「美容室が失客する理由は? 」
「失客した顧客を取り戻すにはどうすればいい? 」
美容室を経営する中で、固定客離れにお悩みの方もいるのではないでしょうか。リピート層を失客すれば、固定収入が減ってしまいます。また、新規顧客のリピート率が低い場合も、不安定な経営につながりやすく、失客を防ぐ対策が必要です。
本記事では、美容室の失客理由ランキングTOP7や、お客様目線での「美容室を選ぶ基準」を詳しく解説します。失客を防ぐ方法や離れた顧客を取り戻す施策もあわせて解説しますので、ぜひ最後までご一読ください。
美容室の失客理由ランキングTOP7
失客を防ぐには「そもそもなぜお客様が離れるのか」失客の理由を把握しておく必要があります。厚生労働省が公表した「生活衛生関係営業の生産性向上を図るためのマニュアル(美容業編)」によると、美容室に行くのを辞めた理由として、下記があげられました。
▼普段通っている美容室に行くのをやめた理由
上記のデータから、美容室の失客理由ランキングは下記のとおりです。
- 引っ越しや生活の変化で行けなくなったから
- 担当者が辞めたから
- 担当者の技術や提案がよくなかったから
- スタッフや客層の雰囲気が自分に合わなかったから
- 入店後の待ち時間が長かったから
- 担当者やスタッフの接客態度や身だしなみがよくなかったから
- 所要時間がかかりすぎだったから
1位:引っ越しや生活の変化で行けなくなったから
美容室の失客理由でもっとも多いのが、引っ越しや生活の変化で行けなくなったからです。国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第9回人口移動調査(2023年)」によると、人は平均3.24回引っ越していると判明しました。
▼年齢別平均引っ越し回数
さらに転職や子育てなど、生活環境が変化した場合、サロンへの不満がなくても物理的に通いにくくなるため、自然失客が一定数発生します。
年齢を重ねて趣味嗜好が変化したり、物理的に美容室へ通えなくなったりした場合も、リピート顧客が離れてしまいます。
2位:担当者が辞めたから
担当スタイリストの退職・異動は、美容室の失客理由ランキングの中でも、大きな影響をもたらしています。
リピート顧客は「美容室ではなく、担当者のために通っている」ケースが多く、何年も利用してくれるVIP客ほど、担当者への信頼によって定着しているものです。
、目当ての美容師が離職すると、その美容室に通う意味がなくなるため失客してしまうのです。株式会社ファンくるが実施した「スタイリスト指名についての意識調査」によると、全体の約半数が必ず美容師を指名しています。
▼どのくらいの頻度でスタイリストを指名しますか?
「指名することが多い」と回答したユーザーを含むと、全体の7割が美容師を指名する傾向にあるため、担当者の離職は失客につながる重大な損失です。
なお、美容師は離職率が高い職業であり、担当のスタイリストがやめるケースは珍しくありません。
ホットペッパービューティーアカデミーが実施した「美容就業実態調査2025」によると、美容師の約31.4%が3年以内で離職しており、美容業全体では就業から3年以内の離職率は41.4%にも達します。
▼美容業の平均就業期間
美容室の失客理由ランキングで「担当者の離職」が2位にランクインした背景には、美容師の高い離職率があることを無視できません。
3位:担当者の技術や提案がよくなかったから
技術への不満は顕在化しにくいものの、失客につながる大きな要因です。「希望どおりに切ってくれなかった」「スタイルが長持ちしない」「カラーがムラになる」などの不満は、お客様が静かにサロンを離れるきっかけになります。
また、技術だけでなく提案力不足も失客の理由となるので要注意です。「似合う髪型を教えてくれない」「改善提案がない」場合、プロとしての意見を期待しているお客様にとっては失望する要因となります。
技術の均一化・カウンセリングの質向上・アフターフォロー強化が失客防止に直結します。また美容業では、お客様の要望に応えられないことが悪い口コミにつながり、店舗の評判を下げる事態に発展することもあるので注意が必要です。
4位:スタッフや客層の雰囲気が自分に合わなかったから
美容室は、技術だけでなく「居心地の良さ」が選ばれる大きな要因です。美容師との会話量や店舗の雰囲気、客層が自分にフィットしないと感じた瞬間、お客様は別のサロンを探し始めます。
常連客の中には「技術はよいけど気疲れする」と感じて、静かに離脱する方も多いです。無理にテンションを上げた接客をしたり、プライベートに踏み込みすぎたりするなどの行為は、失客につながる可能性があります。
5位:入店後の待ち時間が長かったから
待ち時間は、失客理由として軽視されやすいですが、「時間の価値」が重視される現代では重要な失客ポイントです。予約をしているのに待たされる、シャンプー台やカラー放置が長すぎるなどの時間的ロスは、お客様のストレスを増幅させ、無言で離脱してしまう失客要因です。
仕事や子育てで忙しい顧客ほど「予定が狂う美容室」を敬遠します。入店まではスムーズでも、待機時間が長すぎると、再来店を敬遠されるリスクがあることを覚えておきましょう。
6位:担当者やスタッフの接客態度や身だしなみがよくなかったから
接客態度・清潔感は、美容室の失客理由ランキングの中でも感情に直結しやすく、リピート率に影響を与える要素です。技術がよくても、下記のようにスタッフの接客態度や身だしなみがなっていないと判断されると、失客につながります。
- 雑に扱われた
- 言葉遣いが気になる
- 身だしなみが不潔
- 威圧的
- 忙しそうで相談しにくい
美容室はサービス業であり、施術スキルと同等に接客サービスが問われます。
7位:所要時間がかかりすぎだったから
施術にかかる所要時間が長すぎることも、美容室の失客原因です。「カットだけなのに1時間以上かかった」「仕上がりは満足だけど時間を奪われるのが嫌」など、お客様の中には想定より時間がかかりスケジュールを狂わされることを嫌う方も多いです。
ミドル層・ビジネス層・子育て世代は、タイムパフォーマンスを重視する傾向にあり、美容室にスムーズな施術を求めています。所要時間がかかりすぎると、その後のスケジュールに影響をおよぼすため、「次から他のサロンを選ぼう」と失客してしまうのです。
美容室が失客により被る影響
美容室にとって失客は単なる「お客様が来なくなる」問題に留まらず、売上げ・経営・集客・スタッフの心理状態にまで深刻な影響を与えます。
美容室は、リピート顧客によって売上げの大部分が成り立っているため、失客率が上がるほど継続的な利益確保が難しくなるのです。
また、新規顧客を獲得してもすぐに失客すればマーケティングに費やした投資が回収できず、経営の効率性も低下します。下記の美容室が失客により被る影響を確認して、失客率の低下を目指しましょう。
- 売上げ低下により経営が不安定になる
- 潜在顧客を見込めなくなる
- 集客コストが増加する
- 仕事への意欲やモチベーションが低下する
売上げ低下により経営が不安定になる
美容室は、売上げの約70〜80%がリピート顧客によって支えられています。そのため、失客が増えると売上げが大幅に落ち込み、経営が不安定になるリスクが高まります。
常連客・高単価メニューを利用するVIP客の失客は、ダメージが大きく年間売上げに直結する損失です。また、新規顧客は広告費をかけて獲得するため、リピートしなければ投資が回収できず赤字につながります。
「少しの失客だから大丈夫」と軽視していると、気づかないうちに固定売上げが減り、経営全体が赤字化するリスクもあるのです。
潜在顧客を見込めなくなる
美容室の失客は、「常連のお客様が減る」だけでなく、「紹介が生まれなくなる」間接的な損失にもつながります。満足度の高いお客様は、家族・友人・職場仲間などに美容室を紹介してくれるものですが、客足が遠のくと当然、口コミからの紹介ルートが途絶えてしまいます。
口コミ・紹介による来店割合は、潜在顧客を増やすために欠かせない導線です。そのため、失客は「紹介の連鎖を断つ」ことにつながり、新規顧客獲得の機会の喪失になってしまいます。
集客コストが増加する
紹介が見込めなくなると、新規顧客を集めるための広告費・予約サイト手数料・SNS運用を重視しなければなりません。結果としてコストが増加します。
リピート顧客が安定していれば、集客にお金をかけずに済みますが、失客率が高いサロンほど「常に新規集客し続けなければ売上げが維持できない」状況に陥ります。
失客率が高い美容室は、集客媒体へ依存し、掲載費の高騰によって利益率が下がる悪循環に陥りやすいものです。「新規を集め続ける美容室」よりも、「既存客が自然と再来店してくれる美容室」のほうが利益率が高く、長期的に安定した経営を実現できます。
仕事への意欲やモチベーションが低下する
失客が続くと、美容師は「自分の技術が悪いのでは」「接客が嫌われたのかもしれない」などと落ち込み、仕事への意欲が低下してしまうケースも珍しくありません。
美容師は、成果が目に見える職業のため、指名客の減少は精神的ダメージが大きく、離職の原因にもなります。また、サロン全体で失客が増えていると「売上げが不安」「将来性がない」とスタッフが感じて、店舗全体の雰囲気にも影響しかねません。
失客は単に売上げ低下だけでなく、スタッフのモチベーション低下・離職率増加につながります。
常連客を把握するために必要なリピート率
美容室が失客を防ぎ、安定した経営を維持するためには、リピート率を重視しましょう。リピート率を把握しておけば、常連客がどれだけ定着しているのか、どの施術・担当者が支持されているのか、改善すべき課題を明確化できます。
「1:5の法則」といわれるように、新規集客よりも既存客の維持のほうが5倍効率がよく、リピート率を高めることが売上げの安定・失客防止に直結します。常連客の定義や、リピート率の計算方法・平均値を確認して、美容室の経営を安定させましょう。
常連客の定義
美容室における常連客(リピーター)とは、単に2回以上来店している顧客を指すわけではありません。一般的には、以下の条件を満たすお客様を「常連」と判断します。
- 来店周期が安定している(1〜3カ月以内)
- 3回以上継続して利用している
- 指名して来店する頻度が高い
- 単価が安定している
- 新規ではなく、再来・既存枠で予約される
美容室は「2回目来店の壁」が高く、3回目への再来店へとつなげれば、失客のリスクが大幅に下がります。3回以上の来店が続くお客様は、サロンへの信頼度が高く、口コミ・紹介も期待できるため、経営において重要な存在です。
リピート率の計算方法
リピート率の計算方法は、下記のとおりです。
|
リピート率(%)=リピートした顧客の数(人)÷累計新規顧客数(人)×100 |
たとえば、今月の新規来店が40名、そのうち翌月も来店したお客様が12名の場合は、下記の計算式でリピート率が30%であると求められます。
|
リピートした顧客12名÷累計新規顧客40名×100=リピート率30% |
リピート率の平均・理想
リピート率の平均・理想値は、下記のとおりです。
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顧客層 |
平均値 |
理想値 |
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新規顧客 |
30% |
70% |
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既存顧客 |
50% |
90% |
なお上記の数値は、一般的に3カ月間でのリピート率を指しています。つまり、3カ月の間に新規顧客の30%以上、既存顧客の70%以上が再来店する美容室は、リピート率が高い傾向です。
美容室をリピートしたいと思ったシーン
ホットペッパービューティーアカデミーが実施した「美容サロン顧客満足調査 2023(美容室編)」によると、お客様は下記のようなシーンで、美容室をリピートしたいと思う傾向があります。
▼美容室を「また利用したい」と思ったシーン
男女ともに施術・仕上がり確認・カウンセリングの際に、「リピートしたい」と再来店を決めてくれます。そのため、美容室がリピート率を高めるためには、高品質なサービス提供が欠かせません。
美容室をリピートしたいと思った理由
ホットペッパービューティーアカデミーの「美容サロン顧客満足調査 2023(美容室編)」によると、サロン滞在中だけでなく来店前にも「リピートしたい」と思うお客様の割合が、男女ともに2割以上存在します。
▼美容室を「また利用したい」と強く思った場面
来店前・サロン滞在中・会計・帰宅後の各シーン別に、美容室をリピートしたいと思った理由を確認しておきましょう。
来店前にリピートしたいと思った理由
来店前にリピートしたいと思う理由は、下記のとおりです。
▼来店前に美容室を「また利用したい」と思う理由TOP5
男女ともに「ネット予約ができる」「口コミの評判がよい」「予約が取りやすい」の3項目が、上位にランクインしています。
また、男女別にリピート理由を比較すると、男性が予約の手軽さを重視し、女性は口コミや評判、クーポン・金額帯の明瞭さを魅力に感じる傾向が判明しました。
▼男性が来店前に美容室を「また利用したい」と思う理由
▼男性が来店前に美容室を「また利用したい」と思う理由
予約の取りやすさや口コミ・評判、明確な料金プランによって、予約前から「利用しやすい美容室」だと判断されると、リピート率を高められる可能性があります。
サロン滞在中にリピートしたいと思った理由
サロン滞在中にリピートしたいと思った理由は、男女ともにスタッフの技術力より、受付時の対応力を重視している傾向があります。
▼サロン滞在中に美容室を「また利用したい」と思う理由TOP5
男女別にサロン滞在中のリピートを決めた理由を比較すると、男性がスタッフの対応を重視し、女性は仕上がり確認や自分に似合うスタイル・デザインの提案を重視している傾向があります。
▼男性がサロン滞在中に美容室を「また利用したい」と思う理由
▼女性がサロン滞在中に美容室を「また利用したい」と思う理由
サロン滞在中にリピートしたいと思う割合は、男女ともに65%を超えているため、スタッフ教育を徹底し、満足度の高いサービスを提供することが大切です。
会計・帰宅後にリピートしたいと思った理由
会計・帰宅後にリピートしたいと思った割合は、男女ともに3%程度存在します。会計・帰宅後にリピートしたいと思った理由として、「料金が明瞭」「無理な勧誘・セールスがない」「商品販売が押しつけがましくない」が男女ともにTOP3を占めました。
▼会計・帰宅後に美容室を「また利用したい」と思う理由TOP5
男女別にリピートしたいと思った理由を比較すると、男性は料金の明瞭さを重視し、女性は自宅でのケアやアフターフォローの充実度を重視しています。
▼男性が会計・帰宅後に美容室を「また利用したい」と思う理由TOP5
▼女性が会計・帰宅後に美容室を「また利用したい」と思う理由TOP5
お客様にとって「また来たい」と思ってもらえるサービスを提供することが、失客を防ぎリピート率増加を実現するコツです。
美容室を変えようと思った理由
ホットペッパービューティーアカデミーの「顧客満足調査(MOT)」によると、約28%の方が来店前に美容室を変えようと思っています。
▼美容室を変えようと思った場面
来店前・サロン滞在中・会計・帰宅後の各シーン別に、美容室を変えようと思った理由を確認して、「なぜ失客が起きるのか」原因を追究しましょう。
来店前にサロンを変えようと思った理由
来店前にサロンを変えようと思った理由として、男性は「メニュー・クーポンがわかりにくい」「ネットに掲載している写真が少ない・代り映えしない」が上位にあげられました。
▼男性が来店前に美容室を変えようと思った理由
対して、女性は「口コミ・評判が悪い」「希望日時に予約が取りにくい」などの理由で、来店前に美容室の変更を検討しています。
▼女性が来店前に美容室を変えようと思った理由
ネットに掲載している情報が不十分であったり、予約が取りにくい環境であったりすると、お客様が「利用しにくい」と感じて失客につながります。
サロン滞在中にサロンを変えようと思った理由
サロン滞在中にサロンを変えようと思った割合は、男女ともに50%を超えています。男性の場合は、スタッフの対応に嫌気が差し、美容室の変更を決めている割合が多いです。
▼男性がサロン滞在中に美容室を変えようと思った理由
女性の場合は、受付時の対応やスタッフの技術力不足によって、美容室の変更を決める方が多いです。
▼女性がサロン滞在中に美容室を変えようと思った理由
技術力の不足や雑な対応は、失客に直結するNG行為なので、スタッフ教育を徹底して質の高いサービス提供を心がけましょう。
会計・帰宅後にサロンを変えようと思った理由
会計・帰宅後にサロンを変えようと思った理由として、男性は「サロン都合の商品を勧められた」「商品販売が押しつけがましい」など、商品を押し売りされたことが原因で美容室の変更を検討している割合が多いです。
▼男性が会計・帰宅後に美容室を変えようと思った理由
対して、女性は商品の押し売りに加えて、髪型が長持ちしない・パーマやカラーの効果が長続きしないなどの理由で、美容室を変更する傾向があります。
▼女性が会計・帰宅後にサロンを変えようと思った理由
商品の購入促進や次回予約の案内は、店舗の売上げにつながるため重要ですが、お客様に「営業をかけられてしんどい」とネガティブな印象を抱かれないよう注意しましょう。
美容室の失客を防ぐ方法
美容室の失客を防ぐには、下記の方法が効果的です。
- アフターサービスを徹底する
- カウンセリングを重視する
- 顧客ごとにパーソナライズした対応を心がける
- ポイントシステムで再来店を促進する
- 待ち時間を退屈させないよう工夫する
- SNSマーケティングで顧客とつながる
- 常連客に対しても真摯な対応を忘れない
- 期間限定メニュー・イベントでマンネリ化を防止する
アフターサービスを徹底する
アフターサービスを充実させれば、失客を防ぐ効果が期待できます。施術後のフォローが丁寧であるほど、「この美容室はしっかり見てくれている」とお客様に安心感を与えられます。
具体的に、下記のようなアフターサービスを提供すれば、お客様満足度が高まり、失客を防止できます。
- 施術後3〜5日を目安にフォローメッセージを送る
- スタイリングのコツを個別にアドバイスする
- トラブルがあれば無料で手直し対応する
- 自宅でできるケア動画・コラムを共有する
COA銀座の代表兼美容師「青木大地さん」は、失客しないための取組としてLINE@でアフターケアを徹底しています。
髪の毛の乾かし方、髪の巻き方などを解説した動画を事前に撮影しておいて、来店いただいたその日に「今日はありがとうございました。今日説明した前髪の乾かし方をお送りしますので、忘れてしまったら見てみてください。」というような言葉を添えてお送りしていました。
引用:モアリジョブ|美容室「COA銀座」代表兼美容師 青木大地
LINEを活用したアフターサービスは、お客様も気軽にコミュニケーションを取れるため、失客を防ぐ効果的な施策です。
カウンセリングを重視する
「要望を理解してもらえなかった」とカウンセリングでのミスマッチは、失客理由ランキングの上位にランクインします。つまり、カウンセリングの質が低いと、失客につながりやすくなるのです。
カウンセリングでは、お客様の要望とミスマッチが起きないよう、下記のポイントを重視しましょう。
- 理想とNGスタイルを必ず聞く
- ライフスタイルに合わせた提案をする
- 髪質・骨格の分析結果を丁寧に説明する
- 初回は特に時間をかける
「この人は自分のことをちゃんと見てくれている」という感覚は、他店へ映る失客防止につながります。
COA銀座の代表兼美容師「青木大地さん」は、失客しないための取り組みとして事前カウンセリングを徹底しています。
美容室に行くと緊張してうまく説明できないという方もいるので、事前に希望のスタイルやイメージ写真を共有してもらうようにしました。すべて納得した上で来店いただけますし、美容師側にもカウンセリングの時間が大幅に減るというメリットがあります。
引用:モアリジョブ|美容室「COA銀座」代表兼美容師 青木大地
事前に希望のスタイルやイメージ写真を共有してもらえば、お客様の要望を適切に理解した上で施術に移れます。
顧客ごとにパーソナライズした対応を心がける
リピート率を高めるコツは、「この美容室に通いたい」とお客様にとって特別なサービスを提供することです。他店では受けられないパーソナライズした対応を提供すれば、お客様満足度を高めて失客防止につなげられます。
美容室は、特別扱いされている感があるほどお客様満足度が高くなるため、下記のようにお客様が喜ぶ対応を心がけましょう。
- 前回の施術履歴をチェックして会話する
- 好みの香り・雑誌・ドリンクを覚えておく
- 髪質の変化や季節ごとのケアを提案する
- 名前を呼びながら迎える
前回の些細な会話を覚えていたり、お客様の趣味・好みに沿った会話をしたりするだけで、「自分だけの美容室」という感覚を与えられます。特別感を演出することが、常連客を生み出すコツです。
ポイントシステムで再来店を促進する
再来店の機会を生み出す施策として、ポイントシステムの導入が効果的です。ポイントカードやアプリでのポイント付与は、再来店率をアップさせる効果が期待できます。
ただ来店ごとにポイントを付与するのではなく、初回〜3回目はポイント倍率を高く設定したり、来店周期に応じてボーナスポイントを付与したりすれば、再来店の頻度を高められます。
また、前回来店から45日以内でポイントアップさせる仕組みや、紹介制度によるポイント付与システムは、来店頻度・新規顧客増加の効果が期待できるためおすすめです。
待ち時間を退屈させないよう工夫する
厚生労働省が公表した「生活衛生関係営業の生産性向上を図るためのマニュアル(美容業編)」によると、「利用する美容室を決めている理由」に「入店後の待ち時間が少ないから」がランクインしています。
▼普段、主に「美容室」を利用している方の利用するお店を決めている理由TOP7
待ち時間をゼロにすることは難しいため、退屈に感じる時間を減らす工夫が必要です。具体的に、下記のような工夫を施すと、待ち時間を不満な時間から快適な時間へと変えられます。
- ドリンクサービスを充実させる
- 雑誌ではなくタブレットで選べるようにする
- Wi-Fiや充電器を完備する
- 次の施術開始までの目安時間を伝える
- キャンセル待ち通知など事前案内を強化する
- 予約システムを導入し来店時間の目安を伝える
COA銀座の代表兼美容師「青木大地さん」は、失客しないための取り組みとして、顧客の待ち時間を減らせるよう時間誘導できる仕組みを整えています。
店が忙しい時間に来店しているお客さまはどうしても失客リスクが高まり、暇な時間に来店いただいたお客さまの方がリピートにつながりやすくなります。そこで忙しい時間やおすすめの時間を、LINE@で事前にお伝えしておくんです。仮に時間誘導ができなくてもお客さまは忙しい時間だと分かって来店してくだるので、こちらの事情もご理解いただけます。
引用:モアリジョブ|美容室「COA銀座」代表兼美容師 青木大地
LINEや予約システムでおすすめ時間・来店時間の目安を伝えておけば、待ち時間ゼロの状態で施術を受けられるよう来店誘導できます。
SNSマーケティングで顧客とつながる
現在はSNSを活用したマーケティングで、お客様とつながる企業・店舗が増えました。SNSは、美容室とお客様の関係を継続的につなぐツールであり、中でもInstagramやLINE公式アカウントは、美容室との接触頻度を高め、来店サイクルの短縮効果が期待できます。
美容室が失客する理由としても「担当者が辞めたから」が上位にランクインしたように、失客を防ぐには、美容室とお客様の接点を深めることが重要です。
美容室の失客は、「忘れられてしまう」「もっと自分に合う美容室が見つかった」などの情報不足から起きるケースもあるため、SNSマーケティングで再来店のきっかけを増やしましょう。
また、SNSコンテンツへの継続的な発信により、新規顧客獲得につながるマーケティング施策も両立できます。SNSは、低コストで新規・既存顧客双方を獲得できるチャネルになるため、失客を防ぐ意味でも注力しましょう。
常連客に対しても真摯な対応を忘れない
失客の中でも、一度ついた常連客の離脱がもっとも手痛いです。美容室経営では、売上げの70〜80%が常連客によって支えられているため、1人の常連を失うダメージは新規3〜5人分に相当します。
しかし、実際には「慣れ」から接客レベルが下がり、常連客がフェードアウトするケースも少なくありません。下記のような、常連客に対して失礼な対応をしていないかチェックし、常に真摯な対応を心がけましょう。
【常連客の失客につながる失礼な対応】
- 会話が流れ作業のようになる
- 新規顧客を優遇し、常連客に雑な対応をする
- マンネリにより技術や提案の質が下がる
- 前回の施術内容・好みを覚えていない
- カット中に他のスタッフと内輪話をしてしまう
常連だからこそ「この人なら大丈夫だろう」という油断が生まれやすいですが、常連客だからこそ丁寧に扱う姿勢が大切です。
【常連客の失客を防ぐ具体的な施策】
- 施術履歴や好みを記録したカルテを施術前に確認する
- 毎回来店時に1つは新しい提案をする
- 誕生日クーポン・定期ケア割などの常連向けの特典を用意する
- 次回来店の最適周期を説明し、継続来店をサポートする
お客様に「あなたの担当でいたい」という姿勢が伝われば、失客防止効果が期待できます。
期間限定メニュー・イベントとマンネリ化を防止する
「毎回同じで飽きた」と、マンネリによる常連客の失客も多いです。施術に大きな不満がなくても、変化が少ないと他の美容室を試したくなるのが顧客心理です。
そこで、期間限定メニューや季節イベントを導入すれば、マンネリ防止により失客を防げます。新しい楽しみや興味のきっかけを作り、再来店意欲を高めましょう。
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期間限定メニュー例 |
季節イベント例 |
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春の新生活応援メニュー |
誕生日月に10%OFFクーポン |
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夏の紫外線ダメージ補修トリートメント |
3回来店でギフト進呈 |
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秋の乾燥・広がり対策の保湿ケアコース |
インスタフォローで特典 |
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冬の頭皮ケア+血行促進スパキャンペーン |
友達紹介キャンペーン |
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雨季のくせ毛対策ストレート・縮毛矯正フェア |
来店累計◯回でVIP待遇へ昇格 |
季節や限定性があると、顧客は「今のうちに行っておきたい」と感じるため、来店サイクルを短縮できます。またイベントをSNSやLINEで発信すれば、新規・既存双方の来店きっかけを作れるため、失客防止と売上げアップの双方が期待できます。
美容室で失客した顧客を取り戻す施策
美容室経営において、失客防止が大切ですが、失客をゼロにすることは現実的ではありません。しかし、失客したお客様の一部でも再来店につなげられれば、売上げの安定化や常連数の増加に貢献できます。
一度関係が途切れたお客様は、「美容室を変えたい」潜在ニーズを持っている場合も多く、適切なアプローチによって再来してくれる可能性は十分にあります。
下記の施策を実施して、失客したお客様を取り戻しましょう。
- 失客理由を収集・分析する
- DMやクーポン配布で再来店を促進する
- 期間限定サービス・イベントで再来店のきっかけを作る
失客理由を収集・分析する
失客顧客を取り戻すためには、「なぜお客様が離れたのか」を具体的な失客理由を把握する必要があります。失客理由を理解しなければ、再来店につながるアプローチができません。
失客理由は、店舗側では気づきにくいケースが多く、下記のようにデータを活用して洗い出すことが大切です。
【失客理由を収集する方法】
- 予約管理システムの来店周期データを分析する
- 最終来店から一定期間経過した顧客にアンケートを送付する
- DMやLINE配信時に「簡易ヒアリングフォーム」を添付する
- スタッフ同士で共有し、原因の傾向を分析する
- 来店しなくなったタイミングを時期ごとに分類する
離脱理由を把握した後は、原因別に失客防止につながる施策を実施しましょう。
DMやクーポン配布で再来店を促進する
失客した顧客を呼び戻す効果が高い施策が、DMによる個別アプローチです。失客した顧客は「なんとなく疎遠になっただけ」というケースも多く、背中を軽く押してあげれば再来店してくれる可能性があります。
期間限定メニューの案内やクーポン配布など、再来店を促進するDM送信で、失客したお客様を取り戻しましょう。
失客した顧客に送るDMの内容
失客した顧客へ送るDMは、ただ「また来てください」と伝えるだけでは効果がありません。顧客が再来店をためらう理由を取り除き、「行ってみたい」と感じてもらえる内容にする必要があります。
以下のポイントを盛り込んで、失客顧客に刺さりやすいDMを作成しましょう。
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あなた専用メッセージで特別感を出す
名前、過去の施術履歴、来店周期など、顧客情報に基づくパーソナライズが重要。「誰にでも送っているDM」ではなく、自分のための案内と感じてもらう内容にする -
来店しやすい理由を明確に提示する
失客している顧客は、単純に「行く理由」や「きっかけ」を失っていることが多い。限定クーポンや新メニューの紹介、予約枠を取りやすい時間の案内など、「また行ってみたい」と思えるきっかけを作る
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来店後のメリットを具体化する
抽象的なメリットより、悩みを解消する具体的な提案が効果的。季節・髪質・直近の施術内容と紐づけて、DMの説得力を高める
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行動につながる導線(CTA)を明確にする
どれだけよい内容でも、予約導線が曖昧だと離脱されてしまう。LINE予約リンクやホットペッパービューティーのURLなど、再来店につながるCTAボタンを設置する
失客した顧客に送るDMの例文
下記は失客したお客様に送るDMの例文です。
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件名:【担当者変更のご案内】再来店で10%OFF特典あり! 〇〇さま、こんにちは。〇〇美容室です。 前回のご来店から少し時間が空いておりましたので、ご連絡させていただきました。 担当しておりました△△が退職いたしましたが、 〇〇さまの髪質・好みをしっかり引き継いだ◯◯が対応いたしますので、 安心してご利用いただけます。 初回は担当変更のご挨拶も兼ねて、 【担当替え限定10%OFF】でご案内いたします。 無理なご来店を促すものではございませんので、 ぜひお気軽にご連絡ください。 ご予約はこちら |
上記はあくまで例文なので、お客様ごとにパーソナライズした内容で、再来店を呼びかけましょう。
期間限定サービス・イベントで再来店のきっかけを作る
失客顧客を再来につなげるには、「今行く理由」を提供する施策が効果的です。期間限定サービスや季節イベントは、失客顧客に行動を促す強力なきっかけを作れます。
「限定」「今だけ」による希少性・機会損失回避の心理効果で、「今行っておかないと損をする」と思ってもらえれば、失客顧客の再来店が見込めます。
また、誕生日クーポンや来店周期が空いている顧客限定の「戻り割」は、失客顧客が再来店するきっかけ作りとしておすすめです。
まとめ
美容室経営を安定させるには、失客を防ぎ、すでに離れた失客顧客を呼び戻す施策が必要です。失客率を低下させ、リピート率が高まれば、常連客の増加により安定的な収入を得られます。
美容室経営を安定させるには、下記の失客ポイントを押さえておきましょう。
- 美容室の失客理由は、引っ越しや担当者の退職、技術不足などが多い
- 施術だけでなく接客・スタッフ対応によっても失客する可能性がある
- 来店前に「利用しにくい」と感じられた場合は失客する
- リピーターを獲得するには、各顧客に合わせて対応する
- 待ち時間・施術時間を退屈させない工夫が失客防止につながる
- 失客顧客はDMやクーポン・期間限定メニューで再来店を呼びかける
失客を防ぎ、店舗のリピート率を向上させて、安定的な美容室経営を実現しましょう。
- 執筆者情報
- 山藤 寛司(Santo Hiroshi)