美容室におけるリピート率の平均を正確に示すデータはありませんが、複数の美容室向けのサイトでは、次のように示されています。
- 平均の新規リピート率30%
- 平均の既存顧客リピート率70%
以上のリピート率が平均とされていますが、なかには80%や90%などの高いリピート率を維持する美容室も存在します。そのような美容室の場合、独自の工夫や戦略によって固定客の確保に成功しているのです。
本記事では、はじめにリピート率の計算方法を紹介します。さらにリピート率を改善する方法について、事例を交えて解説します。80%や90%などの高いリピート率を維持する美容室の事例を8つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
リピート率の計算方法
リピート率は、美容室の経営方針を把握したり、サロンの運営方針を決めたりするために欠かせない要素です。ここでは、計算式や計算の具体例を紹介するので、参考にして自社サロンのリピート率を計算してみましょう。
計算式
リピート率は次の式で計算できます。
▼リピート率の計算式
リピート率(%)= リピート顧客数(人) ÷ 累計新規顧客数(人) ×100 |
実際にリピート率を計算する際には、30日や90日などの初回訪問から再訪問までの期間を区切って計算します。
計算の具体例
たとえば、3カ月間(180日間)で美容室に来店した顧客数が200人で、そのうち140人が再び来店した場合、リポート率は次のように計算します。
▼リピート率計算の具体例
リピート率(%)=140人÷200人×100=70% |
サロンの運営方針にリピート率を役立てる際は、全体だけではなく、シーズンや集客媒体、担当者ごとに分けてリピート率を計算します。たとえば広告媒体を見直す際に、集客数だけではなくリピート率も計算するとより精度の高い分析が可能です。
▽広告別の新規集客数とリピート率の具体例
広告名 |
新規集客数 |
リピート率 |
---|---|---|
広告A |
15人 |
20% |
広告B |
10人 |
80% |
広告C |
5人 |
90% |
以上をみると、広告Aは新規集客数が多いにも関わらず極端にリピート率が低いことがわかります。これをもとに、サロンの運営方針について、次のように検討できます。
- 広告Aを見て来店した顧客のリピート率が低い理由を考えて、広告の内容を改善する
- 広告Aを止めて、その分広告Bや広告Cに広告費を配分する
リピート率をチェックすると、広告の集客数を確認するだけではわからなかった事実が判明するため、より効果的な施策を導き出せます。
美容室のリピート率
美容室のリピート率について、根拠のある平均値を知りたい場合は、タカラベルモント株式会社が公表したデータを参考にするとよいでしょう。タカラベルモント株式会社は、理美容関連の経営セミナーを実施したり、関連機器を販売したりしている会社です。
同社は来店状況について、複数店舗のPOSデータを集計しました。その集計結果をもとにリピート回数が3回に達した顧客の割合(3回リピート率)を導き出した結果、30%だったことを公表しています。
さらに同社によると、3回まで来店してもらえると、その後は90%の顧客が継続して来店しているそうです。そのため、3回リピート率は新規固定化率とも呼ばれます。
つまりリピート率を計測する際は、3回来店した顧客を対象に集計すると、固定客をどれくらい獲得しているのかを把握できることになります。目指すべきリピート率に根拠を求める場合、まずは3回リピート率30%を基準にするのもおすすめです。
しかし、美容室のなかにはリピート率について平均を大幅に超える結果を残すケースも多いようです。次項では、リピート率の高い美容室の事例を紹介します。
リピート率の高い美容室の事例
80%や90%などの高いリピート率を維持する美容室の事例を、8つ紹介します。美容師がすぐに取り組める施策や工夫を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
定期的な来店をすすめる
眉&まつげ専門サロン「:Riico:」では、眉のお手入れを自分で行うのではなく、サロンでプロに任せるという意識改革を促しています。その結果、9割以上の顧客が次回の施術を予約するようになりました。
顧客の意識改革につながる提案として、具体的には眉毛の自己処理を止めて、毛周期に合わせた来店をすすめています。
当店に来られるお客様には、ご自宅での自己処理は一切やめて、毛周期に合わせて何度か来店していただくことをお勧めしています。
プロのブロウティストが同じラインで眉を取ることを繰り返すと、無駄毛が減耗し、必要な部分は濃くはっきり出て、眉ラインがより美しく整っていく様子を実感していただけます。お手入れのルーティンを守ればこんなに顔が変わっていくものかと、皆さん感動されるんですよ。
引用: モアリジョブ |眉&まつげ専門サロン「 :Riico:」 代表 *RISA**さん
自己処理とプロの施術後の仕上がりについて違いを実感してもらうこともポイントです。また美容室の「髪屋こころ」の場合、カウンセリングで顧客の来店周期をコントロールして、リピート率8割越えを達成しています。
カウンセリングでは、顧客の悩みを詳しくヒアリングしたうえで、仕上がりの一番良い状態を保つための来店周期を伝えています。
お客さまの多くは、くせ毛など何らかのお悩みを抱えていることがほとんどですから、時間をかけてお話を聞きながら、一つひとつ不安やお悩みを解消していきます。
仕上がりの「一番良い状態」を保たせるためにはどれくらいの頻度で通うのがベストかをお伝えします。そうすると、自ずと来店する頻度が計算でき、その場で次回予約につなげることができます。
引用: モアリジョブ |株式会社Hair Life Plan代表 成田順一さん
伝えた周期通りに来店してもらうためには、事前に顧客の悩みに寄り添い不安を解消して信頼関係を築くことも重要です。
カウンセリングを工夫する
K-twoで役員を務める饗場一将さんは、コミュニケーションやカウンセリングに力を入れて顧客の理想をつかんで、100%近いリピート率を達成しました。顧客に満足してもらうために、しっかりと話を聞き、要望に応じた理想のスタイルを提案できるよう工夫を続けています。
お客さまの理想を実現するためには、コミュニケーションが大切だと思っています。なので、普段スタイリングにどの程度時間をかけるかなどを伺いつつ、お客さまの話し方や言葉の端々にも意識を向け、喜んで頂けそうなスタイルを提案するようにしているんです。そういった察知と提案の繰り返しで、お客さまの理想を汲み取っています。
引用: モアリジョブ |K-two 役員 スタイリスト 饗場一将さん
自分の作りたいものを作るという考え方を切り替えたことが、リピート率改善のきっかけになったようです。
僕の場合、雑誌の仕事は、世界観作り、自分の作りたい物を作るという要素が強かったんです。そのため、お客さまの理想を汲み取ってそれに応えるというデザインの作り方は、それまでと真反対で苦労しました。ただ、そこでお客さまが求めていることに応えないと喜んでもらえない、売上に繋がらないということに気づいたんです。
引用:モアリジョブ|K-two 役員 スタイリスト 饗場一将さん
スタッフが以上のような気づきを得られるよう、さまざまな業務を経験させ、キャリアの方向性が見えてきたタイミングで自己分析を促すとよいでしょう。
接客の節度を保つ
顧客が繰り返し来店してくれると、慣れてしまい、ついつい接客の力を抜きがちです。サロンに所属するスタッフのなかにも、慣れが生じて接客態度に影響するケースがあるかもしれません。リピート率80%超えの人気の美容サロン「ACHFILO(アフィーロ)」では、顧客と仲良くなった場合でも接客の節度を保つことを大切にしています。
毎日予約があって、お客さまの髪の毛を扱うことが当たり前になってしまったらすぐに失客してしまいます。リピートしてくださるお客さまとは仲良くなりますし、距離感が近づくこともあるのですが、節度を保った接客を心掛け、毎回お客さまの気持ちを汲み取るなど真摯に接することが大切です。
引用: モアリジョブ |「ACHFILO(アフィーロ)」 代表 小吉健太さん
これらは、顧客に慣れてしまった結果、多くの常連客を失ったという代表の苦い経験を踏まえ、スタッフに伝えているとのことです。
顧客の悩みにフォーカスする
「Ms.CHARM」の業務委託スタッフとして働く大河原修太さんは、顧客の悩みにフォーカスした結果、白髪で悩んでいる人が多いことに気づきました。その後、白髪で悩む人をターゲットにサービスを展開した結果、90%のリピート率を達成しました。
最初はターゲットの年齢層に関係なく、シンプルにデザインとして打ち出していましたが、いろいろなお客様を施術していくうちに白髪で悩んでいる人がかなりいて、その方たちを美しく見せたいと思ったのがきっかけです。
「白髪」悩みにフォーカスすれば、お客様満足度とリピート率が上がるんじゃないかと考えました。
引用: モアリジョブ |「Ms.CHARM」 スタイリスト美容師 大河原修太さん
40~50代の顧客を中心に、多くのリピーター客の獲得に成功しており、若年層よりも定着率の高さを実感しているそうです。
顧客の希望に応える
美容室「TRUNK」は、コピーカラーと呼ばれる独自のスキルを駆使して顧客の希望に応えることで、90%のリピート率を達成しました。コピーカラーは、まずは顧客の希望を徹底的にヒアリングし、その内容をもとに目視で色味を確認してもらいながらカラーを提案する施術方法です。代案を押し付けずに、納得してもらえるまで話し合うことがポイントです。
「お客さまの希望に全力で寄せること」を大切にしてきました。その精神で生み出したのが、「コピーカラー」という施術で、お客さまの希望のカラーをコピーしたように仕上げることができます。ヒアリングをしっかり行い、まずお客さまが実現したいことは何なのかをつかみます。その際、お客様の希望を否定することは絶対にせず、常に「やってみます」の精神でいます。そしてそれを実現するための方法を話し合い、お客様に目視で実際の色味を確認し納得していただいたあとに施術を始めることを心がけています。
引用: モアリジョブ |美容室「TRUNK」 オーナー カワノヨウヘイ
顧客の意見を否定せずに、代案を示すことが顧客の納得につながります。相手に共感を寄せるコミュニケーションスキルが求められるでしょう。
簡単に代案を押し付けず、納得していただけるまでとことん話し合います。たとえばブリーチをしないとできない色味であれば、「ブリーチしないとできません」ではなく、「ブリーチをすれば、この色に仕上がりますよ」と提案します。そこでもし「ブリーチはしたくない」という場合は、別の色味の出し方、別の方法など、次の提案をし話し合います。そうすることでお客さまはベストな選択をできるようになると思うんです。
引用:モアリジョブ|美容室「TRUNK」 オーナー カワノヨウヘイ
顧客の導線を細分化してサービスを考える
都内にある美容室「Door代官山」では、顧客の導線を14ステップに分けて、細かくマニュアル化することでリピート率を安定させています。
受付で名前を聞く、シャンプーをする、カウンセリングシートを記入するなど、お客さまの導線を14のステップに細かく分けて、それぞれで行うサービスを考えています。サービス内容の詳細を少しだけ紹介すると、たとえばカラーをした後に待っていただく時のお声掛け内容です。『なぜこの待ち時間が必要なのか』を伝える必要があり、それを説明するマニュアルがあります。
引用: モアリジョブ |「Door代官山」 代表 吉澤さん
美容師が顧客に投げかける質問まで決められており、導線ごとの顧客対応の標準化が徹底されています。常に同じサービスが顧客に提供されることで、店舗の総合力が上がり、それがリピート率の安定につながっています。
アドバイスを丁寧にする
美容サロン「Esukyu」では、おすすめの美容商材やヘアケアの方法などについて丁寧にアドバイスして、高いリピート率を維持しています。丁寧に美容商材の成分を説明して、顧客に本当にマッチする商材を紹介することがポイントです。
アドバイスを送る時のポイントは、きちんと成分を説明して本当にマッチする商品をおすすめすることです。もし『何のシャンプーを使っていますか?』と聞いた時に、知らない商品であれば、後日商材の詳細を調べてからお伝えしています。そのため、私はサロンに勤めている時から、お店で取り扱っているシャンプー以外の商材をよくご提案していました。また、調べた内容はブログにも書いているので新規のお客さまから『おすすめのシャンプーを教えてくれませんか?』と質問を受けることもよくありますね
引用: モアリジョブ |美容室「Esukyu」 代表 戸村ユースケさん
さらに、この美容サロンではLINEで顧客とスタッフが直接やり取りできる体制を整えています。これにより、顧客がすぐに悩みの相談や予約ができ、信頼の獲得や満足度の向上につながっています。
既存のお客さま限定にはなりますが、LINEを活用してお客さまのお悩みを解決することを心掛けていますね。ホームページにはLINEのアカウントを貼っているので、お客さまからの予約や相談は私のもとに直接届きます。
引用:モアリジョブ|美容室「TRUNK」 代表 吉澤さん
LINEを通して顧客からリアルタイムに相談を受けて、それに回答しているそうです。たとえば、電気屋にいる顧客からアイロンの性能について質問を受けた際には、そのアイロンについて調べて、必要に応じておすすめのアイロンを紹介して喜ばれたこともあります。
アドバイスを通して顧客に寄り添う姿勢を示すことが、リピート率の向上につながっているのです。
専門特化を意識する
ヘアサロンVIFは、ヘアカラーに特化し、リピート率80%以上を達成しています。予約メニューをカット・カラー・トリートメントの3つに絞り、専門特化することで信頼を獲得し、多くの固定客を抱えるようになりました。
当時はまだクーポンサイト経由の予約が多かった時代です。ネットから予約できるメニュー項目をカット・カラー・トリートメントだけに絞り、その3つでしか新規客を取らないことにしました。
(中略)
メインメニューを絞ったことは、予想以上に大きなアピールとなりました。お客様の心理に「専門店なら技術は間違いないはず」という信頼感を与えることに成功したんです。
引用:モアリジョブ|ヘアサロンVIF オーナー 田中元さん
なお同サロンがカラーに専門特化するのは、新規来店のきっかけにするためであり、リピーターには縮毛矯正やパーマなどの他のメニューも提供しています。
リピート率が低い美容室の特徴
リピート率の低い美容室には次の特徴があります。
- ターゲットが不明確
- 特徴がない
- 接客の印象が悪い
- リピートにつながるようにフォローができていない
それぞれについて詳しく解説するので、自社に当てはまる点がないかどうか確認してみてください。
ターゲットが不明確
美容室のターゲットが不明確だと、顧客は自分のニーズに合ったサービスが受けられないと感じ、リピートにつながりにくくなります。
たとえば、低価格サービスを求める顧客と、高額でも質を重視する顧客では、価格、内装、メニュー、接客に対するニーズが大きく異なります。そのため、どちらかをターゲットとして明確に定めないと、店舗の魅力が伝わりにくくなるでしょう。
特徴がない
他の美容室と同じようなサービスで特徴がないと、顧客がサロンを選ぶ理由を見つけづらくなります。他と差別化を図るには、技術力だけでなく、店舗の雰囲気、接客スタイル、独自のメニューなど多角的な視点が必要です。
顧客に選ばれる美容室になるために、差別化を意識し、特徴を明確にすることが重要です。
接客の印象が悪い
接客の印象が悪いと、顧客が美容室のサービスに満足できないため、高いリピート率が期待できません。
高いリピート率を維持するためには、接客を改善して顧客が接客に対して好印象を持つことが大切です。
接客の改善によってリピート率を高めたい場合は、まずは受付時の対応を丁寧に行うようにスタッフに指導するとよいでしょう。 株式会社リクルートの調査 によると、リピートしたいと考えるに至った内容として、顧客の多くが、受付時の接客が丁寧なことを挙げています。
▼【来店~施術~仕上がり確認】美容室を「また利用したい」と思った具体的な内容
以上から、男女ともに受付時の対応が丁寧なことがリピート率のアップに重要なことがわかります。
リピートにつながるようにフォローができていない
リピートにつながるフォローができていない状態とは、次回の来店を促す行動が取れていないことを指します。顧客が美容室のサービスに満足していても、時間が経つと美容室のことを徐々に忘れてしまうことが多いです。そのため、リピートにつながるフォローで次回の来店を促すことが重要です。
リピートにつながるフォローとして、たとえば次のような施策が考えられます。
- 次回の来店の目安を伝える
- 再び来店する必要性を伝える
- 次回来店時に使えるクーポンを渡す
- LINEやはがきを使ってサンキューメッセージを送る など
以上の効果を高めるためには、顧客の悩みに寄り添い丁寧にカウンセリングすることも大切です。
美容室のリピート率を上げる方法
ここでは、これまでに紹介した高リピート率を達成した美容室の事例やリピート率が低い美容室の特徴をもとに、リピート率を上げる方法について解説します。主な方法を一覧で示すと次のとおりです。
- ターゲットを明確にする
- スタッフの接客スキルの底上げを図る
- 他店との差別化を図る
- 接客経験が豊富な人材を採用する
- 予約管理ツールを導入する
それぞれについて根拠となるデータを示しながら、具体的な施策について詳しく解説します。
ターゲットを明確にする
美容室のリピート率を上げるためには、はじめにターゲット顧客を明確にすることが重要です。年齢層や性別、ライフスタイル、髪質など、ターゲットとする顧客像を具体化すると、その顧客層に響くようなサービスやメニューを提供できます。
トレンドの影響が大きい美容業界の場合、利用されているメニューの傾向をターゲットごとに確認して、施術メニューや広告の訴求ポイントを考えるのもおすすめです。
(株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミーの調べ によると、女性の場合、縮毛矯正やストレートパーマに需要があるようです。また、まつげやネイル、眉カットなどのヘア以外を対象にしたサービスの利用者も若干の伸びを示しています。
▼1 年以内に各メニューを 1 回以上利用した女性の割合
一方で男性の場合、パーマやトリートメントへの需要が高まっています。また全サービスを通して、増加傾向にある点も特徴です。今後は、男性向けのサービスに力を入れることで、リピーター獲得が期待できる可能性があります。
▼1 年以内に各メニューを 1 回以上利用した男性の割合
以上のように、まずはターゲットを決めて、そのターゲットが求めるメニューを把握することが、リピート率アップにつながります。
スタッフの接客スキルの底上げを図る
接客は、リピート率に大きく影響する要素です。そのため、スタッフの接客スキルを向上させるための教育や研修を定期的に実施することが重要です。笑顔での挨拶、丁寧な言葉遣い、顧客の髪質やニーズに合わせたヘアスタイルの提案など、顧客の悩みを聞き出し、共感する力も求められます。
また、ロールプレイングや顧客満足度アンケートなどを活用し、スタッフ間の意見交換や改善点の発見にも努めましょう。
店舗スタッフの接客スキルの上げ方については、次の記事でも詳しく解説しているので、どうぞ参考にしてください。
内部リンク:接客スキル
他店との差別化を図る
他店との差別化を図るためには、はじめに競合の状況を把握する必要があります。次の手段を駆使して、競合調査を行いましょう。
- ホームページで施術メニューをチェックする
- 競合店を見に行き外観や人の流れを確認する
- Googleマップや口コミサイトで競合の評判を確認する
- SNSを確認してキャンペーンの有無や店舗の雰囲気を調べる
- 実際に競合店を利用する など
以上の調査結果をもとに、競合とは異なるサービスを提供したり、ターゲティングに違いをつけたりすると差別化を図れます。
また 中小企業庁の調べ をもとに、サービス業の差別化に対する取り組みで効果があったものを上から順に5つ挙げると次のとおりでした。
差別化の内容 |
労働生産性※の変化 |
---|---|
用途・デザイン・操作性で差別化された製品の開発 |
1,706上昇 |
特定地域向けの製品・サービスの開発(ローカライズ) |
1,274上昇 |
特定顧客向けの製品・サービスの開発 |
1,078上昇 |
付帯製品・サービスの開発 |
1,012上昇 |
広告・プロモーション強化 |
889上昇 |
※労働生産性とは、労働によってどれだけ効率的に付加価値(生産量やサービスの価値など)を生み出せているかを示す指標。(労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+賃貸料+租税公課)÷従業員数)
以上の結果より、広告・プロモーションによって競合と差別化を図る前に、まずはサービスを工夫したり、設備に投資したりして差別化した方が、効果が高いことがわかります。競合との差別化の際には参考にしてみてください。
接客経験が豊富な人材を採用する
接客経験の豊富なスタッフは、顧客のニーズを的確に把握し満足度の高いサービスを提供できるため、雇用するとリピート率の向上が期待できます。
また接客経験が豊富な人材を採用すると、他のスタッフに良い影響を与え、美容室全体の接客スキルの底上げにもつながるでしょう。即戦力として働いてもらいながら、新人スタッフの育成に当たらせることも有効です。
接客スキルの高い人材を採用したい場合は、接客に自信のある求職者に「応募したい」と思わせることが大切です。そのためにも求人票に接客へのこだわりを掲載して、積極的にアピールするとよいでしょう。
▼接客へのこだわり(書き方の具体例)
美容室の実績や実際に行っているサービスなどをエピソードとして織り交ぜながら端的に伝えると、求職者に伝わりやすくなります。
リジョブでは、美容・ヘルスケア業界向けに自社のターゲットを採用するためのノウハウを資料にまとめました。技術や接客、人柄、仕事上の役割など、自社が求める人材を採用するコツを4ステップに分けて解説するので、ぜひ無料でダウンロードしてご覧ください。
予約管理ツールを導入する
予約管理ツールを導入するだけでも、顧客の予約についての利便性が向上し、リピート率の向上につながります。
ホットペッパービューティーアカデミー は美容室利用者2600人に対してアンケートをとりました。その結果によると、来店前に美容室を「また利用したい」と思った具体的な内容として、男女ともに「ネット予約できる」と「予約が取りやすい」が上位だったことがわかりました。
▼【来店前】美容室を「また利用したい」と思った具体的な内容(TOP5)
さらに「口コミの評判が良い(男女両方)」や「クーポンが充実・分かりやすい(女性)」がトップ5入りしている点もポイントです。つまり単に、インターネット予約を導入するだけではなく、口コミ管理やクーポンの発行も実施すると、さらなるリピート率向上が期待できるのです。
インターネット予約やLINE予約、口コミ管理、クーポン発行をすべて実施できる予約管理システムとして、リザービアがおすすめです。リザービアには、下記のようにリピート率アップにつながるさまざまな機能が搭載されています。
▼リザービアに搭載されている機能一覧
引用: リザービア
リピート率アップを目指す場合は、導入を検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
本記事を総括すると次のとおりです。
- 経営の安定化を図るためにはリピート率をアップさせることが大切
- リピート率80%や90%を達成して、経営を安定させている美容室の事例は多い
- リピート率を上げるためにはスタッフの接客スキルを高めるだけではなく、ターゲットの明確化や競合との差別化などのマーケティング的な施策も重要
本記事では、リピート率80%や90%を達成した美容室の事例を8つ紹介したので、リピート率が低い点が課題の場合は、ぜひ参考にしてください。またスタッフの接客スキルに課題がある場合は、接客経験の豊富な美容師を採用して、美容室の接客スタイルを見直してみるのもひとつの手段です。
接客経験が豊富な美容師の採用を検討している場合は、美容・ヘルスケア業界に特化した求人サイト「リジョブ」の活用もご検討ください。
- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部