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採用とは?意味や種類・具体的な手法など採用担当が知るべき情報を網羅解説!

採用とは?意味や種類・具体的な手法など採用担当が知るべき情報を網羅解説!

採用とは、企業や組織が必要とする人材を確保することです。

一人の人材を採用するにあたって、多大なコストや時間を費やす企業も少なくありません。採用活動を実施し、その難しさや課題に直面している企業も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、採用がもつ意味に加え、採用の種類、採用手法などについて詳しく解説します。

採用に対する理解を深め、自社の採用活動を充実させたいと考える採用担当者さんはぜひ参考にしてみてください。

採用の意味

採用とは、企業や組織が必要な人材を選定したうえでさまざまなプロセスを通じ、実際に雇用することです。採用のプロセスには、求人情報の発信、応募者の選考、面接、内定、そして最終的な雇用契約の締結までが一連の流れとなっています。

このプロセスを経て、企業は適切な人材を見極め、組織の目標達成に貢献する人材の獲得を目指します。

また採用には主に、新卒採用と中途採用の2種類があり、それぞれ異なる目的や手法が存在します。まずはその目的について見てみましょう。

採用の目的

採用の主な目的は次のとおりです。

  • 事業の拡大
  • 事業の拡大
  • 即戦力の補充
  • 課題の解決
  • 幹部候補の育成

それぞれの目的について詳しく解説します。

事業の拡大

事業の拡大を目指す企業にとって、新たな人材の採用は非常に重要です。新規事業の立ち上げや市場の拡大には、専門知識やスキルをもつ人材が必要となります。

また採用によって取り入れた人材は新しい風となり、企業に良い影響を与えます。美容サロンでも、新しい人材が与える影響が重視されています。

今はさまざまなスタイルのサロンがどんどん増えていて、長く続けていくだけのブランドイメージだけでは、注目を浴びることが難しくなってきました。これからもGARDENが新鮮なサロンとして生き残り続けるためには、新しい発想や人が必要です。

引用元:モリアジョブ GARDEN Tokyo代表 久分 祐太郎さん

即戦力の補充

即戦力の補充は、企業が現在直面している課題や業務の過負荷を迅速に解決するための重要な手段です。

たとえば美容サロンの場合、中途で採用すると即戦力として働いてもらえるため、入社初月からある程度の売上を見込めます。

中途採用のスタイリストに関しては、正直なところ入社初月でどのくらいの売り上げ見込みがあるか、という部分が大きいです。なので、持っている技術を使って売上を上げてもらいながら、併行してgricoの技術を練習して切り替えていけるように指導していきます。

モアリジョブ|grico 店長 寺尾フミヤさん

一方で、中途採用ならではのデメリットには注意が必要です。たとえば採用した人材が過去の経験を引きずってサロンになじめないケースもあるため、チームに溶け込めるかどうかチェックしましょう。

中途採用の人は別のサロンや別の職場を経験しているせいか、Hのように雰囲気ができあがっているところに入ると、どうしても異物感みたいなのが出ちゃうんですよね。でも、彼にはその異物感がなく、すんなりHに溶け込めたんです。あと中途にありがちな変なプライドやクセもなかったし。

モアリジョブ|H[eitf] 店長  米澤賢吾さん

課題の解決

特定の課題を解決するための採用も、企業にとって重要な目的の一つです。

たとえば、技術的な課題や業務プロセスの改善が必要な場合、その分野に精通した専門家を採用することで、問題を迅速に解決できます。

製造業においては、生産ラインの効率化や品質管理の専門家を採用することで、製品の品質向上やコスト削減が期待できます。

幹部候補の育成

将来的な幹部候補の育成も、企業の長期的な成功に欠かせない要素です。

若い人材を採用し、適切な研修や経験を通じて育成することで将来、会社を牽引するリーダーを確保できます。

たとえば、大手企業では、新卒採用を通じて有望な若手人材を集め、幹部候補として育成するプログラムを実施しています。これにより、企業文化を理解し、長期的な視点で経営に貢献できる人材を確保しているのです。幹部候補の育成は、企業の持続的な発展と競争力の維持につながります。

採用の種類

採用には次のような種類があります。

  • 新卒採用
  • 中途採用
  • 通年採用
  • 臨時採用
  • 高卒採用
  • 外国人採用
  • 高齢者採用
  • 障がい者採用

ここでは、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。法的な義務がある採用方法についてはそちらも解説します。

新卒採用

新卒採用は、主に大学や専門学校を卒業する学生を対象に行われる採用活動です。

新卒採用の主なメリットは、若く柔軟性のある人材を企業文化に染み込ませることができる点です。企業は新卒者を一から教育できるため、自社の理念や業務を理解してもらいやすくなります。

デメリットとしては、経験不足により即戦力としての貢献が難しい点や、採用コストがかかる点が挙げられます。しかし、長期的な視点で見れば、新卒者は将来的な幹部候補として成長する可能性があるため必要性は非常に高いです。

新卒採用のメリット・デメリットについては後ほどさらに詳しく解説します。

中途採用

中途採用は、すでに他の企業で実務経験を積んだ人材を対象に行われる採用です。

中途採用の最大のメリットは、即戦力としてすぐに人材を起用できる点です。特定のスキルや業界経験をもつ人材を採用することで、業務の効率化や課題解決が期待できます。

デメリットとしては、すでに形成された価値観や仕事のスタイルが企業文化に合わない場合があることです。そのため、中途採用においては、企業とのマッチ度合いが重要となります。

中途採用のメリット・デメリットについては後ほどさらに詳しく解説します。

通年採用

通年採用とは、特定の時期に限らず、年間を通じて行われる採用活動を指します。通年採用は、常に優秀な人材を確保したい企業が実施します。

メリットは、採用のタイミングに縛られず、必要なときに必要な人材を採用できる点です。

デメリットは、採用活動が常に行われるため、人的リソースの配分が難しくなる点にあります。

また、採用プロセスの継続的な管理が求められるため、従業員の通常業務を圧迫してしまうリスクもあります。

臨時採用

臨時採用とは、特定のプロジェクトや繁忙期に対応するために行われる採用で、短期間で実施されることが多いです。

臨時採用のメリットは、急な需要や一時的な人手不足に迅速に対応できる点です。たとえば、イベント開催時や繁忙期の期間限定での人材確保に適しています。

デメリットとしては、長期的な人材育成には向かない点が挙げられます。臨時採用を有用なものにするためには、事前に明確な業務内容と契約期間を設定することが大切です。

高卒採用

高卒採用とは、高等学校を卒業したばかりの若者を対象に行われる採用活動です。

高卒採用のメリットは新卒採用と同様に、若く柔軟性のある人材を早期に企業文化に適応させられる点です。

高卒者は、企業の教育プログラムにより一から育成でき、長期的な視点での人材育成が期待できます。

また、給与面でのコストも比較的抑えられる傾向にあります。しかし、実務経験や専門知識が不足している場合、即戦力としての貢献には期待できません。

なお、高卒者の場合、生徒は一人につき1社にしか応募できない規定があり、大卒の採用とは形態が異なる点に注意が必要です。ただし、2025年の新卒採用については10月1日以降、一人につき2社まで応募・推薦することが認められています。

今年度における新規高等学校卒業者に係る応募・推薦については、「推薦開始日からは1人1社の推薦とするが、10月1日以降は1人2社まで応募・推薦を認める。」との申し合わせを行いましたので、事業主の皆さまには、趣旨と内容をご理解いただき、今後も新規高等学校卒業者の採用選考にご協力をお願いいたします。

引用元:東京労働局

今後もルール変更が行われる可能性があるため、事業者は注視しておく必要があります。

外国人採用

外国人採用は、国内外の外国籍の人材を対象に行う採用です。

外国人採用のメリットは、多様な文化や視点を取り入れることで、イノベーションや新たな市場開拓に貢献できる点です。特定の専門スキルや語学力をもつ人材を確保できれば、国際展開を目指す企業にとって非常に有効に働くでしょう。

しかし、言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさや、ビザ取得などの法的手続きがデメリットとなる場合があります。

また、採用担当者は、日本で働ける外国人と、働けない外国人がいることに留意しなければなりません。日本で働けない外国人の雇用は不法就労となり、企業が罰せられるリスクがあります。

具体的には以下のように区別されています。

職種・業種を問わず就労可能な在留資格

一定の範囲内の職種・業種に限って就労可能な在留資格

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者
  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 高度専門職1号
  • 高度専門職2号
  • 経営・管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 興行
  • 技能
  • 特定活動
  • 特定技能

そのほか、不法就労となるケースについては東京外国人雇用サービスセンター

公式ページを参照してください。

高齢者採用

高齢者採用とは、定年退職後のシニア層を再雇用する手法です。

高齢者採用のメリットは、豊富な経験と知識をもつ人材を活用できる点です。特に、若手社員の育成に力を入れたい場合、指導役やアドバイザーとして高齢者採用を実施するのはおすすめです。

しかし、高齢者の採用は、体力的な問題や最新技術の適応に時間がかかることもあるため、業務内容や働き方の工夫が必要です。柔軟な勤務体系の導入や健康管理の支援も求められるでしょう。

また、近年の高齢化社会においては、社会貢献の一環として高齢者雇用が注目されています。

高齢者採用については国も推進しており、採用により助成金が支給されるケースもあります。令和5年12月より始まった助成金もありますので、詳しくは厚生労働省の公式ページを参照ください。

障がい者採用

障がい者採用とは、身体的・精神的な障がいをもつ人々を対象に行う採用活動です。

障がい者採用のメリットは、ダイバーシティ推進による企業イメージの向上です。障がい者のもつ独自の視点やスキルを活かすことで、新たな価値を創造できる可能性もあります。

障がい者を採用するためには、障がいの種類や程度に応じた業務環境の整備や、サポート体制の構築が必要です。

従業員数が一定数以上になる場合は、企業は障害者を雇う必要があります。雇うべき障害者の数は、雇用率によって定められており、期間によって次のように変わります。

▼障害者雇用率

期間

民間企業の雇用率

令和6年4月から令和8年6月まで

2.5%

令和8年7月以降

2.7%

※「障害者雇用率制度について|厚生労働省」をもとに作表

以上から計算すると、令和6年4月から令和8年6月までは、企業の従業員数が40人以上になる場合は、最低1人の障害者を雇用する必要があります。また令和8年7月以降は、37人以上の従業員を抱える企業は障害者を1人雇わなければなりません。

新卒採用と中途採用のメリット・デメリット

ここでは、新卒採用と中途採用のメリット・デメリットについてより深く解説します。

新卒採用のメリット・デメリット

新卒採用では、企業文化や業務プロセスを一から教えることができるため、企業の理想的な人材に育てることが可能です。また新卒社員は他の企業での経験がないことから、柔軟に教育を受け入れ、企業の文化に適応しやすいという特徴もあります。

加えて、若く、長期的に成長できるポテンシャルをもつ人材を確保できる点も新卒採用の大きなメリットです。企業は新卒者を長期的な視点で育成すれば、将来のリーダー候補への成長が期待できます。

一方、デメリットとしては新卒者は実務経験がないため、即戦力として活躍するまでには時間がかかる点が挙げられます。初期の研修や教育に多くのリソースを割く必要も出てくるでしょう。

また、若手社員はキャリアの初期段階で転職を考えることが多く、定着率が低い場合があります。定着率を高めるためには、自社の将来と新卒者がイメージするキャリアパスがマッチしているかどうかを見抜く必要があります。

さらに新卒採用には、求人サイトへの出稿、説明会の実施、インターンシップの開催など、多くのコストがかかります。これらの費用を正当化するためには、採用した新卒者が長期的に貢献する必要があります。

中途採用のメリット・デメリット

中途採用では、すでに業務経験をもつ即戦力の人材を確保できるため、採用後すぐに成果を期待できます。特定のスキルや知識を持つ人材を採用することで、チームやプロジェクトの強化が図れるでしょう。

また急な人員補充が必要な場合でも、中途採用であれば迅速に対応できます。欠員が出たポジションを速やかに埋めることができ、業務の停滞を防ぐこともできます。

さらに、他社での経験をもつ中途採用者は、新しい視点やアイデアをもたらすことができ、企業のイノベーションを促進する可能性があります。多様なバックグラウンドをもつ人材が加わることで、チーム全体のパフォーマンスが向上することが期待されます。

一方のデメリットとして、中途採用者が企業文化や業務プロセスに適応するのには時間がかかることが挙げられます。既存の慣習や価値観と異なる場合、適応に苦労するケースは多いです。特に、大手企業からベンチャー企業への転職、またはその逆の場合、環境の差にギャップを感じてそのまま退職する人も少なくありません。

そのほか、マイナビの調査では、以下のような課題が多いことが分かっています。

新卒採用と中途採用のどちらを選択するかは、企業の状況やニーズに応じて慎重に選択する必要があります。それぞれのメリットとデメリットを考慮し、最適な採用戦略を実施しましょう。

代表的な採用手法10選

代表的な採用手法には次のようなものがあります。

  • 転職サイト
  • 求人検索エンジン
  • ハローワーク
  • 求人広告
  • 人材紹介
  • 合同企業説明会
  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用
  • SNS採用
  • 大学との提携

それぞれの方法におけるメリット・デメリットなどを解説しますので、自社にマッチした採用手法を選択しましょう。

1.転職サイト

転職サイトとは、求人広告を掲載する企業と、仕事を探している求職者を結びつけるためのオンライン上のプラットフォームです。企業は自社の求人情報を掲載し、求職者は自身の経歴や希望条件をもとに求人情報を検索・応募します。

メリット

デメリット

  • 多くの求職者が利用するため幅広い層の候補者にアプローチできる

  • 転職サイト上では求人情報を容易に掲載・更新できるため採用活動を効率的に進められる

  • 応募者の情報を一元管理できる

  • 定期的に転職サイトに求人情報を掲載することで企業のブランド力を高められる
  • 転職サイトは多くの企業が活用しているため他の求人に埋もれやすい

  • 掲載料やサービス利用料といったコストが発生する

  • 高い効果を得るためにはノウハウが必要

2.求人検索エンジン

求人検索エンジンは、インターネット上のさまざまな求人情報を収集・統合し、求職者が一括して検索できるようにするサービスです。IndeedやGoogle for Jobsが代表的な求人検索エンジンの例です。

メリット

デメリット

  • 多くの求職者が利用するため、企業の求人情報が広く閲覧される可能性がある

  • 基本的な求人情報の掲載は無料で行えるケースが多いためコストを圧迫しない


  • 想定していない層にも閲覧されるため応募者の質にばらつきが出やすい

  • 多くの応募が一度に集まった場合に応募者の管理や選考が煩雑になる


3.ハローワーク

ハローワーク(公共職業安定所)は、日本政府が運営する職業紹介機関で、求職者と求人企業を無料で結びつける役割を果たします。

メリット

デメリット

  • 求人広告の掲載費用がかからないためコストを削減できる

  • 地元の求職者が多く利用するため地域密着型の企業には利点が多い

  • 幅広い年齢層や経歴をもつ求職者が登録しているため多くの企業が活用しやすい
  • 幅広い層の人材が登録しているため応募者の質にばらつきがある

  • 他の採用手法に比べて、応募から採用までのプロセスが長くなりがち

4.求人広告

求人広告は、新聞、雑誌、インターネットなどのメディアに企業の求人情報を掲載する手法です。

メリット

デメリット

  • 多くの人々にリーチできるため幅広い層の求職者にアプローチできる

  • 広告を通じて企業のブランディングを強化できる

  • 広告の内容や掲載するメディアを工夫することで特定のスキルや経験をもつ求職者にリーチできる
  • 大手のメディアに掲載した場合は広告費用が高額になる

  • 広告は一時的な掲載期間に限られるため、長期的な採用活動には不向き

5.人材紹介

人材紹介は、専門の人材紹介会社が企業の求人ニーズにマッチした候補者を紹介する手法です。

メリット

デメリット

  • 紹介会社は企業のニーズに合わせて候補者を選定するため、質の高い応募者を紹介してもらえる

  • 紹介会社が候補者の選定を行うため、採用活動を効率化できる

  • 急ぎのニーズにも対応してくれる

  • 面接の調整や契約交渉などのサポートも行ってくれるため、採用担当者の負担を減らせる
  • 紹介手数料が発生するためコストを圧迫する

  • 紹介された応募者が必ずしも企業文化に適応するとは限らない

6.合同企業説明会

合同企業説明会は、複数の企業が一堂に会し、求職者に対して企業情報を提供するイベントです。新卒採用においては重要な手法として活用する企業が多い傾向にあります。

しかし、就職みらい研究所の調査によると、合同説明会やセミナーを実施する場合、対面よりもWebのほうが良いと回答する人が多い結果でした。その割合は「Webのほうがよい(57.6%)」「対面のほうがよい(28.3%)」となっています。

メリット

デメリット

  • 多くの求職者が一度に集まるため短期間で多くの候補者にリーチできる

  • 企業ブースに来場する求職者は興味をもっている可能性が高いため次のプロセスにつながりやすい

  • 企業担当者と求職者が直接対話できるため企業の魅力をダイレクトに伝えられる

  • 求職者の第一印象やコミュニケーション能力をその場で評価できる
  • 大規模なイベントへの参加には参加費やブース設営費用がかかる

  • 多くの企業が参加するため競合他社と比較される

  • イベント自体は一時的なものであるためその後のフォローアップが必要になる

7.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業の採用担当者が求職者に直接アプローチする採用手法です。SNSや専門の求人サイトなどで候補者を探し出し、直接コンタクトを取る方法が一般的です。

メリット

デメリット

  • 企業が求めるスキルや経験をもつ求職者に直接アプローチできるためターゲティングの精度が高い

  • 求職者に直接コンタクトを取ることで迅速な選考を行える

  • ほかの採用手法に比べて広告費やエージェント費用を削減できる
  • 求職者の検索やコンタクトを取る作業には時間と手間がかかる

  • 求職者からの反応が得られなかったり、アプローチを無視されたりすることが多い


8.リファラル採用

リファラル採用は、既存の従業員からの紹介を通じて新しい人材を採用する手法です。従業員のネットワークを活用することで、信頼性の高い候補者を紹介してもらえます。

株式会社プロフェッショナルバンクの調査によると、75%の企業がリファラル採用の実施経験があることが分かっています。また実施した企業の80%が「通常採用より成功確度が高い」と回答。さらに61%の企業が「採用の決定と同時に社員へインセンティブを提供する」ことでリファラル採用を促進していることも分かっています。

メリット

デメリット

  • 従業員からの推薦であるため信頼性があり、会社の文化や価値観に合う可能性が高い

  • 広告費やエージェント費用がかからないためコストを削減できる

  • 採用プロセスを迅速に進められるため時間も節約できる

  • 従業員自身が採用に関与することで会社への忠誠心が高まる
  • 採用に客観性を欠くと早期退職につながる

  • 従業員のネットワークに依存するため候補者の範囲が限られる

  • 短期間でまとまった採用を見込めないため主軸となる別の採用手法を据える必要がある

9.SNS採用

SNS採用は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用して求職者を採用する手法です。昨今では、X(旧Twitter)、LinkedIn、Facebook、InstagramといったSNSの活用が主流となっています。

メリット

デメリット

  • 企業は短時間で広範囲にわたって情報を発信できる

  • SNSは比較的低コストで運用できるため採用広告費を削減できる

  • SNSで企業の魅力や文化を伝えることでブランディングを強化できる
  • SNS上の情報は信憑性に欠ける場合があるため注意が必要

  • SNS採用を効果的に行うためには、専任の担当者やマーケティングチームを用意する必要がある

  • SNSはリアルタイムでの対応が求められるため担当者の作業を圧迫するリスクがある

10.大学との提携

大学との提携とは、特定の大学と協力して新卒採用を行う手法です。企業は大学のキャリアセンターや専門学校の就職課などと連携し、学生に対して企業説明会を開催したり、インターンシップの機会を提供したりします。

メリット

デメリット

  • 専門大学と提携できれば専門知識や技能をもつ学生にリーチできる

  • 大学内での企業の認知度を高められる

  • 広告費を大幅に削減できる
  • 大学との提携には長期的な関係構築と持続的な活動が必要

  • 提携する大学の範囲が限定されるため全国的な採用活動には不向き

  • 同じ大学と提携している競合他社も多いため優秀な学生を確保する際には競争が生まれる

採用用語【一覧】

採用用語

意味

オウンドメディアリクルーティング

企業が所有するメディア(Webサイト、ブログ、SNSアカウントなど)を活用して求人情報の発信や採用活動を行うこと

採用マーケティング

マーケティング手法を応用して、企業が求職者に対して自社の魅力をアピールし、効果的に求人を広告すること

採用ブランディング

企業が求職者に対して魅力的な雇用主であることを伝えてブランディングにつなげる取り組み

母集団形成

求人市場や求職者の中から、特定の企業に興味をもつ人々の集団を形成すること。採用において重視される数値の一つ

採用ペルソナ

企業が雇用したい理想の求職者像を具体化した仮想の人物像

ジョブカフェ

就職活動支援のための施設やイベントで、求職者が情報収集や交流を行い、職業生活に関するサポートを受ける場所

オンボーディング

新入社員が企業に加わる際の受け入れ方法や支援そのものを指す。採用後の初期の段階で行われ、社員の定着を促進する目的がある

リバースリクルーティング

企業が積極的に優秀な人材を探し出し、アプローチする形で行われる採用戦略。特に高度な専門知識や経験を持つ候補者に向けて行われることが多い

ダイバーシティ

多様性を意味し、人種・性別・年齢・文化的背景などの異なる要素をもつ人を積極的に活用しようという考え方

インクルージョン

多様性を尊重し、すべての人が認められ、参加できる環境を作ること

アジャイル採用

スピーディーで効率的かつ柔軟性をもって採用を行うこと。特にテクノロジーやデジタル分野で多く見られる採用手法

カルチャーフィット

候補者が企業の文化や価値観にどれだけ適合するかを評価すること。採用の際に重要視される要素の一つ




まとめ

本記事では「採用がもつ本来の意味」「採用手法の種類」などを紹介しました。

採用手法はさまざまで、それぞれにメリット・デメリットがあります。そのため、企業はそれらの特性を見極めつつ、自社に合った手法を選択しなければなりません。

自社に合った採用方法の見極めが難しい場合は、本記事を参考にし、まずはコストのかからない採用手法を実施してみるとよいでしょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。