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ネイルサロンの顧客満足度|向上と低下の要因、高める方法を紹介

ネイルサロンの顧客満足度|向上と低下の要因、高める方法を紹介

ネイルサロンにおいて顧客満足度は経営を大きく左右する重要な指標です。売上げはもちろん、SNSや口コミでの評判、採用活動にまで影響を与えます。

本記事では、ネイルサロンにおいて顧客満足度がなぜ重要なのか、どのように測るのかを解説し、満足度を左右する要因について掘り下げます。さらに、具体的な向上策や成功事例も取り上げますので、ぜひ最後までご覧ください。

ネイルサロン経営で顧客満足度が重要な理由

ネイルサロン経営において顧客満足度が重要な理由は、以下の3つです。

売上げを左右するため

ネイルサロンの売上げは、新規顧客の獲得とリピーター化によって成り立ちます。顧客満足度が高ければリピーターとなり安定した売上げにつながる一方、低ければ伸び悩みます。

以下は、ホットペッパービューティーによる「顧客満足調査(MOT)ネイルサロン編」で示された「また利用したいと思った理由」「変えたいと思った理由」それぞれのTOP10です。

▼ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由TOP10(複数回答)

順位

ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由

割合

1

最初から最後まで丁寧に施術してくれる

51.0%

2

メインメニューの技術が確か

45.0%

3

自分でやるよりずっと効果がある

39.0%

4

自分が思った通りに施術してくれる

38.7%

5

効果が長持ちする

34.0%

6

スタッフの接客態度が良い

33.0%

7

一人ひとりのお客様に対して丁寧に接客している

26.3%

8

料金がリーズナブルである

26.0%

8

センスが良い・自分のセンスに合っている

26.0%

10

手際が良く短時間で仕上がる

25.3%

▼ネイルサロンを「変えたい」と思った理由TOP10(複数回答)

順位

ネイルサロンを「変えたい」と思った理由

割合

1

メインメニューの技術が低い・下手である

43.7%

2

仕上がりが自分のイメージと違っていた

35.3%

3

施術時に痛みがある・荒っぽい

32.7%

4

スタッフの接客態度が悪い

25.7%

5

効果が長続きしなかった

23.3%

6

手際が悪く・時間がかかった

21.7%

7

センスが悪い・自分のセンスに合わない

15.0%

8

料金が高い

14.7%

9

リラックスできない・安心感がない

14.3%

10

カウンセリングの段階で、

希望する施術イメージを理解してくれなかった

13.3%

上記のような来店時の体験によって顧客の満足度合いは変化し、「また利用したい」と思うか「変えたい(もう来ない)」と思うかを左右します。

特にネイルサロンは定期的なメンテナンスが必要なサービスであり、一度満足した顧客はリピートしやすい傾向にあります。反対に、施術のクオリティが低かったり、接客態度が悪かったりすれば、顧客はすぐに別のサロンを探してしまうのです。

SNSや口コミで評判が広まるため

昨今では、ネイルサロン選びにおいてSNSや口コミの影響力が非常に大きくなっています。

たとえば、InstagramやTikTokなどのSNSでは、顧客が施術後のネイルデザインを投稿することで、新規顧客の獲得につながるケースも少なくありません。施術のクオリティが高く、接客やサロンの雰囲気に満足した場合、顧客は積極的に写真を投稿し、サロンの名前をタグ付けしてくれるケースもあるでしょう。

また予約サイトやGoogleマップ上での口コミで高評価を獲得すると、検索時の上位表示につながり、新規顧客の来店を促せます。

ただし、反対に不満足を示すネガティブな口コミが増えると、サロンの評判が悪化し、集客が難しくなる可能性もあります。

つまり、評価の良し悪しを問わず拡散しやすい点を踏まえると、ネイルサロン経営においても顧客満足度の追求は非常に重要なテーマであるのは間違いないでしょう。

採用活動にも影響するため

ネイルサロンの経営には、優秀なネイリストの確保が欠かせません。特に技術力の高いネイリストは引く手あまたのため、顧客満足度で決まるサロンの評価・評判は志望先を選ぶ重要な判断材料です。

リジョブによる調査においても、面接前に辞退する理由として「応募先の口コミ・評判が良くなかった」を挙げた割合は4割以上に及びます。

▼面接前に辞退する理由として多いこと(美容・ヘルスケア業界の求職者/複数回答)

1.面接前に辞退する理由として多いこと(美容・ヘルスケア業界の求職者複数回答)

以上より、顧客満足度は安定した店舗経営に不可欠な「採用」にまで影響を及ぼすため、非常に重要な要素といえるのです。

なお、ここで紹介したデータの詳細は以下の資料にてご覧いただけます。ネイリストを含む美容・ヘルスケア業界の求職者が、「求人媒体」「応募企業」「最終的な入社先」などをどのような軸で選定するのかを把握できますので、無料ダウンロードの上、ぜひご活用ください。

ネイルサロンの顧客満足度を測る方法

ネイルサロンの顧客満足度を測る方法を、4つ紹介します。

  • 顧客アンケートの実施

顧客に対して、仕上がりや接客の満足度、改善点、再利用の意図などを尋ねて、現状を数値化します。その際、Google Formsのようなオンラインツールを活用すればコストを抑えつつ多くの回答を収集可能です。

  • SNSや口コミの分析

SNSや口コミでの評価を収集・整理すれば、顧客満足度に対するプラス要因・マイナス要因をある程度は把握可能です。特にSNSには本音に近い感想が発信される傾向があるため、早期に改善のヒントを得られるでしょう。

  • 調査指標の活用

より客観的に顧客満足度を把握できます。主要な指標としては、NPS®(Net Promoter Score)JCSI(日本版顧客満足度指数)が挙げられます。

  • リサーチ会社へ依頼

前述の調査指標を用いる場合、適切なサンプル数や統計的分析のノウハウが必要であり、実施難度は高めです。そこで、より正確かつ手間をかけずに顧客満足度を測定したい場合は、リサーチ会社への依頼がおすすめです。

ネイルサロンの顧客満足度が向上する要因

ネイルサロンの顧客満足度が向上する主な要因を、6つ紹介します。

施術スキルが高い

ネイルサロンに通う顧客は、プロによる美しい仕上がりを求めています。そのため、施術スキルの高さは顧客満足度に直結する重要な要因です。

ネイルアートのデザイン性はもちろん、ジェルの持ちの良さや形の整え方も考慮し、細部の仕上がりまで手際よく施術すれば、顧客の期待に応えられます。

先に紹介した「また利用したいと思った理由」においても、上位の計7項目が施術スキルに関する項目でした。

▼ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由(施術スキル関連を抜粋/複数回答)

順位

ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由

割合

1

最初から最後まで丁寧に施術してくれる

51.0%

2

メインメニューの技術が確か

45.0%

3

自分でやるよりずっと効果がある

39.0%

4

自分が思った通りに施術してくれる

38.7%

5

効果が長持ちする

34.0%

8

センスが良い・自分のセンスに合っている

26.0%

9

手際が良く短時間で仕上がる

25.3%

特に「最初から最後まで丁寧に施術してくれる(51.0%)」は半数以上の回答を得ており、顧客が施術過程をよく観察していることが読み取れます。

また、「自分が思った通りに施術してくれる(38.7%)」や「センスが良い・自分のセンスに合っている(26.0%)」なども重視されるため、顧客の要望を正確に理解できるかも問われます。

接客態度が良い

接客態度の良さも顧客満足度を左右する重要な要因です。丁寧な言葉遣いや笑顔、親身なカウンセリングなど、心地よい接客を心がければ、顧客はリラックスして施術を受けられます。

また利用したいと思った理由」においても、接客態度に関する項目は重視されています。

▼ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由(接客態度関連を抜粋/複数回答)

順位

ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由

割合

6

スタッフの接客態度が良い

33.0%

7

一人ひとりのお客様に対して丁寧に接客している

26.3%

特に初めて来店する顧客に対しては、安心感を与えるような接客により、好印象につなげる必要があります。

所要時間が短い

忙しい現代人にとって、ネイルの施術時間は重要なポイントです。特に仕事帰りや隙間時間に来店する顧客にとっては、施術時間が長いと負担になりかねません。

施術スキルの関連項目で紹介した「手際が良く短時間で仕上がる(25.3%)」も、所要時間の短さの重要性を示唆しています。

▼ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由:9位(複数回答)

順位

ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由

割合

9

手際が良く短時間で仕上がる

25.3%

効率的な施術工程を確立し、スピーディーかつ丁寧な施術を提供すれば、顧客満足度アップにつながります。

また施術以前に、予約時間通りに施術を開始し、待ち時間を最小限に抑える工夫が求められます。

リラックス・リフレッシュできる

ネイルサロンは、単なる施術の場ではなく、顧客がリラックスしながら過ごせる空間であることが求められます。

先に紹介した「また利用したいと思った理由」においても、TOP10外ではあるものの「リラックスできる・安心感がある(23.7%)」「サロンに行くことでリフレッシュできる(18.0%)」がそれぞれ一定数の回答を得ています。

料金がリーズナブル

料金設定も顧客満足度を左右する要素のひとつです。料金が高すぎると、リピート率が低下する可能性がありますが、安すぎると品質への不安を感じる顧客もいます。

顧客はどのような製品・サービスにおいても、適正価格かつコストパフォーマンスの良さを感じられるものを選択します。「また利用したいと思った理由」においても、4人に1人が「料金がリーズナブルである(26.0%)」と回答しています。

▼ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由:8位(複数回答)

順位

ネイルサロンを「また利用したい」と思った理由

割合

8

料金がリーズナブルである

26.0%

予約を取りやすい

予約の取りやすさは、顧客満足度を高める重要なポイントです。顧客が希望する日時でスムーズに予約を取得できれば、その時点で満足度は高まります。

また利用したいと思った理由」においては、「希望日時の予約がとれる(25.0%)」が挙がっており、顧客満足度への影響を示しています。

そのため昨今は、Web予約やLINE予約など、複数の方法を用意して、顧客の予約ストレスの軽減に努めるサロンも多く見受けられます。

ネイルサロンの顧客満足度が低下する要因

ネイルサロンの顧客満足度が低下する主な要因は、以下の5つです。

イメージ通りに仕上がらない

ネイルの仕上がりが顧客のイメージと異なる場合、満足度は大きく低下します。デザインやカラー、形の微妙な違いが積み重なると、「思っていたものと違う」「リクエストをきちんと聞いてもらえなかった」という不満につながります。

先に紹介した「変えたいと思った理由」では、2位に「仕上がりが自分のイメージと違っていた(35.3%)」が、10位に「カウンセリングの段階で、希望する施術イメージを理解してくれなかった(13.3%)」が挙がっています。

▼ネイルサロンを「変えたい」と思った理由(イメージと異なる関連を抜粋/複数回答)

順位

ネイルサロンを「変えたい」と思った理由

割合

2

仕上がりが自分のイメージと違っていた

35.3%

10

カウンセリングの段階で、

希望する施術イメージを理解してくれなかった

13.3%

特に、細かいアートやグラデーション、ニュアンスネイルなどはサンプルや写真と異なる仕上がりになりやすいため、先に了承を得ておくなど注意が必要です。また、爪の長さや形の調整が希望とずれてしまった場合も、顧客の印象が悪くなりやすいポイントです。

これらの項目は、施術スキルのみならずカウンセリングスキルの重要性を示しています。

施術に痛みが伴う

ネイルの施術中に痛みを感じると、顧客の不安やストレスが高まり、満足度が低下します。爪を削る際に過度な圧力がかかる、ジェルを硬化する際の熱さが強すぎる、キューティクル(甘皮)の処理時に皮膚を傷つけてしまうなど、さまざまな要因が考えられます。

特に、施術後に爪が薄くなったり、ヒリヒリしたりすると、「このサロンは技術が雑」「また同じ痛みを感じるのでは」と不安になり、リピートを避ける原因になってしまいます。

先に紹介した「変えたいと思った理由」においても、およそ3人に1人が「施術時に痛みがある・荒っぽい(32.7%)」を挙げているため、注意が必要です。

▼ネイルサロンを「変えたい」と思った理由:3位(複数回答)

順位

ネイルサロンを「変えたい」と思った理由

割合

3

施術時に痛みがある・荒っぽい

32.7%

接客態度が悪い

施術の技術が優れていても、スタッフの接客態度が悪いと、顧客満足度は著しく低下します。たとえば、無愛想な対応や不親切な言葉遣い、笑顔が無い、細かい要望への対応が雑といった点が挙げられます。

変えたいと思った理由」において「スタッフの接客態度が悪い(25.7%)」は4位です。また、「スタッフがおしゃべりで気疲れした(12.7%)」という回答も一定数あることから、顧客のタイプを見極めることも求められます。

▼ネイルサロンを「変えたい」と思った理由:4位(複数回答)

順位

ネイルサロンを「変えたい」と思った理由

割合

4

スタッフの接客態度が悪い

25.7%

効果が長続きしない

ネイルの持ちが悪く、すぐに剥がれたり欠けたりしてしまうと、顧客は「コストに見合わない」と感じ、満足度は低下します。「変えたいと思った理由」においても、5位に「効果が長続きしなかった(23.3%)」が挙がっています。

特にジェルネイルの場合、一般的に3〜4週間は持つと期待されるため、1週間以内に浮きや剥がれが発生すると不満が大きくなるでしょう。また、アクリルスカルプがすぐに割れたり、カラーが変色したりすることも、品質への不信感を生む原因になります。

こうしたトラブルが続くと、「このサロンのネイルは長持ちしない」と評価され、顧客満足度およびリピート率が低下する可能性が高まります。

▼ネイルサロンを「変えたい」と思った理由:5位(複数回答)

順位

理由

割合

5

効果が長続きしなかった

23.3%

料金が高い

ネイルの価格が高すぎると、顧客は「コストパフォーマンスが悪い」と感じ、満足度が下がります。「変えたいと思った理由」においても「料金が高い(14.7%)」が8位に挙がっています。

▼ネイルサロンを「変えたい」と思った理由:8位(複数回答)

順位

ネイルサロンを「変えたい」と思った理由

割合

8

料金が高い

14.7%

ただし、価格が高くてもそれに見合ったサービスが提供されれば問題ありません。仕上がりやサービス内容が価格に見合っていない場合、不満が顕著に表れるのです。

また、メニュー表に明確な料金が記載されていない、追加料金の説明が不足していると、「思っていたよりも高額になった」と感じ、次回の来店をためらう要因になります。実際に同調査でも「料金体系が不明瞭・思っていた値段と違った(6.7%)」という回答がみられます。

ネイルサロンの顧客満足度を高める方法8選

ネイルサロンの顧客満足度を高める方法8選を紹介します。

施術スキルの維持と向上

ネイルサロンにおいて、施術スキルの高さは顧客満足度を大きく左右する要因です。

顧客満足を得られる仕上がりを実現するためには、定期的な技術研修や最新トレンドの学習が欠かせません。新しい技法や流行のデザインを積極的に取り入れることで、顧客の多様なニーズに応えられる幅が広がります。

また、スキルを磨く上で、施術の所要時間も重要なポイントです。短時間で高品質に仕上げれば顧客満足につながります。安全性と質を優先しつつも、効率的な技術の習得や工程の見直しにより、スピーディーな施術を実現しましょう。

さらに施術中の痛みを最小限にするのも、顧客満足度アップのために重要です。ファイリングやオフの際の適切な力加減を把握し、爪や皮膚への負担を最小限に抑えれば、快適な施術時間を提供できます。

このように、新たな技術や知識の習得、時間短縮、痛みの軽減をバランスよく実現することで施術スキルが高まり、顧客が「また来たい」と思えるサロンづくりにつながります。

接客態度の改善とホスピタリティの向上

ネイルサロンは施術だけでなく、接客の質も顧客満足度に大きな影響を与えます。スタッフの言葉遣いや態度、顧客とのコミュニケーションの質を高めなければなりません。

たとえば、カウンセリング時にしっかりと顧客の希望をヒアリングし、仕上がりのイメージを共有することが重要です。

これにより、顧客満足度を下げる要因として挙げた「仕上がりのイメージが違う」「カウンセリング段階でイメージを理解してもらえなかった」という事態を回避できます。

また、顧客の反応をよく観察しながら、適度な会話のバランスを取ることも大切です。スタッフとの会話を楽しみたい顧客もいれば、静かに過ごしたい顧客もいます。

以上のようにホスピタリティを重視した接客を徹底することで、顧客満足度は着実に向上していくでしょう。

時短メニューの導入

タイムパフォーマンスを重視する傾向が強まるなか、施術時間が長いと負担に感じる顧客もいるため、時短メニューの用意は有効です。

たとえば、「ワンカラーなら〇分」「オフ込みで〇分」など、短時間で仕上げられるメニューを設定すると、忙しい顧客にも利用しやすいサロンになります。また、施術の効率を上げるために、LEDライトの硬化時間を短縮できるジェルを導入するなどの工夫も有効です。

ネイルサロン「ネイルクイック」グループを経営する株式会社ノンストレスでは、コロナ禍をきっかけに時短メニューを導入しています。

ジェルメニューでクイックなものが欲しいねということで「ワンカラ―コース」を始めたんです。また、衛生面に配慮し元々コースにしていたウォーターケアをオプションにし、マシンケアを導入する事で全コースメニューを従来より時短メニューとする事としました。

引用:モアリジョブ|株式会社ノンストレス エリアマネージャー 中島絵美子さん/店長 高橋有希子さん

リラックスできる空間づくり

ネイルサロンは、施術を受けるだけでなく、リラックスできる場所としての役割も担います。内装やBGM、アロマなどを工夫し、心地よい空間を作れば、顧客の満足度を高められます。

特に、座り心地の良いチェアや、適度な温度・湿度管理は快適な施術時間を提供する上で重要です。また、プライベート感を大切にするため、半個室やカーテンで仕切られたスペースを設けると、よりリラックスできる環境になります。

リピーターで予約が埋まり新規集客をストップするほど人気の自宅サロンを経営するたえみさんも、リラックスできる空間づくりにこだわっています。

ひとつは空間づくりにとことんこだわりました。間借りしていた美容院は立地がよかったので、場所を移したことで交通の便が悪くなった分、付加価値をつけなければお客さまはついてきてくれないと思って。インテリアにこだわり、現実を忘れられるようなリラックスできる空間を作りました。

引用:モアリジョブ|ネイリスト たえみさん

施術後の効果を長続きさせる工夫

ネイルの持ちが悪いと、顧客は不満を感じやすくなります。施術後の美しさを長持ちさせるために、ジェルの密着度を高める技術や、適切なトップコートの選定が重要です。

また、施術後に自宅でできるケア方法を伝えることで、顧客自身が長持ちさせる努力をしやすくなります。たとえば、爪に優しいオイルの使用方法や、手荒れを防ぐハンドケアのアドバイスをすれば、顧客の満足度向上につながります。

適切な料金設定と明確な価格表示

料金が不明確だと、顧客は不安を感じやすくなります。適正価格を設定し、メニュー表やウェブサイトで料金を明確に表示すれば、安心感を与えられます。

その上で施術前に「このデザインなら〇円」「オプション追加で〇円」といった説明を行うと、会計時のトラブルを防げます。

また仮に高めの価格帯であっても、料金に見合ったクオリティの施術を提供して「この価格なら納得できる」と満足してもらえれば問題ありません。

スムーズな予約システムの導入

予約の取りやすさは、顧客にとって重要なポイントです。電話予約だけでなく、オンライン予約システムを導入することで、24時間好きなタイミングで予約できるようにすると便利です。

また、LINEやInstagramのDMで手軽に予約を受け付けるサロンも増えており、顧客の利便性を向上させる工夫が求められます。さらに、リマインド通知を送ることで予約忘れを防ぎ、キャンセル率を下げることも可能です。

顧客満足度向上に貢献できる人材の採用

サロン全体の顧客満足度を高めるためには、適切な人材の採用が欠かせません。技術力はもちろん、接客力やコミュニケーション能力に優れたスタッフを採用することで、顧客満足度を高めやすい体制が整います。

以下の資料では、美容業界において求める人材の採用成功率を高めるノウハウを4STEPで紹介しています。美容業界に特化した貴重な資料ですので、無料ダウンロードの上、ぜひご活用ください。

 

ネイルサロンの顧客満足度アップにつながった事例

ネイルサロンの顧客満足度アップにつながった事例を、3つ紹介します。

お客様のタイプを見極めて信頼関係の構築に活かす

「I-nails 渋谷店」トップネイリストの朝倉朋佳さんは、わずか1年で月の指名客を50人以上も伸ばし、常に指名予約で満たされています。

朝倉さんは「接客で重視してきたこと」を次のように語ります。

お客様がどういう方なのかをいち早くキャッチする術を磨いてきました。たとえば、自分の話をしたいタイプなのか、話を聞くのが好きなタイプなのかなど。

(中略)私のお客様はお話好きな方が多いので、目を見てしっかり「はい、はい」と相槌を打ちながら寄り添うようにしています。そうしていると自然と信頼関係を築くことができ、リピートにも繋がったのかなと思います。

引用:モアリジョブ|ネイルサロン「I-nails 渋谷店」トップネイリスト 朝倉朋佳さん

また朝倉さんは、顧客のタイプを的確に見極めるためには、仕事だけでなくプライベートでも人と積極的にコミュニケーションをとることが大切と述べています。

セミナー受講費の補助でネイリストのスキルアップを支援

東京・原宿のネイルサロン「Chipieee」では、セミナー受講費の一部補助により、ネイリストのスキルアップを支援しています。

さらに、セミナーで学んだ内容を他のネイリストにも共有し、全体のレベルを高めることで、顧客満足度の維持・向上に努めています。

うちにはセミナー受講費を補助する制度があります。学んできたスキルをシェアしてもらうことで、Chipieee全体のスキルアップにもつなげたい。そうやって所属ネイリスト全員が技術のアップデートを積み重ねることで、施術料を上げてもお客様が付いてきてくれる、質の高いお店をつくっていきたいです。

引用:モアリジョブ|ネイルサロン「Chipieee」 Chikoさん

ダメージ原因の解明と理想とするデザインの確認

ネイルサロン「ネイルアマンディーヌ」では、カウンセリング中の確認を非常に重視しています。最初に顧客の声を丁寧にヒアリングすれば、理想像とのミスマッチを防げるためです。

具体的な確認事項は大きく2つあり、1つ目は「ダメージの原因について」です。

私は『ボロボロの状態を無理やりきれいに見せることは嫌だな』と思っています。お客さまには、自爪からきれいになっていただきたいですからね。

そこで『以前付けたジェルの種類はわかりますか?』など、ダメージの原因を詳しく聞いて、ジェルを変えたり、ケア方法をお伝えしたりするなど、お客さま1人ひとりに合った改善策をご提案しています。

引用:モアリジョブ|ネイルサロン「ネイルアマンディーヌ」店長 中居花菜さん

そして2つ目は、「理想のデザインについて」です。

お客さまには『こんなネイルにしたい!』というイメージがありますが、その理想のネイルを言葉でクッキリと表せないことがほとんどです。『丸い感じがうれしい』など、大まかな雰囲気を言われることが多くあります。

そんな時はゴールをハッキリさせて、お客さまと共有することが大切だと思っています。『丸い感じ』と言われた時には、『丸目か細目か』など具体的に深掘りし、お客さまが求めている形を把握していきます。

また『赤色で』と言われた時には、複数の赤を試すことが重要です。色はほんの少しの違いで、仕上がりに大きな違いを生みますからね。

引用:モアリジョブ|ネイルサロン「ネイルアマンディーヌ」店長 中居花菜さん

「色の希望」について具体的には、まず理想に近そうな赤を塗り、顧客に確認してもらいます。ただこの時点では、「ちょっと違いますね」というケースもあるそうです。その場合は少し違う色味を塗り直し、少しずつ理想に近づけていきます。

いずれも「お客さまに心から納得していただくため」の対応です。

まとめ

ネイルサロンの顧客満足度は、売上げやリピーター獲得に直結し、経営の安定に欠かせない要素です。満足度を高めるためには、以下のポイントが重要です。

  • 顧客満足度の定期的な確認:アンケートや口コミ分析で改善点を把握する
  • 施術スキルの向上:技術力の高さがリピート率を左右するため、サロン全体での研鑽が不可欠
  • 接客品質の強化:丁寧な対応や綿密なカウンセリングが、満足度向上につながる

顧客満足度を高める取り組みを続けることで、長期的な経営の成功につなげましょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。