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整骨院が集客する場合のポイントとは?関係法規やSNS活用についても解説

整骨院が集客する場合のポイントとは?関係法規やSNS活用についても解説

 

1998年の柔道整復師を養成する教育機関の数は全国に14校(※1)でした。この頃は整骨院の数が少なく業界がブルーオーシャンだった時期で、集客に力を入れずとも整骨院経営は成り立っていました。

しかし2009年以降は、柔道整復師を養成する教育機関は100校を超え(※1)、整骨院の数もコンビニエンスストアに匹敵するほどに拡大。競合が増えたことで、経営が苦しくなったり、廃業に追い込まれたりする整骨院が目立つようになりました。

※1 参考元:第1回柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会資料|厚生労働省

その一方で、ヘルスケア産業市場の規模拡大にともない、集客を成功させ売上を伸ばす整骨院もあります。集客の取り組み次第で、売上を伸ばす整骨院と縮小する整骨院が二分された状態にあるといえます。これから整骨院を経営する場合、集客にも目を向けて選ばれる整骨院を目指すことが大切です。

本記事では、整骨院が集客に力を入れるべき理由を紹介。さらに集客をするうえで知っておくべき法律の知識や集客のポイントについて解説します。

整骨院が集客に力を入れるべき理由        

整骨院が集客に力を入れるべき理由として、競合の増加や療養費の減少などが考えられます。それ以外にも、潜在顧客へのアプローチというポジティブな理由も挙げられます。

競合の増加

整骨院や接骨院の数は、年々増加傾向にあり令和4年(2022年)には50,919施設に達しました。同年12月のコンビニの数は、55, 838店(※2)だったので整骨院の数はコンビニに迫る勢いです。他の代替医療(保管医療)分野の施設と比べても、整骨院や接骨院の多さは顕著です。

施設名

施設数

あん摩マッサージ指圧を行う施術所

18,155

鍼灸を行う施術所

33,986

柔道整復の施術所(整骨院・接骨院)

50,919

※「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省」をもとに作表

※2 参考元:コンビニエンスストア統計データ|日本フランチャイズチェーン協会

競合が多いと、集客に力を入れて自院をアピールしなければ他の整骨院に顧客が流れる可能性があります。

療養費の減少

厚生労働省によると、柔道整復師に支給される療養費は年々減少傾向で、令和2年および令和3年は3000億円を下回っています。

※「柔道整復、はり・きゅう、マッサージ、治療用装具に係る療養費の推移(推計)|厚生労働省」をもとに図式化

25年に比べると、療養費が約1000億円減少していることもあり、今後もこの傾向が続くと、保険施術メインの経営が成り立たなくなる可能性があります。

療養費が減少している要因は、保険請求の適正化により、整骨院では保険を適用して施術サービスを提供することが難しくなっているからです。

そのため自費メニューを導入して、保険施術に頼らない経営を目指す必要があります。保険施術よりも高額な自費メニューを受けてもらうためには、サービスを知ってもらい集客をする必要があるのです。

潜在需要へのアプローチ

J-Net21の調べによると、整骨院の利用意向について尋ねるアンケート調査において、2012年の消極的潜在需要43%が2021年になると54%になり、11%上昇していることがわかりました。

消極的潜在需要とは整骨院に対して否定的な意見を持たない層を含めた潜在需要をさします。たとえば「整骨院についてよく知らない」「興味はあるけど何らかの理由で利用していない」などの意見を持った顧客層が消極的潜在需要に該当します。

このような層には集客媒体を用いて、整骨院の魅力をアピールすると来院してくれる可能性があるのです。2021年は消極的潜在需要が54%に達しているので、整骨院を積極的にアピールすると、多くの顧客を獲得できる余地が残されていると考えられます。

整骨院で活用できる店舗集客の種類

整骨院で集客する場合、オンラインとオフラインの集客方法をうまく使い分けることが大切です。オンライン集客はインターネットを活用した集客方法です。近年はインターネットの利用率が大幅に伸びたため、整骨院で集客する場合もオンライン集客は欠かせないでしょう。

オンライン集客に力を入れる場合は、InstagramやLINEなどのSNSを活用するのもおすすめです。

小さな鍼灸院の場合、インスタを使ってお客さまにリーチするのは難しそうという意見をもらうこともありますが、お客さまにとってDMで気軽にやりとりをして予約ができるということは、大きなメリットなんです。

引用:モアリジョブ|鍼灸師 鈴木むつよさん

一方でオフライン集客はインターネットを活用しない集客方法です。チラシや街の情報誌、口コミなどが該当し、中高年層にはオンライン集客よりもオフライン集客の方が有効な場合もあります。整骨院のターゲットを加味して、自院に合った集客媒体を活用することで店舗集客のコツです。

地方の場合は、口コミの広がりが早くて紹介による集客をしやすいケースもあります。

東京に比べると、お客様も人と人のつながりを大事にしている方が多いという印象はあります。とくにお客様の紹介からの新規獲得は、東京よりも頻繁に起こりますね。人同士が近い分、口コミの広がりも早いと感じます。

東京時代から接客は大切にしていましたが、広島で開業して、より自分の治療家としての立ち居振る舞いは気をつけるようになりました。もちろん技術力の高さが前提にはなりますが、プラスお客様一人ひとりを大事にしたコミュニケーションがとれると、さらに口コミや紹介での集客が叶いやすくなると感じています。

引用:モアリジョブ|整体院EVOL 院長 竹常元太さん

整骨院で集客するなら知っておくべき法律の知識        

整骨院が集客する場合は、関連法規を熟知することが大切です。法律に違反して広告を出すと、自治体の担当者から指導を受けることもあるため注意しましょう。集客をする場合に知っておくべき法律として、次の5項目を紹介します。

  • 柔道整復師法
  • 不当景品類及び不当表示防止法
  • 医師法・医療法
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
  • あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律

柔道整復師法

柔道整復師法では、柔道整復師が広告に掲載できる内容について次のように定めています。

一 柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所

二 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項

三 施術日又は施術時間

四 その他厚生労働大臣が指定する事項

引用:柔道整復師法|第二十四条

整骨院では以上の内容以外を広告に掲載できない決まりです。たとえば施術内容や施術者の経歴、導入機器などはチラシに掲載できないため注意しましょう。

ただし来院客に直接手渡しするチラシは広告には該当しないため、上記の項目以外も掲載できます。

不当景品類及び不当表示防止法

不当景品類及び不当表示防止法は通称「景品表示法」と呼ばれ、商品やサービスの品質や内容、価格などを偽って表示することを禁止する法律です。

同法律が制定された目的は、一般消費者の合理的な選択を阻害することを防いだり、利益を保護したりするためです。

この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

引用:不当景品類及び不当表示防止法|第一条

整骨院が景品表示法に違反する表現で広告をすると、クリニックに行くタイミングが遅れて病気が悪化したり、過度に効果効能を期待して施術費を不当に消費したりする可能性があります。

景品表現で禁止されている表現は、次の3パターンに分けられます。(※3)

  • 優良誤認表示
  • 有利誤認表示
  • その他 誤認されるおそれのある表示

整骨院は、優良誤認表示で指導を受けるケースが多いです。

※3 参考元:事例でわかる景品表示法|消費者庁

優良誤認表示        

優良誤認表示とは商品やサービスの品質、規格などについて実物よりも優良であることを一般消費者が間違って認識するような表現で広告をすることです。たとえば整骨院の場合、過去に次のような表現が優良誤認表示に該当するとして指導を受けた事例があります。

「お客様満足度 98.7%」

「-7.3kgの体験!」

「戻りにくい小顔矯正左右バランス、ほうれい線やタルミ・シワが気になる方へ たった1回の施術で小顔をキュッと引き締め効果」

引用:整骨院及びエステサロン等を経営する事業者に対する景品表示法に基づく措置命令について|埼玉県

医師法・医療法

医師法とは、医師の職務や資格などに関する法律で、医療法とは医療施設の開設や管理に関係することを定めた法律です。

医師法や医療法には、それぞれ医師が行う業務内容や医療施設で提供される医療サービスについて定められています。これらの法律で定められた業務内容は、医師および医療機関のみが提供できる医療行為です。医療行為の具体例として、診療や診断、診察などが挙げられます。

そのため整骨院が治療や診断、診察などの表現を使って集客をすると、医療行為を提供していると見なされて医師法や医療法違反になるのです。

広告では医療行為を連想させるような言葉を使わないようにしましょう。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」は通称「薬機法」と呼ばれる法律です。整骨院が医薬品や医療機器を販売すると薬機法違反になるため注意しましょう。

整骨院の場合、医薬品に該当するシップや軟膏を販売すると、薬機法違反になります。たとえばロキソニンやインドメタシンなどの薬理効果のある成分の含まれたシップは医薬品に該当するため、販売できません。ロキソニンについては、販売しなくても整骨院で扱うこと自体が法律違反になるので注意しましょう。

また薬機法に関しては広告の表現にも注意する必要があります。病気の改善や体の変化を顧客に想起させるような表現で健康食品やサプリメントを広告すると、その商品が医薬品と見なされてしまい薬機法違反になります。

「慢性的腰痛、ギックリ腰、胃下垂などに効果があります。」

「お通じの悩み、肩こりや頭痛などいろんな体調不良を改善肩こり、腰痛、関節痛、車酔いなどによく効きます。」

「DETOX で毒をドバドバ吸出す! むくまない脚にむくみが簡単に。お通じがどっさり!?」

引用:薬事法ドットコム

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律

あん摩やマッサージ、指圧は「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を取得した人もしくは医師にしか行えません。また鍼や灸は、はり師ときゅう師のみが行える施術です。

柔道整復師がこれらの施術を行うと、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に違反するため注意しましょう。

メニューにマッサージや鍼灸などの表現を用いることも禁止されています。てい鍼やローラー鍼などのいわゆる「刺さない鍼」や「小児鍼」で施術したり、市販されているお灸を他人の体に据えたりする行為も柔道整復師は行えないため、注意してください。

広告ガイドライン

2024年3月現在、広告ガイドラインについての検討会が継続して開かれています。この広告ガイドラインは柔道整復師やはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師に適用される広告のルールで、既に運用されている医療広告ガイドラインとは異なるものです。

広告ガイドラインの内容は整骨院の集客に大きな影響を与えるため、今後どのように話し合いが進むのかを確認することをおすすめします。

検討会の結果によっては、Web広告も規制の対象となって取り締まりが厳しくなったり、「整骨院」の表現が使えなくなったりする可能性があります。

検討会の詳細については、厚生労働省の公式ホームページに掲載されているので、ご確認ください。

※参考元:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会|厚生労働省

整骨院におけるオフライン集客のポイント        

整骨院の集客を成功させるためには、法律を理解するのと同時に、広告以外のオフライン集客を実践することが大切です。オフライン広告のポイントについて詳しく解説するので、参考にしてください。

柔道整復師法を遵守する

オフラインの広告媒体で集客する場合は、柔道整復師法で定められている広告が可能な内容を遵守する必要があります。

【柔道整復師が広告できる内容】

  • 柔道整復師であること
  • 施術者の氏名や住所
  • 施術所の名称
  • 施術所の電話番号や所在地
  • 営業日や営業時間
  • その他厚生労働大臣が指定する事項

なお、その他厚生労働大臣が指定する事項には次の内容が当てはまります。

【その他厚生労働大臣が指定する事項】

  • ほねつぎ(接骨)の名称
  • 保健所に開設届を出したこと
  • 医療保険療養費支給申請ができること(同時に骨折と脱臼に施術する場合は、医師の同意が必要なことを記載する)
  • 予約をして施術を受けられること

上記以外の内容については、広告に掲載できません。文章による表現以外にも、施術風景や整骨院の内装を写した写真の掲載もできないため注意しましょう。

広告の定義を理解する

広告の定義を理解すると、広告に該当しないチラシがわかるため集客を有利に進められます。広告に該当しなければ、柔道整復師法以外の内容も掲載できるため整骨院をアピールしやすくなるのです。

医療広告ガイドラインでは、広告の定義について次のように定められています。

①患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性)

②医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

③一般人が認知できる状態にあること (認知性)

引用:広告ガイドライン等について|厚生労働省

以上をすべて満たさない場合は、広告には該当しません。整骨院で集客をする場合、広告に該当する場合と該当しない場合について次のように分けられます。

【広告に該当する場合】

  • 整骨院の看板
  • 整骨院の前に置かれたチラシやパンフレット
  • 新聞の折込チラシ
  • ポスティングで配布したチラシ
  • 情報誌に掲載した広告 など

【広告に該当しない場合】

  • 院内に掲示したチラシやパンフレット
  • 院内で顧客に手渡しをするチラシやパンフレット
  • 顧客が個人的に書いた手記(顧客が依頼や謝礼を受けて書いた場合は除く) など

広告に該当しない場合は、柔道整復師法で定められた広告の許容範囲を超えた内容を記載できます。しかし医師法や医療法、薬機法、景品表示法などの法律は守る必要があるため、過度に施術効果について誇張した表現などをしないように注意しましょう。

地域イベントに参加する

整骨院は地域ビジネスであるため、集客の一環としてボランティアで地域イベントに参加して、認知度を広げるのもおすすめです。

たとえば、市民マラソンや子どものスポーツ大会などにボランティアとして参加して、施術をすると地域住民から喜ばれます。

救護ブースでは、主に参加される方のマラソン大会前のコンディション調整・マラソン中のケガ(肉離れ・膝の痛み・足の裏の痛みなど)・マラソンを走った後のメンテナンスで、ケガを未然に防ぐことを目的に行なっています。

大会参加中に足がつってしまう方やケガ(肉離れ・膝の痛み・足の裏の痛みなど)をしてしまった方などが多く利用されるブースです。

引用:はっとり鍼灸接骨院グループ

紹介を増やす

紹介による集客は法律に違反することもなく効果も高いため、整骨院で顧客を増やすための有効手段の1つです。mingooの調査によると、治療院選びの際の情報収集の方法として、「友人や家族からの紹介」が最も多い結果でした。

実際に紹介で来院する人が増えると、チラシや広告による集客に力を入れずとも顧客が途切れない状況を作ることも可能です。

今では、患者さんからの紹介で来てくださる方が増えたので、そこまで集客には力を入れていません。ありがたいことに一度治療に来てくださった方が、効果を実感してほかの患者さんを紹介してくださるという、一番理想的な形になってきたと思っています。

引用:モアリジョブ|レゾナンスカイロプラクティック 院長 中込慶一さん(柔道整復師)

地域ビジネスである整骨院にとっては、紹介による集客は整骨院経営において重要な位置づけです。

問診だけじゃなく、コミュニケーションが取れないと、周りの人に紹介もしてもらえないですよね。今でこそYouTubeやSNSでたくさんの人に知ってもらえますが、そもそも接骨院はローカルビジネスなので、口コミや紹介が集客の肝になります。

引用:モアリジョブ|洲本接骨院 院長 西 正博さん

整骨院におけるオンライン集客のポイント        

インターネットの利用者が多い現代は、オンライン集客は売上を伸ばすためには欠かせない手段の1つです。ホームページの作成やSNSの活用、Googleプロフィールの記載についてポイントを解説します。        

ホームページを作成する

オンライン集客をはじめる場合は、はじめにホームページを作成することが大切です。ホームページを活用すると、人通りが少ない店舗でもうまく集客できるケースもあります。

僕はお店をするなら、きちんと知ってもらえる方法があれば、むしろ人通りが少ない立地のほうがいいとすら考えていました。インターネットやホームページを通して、きちんとサロンの隠れ家的なブランディングができれば、すごくいい立地だなと考えたんです。

引用:モアリジョブ|ヘッドスパプロデューサー 辻敦哉さん

さらにホームページを作成したあとは、それを顧客に診てもらうことが大切です。ホームページの認知度を高める施策として、Web広告やSEO対策、他の媒体との連携が考えられます。

Web広告

Web広告とは広告費を支払い、インターネット上でホームページの露出度を高めて集客する方法です。たとえばGoogle・Yahoo!などの検索エンジンや、Instagram・X(旧:Twitter)などのSNSに広告を出稿します。

整骨院で集客をしたい場合は、リスティング広告と呼ばれる手法を活用するのがおすすめです。

リスティング広告は検索エンジンに広告費を支払って検索結果にホームページを上位表示してもらうことです。リスティング広告が整骨院におすすめの理由は、顧客のなかでも顕在層にアプローチしやすいからです。

顕在層はすでに体についての悩みを抱えていて、その悩みを解決してくれる整骨院を探しています。たとえば「〇〇(地域名) 整骨院」「〇〇(症状名) 整骨院」などで調べる検索ユーザーは顕在層です。

リスティング広告を活用して、これらのキーワードでホームページを検索結果に上位表示させると、顕在層に対して効果的にアプローチできます。

SEO対策

SEO対策とは、検索ユーザーが求める有益なコンテンツを提供して、検索結果に上位表示させることです。SEO対策に成功すると、広告費をかけずにホームページにアクセスを集められます。

しかしSEO対策を成功させるためには、専門的な知識が必要です。そのため学習してスキルや知識を身に着け自分でSEO対策を行ったり、専門業者に依頼したりする必要があります。

整骨院の場合は、症状ページを充実させてSEO対策をするケースが多いです。たとえば肩こりや腰痛のページを作成して、「〇〇(地域名) 肩こり」や「〇〇(地域名) 腰痛」のキーワードで検索結果での上位表示を目指します。

他の媒体との連携        

ホームページはさまざまな媒体と連携できる点が魅力です。たとえば、店舗で手渡しするチラシやパンフレット、ショップカードにQRLコードを掲載しておけば、整骨院の雰囲気やスタッフ情報、施術内容などの詳しい情報を顧客に紹介できます。

またSNSのプロフィールにホームページのURLを掲載すると、そのURLからホームページにアクセスして予約につなげられる可能性があります。

このようにホームーページは、QRLコードやURLを介して、さまざまな媒体と連携できる点が魅力です。

SNSを活用する

SNSを運用しながら顧客との関係性を築くと、そこから問い合わせや予約につなげられるケースがあります。つまりSNSで情報発信することが集客につながるのです。SNSを運用する場合は、まずは利用者数の多い媒体を検討するとよいでしょう。

総務省の資料によると、令和2年度のSNS利用率は次のとおりでした。

ここでは、SNSの利用率が高い順に集客に役立てる際のポイントを事例を交えて解説します。

LINE

LINEの特徴は利用率の高さで、日本では10人のうち9人がLINEを利用しています。さらに性別や年齢を問わずにどの年代でも比較的利用率が高い点や、顧客にダイレクトにメッセージを届けられる点が魅力です。

ただしLINEだけでは拡散力に乏しいため、他の媒体と併用して活用することで集客に効果を発揮します。整骨院がLINEを集客に役立てる場合、予約の受付媒体やポイントカードとして利用する方法が考えられます。

リザービア導入前からLINEは使っておりましたが、リザービアのLINE予約オプションを導入したタイミングで、よりLINEを注力することにしました。

ポイントカードをLINEに切り替えたことで、お客様側にLNEで友だち登録をするメリットがあるようになり、友だち数の増加に繋がりました。

現在は、LINE上で定期的なイベントを実施する等発信ができるようになり、お客様とのコミュニケーションが以前より取りやすくなった実感があります。

多くのお客様が公式LINEを友だち登録してくださり、友だち追加してくださったお客様の8割がリピート予約をしてくださっています。

引用:リザーピア|港北マッサージ 楽鎮接骨院 柴田 啓嗣様 戸津川 弦様

また既存顧客に整骨院を紹介してもらう際にも、紹介相手にLINEで整骨院情報を簡単に共有してもらえるため、販促ツールとして活用できます。

YouTube

YouTubeはセルフケアのやり方について動画で情報発信できるため、整骨院と相性のよい集客媒体です。施術を担当する整体師の雰囲気も、静止画よりも動画の方が伝わりやすいため、新規顧客も来院しやすくなります。

お客様に顔や声を知ってもらえるというのは、大きいんじゃないでしょうか。初めましてだと、どうしても探り合いになる部分があると思うんですけど、動画を見て何となくでも自分のことを知ってもらえているだけで、心理的なハードルが少し下がるというか。

動画を見て来院してくださったお客様には、人によっては、「会いたかったです!」とまで言ってもらえることもあります。まだ何もしていないのに(笑)。最初から信頼してもらえているわけですから、施術の効果も出しやすくなるんじゃないかと思います。

引用:モアリジョブ|さんちゃ整体院 代表 関野まさあきさん

またセルフケア以外にも施術動画をYouTubeに投稿するのも集客に効果的です。ホームページに掲載することで、見込み客にアピールしやすくなります。

僕の施術の様子をHPに載せるためにYouTubeに動画をアップして、それを貼り付けたんです。すると、急に視聴者数が増えました。

引用:モアリジョブ|洲本接骨院 院長 西 正博さん

Instagram

Instagramはセルフケア情報やスタッフ紹介、院内風景などを画像や動画などを使って情報発信できるSNSです。投稿のコメントやダイレクトメッセージを使って、ユーザーとコミュニケーションを取りやすい点も魅力で、Instagramから直接予約を獲得できることもあります。

Instagramはセルフケア情報やプライベートを発信することで、顧客との関係を構築する効果が期待できます。

来院ごとにセルフケアのストレッチをお伝えするんですが、毎回該当のYouTube動画やInstagram投稿を送っているんです。そうして、できるだけ接触頻度を高めて、忘れられないようにする。生活の一部にしてもらうことを意識しています。

引用:モアリジョブ|整体院EVOL 院長 竹常元太

Instagramはストーリーズという機能があるので、そこで僕のプライベートな部分を出しています。またDMを通して直接やりとりをすることも可能です。

そうすることで僕をより身近に感じてもらえて、ひとりの整体師というところから、もう少しファン度を高めることができます。それができると「この人から施術を受けたい」という気持ちが強くなり、実際の予約に繋がるんです。

引用:モアリジョブ|整体師YouTuber 高橋竜士

Googleプロフィールを記載する        

オンラインで集客したい場合は、Googleプロフィールに登録して整骨院の情報を詳細に記載しましょう。ここでは、Googleプロフィールについて詳しく解説します。

Googleプロフィールとは

Googleプロフィールとはビジネスに関する情報を管理するためのツールで、登録すると整骨院の情報がGoogle検索やGoogleマップに表示されます。

Googleプロフィールを登録したあとに整骨院名で検索すると、検索結果の右側に整骨院の詳細が掲載されます。

▼Googleマイプロフィールの情報が掲載される位置

またGoogleマップには次のように表示されます。Googleプロフィールに登録せずとも、整骨院を開業して時間が経てば自動的に掲載されるケースもあります。しかしその場合、マップから集客できるまでに時間がかかるうえに、時間が経っても掲載されないこともあります。

一方でGoogleプロフィールに登録をすると、整骨院の情報をすぐにマップ上に反映できるため、マップからの集客が可能です。

▼Googleマップ上に掲載されるGoogleマイプロフィールの情報

Googleプロフィールに力を入れるべき理由

Googleプロフィールに力を入れるべき理由は、利用店舗を選ぶ際にマップサービスを利用する人が多いからです。Canlyの調査によると、80%近くの人が店舗選びにマップサービスの情報を活用すると回答しました。

さらに「地域名 整骨院」「地域名 症状名」など、特定の地域で整骨院を探すために使われるキーワードで検索すると、検索結果の上部にはGoogleマップが表示されます。

つまりGoolgeプロフィールに記載することで、Googleマップを通してオンライン上での露出を増やせるので、集客に有利になるのです。

Googleプロフィールを充実させる方法

Googleプロフィールを登録して露出度を増やすためには、内容を充実させる必要があります。まずは、電話番号やホームページのURL、施術メニューと料金、営業時間などの必要最低限の情報をプロフィールに記入しましょう。次に店舗の内装やスタッフなどの写真を投稿して画像コンテンツを充実させます。

▼Googleプロフィールの管理画面

Googleプロフィールに基本情報を記入してコンテンツを整えたら、情報を定期的に更新すると徐々に露出度を高められます。

定期的に更新すべき内容は、施術サービスに関する情報や口コミです。たとえば新しいメニューをはじめたり、割引キャンペーンを行ったりする場合は都度Googleプロフィールを更新してお知らせしましょう。

口コミは整骨院の利用客に記入してもらう必要があります。口コミは自然とは増えづらいので集客に力を入れたい場合は、口コミを書いてもらうように顧客に依頼するとよいでしょう。ただし口コミの記入をする見返りに金品を渡したり、無料で施術サービスなどを提供したりするとGoogleからペナルティを受ける可能性があるため注意しましょう。

まとめ

本記事を総括すると次のとおりです。

  • 整骨院が集客のために広告をする際は、関係法規についても把握しておくことが大切
  • 地域イベントへの参加や紹介などのオフライン集客に力を入れると広告することなく集客できる
  • SNSやGoogleプロフィールをうまく活用すると集客を効率化できる

整骨院で集客をする場合、柔道整復師法を遵守する必要があるため、整体院と比べ集客に不利な印象を受けるかもしれません。

しかし紹介やSNS、Googleプロフィールなどをうまく活用することで法律に制限されずに集客できます。整骨院の集客を成功させるためには、広告のやり方を看板やチラシなどに限定せずに、オンライン集客も含めさまざまな方法を検討することが大切です。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。