいワードに詳細ワードを組み合わせるのも効果的です。単に「#脱毛」だけでなく「#VIO脱毛」「#顔脱毛」「#全身脱毛」など、より具体的なワードにすればニーズが顕在化しているユーザーにリーチし、集客につながりやすくなります。

同様に、シーンに合わせたワードを盛り込む手法も効果的です。たとえば「#夏前脱毛」「#結婚式前脱毛」「#成人式前脱毛」など、イベントと関連したハッシュタグもニーズが顕在化しているため、来店につながりやすいです。

脱毛サロンの集客を成功させるポイント

脱毛サロンの集客を成功させるポイントは次のとおりです。

  • 集客が得意な人材の採用
  • 詳細なペルソナの設定
  • 競合優位性の確立
  • リピーター獲得施策の立案
  • 顧客ニーズに合ったメニューの充実
  • 効果測定とPDCA

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

集客が得意な人材の採用と定着化

脱毛サロンの集客において、スタッフの接客や技術のレベルは集客の基礎となる重要な要素です。

なぜなら、優れたスタッフによる質の高いサービスは顧客満足度を向上させ、口コミや紹介という最も信頼性の高い集客につながるためです。

集客が得意な人材とは、単に技術力が高いだけではありません。顧客とのコミュニケーション能力に優れ、自然な形で次回予約やコース契約につなげられる人材を指します。

また、採用は雇用をして終わりではなく、その後の教育や定着につながる環境づくりも重要です。「EXCIA」代表の中川さんは、適度な距離感を保つことで働きやすい環境を構築しています。

スタッフとは適度な距離感を保つようにしています。あまり仲良くなりすぎてもなあなあになってしまいますし、遠すぎてもよくないですし。いつもスタッフには「何か困ったことがあったら声をかけてね」と伝えるようにしていて。もちろんこちらも気にしてみるようにはしていますが、たとえば元気がないときに飲みに誘ったり、何が起きたかを探ったりはしないです。そこはスタッフのプライベートの領域だと思うので。大切なのは、スタッフが困っているときにSOSをちゃんと出せる信頼関係だと思っています。

引用元:モアリジョブ|「EXCIA」 代表 中川俊樹さん

詳細なペルソナの設定

効果的な集客を実現するためには、ターゲットとなる顧客を具体的に設定することが大切です。

「20代女性」のような大雑把な設定ではなく、より詳細なペルソナを設定すれば、プランの選定や店舗の外観づくりもスムーズに行えます。

ペルソナ設定の具体例は次のとおりです。

項目

内容の例

基本情報

名前:田中美咲(たなか みさき)

年齢:27歳

性別:女性

学歴:私立大学文学部卒業

居住地

東京都世田谷区在住

小田急線沿線のワンルームマンション(家賃8万円)

職業・年収

企業規模:従業員数300名の中堅企業(非上場)

年収:350万円

勤務地:渋谷区

趣味・休日の過ごし方

平日:YouTubeで美容系動画やドラマの視聴など

休日:友人とカフェ巡り、ショッピング、ネイルサロン通いなど

インターネットとの接点

【SNS】

Instagram(毎日2時間)

TikTok(毎日1時間)

Twitter(週3回程度)

YouTube:美容系チャンネルを平日夜と休日に視聴(週10時間)


【情報収集時間帯】

通勤時間(7:30-8:30)

退勤時間(18:30-19:30)

就寝前(22:00-23:00)

1日のスケジュール

6:30 起床、身支度

7:30 通勤(電車内でSNSチェック)

9:00-18:00 勤務

18:30 帰宅(電車内でInstagram閲覧)

19:30 夕食、家事

21:00 お風呂

22:00 YouTube視聴、SNSチェック

23:00 就寝

このように細かくターゲットとなるペルソナを設定すれば、そのペルソナのニーズを的確に満たすサービスを提供できます。サービスを受けた顧客は「このサロンは自分のためにあるみたい」と感じるため、リピート率も向上するでしょう。

競合優位性の確立

自店舗にしかない脱毛サロンとしての強みを明確にし、全面にアピールすることは非常に重要です。 

大切なのは顧客に「ここじゃなきゃ脱毛したくない」と思わせることです。これは、価格・プランの豊富さ・痛みの少なさなど、競合他社にはない独自性をもつことで実現できます。

競合優位性の一般的な見つけ方は、徹底した競合調査です。客層やプラン、店舗の雰囲気やスタッフの質などを全て調査します。すると、他の店舗にはない部分や差別化できる要素が見えてきます。

「地域で最も安くサービスを提供する」といった点で差別化を図りたい場合も、競合調査をしていれば最も適切な金額を設定できます。

競合調査をもとに競合優位性を確立させることは、どの分野においても成功の根幹となる重要な部分です。手を抜かず、徹底的に行いましょう。

リピーター獲得施策の立案

脱毛サロンは新規顧客だけでなく、リピーターの獲得が最も重要です。リピーターが多いほど売上げの再現性があり、口コミでの集客もしやすくなります。

株式会社リクルートの調査によると、脱毛サロン利用者が抱える不満点が明らかになっています。これらの不満点を解消する施策を立案すれば、効果的なリピーター獲得が可能になるでしょう。

具体的には、予約の取りやすさの改善、スタッフの技術力向上、料金体系の分かりやすさ、施術時間の短縮などです。これらの課題をひとつずつ解決すれば、顧客満足度を高め、継続的な利用につなげられます。

施策としては、LINEを活用して継続的にコミュニケーションを取ったり、お得なクーポンなどのメルマガを配信し続けたりするのが効果的です。

顧客ニーズに合ったメニューの充実

僕と私と株式会社の調査によると、どの形態のサロンにも共通して価格、口コミ、通いやすさを重視していることが分かっています。

基本的な情報ではありますが、これらのニーズをしっかりと自サロンに反映することが大切です。

顧客のニーズに合わせたメニューを充実させるためには「ターゲティングした顧客はどのようなニーズをもって脱毛を検討しているか」を深く考える必要があります。特にどの部位を施術したいと考えているのか、世代や年齢によっても差が出てきます。

また価格設定がターゲット層の想定する年収や経済活動の幅から大きく乖離していないかどうかも重要です。メニューを考える際には、先ほど述べた競合調査の内容を踏まえた上で適正価格を見極めるとよいでしょう。

効果測定とPDCA

Web集客の強みのひとつは、数値で効果を測ることです。

ホームページであれば「Google Search Console」や「Google Analytics」。広告・SNSであれば各媒体の管理画面を使って、クリック数や表示回数などを可視化できます。

Web集客施策は基本的に、紙媒体や看板、テレビCMなどと違い、上記ツールを活用すればリアルタイムで改善できます。最初からいきなり大きな成果を出すのは難しいかもしれませんが、改善を続ければ少しずつ効果を高められます。

定期的に各集客チャネルの効果を測定し、費用対効果の高い手法に予算を集中させれば効率的な集客が実現できるでしょう。

脱毛サロンの集客で失敗を防ぐための注意点

脱毛サロンの集客で失敗を防ぐための注意点は次のとおりです。

  • 広告ガイドラインの遵守
  • 中長期的な視野をもつ

あらかじめ失敗しやすい点を押さえておけば、未然にリスクを回避できます。以下にて詳しく見ていきましょう。

広告ガイドラインの遵守

インターネット上の美容・医療広告には厳しいガイドラインが設けられており、違反した場合は行政指導や罰則の対象となる可能性があります。

ガイドラインによって利用できない表現は以下のとおりです。

NG表現

具体例

虚偽広告

データの根拠等を明確にせず「医療脱毛患者様満足度99%」などと表現

誇大広告

「業界No.1」「絶対に満足」など客観的根拠のない最上級表現

比較優良広告

「他社より安い」「県内一の~」など具体的根拠を示さない比較表現

体験談

治療内容または効果に関する体験談の記載、口コミサイトからの転載など

ビフォーアフター写真

ビフォーアフター写真のみが記載され、説明が一切ない


※術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な情報を記す場合はOK

参考:医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書|厚生労働省

なお、ガイドラインは頻繁に見直しがされるため、定期的な確認をおすすめします。

中長期的な視野をもつ

脱毛サロンの集客において、特にSNSやWebマーケティングを活用する場合は、中長期的な視野をもつことが重要です。

Instagramのアカウントを使って脱毛サロンの集客を行うためには、継続的に発信を続け、知名度のない状態から時間をかけてフォロワーを獲得していく必要があります。集客に活用できるアカウントを目指すためには、一般的に3〜6ヵ月の期間が必要です。

短期間で結果が出ずにやめてしまったり、モチベーションを維持できずに途中で放棄したりするサロンは多いです。

そのようなことにならないよう、運用を開始する前から中長期的な戦略をたて、それに基づいた運用を心がけましょう。

脱毛サロン集客にも有効な成功事例3選

ここでは、脱毛サロン集客の成功事例を3つ紹介します。

実際の現場の声をもとに、成功のポイントを見出しましょう。

1.【SLOW beauty&relaxing】1対1のコミュニケーションで信頼関係を構築

10.「SLOW beauty&relaxing」オーナー 信川麻衣さん

「SLOW beauty&relaxing」オーナーの信川麻衣さんは、コロナ禍という困難な状況下でも顧客との関係性維持に力を入れ、集客につなげることに成功しています。

コロナ禍でサロンの来客数はかなり減りましたが、その分時間はありました。そこで何ができるだろうと考えた結果、パックを使ったホームケアの方法をインスタで紹介したり、「お変わりないですか?」とこまめにLINEを出したりしていました。LINEのやりとりでお客様との距離感を保てたことは、物販やコロナ明けの来店再開には効果的だったと思います。

引用元:モアリジョブ|「SLOW beauty&relaxing」オーナー 信川麻衣さん

この事例から読み取れる成功のポイントは、1対1のコミュニケーションによる信頼関係の構築です。単純に営業メッセージを送るのではなく、「お変わりないですか?」という気遣いのメッセージを送り、顧客との心理的距離を縮めている点です。

また、InstagramとLINEという複数のチャネルを活用して、それぞれの特性を生かした情報発信を行っている点も重要です。

Instagramでは有益な情報(ホームケア方法)を発信し、LINEでは個別のコミュニケーションを図るという独自の使い分けは、積極的に真似したいポイントです。

2【EXCIA】ホームページ集客の工夫で売上げ大幅アップ

11.「EXCIA」 代表 中川俊樹さん

「EXCIA」代表の中川俊樹さんは、ホームページの戦略的な設計により月500万円の売上げを達成しています。

ホームページによる集客に力を入れて実現することができました。うちのサロンではメンズの縮毛矯正、髪質改善などメニューごとに別のアカウントを用意し、ホームページを完全にわけています。たとえば縮毛矯正で検索をかけてきた人には、ほかのメニューの情報はまったく必要ないので、縮毛矯正に特化した記事だけを表示するようにしています。ホームページに来る方はそのメニューをやりたい気持ちで検索をかけていますから、余計な情報のないホームページから集客に結び付きやすくなります。

またメニューをわけていることで、どの検索ワードが一番強いかという検証も簡単にできます。SEO対策と広告運用の両軸でホームページをまわし、月500万円の売上が達成できました。

引用元:モアリジョブ|「EXCIA」 代表 中川俊樹さん

この事例最大の成功ポイントは、ユーザー目線に立ったホームページ設計です。メニューごとにホームページを分けることで、検索意図に完全に合致したコンテンツを提供しています。これにより、ユーザーは迷うことなく目的の情報にたどり着け、コンバージョン率の向上につながっています。

また、SEO対策と広告運用の両軸で運用することで、オーガニック検索と有料広告の両方からの集客を実現している点もポイントです。

3.【株式会社LHS】柔軟なスタッフ育成で長期的な売上げ増加を図る

12.「株式会社LHS」 代表 坂本紀之さん

「株式会社LHS」代表の坂本紀之さんは、スタッフ育成と働きやすい環境づくりに注力することで、長期的な事業成長を実現しています。

教育体制を整えたのもその一環ですが、ほかにもステップアップの道を用意しています。リーダー、店長などの現場役職者へのステップアップ、スーパーバイザーや講師へのジョブチェンジも可能です。現に現場出身で部門責任者までステップアップした方もいます。また、加盟店でも複数店舗展開が進みスタッフの引き上げを推進してもらっているため、同じように現場責任者、エリアマネージャー、講師など多様なステップアップができる状況になりつつあります。

引用元:モアリジョブ|「株式会社LHS」 代表 坂本紀之さん

スタッフが働きやすい環境づくりにも余念がありません。

最近変更したことでいえば、セラピストの身だしなみに関するルールを大幅に変更し、お客様が不快に思わない形であれば髪の染色、ピアス、ネイル、ひげなどもOKにしました。

ルールを変えたのは、ここがネックになって働けないというスタッフが実はとても多かったからです。スタッフが個性を活かしながら、自分らしく働けるのも弊社の特徴のひとつだと思っています。

引用元:モアリジョブ|「株式会社LHS」 代表 坂本紀之さん

この事例の成功ポイントは、スタッフの長期的なキャリア形成を重視した人材戦略にあります。

明確なキャリアパスを用意することで、スタッフのモチベーション向上と定着率の改善を実現しています。離職率の高い美容業界において、優秀な人材を長期的に確保することは、結果的に顧客満足度の向上と安定した集客につながります。

また、時代の変化に合わせた柔軟な制度変更も重要なポイントです。従来の厳格な身だしなみルールを見直し、スタッフの個性を尊重する方針に転換することで、採用の間口を広げています。これにより、より多様な人材を確保でき、慢性的な人手不足の解消につなげています。

まとめ

脱毛サロンでの集客を成功させる重要なポイントは次のとおりです。

  • 詳細なペルソナを設定する
  • 徹底した競合調査により競合優位性を見つける
  • 新規獲得とリピーターを獲得できる人材を採用する

脱毛サロン業界は競合が激化している状況ですが、適切な集客戦略を立てることで差別化を図ることが可能です。 

経験の浅いオーナーでも、本記事で紹介した手法を段階的に取り入れることで、効果的な集客システムを構築できるでしょう。

山田 大地(Yamada Daichi) プロフィール画像
執筆者情報
山田 大地(Yamada Daichi)
大学卒業後に上京し、新卒から転職エージェントと人事部を担当。その後、訪問型セラピストの展開を目指してリラクゼーションサロンに勤務する傍ら、副業として始めたWebライターで独立を果たす。現在はWebマーケティングの専門知識を活かし、父が経営する複数店舗の集客支援に従事。転職支援から接客サービス、コンテンツ制作まで幅広い業界経験を持ち、デジタルマーケティングを軸とした事業成長支援を行っている。