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美容師の採用でやるべきこととは?アシスタントや中途採用など各ターゲット別に解説

美容師業界は人材不足の傾向にあり、中途採用が難しい業界といえます。とくに昨今は働き方改革や採用トレンドの変化に伴い、中途採用が難航している美容室も多いと考えられます。

この記事では、美容師の採用が難しい要因を解説した上で、その要因を解消しながら中途採用を伸ばすための具体的な方法を紹介します。

美容師の採用が難しい要因とは

美容師を採用する場合は、採用の課題を理解したうえで、その課題を克服するように努めることが大切です。

厚生労働省の調査 によると、人材を採用する際には、

  • 必要な職種に応募してくる人が少ないこと
  • 採用時の賃金水準や処遇の決め方 
  • 応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと
  • 転職市場に関する情報が少ないこと

などの課題を抱える企業が多いことがわかりました。

以上の課題を美容業界に当てはめ、美容師の採用が難しい要因について解説します。

業界全体の労働環境の問題

まずは、そもそも必要な職種に応募してくる人が少ないという業界全体の課題があります。

この課題を解決するためには、賃金や職場内の人間関係、労働時間といった労働環境の問題に業界全体で取り組むことが大切です。

その結果、離職率の上昇が抑えられ、人手不足の常態化が解消される可能性があります。

美容師が魅力を感じるような労働環境を整えて、応募者数の増加や離職率の低下を図ることが、業界全体の底上げにつながるでしょう。

人手不足の解消法や離職率を抑える方法について知りたい場合は、次の記事を参考にしてください。

関連記事:美容師の離職率とは?離職率が高い原因とオーナーが取るべき対策をわかりやすく解説

関連記事:美容室の人手不足の現実とは?スタッフが集まらない時にオーナーがすべきことをわかりやすく解説

スキルに応じた適切な給与水準を決めにくい

次に、スキルに応じた適切な給与水準を設けにくい点が、美容師業界における採用の難しさにつながっています。

応募者の能力を客観的に評価する基準がないため、応募者を適切に評価できず、適切な人材を採用したり、能力に見合った賃金を決められなかったりします。

広告で求人を募集する際にも、求める人物像に見合うレベルを示しづらいことも難点です。

求職者の最新の動向がわからない

美容室の場合、複数の理由から求職者に関する最新動向を採用活動に活かしづらい問題を抱えています。

採用を専門に行う担当者がいない

美容室では、経営者やオーナー、施術者が実務と採用を兼務することが一般的で、採用に関する最新動向を掴みづらい点が特徴です。

その一方で一般企業の場合、専門の社員が採用活動にコミットして求職者を募ります。

採用活動に集中できると、求職者に関する最新の動向を掴んで効率的に採用を進められるメリットがあります。

とくに現在は政府の取り組みや若年層の考え方の変化にともない、転職市場の情勢が目まぐるしく変化します。兼務して採用活動に取り組む場合でも、可能な限り求職者の動向を掴んでおくことが大切です。

採用手法が求職者の視座に合ってない

現代はオンライン上の情報をもとに、転職先を探す人が多くなりました。以前は、知人の紹介やコネを使って職場探しをする人が多かったのですが、現代ではその様相が変化しているといえます。

転職で利用したサービスや手法に関する調査 ((株)マイナビ 転職動向調査 2023年版(2022年実績))からも、現代はオンラインで転職先を探す人が多いことがわかりました。

直近の転職で、利用したサービス・手法について

オンラインのなかでも、転職サイトは求人応募で最も利用される媒体で、美容師が属するサービス職での利用率は40%近くに達します。それに対して、コネを利用した応募は10%にも満たない状況です。

このことから、以前の採用方法に頼るのではなく、新しい採用方法にも目を向けることが大切なことがわかります。

美容師の採用でやるべきこととは

以上で説明したように、ただ求人広告を出しただけでは、採用活動の成功は難しいと考えられます。

美容師の採用数を増やすためには、

  • 母集団を増やす
  • マッチング率を上げる
  • 運用・改善を続ける

を意識することが大切です。

またアシスタントやスタイリストなどの採用スタッフの経験やスキル、または年齢、ライフスタイルなどによって、希望する労働条件が異なります。求職者それぞれのニーズに応えるように、自社の魅力を適切に伝えることが重要です。

美容師の求職者の利用率が高い媒体を選ぶ

美容師の採用数を増やすためには、求職者の利用率が高い媒体から優先して広告を掲載していくことが大切です。

離職経験のある求職者に行ったアンケート (「(株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー 美容就業実態調査2023」)では、転職先の探し方として親や知人からの紹介が最も多く、次いでハローワーク、美容系専門の求人サイト、サロンのHPを利用する人が多い結果でした。

離職経験のある求職者に行ったアンケート

「予約を断っている」「店舗を増やしたい」などの課題を抱え、採用すれば売上げが上がる状態にある美容室であれば、無料媒体や既存の自社HP・集客サイトに加え、求職者が集まる求人媒体に投資する必要があります。

自社HP・集客媒体の求人欄

仕事探しをする美容師が利用する媒体として、美容院のHPやサイトなどの集客媒体などが挙げられます。

既に自社のHPがあれば、求人ページは必ず載せることをおすすめします。さらに集客媒体に求人欄や応募ページがある場合は、そこに美容師を募集中であることを掲載するとよいでしょう。

すでに自社HPと集客媒体を利用して採用活動を行っている場合は、別の採用方法で露出を増やして求職者にアピールすることも必要になります。

ハローワークなどの無料求人媒体

採用割合の高さを考慮すると、ハローワークには求人掲載した方がよいでしょう。掲載する場合は、求職者側および企業側のメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。

求職者側のメリット/デメリット

求職者側のメリットは、サイトだけでなく窓口で相談したり、求職者に合った仕事を紹介してもらえたりする点です。

一方でデメリットは、ハローワークに掲載を依頼する企業の、コンプライアンスの質にバラつきがあることです。コンプライアンスが徹底されていない企業は、実際よりも求人票の条件を誇張してハローワークに掲載しているようです。

実際に、 ハローワーク利用者への出口調査の結果 (厚生労働省)によると、求人票の条件と実際の労働条件が異なるという不満の声が聞かれました。

企業側のメリット/デメリット

ハローワークを利用する企業側のメリットは無料でも掲載でき、就職面接会や会社説明会にも参加できる点です。低コストで採用活動ができるため、資金に余裕がない美容室でも求職者に対してアピールできます。

一方でデメリットは、応募者とのミスマッチや採用後に定着しないリスクがある点です。ハローワークに求人票を掲載すると、幅広い層から応募が集まるため、求めていない人材を採用してしまうことがあり、求職者と会社とでミスマッチが起こる可能性があります。

とくに美容師業界で働くスタッフの平均年齢は男性28.9歳、女性32.9歳( 厚生労働省による調査 )と若年層に偏る傾向にあり、利用者の約60%が40歳以上のハローワークだと( 独立行政法人 労働政策研究・研修機構による調査 )、求める人材と応募者に年齢的なミスマッチが生じる可能性があります。

ミスマッチを防ぐには、求人票にて求める人物像を明確に示すことが大切です。

業界特化の求人媒体

美容師を募集する場合は、美容師業界に特化した求人サイトで求職者を募集することをおすすめします。

一般的な求人サイトよりも美容系専門の求人サイトの方が、採用数が3倍以上高い( (株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー 美容就業実態調査2023 )というデータもあります。

また求職サイトを選ぶ判断基準として、

  • 自社の魅力を伝えやすい・探してもらいやすいか(美容業界に特化した項目の有無)
  • 採用管理機能は使いやすいか(アプリや面接設定機能などの有無)
  • 積極的に求職者にアプローチできるかのか(スカウト機能の実装)

などを確認してみてください。

美容・ヘルスケア業界に特化した求人サイトの中では一番の知名度と利用者数を持っている媒体です。リジョブで求人を出せば資格保有者や専門知識を持つ求職者へ効果的にアプローチ可能です。またスカウトメール機能を有効的に活用すれば、企業側から気になる求職者へ直接アプローチができるところも良いポイントです。

引用: ミナオシ

 

とても見やすく操作も簡単に出来て条件の設定も簡単です。アプリ完結で面談の予約や企業とのやり取りも出来るので利用者に優しい。スカウト機能もあり求職者にはいいシステムだと思った。美容系の仕事を探す方にはオススメ。

引用: ミナオシ

リファラル採用(スタッフからの紹介)

リファラル採用とは、自社で働くスタッフから人材を紹介してもらう採用方法です。一般的には、コストを抑えて人材を採用できたり、離職しにくかったりするメリットがあるといわれています。

リファラル採用を行っている企業の事例として、メルカリが挙げられます。メルカリでは、社員に対して積極的に人材を紹介するように声をかけて採用活動を展開しているのです。

実際にリファラル採用でメルカリに転職した社員は、社員紹介をしている人から会社の状況について聞けることは、転職先を決める参考になってよかったとのことです。

社員紹介があるというのは会社の状況を話せる範囲で聞けることなので、面接するメンバーと話すこともあれど、社員紹介している人から会社の状況や「どうやったら活躍できるのかな」など聞くのはいいと思います。すべて聞けるわけじゃないけど、僕の場合は話せる範囲で聞けたのはよかったと思っています。

引用: 「メルカリを勧めたというより…」社員紹介した・された者同士で話してみた!〜@ akkie&@ umechan編〜|mercan

採用したい人材とのマッチング率を上げる

採用したい人物とのマッチング率を上げるためには、求職者の立場になることが大切です。そのためにも、前職を退職した理由を把握して、それが解消されるように求職者と自社の期待値をすり合わせるようにしましょう。

ホットペッパービューティーの調査 によると、転職した理由を多いものから順に並べると次の通りとなりました。

  • 給与 19.3%
  • サロンの雰囲気テイスト 9.5%
  • 別の場所でキャリアを積みたい 8.3%

以上がクリアされないと、転職対象の職場から外されたり、採用後のミスマッチが生じたりします。採用を成功させるためにも、募集から選考のフローで、しっかりと自社の魅力を伝えることが大切です。

また採用後の離職リスクを下げるためにも、期待値のすり合わせが欠かせません。

給与・待遇を具体的に伝える

給与と待遇を具体的に伝えることは、採用したい人材のマッチング率を上げるためにも大切なことです。

その際に、求職者が期待する給与や待遇を把握しておくと、求職者が魅力を感じる労働条件を提示しやすくなるでしょう。

たとえば リジョブの調査 によると、21~25万円の月収を理想とする美容師が最も多いことがわかりました。

リジョブの調査(今のスキルと働き方での理想の月収を教えてください)

しかし経営の都合上、給与を美容師の理想とする水準まで上げることが難しい場合は、他の待遇で好条件を提示するのもひとつの手段です。

リジョブの調査(転職で給与が下がることに対する条件で求めるもの)

また採用数を増やすためには、求人広告に掲載する労働条件や面接で伝える待遇が、求職者の理想に近づくように努めることも大切です。

たとえば労働条件に融通を利かせると、スタッフが働きやすい環境を実現できます。

勤務時間は基本的に実質9時間で、何時から何時まで働くかは各々の自由。ですが、うちの場合は予約が集中するのは夕方以降なので、13時〜22時の勤務スタイルが多いですね。残業をするかしないかは本人に任せています。残業の有無は毎回聞きますが、あくまで確認です。「働いてくれ」とは言いません。

引用元: モアリジョブ

独自の教育制度でスタッフの成長を促すと、キャリアアップ志向のスタッフの満足度を高められます。

入社後は最短1年でスタイリストデビューできるよう、独自のカリキュラムを組んでいます。これは「ALBUMアカデミー」と呼ばれ、週3日はアカデミーのレッスン、残りの2日は配属店舗での実践といった形式が取られています。実践を重視し徹底的に無駄を省いた教育制度が、これまでの常識では考えられないスピード感のデビューを可能にしています。

引用元: モアリジョブ

サロンの雰囲気・テイストの魅力を伝える

サロンの雰囲気やテイストをうまく求職者に伝えると、自社にマッチした人材を採用しやすくなります。

たとえば事業の方向性や店舗の雰囲気を伝えると、自社の考え方に共感して応募してくれる求職者が現れるでしょう。

  • 事業の方向性:オーナーがどのような方針のもとで、サロンや事業を運営しているのかを伝える
  • 店舗・メニュー・サービスの雰囲気:店の外装や作品などの写真やスタッフの声を豊富に掲載して、臨場感のある情報を伝える
  • スタッフの雰囲気:どんな人がスタッフとして働いているのかを伝える

キャリアアップのイメージを伝える

自分の将来的なキャリアに興味を持つ求職者は多いものです。そのため、キャリアアップのイメージを具体的に伝えると、採用したい人材に巡り合いやすくなります。

美容師のキャリアアップには、教育制度や独立支援制度などの整備が欠かせません。また業務時間内に勉強の時間が確保されていると、スタッフが無理なく自分のスキルを高められます。

他のサロンさんは遅くまで練習しているようですが、それが良くないなぁと思っていて……。僕らのお店は夜残っていないんですよ。指導はマンツーマンで1対1、練習は週に1回のみで朝か夜の2時間だけ。でも、月に8時間だけだと技術的には足りないので、平日の昼間に練習しているんです。

引用: モアリジョブ

またキャリアップについて実際のスタッフを例に、具体的なロールモデルを求人ページなどに示すと、求職者もイメージしやすくなります。

求職者・企業お互いに具体的な期待値をすり合わせる

転職理由には他にも、人間関係についての不安や労働時間への不満などさまざまな要因があります。求職者の抱く不安や不満などのネガティブな面を汲み取って、求職者と企業がお互いに期待値をすり合わせることが大切です。

ホットペッパービューティーが行った調査 の結果を見ると、求職者はさまざまな理由で転職していることがわかります。

転職した理由

面接では応募者が何を求めているのかを汲み取り、それについて応募者と自社で期待値のすり合わせを行い、なるべく互いの希望をマッチさせることが大切です。

期待値のすり合わせを行うためにも、まずは自社について丁寧に説明しましょう。

選考に進む前に条件やサロンについての説明を丁寧に行う、サロン見学の機会を必ず設けることです。このステップによって採用後のアンマッチを防ぎ、気持ちよく働けるように心掛けています。

サロン見学では30~60分ほどをかけて、設備や道具、雇用形態、給与体制、お店のスタイルなどについて説明します。サロン見学の終わりに「もし興味があったら名刺のアドレス宛に連絡をください」とお伝えをして、選考に進むかどうかを本人に委ねるようにしています。

引用元: モアリジョブ

また企業側も、求職者が求める人物像に見合っているかどうかを確認して、採用を決定するようにしましょう。

美容師の中途採用と新卒採用の違い

美容師を採用する際には、中途と新卒のどちらにするかという悩みがつきものです。ここでは、中途と新卒を選択する際の判断軸や、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。

また中途と新卒の採用方法の違いにも触れ、採用活動を強化するポイントを紹介します。とくに新卒を採用する場合は、中途と異なる部分を理解して採用活動を進めましょう。

中途採用の特徴

厚生労働省のデータにもあるように、企業の従業員数と新卒採用比率は比例します。その一方で、企業の従業員数が多くなるに従い、中途採用比率は低下していることがわかります。新卒・中途採用の比率(2017年度)

つまり企業の規模が大きくなるほど、社員の教育体制が行き届くため、新卒者を採用して育成する仕組みが整っているということになります。一方で比較的教育にはコストを割きにくい小規模事業者は、すでに経験とスキルを持った人材を採用しやすい中途採用を選ぶメリットが大きいといえます。

この一般論は美容業界にも当てはまり、従業員数300人未満の規模の小さな企業は即戦力人材やマネージャー・店長候補者を中途採用するケースが多いです。

私を含めて現在6名のスタッフが働いています。スタッフのほとんどが中途採用。入社のきっかけは、つながりのある美容師さんからの紹介です。

引用: モアリジョブ|「BY THE SALON」 都内2店舗経営 各店舗にスタッフ3名ずつ(2023年9月現在)

 

採用セクションがあるので、彼らと一緒に動いているのですが、今は中途採用をメインにしているんです。採用の基準は「やる気」があるかどうか。

引用: モアリジョブ |「KANOW GROUP」都内4店舗経営 スタッフ総勢37名(2023年9月現在)

新卒採用の特徴

先述の厚生労働省のデータからもわかるように、新卒採用をする企業は比較的規模が大きく、教育に力を入れやすい特徴があります。

そのため美容業界においては、多店舗展開をする事業規模の大きな美容室では、新卒採用を積極的に利用するメリットがあると考えられます。

美容室コンサルトの田崎氏も、新卒には教育に多くの時間が必要であると述べています。

とくに新卒の場合、社会的なマナーやお客様とのコミュニケーション能力など、技術面以外での教育でも多くの時間をかけていきます。そこにかける時間や労力を無駄にしないためにも、いかに辞めさせないか、という点は重要といえるでしょう。

引用: モアリジョブ

新卒採用には、柔軟性のある人材を集められるメリットもあります。

うちの採用は基本的に新卒のみです。他のサロンと違って学ぶ技術はカラーリングがメイン。そしてデビューまで1年間とスピーディです。よく言うと、芯があって武器を持ったサロンだと思っています。その舞台で柔軟に染まっていけるのが新卒生なんですよね。まだ何にも染まっていないから、素直に話を受け入れながら成長してくれるというところも魅力です

引用: モアリジョブ

採用方法の違い

新卒と中途の採用方法は異なるため、それぞれに適した媒体を利用して採用活動に取り組むことが大切です。

たとえば新卒の美容師を採用したい場合は、学校にも積極的にアプローチする必要があります。

ホットペッパービューティーの調査 によると、美容師がはじめて就職先を探す方法として、学校のコネクションが24.7%、学校の求人情報が37.4%を占めています。

初職の探し方

新卒者を採用したい場合は、専門学校経由に力を入れる必要があります。

たとえば専門学校が新卒の求人を希望するサロンの募集をする場合、専用のページが準備されている場合もあります。

専門学校専用のページが準備されている

本校の事例によると、4月中旬ごろから求人票の受付が開始され、9月には求職者の70%くらいが就職先を決定します。新規採用を検討する場合は、早めに採用活動をはじめることが大切です。

また昨今は、美容系専門の求人サイトを利用する新卒者が増えている点も注目すべきポイントです。

美容系専門の求人サイトを利用する新卒者の割合

2020年

7.3%

2021年

11.9%

2022年

14.6%

ホットペッパービューティーの資料 を元に作表

今後は新卒者の獲得に、美容系専門の求人サイトを利用するのも有効手段のひとつとなるでしょう。

リジョブ のように、新人求人の特集が組んである求人サイトを利用するのもおすすめです。

アシスタント採用とスタイリスト採用の違い

中途採用で人材を集めるためには、アシスタントとスタイリストにおける採用の違いを理解しておくことが大切です。

とくにアシスタントの場合、実績や経験が少ないため、スキルよりもポテンシャルを重視して採用の可否を見極める必要があります。

アシスタントが転職を決断した心情を理解しつつ、採用する意味があるのか、育成をすることで売上げに貢献できる人材になれるのかといったことを見極めて、採用するようにしましょう。

転職を考えるアシスタントの心情は、さまざまです。

本当に合わない環境で働き続けるストレスを抱えるくらいなら、自分が無理なく働けるサロンに移った方がいい。仮に1年デビューが遅れても、長いキャリアで考えれば大した問題でないため。

引用: JOBOON

 

もし今、信頼・尊敬できない人が世話役だったら環境を変えるべき。サロン内で実現しないなら、店舗を変えることも視野に入れた方がいい。

引用: JOBOON

 

結局、本当に自分に合う店舗・長く働ける店舗かどうかは、入店してみないとわからない。それなら早いタイミングで、自分がしっくりくる店を見つけておく方がいい。中途半端にキャリアを積んでから店を変えて、相性の悪いサロンだった方がしんどいです。

引用: JOBOON

アシスタント採用のメリット・デメリット

アシスタントを採用する場合は、メリットやデメリットも理解しておきましょう。

メリット

アシスタントを採用することで、スタイリストにしかできない業務に集中してもらえるメリットがあります。たとえば、スタイリストはカットが済んだら、シャンプーやブローはアシスタントに任せて、次のお客さんに移ってもらうことで店舗全体の回転率を上げられます。

スタイリスト以外でも務まる業務をアシスタントに任せるようにすると、採用の間口が広がります。

デメリット

アシスタントは20代前半の比較的若年層が担当するポジションです。そのため、アシスタントを採用すると、若年層ならではの教育に関するデメリットが発生する可能性があります。

厚生労働省による人材育成の現状と課題についての調査 (厚生労働省 労働白書)によると、

  • 業務が多忙で、育成の時間的余裕がない
  • 上長等の育成能力や指導意識が不足している
  • 人材育成が計画的・体系的に行われていない
  • 離職等で人材育成投資が回収できない

などの若年層ならではの課題があることがわかりました。

採用後の教育体制を整えなければ、思わぬ離職を招くことになり、予想以上に採用コストが膨らむリスクがあります。

求職者の転職の理由を理解する

アシスタントとスタイリストの違いを理解した上で、「なぜ転職しようと思ったのか? 」その人独自の要因をしっかり聞き出すようにしましょう。

とくにスタイリストは、若手が抱きがちな要因に着目することが大切です。「前職で人間関係に不満を抱えていないか? 」「キャリアアップが目的での転職かどうか? 」などを把握するためにも、面接の際には転職の理由を尋ねるようにしましょう。

業界の動向・採用トレンドを知る

美容業界は人手不足の状態ですが、転職市場のトレンドを理解することで中途採用による人材の確保を効率化できます。

スカウト機能やマッチング機能、豊富な利用者のデータベースに強みがあるリジョブの情報をもとに、採用トレンドについて解説します。

美容師の採用難易度

現在、美容師の人手不足に悩む経営者は多いですが、今後の求人倍率の増加傾向をみると、これからも採用の難易度は上昇する可能性が高いと考えられます。

採用への投資を増やしたり、他社との差別化を図ったりして採用数を増やすための努力は不可欠といえるでしょう。

次の記事では、採用数を増やすための具体的な取り組みについて紹介しています。人手不足に悩んでいる場合は、参考にしてください。

関連記事: 美容室の人手不足の現実とは?スタッフが集まらない時にオーナーがすべきことをわかりやすく解説

働き方改革

厚生労働省のサイトをみると、働き方改革の目的について次のように述べられています。

「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。

引用: 「働き方改革」の実現に向けて|厚生労働省

「多様な働き方を選択」とは、フリーランスもしくは正社員、パートなどの働き方を選択しやすくなったり、時短やフレックスタイムなど自由に働く時間を選んだりできるような働き方をさします。

働き方改革で示された方針に従い、美容業界でも働き方の多様性を実現する必要があるでしょう。

また働き方改革では、労働時間の短縮や賃金の引き上げなどの労働条件の改善も示されています。

まずは業界の基準に自社が達していなかったら、是正するように努めることが大切です。

技術革新による採用方法の変化

今後の採用方法は、技術革新による影響も受けると考えられます。

具体的にはアグリーゲーター求人サイトが拡大して、膨大な情報のもとで企業と求職者をマッチングできるようになります。

アグリーゲーター求人サイトとは、WEB上に公開された特定分野に関するあらゆる情報を常にクローリングして情報収集する機能が実装された求人サイトです。大量の情報を1つのWebページにまとめ、ユーザーが入力した検索キーワードに対応した情報を表示できます。

アグリーゲーター求人サイトが実装する機能として、たとえば利用者データベースを用いたスカウトやレコメンドなどのマッチング機能が考えられます。

採用活動の改善を続ける

現在リジョブでは、スカウト機能の利用を推奨しています。実際にスカウト機能を利用した採用が伸びているため、これからは待つ姿勢ではなく、スカウト機能で積極的に求める人材を探索することが大切です。

採用難易度が高い業界だからこそ、トレンドに目を向け効率的に採用活動を展開することをおすすめします。

ここでは、業界の動向や採用トレンドを踏まえた改善のポイントを紹介します。

求人原稿の改善

求人原稿を作成する際には、他社との差別化を図り、自社の求める人材が魅力を感じる条件を掲載することが大切です。

さらに、一度の求人票作成で終わらせるのではなく、試行錯誤をして求職者が入社を希望したくなる求人票へと改善していく必要があります。

スカウト

スカウトサービスを利用して、積極的に求める人材にアプローチしましょう。

厚生労働省の調べによると、希望通りの求人を紹介してもらえるサービスとして、スカウトサービスを上げる求職者が最も多いことがわかりました。

スカウトサービスが求職者に選ばれる要因としては、求職者の希望やプロフィールを確認した上で企業がアプローチしてくれるため、自分の希望にマッチしやすい点と考えられます。

求職者がスカウトサービスを利用する傾向にあるため、企業側もスカウトサービスを利用して求職者にアプローチした方が採用しやすいでしょう。

自社HP・SNSなどで自社の理解を深める

自社HPやSNSなどを利用して採用活動を進める場合は、それぞれの棲み分けを理解して求職者の自社に対する理解を深めてもらうことが大切です。

中途採用におけるウェブサイト等活用好事例集 (厚生労働省)では、複数の媒体による情報発信を中途採用に活かした好事例が紹介されていました。その好事例をもとにした各発信媒体の活用イメージについて、次のように示されています。

中途採用におけるウェブサイト等活用好事例集

SNSは企業の情報を伝えるための入り口として、求職者と企業が相互交流するために活用できます。一方で自社HPやブログは、自社の雰囲気や理念、方針、業務内容といった情報をより深く知ってもらう場として利用可能です。

SNSで興味を持ってもらった求職者をサイトへと誘導することで、本当に自社とマッチした人材を集められます。自社HPやSNSには、採用が成功しやすい利用法や役割分担のようなものがあります。それぞれの特性を理解して活用することで、採用活動を優位に進められるでしょう。

まとめ

  • 美容師業界は業界全体の労働環境の問題や給与水準の決めづらさなどのさまざまな要因で中途採用が難しい業界
  • 採用が難しいなかで採用数を伸ばすためには、利用者の多い媒体を活用することが大切
  • 自社の魅力や労働条件を具体的に伝えるとマッチング率が上がり離職を抑制できる
  • 美容師採用の際には中途と新卒の違い、およびアシスタントとスタイリストの違いを理解することが大切
  • スカウトサービスなどの採用トレンドを理解して、積極的に利用すると優位に採用活動を進められる
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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。