美容師の離職率は他の業界よりも高く、約3人に1人が1年以内に仕事を辞めている状況です。実際に過去の離職率は横ばいであり、他業種への人材流出も懸念されます。
そこで離職率を低下させるための施策を講じる必要がありますが、その前に離職理由を分析することが大切です。
美容師の場合、アシスタントとスタイリストはそれぞれ異なる理由で離職するため、両者の離職理由の違いを理解して、対策を講じる必要があります。
また現在は、働き方の多様性への対応や個人のキャリア形成に則した組織戦略が求められる点もポイントです。
ここでは美容師の離職率の概要と、アシスタントやスタイリストなどの属性による離職理由の違い、昨今の離職率の推移から考えられる有効な施策について解説します。
美容師の離職率とは
美容室の離職率は他業種と比べて高い状況であり、他業種への人材流出も懸念されます。離職率を低下させるためには、アシスタントとスタイリストの離職理由の違いを把握して、適切な施策を講じることが大切です。
この章では美容師におけるポジション別の離職理由や、現在および将来の離職率について詳しく解説します。
美容師の離職率は1年以内に約30%
厚生労働省の調査によると、美容業が属する「生活関連サービス業、娯楽業」における1年以内の離職率は約30%でした。
令和3年3月卒に関するデータでは、生活衛生サービスの1年以内の離職率は31%で、他業種に比べて最も高い数値です。
また厚生労働省のデータによると、同年の全業種における1年以内の離職率の平均は18.3%です。それと比べても「生活関連サービス業、娯楽業」の離職率がかなり高いことがわかります。
アシスタントとスタイリストの離職理由の違い
アシスタントとスタイリストの離職理由には、大きな違いがあります。
たとえばアシスタントの場合、「労働時間が長い」や「給料が安い」などの労働条件が原因で辞めることが多いようです。さらに接客に対して苦手意識を持つと、美容師が向いていないと感じて退職してしまうことも多いようです。
一方でスタイリストなどの比較的長く働いてきたスタッフの場合、給料の伸び幅に対する不満や、独立開業などが原因で辞める傾向にあります。スタッフ教育の難しさやオーナーとの人間関係などに悩みを抱えて、美容室をやめることもあるようです。
美容師から他業種への人材流出のリスク
美容室は他業種よりも離職率が高いこともあり、他の業種への人材流出のリスクがあります。
美容師の場合、たとえば美容自体の仕事が好きな場合はエステ業界・美容機器メーカーに移る可能性があり、また接客スキルを活かしたい人材はアパレル販売への転職が考えられます。また、以下の事例のように、勤務条件や働きやすさで全く別の業種に転職するケースもあります。
長年付き合っていた彼女と将来のことを話すたびに、給与の面で不安になりました。
年齢を重ねるごとに異業種への転職が難しくなることは知っていたので、「決断するなら今するべきだ」と自分を奮い立たせて転職を決意しました。
20代後半で未経験からエンジニアとして転職した知人がおり、その影響もありIT業界をメインに転職先を探していました。(中略)
3ヶ月ほどの転職活動を経て、現在の会社にシステムエンジニアとして採用していただきました。
(美容師からIT業界に転職したTさん(29歳男性) / レイズキャリア )
給与面での不安で将来に不安を覚えて、未経験ながらもエンジニアという新しい業界へとチャレンジした事例です。
もともと体力がないので、朝早くから夜遅くまで立ちっぱなしというのが辛かったです。シャンプーやカラー、カットの練習は好きだったのですが、先輩スタイリストとの人間関係、初対面のお客様とのコミュニケーションがうまくとれずに「私には向いていないのかもしれない」と思うようになりました。
(中略)
美容師を続けながら簿記3級を取得したところ、徐々に条件の良い求人を紹介していただけるようになり、面接まで進めることも増えてきました。
結果、契約社員ではあるものの現在の会社に一般事務として雇っていただけました。月収は多くないですが、美容師時代よりはいただけています。
(美容師から事務職に転職したSさん(25歳女性)/ レイズキャリア)
職場内の人間関係やクライアントとのコミュニケーションに不安を抱えて、事務職へと転職した事例です。
美容業界における離職率の高さは、他の業界に人材が流出するリスクにもつながるため注意が必要です。過去10年の離職率推移は横ばい
美容室が属する「生活関連サービス業、娯楽業」の離職率は、平成31年以前から過去10年以上に渡って、横ばいの状態が続いています。
※2: 令和2年3月卒については就職後2年以内、令和3年3月卒については就職後1年以内の離職率を記載している。
(引用: 新規短大等卒就職者の産業分類別(大分類1)|厚生労働省 )
昨今は、労働市場の流動化が産業の発展につながると考えられるようになりました。さらに 内閣府のホームページ では、多様な働き方を実現するために、雇用の流動性が必要であると主張されています。つまり1つの職場に留まらずに転職して、さまざまな経験をすることが、昨今の働き方におけるトレンドです。
そのため今後は離職率が高止まりで横ばいの傾向が続いたり、徐々に上昇したりする可能性が考えられます。そのような社会情勢のなかでは、全スタッフの離職率を抑えようとするあまり大規模な改革ばかりに目を向けるのではなく、少しの工夫ですぐに防げるような、もったいない離職を無くすように心がけることも大切です。
具体的には、可能な限り個人のキャリア形成を含めた組織戦略のもとで、多様な働き方のニーズに対応して、人材の流出を防ぐように取り組んでみましょう。
離職が美容院の経営に及ぼす影響
美容室スタッフが離職すると、採用活動やスタッフ教育にかかるコストが収益を圧迫したり、残されたスタッフの退職につながったりして、美容院経営に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
離職率低下への対策の重要性を理解するためにも、まずは離職が美容室の経営に及ぼす影響をみていきましょう。
支出への影響
1人のスタッフを採用して入社させるまでに、多くのコストを要します。具体的には次の採用フローにおいて、各場面で相応のコストがかかるのです。
求人サイトに掲載する場合は、20~40万円くらいかかり、採用までのスピードを重視するのであれば100万円もの多額の費用を要することもあります。
具体的には求人サイトを利用すると、次のような単価で人材を獲得できます。
リジョブの採用事例
1人当たりの採用単価:17万3910円 美容室の所在地:東京都目黒区に2店舗 採用数:5名 応募数:22名 |
完全成果報酬型の求人サイト(WORKCANVAS)の料金
美容師免許なし:16万5000円 新卒/アシスタント:22万円 スタイリスト:33万円 管理美容師:38万5000円 |
さらに求人サイトへの掲載費以外にも、求人広告を書くための手間や面接を担当する美容スタッフへの負担などが増える可能性があります。採用を担当するスタッフの実務に割く時間が減ることで、予約数への影響も考えられるでしょう。
そのため、短期間でスタッフが離職すると、美容室全体の支出やパフォーマンスに影響すると考えられます。
収益面での影響
美容室における離職率の上昇は営業利益が低下する原因となり、収益面にも影響します。たとえば下記の条件下にある美容室が、スタッフを1人採用した場合を考えてみましょう。
- 営業利益率:10%
- 1人当たりの売上:60万円/月
- 1人当たりの採用費:36万円
以上の条件からスタッフ1人の1カ月における営業利益を計算すると、次のとおりです。
60万円×10%=6万円
さらに半年後の営業利益は、以下のとおりになります。
6万円×6カ月=36万円
新規スタッフを1人採用した場合、スタッフ1人の営業利益が採用費を上回ってはじめて、美容室の収益につながります。具体例の場合だと、採用費が36万円であるため、半年後になってはじめて収益につながることになります。
1人を採用した場合の損益分岐は半年後に訪れるため、もしスタッフが半年もせずに辞めてしまうと赤字になるのです。
その一方で、もしスタッフが早期離職せずに3年以上残ってくれれば、営業利益は次のようになります。
6万円×36カ月=216万円
スタッフ採用から3年も経過すれば、営業利益が採用費を180万円上回るので、それが美容室の収益となります。また採用後のスタッフは経験を積むことでスキルアップするため、実際にはさらに多くの収益を期待できるでしょう。
以上から1~2年内の早期離職は、美容室の収益に大きなマイナスの影響を与えることがわかります。
残ったスタッフへの影響
『連鎖退職』(山本寛 著)によると、スタッフ1人の離職により、連鎖退職につながることがあるそうです。連鎖退職とは、1人の退職をきっかけに他のスタッフが次々と辞めていく現象を指します。
連鎖退職が起こる際は、ドミノ倒し型と蜂の一穴型の2タイプのどちらかです。ドミノ倒し型は以前から辞めたいと考えるスタッフが多かったり、1人の退職で他のスタッフへの負担が増大したりすると起こります。
たとえば優秀なスタイリストが1人で美容室を引っ張っている場合は、その美容師が辞めた場合に他のスタッフに負担がかかり、連鎖退職につながる場合があるので、注意が必要です。
一方で蜂の一穴型は、スタッフの退職をきっかけに美容室の労働条件やコンプライアンスの悪い部分が明るみになった場合に発生します。具体的にはサービス残業の強要などでコンプライアンス上の問題が明るみになった場合などに、連鎖退職のリスクが高くなります。
美容師の離職理由ランキング
株式会社イーグラント・コーポレーションの調査によると、美容師が転職を考える理由は、さまざまであることがわかります。
(引用: 美容師の転職事情2022年版|転職理由や働く美容室に求めることは?|株式会社イーグラント・コーポレーション )
なかでも多いものから順に整理すると、
- 人間関係
- 会社に将来性を感じないため(会社の将来性)
- 思っていたより稼げないため(給与条件)
となり、在職中に対応可能な要因と、そもそも人材と企業のミスマッチに起因する要因の2パターンに分けられます。2つの要因に対処するように努めることで、スタッフの離職を防ぐことも可能です。
人材の採用数や定着率を向上させるためにも、美容師の離職理由についてランキング順に見ていきましょう。
離職理由No.1:人間関係
スタッフが在職中のうちに対処可能な要因として、まずは人間関係についての離職理由があげられます。
令和2年の国勢調査 によると、美容業界は男性よりも女性が圧倒的に多い業界です。さらに、 女の転職type会員に対して行われた調査 によると、48.9%の女性が人間関係で転職を考えた経験があると答えています。つまり女性が多い美容業界においては、人間関係の悩みは離職につながりやすい理由のひとつと考えられます。
さらに人間関係の悩みを抱えやすい相手は、上司や先輩、同僚が多い結果です。
(出典: 女の転職type )
選んだ相手に対しては、「信頼できない」「尊敬できない」「価値観や正確が合わない」などの不満を抱えている結果となりました。
(出典: 女の転職type )
ハラスメントを感じる人も半数近くいるため、上司の部下に対する接し方を見直すことも大切です。
離職理由No.2:会社の将来性
マイナビニュースに掲載されたデータ によると、会社の将来性を感じない理由は次のとおりでした。
(図)
以上のように単に売上げ不振だけではなく、次世代の教育やチャレンジする風潮が会社にない場合、方向性や価値観の不一致から会社の将来性が見えないケースも見られるようです。
方向性や価値観について、会社と従業員との間におこるズレを防ぐためには、自社の社風やコンセプトを採用前に説明するなどして、ミスマッチを防ぐような取り組みを講じる必要があります。
離職理由No.3:給与条件
以下の リジョブの調査 より、現在の給与に対して不満を持つ場合、さまざまな理由が考えられます。
(引用:給与の実態と理想、転職との結びつきをアンケート調査!給与に関する調査レポート−美容師−/リジョブ)
上記の理由を、「在職中のスタッフに対処可能な要因」と「その他の要因」に分けて整理しました。
在職中のスタッフに対処可能な要因
在職中のスタッフに対処可能な要因に対しては、評価基準や給与体系、昇給条件を見直すと離職率の上昇を抑えることができます。
具体的に下記の2点については、在職中のスタッフに対する評価基準の見直しで対応可能です。
- 仕事の成果がきちんと反映されていない
- ⾃分の能⼒が評価されていない
また給与体系や昇給条件を見直すと、次の4点に対応できるでしょう。
- 基本給と歩合率のバランスが悪い
- 成果によるアップダウンが⼤きい
- 給与査定の仕組みがうまく機能していない
- 年功序列による年齢給の⽐率が⾼い
その他の要因
在職中のスタッフに対処可能な要因を払拭できた場合でも、以下の不満があると離職につながることもあります。
- 求める生活水準に対して不足しているから
- 労働時間と見合わないから
以上のような経営観点では叶えられない給与水準・業務内容を希望している場合、、採用活動のやり方を見直すと解消できる可能性があります。
次に在職中のスタッフの離職率を下げる方法や、採用時にできる離職率を下げる取り組みについてさらに詳しく解説します。
在職中のスタッフの離職率を下げる方法
今いるスタッフの離職率を下げるためには、コミュニケーションなどのソフト面と制度などのハード面についての問題に対応することが大切です。
ソフト面についての具体的な施策として、1on1や面談の実施が考えられます。またソフト面については、働き方を選べる制度の整備を検討するとよいでしょう。
いずれも大きなコストを払わなくても、しっかりとスタッフの声を聞き取り、施策へと転嫁できれば実現できます。
ここでは、低コストでできる離職率の改善法を紹介します。
1on1・面談の実施
1on1や個別面談を実施することで、会社とスタッフの価値観のズレや人間関係による問題への対応が可能です。
たとえば1on1や面談を通して、人間関係の悩みについてキャッチアップすると、スタッフ間のトラブルや問題に早めに対応できます。
またキャリアコンサルティングの考え方をもとに、スタッフの経験や価値観、興味などをマネージャーや店長が把握するように努め、スタッフと会社の方向性について擦り合わせを行うのもおすすめです。
スタッフが会社の方向性を理解して働けると、自分の役割が明確になり、モチベーションの維持につながります。その結果、仕事を辞めるスタッフが減り、離職率の低下につながるでしょう。
働き方を選べる制度の整備
働き方を選べる制度とは、社員制や自由出勤制、固定給委託制などを選べるようにする仕組みです。
出産や育児、介護、年齢による体力の衰えなど各スタッフのライフステージに応じて働き方を選べるようにすることで、人生のターニングポイントでの離職を防げます。
例えば以下の例のように、ライフステージに応じて働き方への考えは変化していくので、スタッフが時短勤務や休業を希望した際に、美容室オーナーは柔軟に対応できることが必要です。
PATIONNに移って2年ほどで結婚しましたが、子どもはいなかったので独身時代と変わらずフルタイムで23時頃まで働いていました。でも、年齢を重ねるにつれ体力が落ちてくるし、仕事が忙しくて家事もままならないし…。ちょっと働き方を変えてみたいとオーナーに相談したら、「全然いいよ!好きなように働いてよ!もっと早く言えばいいのに〜」と快諾されました。
引用: moreリジョブ サロン移籍と時短勤務、二度の働き方チェンジで自分らしい生き方に【美容師 佐野侑子さん】#1
採用時にできる離職率を下げる取り組み
自社の離職率が高い理由を客観視し、採用活動のやり方を工夫することで、長く働いてくれるスタッフの採用は可能です。
採用時にできる離職率を下げる取り組みについて解説します。
自社の採用ターゲットを明確化する
離職率を下げるためには、まずは自社が採用を希望するターゲットを明確にすることが大切です。さらに面接で求職者のニーズを理解し、自社の提示する条件や方向性、価値観にそのニーズが合致するか擦り合わせを行うと離職率の低下につながるでしょう。
厚生労働省の資料 によると、入職者が事業所に持つイメージと実情がかけ離れていたことで、早期離職が発生している状況を解消した事例が報告されています。
課題のうち、入職者が事業所に持つイメージと経営理念のミスマッチにより早期退職が
生じている点に注目する。どのような人材が必要かという点を検討し、採用形態の見直し
なども行って、必要な人材の獲得に最適な方法に変更する。
例えば、法人の採用方針として、常勤前提の非常勤採用(非常勤社員として採用後、十分なスキルがあると認められた者から常勤社員に転換する人事制度)を実施している場
合、勤務開始当初から常勤社員としての雇用を希望する求職者の応募を逃している恐れが
ある。必要に応じて、採用段階から常勤社員として採用することとする。
店長経験のある美容師を採用したい場合は、周辺エリアの他店の求人票を参考にして他店の給与・待遇・求人内容を調べ、見劣りしないように条件を改善したり魅力づけをしたりして人材を募集するとよいでしょう。
また採用ターゲットを明確化して求人する場合は、業界に特化した求人媒体を利用するのもひとつの手段です。業界に特化した媒体であれば、その業界に通じたコンサルタントが対応するため、よりターゲットに近い求職者を集められるでしょう。
会社の方向性・価値観を伝える
会社の方向性や価値観を具体的に示すために、ミッションやビジョン、バリューを意識するとよいでしょう。それぞれの言葉には次の意味があります。
- 企業理念(その企業が大切にする考え・価値観)
- ミッション(企業や組織が果たすべき指名や存在意義)
- ビジョン(企業や組織の理想像、中長期的な目標)
- バリュー(ミッションやビジョンを達成するための具体的な行動指針、行動基準)
以上を示すと会社の方向性や価値観が明確になり、求職者と会社のミスマッチを防げます。さらにスタッフが取るべき行動が明確になるため、企業価値に則した目標を立てやすくなり、モチベーションの向上にもつながります。
また会社の理念を明確にして、それを求職者に伝えるのもおすすめです。会社の理念とは、会社の根管となる考え方や価値観です。
船井総合研究所で美容室のコンサルタントを務める、田﨑(たさき)昌美さんも次のように語っています。
技術より理念を軸に採用を決めるサロンが増えてきました。美容師という仕事に対して信念をしっかりと持っている方の方が離職率が低く、採用の段階で価値観が同じ方向を向ける人かどうかを見極めています。そういったサロンは入社後も、社員の理念教育にかなり力をいれています。
引用: moreリジョブ 2021年採用動向! コロナ禍の今こそ働き方の自由度を考える
実際に働く人の声を伝える
求職者は長く働くことを前提に、実際に働いた場合の情報を求めています。マンパワーグループが行った調査によると、求職者は次の情報を求めていることがわかりました。
(引用:「 求職者が求めている“基本情報以外の会社情報”は?」調査結果発表|マンパワーグループ )
勤務時間や残業時間は、自身の希望するワークライフバランスと企業の労働条件が合致しているのかを判断するために必要な情報といえます。
また昇給や昇格は、会社に勤めた場合のキャリアや将来像をイメージするためにも必要な情報です。
そのためこれらの情報を得たい求職者は、もともと長く働くことを想定して就職活動に取り組んでいると考えられます。勤務時間や残業時間、昇給・昇格に関する情報について、実際に働く人の声をもとに伝え、求職者と企業のミスマッチを防ぐと長く働いてくれる可能性が高くなるでしょう。
リアルな働き方を知りたいというニーズが強い求職者に対しては、見学の際などにスタッフが働く場面を見せながら業務内容を伝えると効果的です。
できれば、同じくらいの年代のスタッフの口から直接、働き方や業務内容について伝えてもらうと、求職者も具体的なイメージがわきやすくなります。
ロールモデル・具体例を伝える
実際の勤務時間や残業時間、昇給・昇格に関する情報を伝える際には、具体例をもとに伝えると求職者がイメージしやすくなります。
たとえば在職中のスタッフを例にして次のような図を示すと、求職者に対して採用後の具体的なキャリアパスの理解を促せます。
以上のように、ポジション名だけではなく具体的な仕事内容も細かく記載すると、求職者は働き方についてのイメージが付きやすくなります。
ミスマッチを防ぐためにも、実際に働いているスタッフのキャリアを参考に具体的なキャリアパスを示す点がポイントです。
まとめ
- 離職全てをなくすことはできないが、離職の意思が固まる前に悩みを理解して対処すると防げるもったいない離職は多い。
- 会社側が改善するべき離職要因を解決できないと、採用も集まりにくかったり、採用しても早期離職につながったりする。
- 会社側に要因がない離職も一定数あるため、離職率を改善しながら、採用も並行していくのが大切。
- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部