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採用コストとは?平均相場や削減方法のコツを分かりやすく解説

採用コストとは?平均相場や削減方法のコツを分かりやすく解説

「採用コストってなに?」

「採用コストと採用単価は違うの?」

「採用コストの削減は何をすればいい?」

採用コストの重要性を認知していながらも、具体的な対策に落とし込めていない企業も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、採用コストや採用単価の計算方法に加え、採用コストを抑えるために必要な具体的な施策を解説します。

事例を交えて解説しますので、実践的な情報を得たい人はぜひ参考にしてください。

採用コストとは?

企業が新たに人材を採用する際にかかる費用の総称を「採用コスト」といいます。これには直接的な経費だけでなく、間接的なコストも含まれ、企業の採用活動を支える重要な指標です。

採用コストを正確に把握すると、企業は効率的な人材採用戦略を立て、無駄な出費を抑えられます。

ここでは、採用コストの種類や採用単価との違い、計算方法について詳しく解説します。

採用コストの種類

採用コストの主な種類は次表の通りです。

広告費用

広告費用とは、採用に向けた求人広告の掲載にかかる費用です。求人情報誌やオンライン求人サイト、SNS広告など、さまざまな媒体に求人広告を掲載できます。媒体によって広告料金は異なり、掲載期間や地域、ターゲットに応じた費用が発生します。効果的な広告を選定し、採用コストを抑えることが重要です。

人材紹介料

人材紹介会社に依頼する場合、採用が決まった際に支払う成功報酬型の料金体系にもとづいて支払うのが一般的です。年収の一定割合(例:20%〜35%)が報酬として設定されています。人材紹介の利用により、優秀な人材を効率的に探せますが、しっかりと費用対効果を考慮する必要があります。

面接関連の費用

面接関連の費用には、面接官の人件費や、面接にかかる移動費、場合によっては面接会場のレンタル費用などが含まれます。遠方からの応募者を面接する際には、交通費を負担するケースもあります。

採用活動にかかる人件費

採用活動にかかる人件費には、求人の作成、応募者の選定、面接、採用後のフォローアップなど、一連のプロセスにかかる時間や労力が含まれます。担当者の専門知識や経験に応じて採用の質も大きく変わるため、優先度の高いコストです。

研修費用

採用した人材に対して行う研修費用も長期的には採用コストに大きな影響を与えます。新入社員の研修は、業務に必要なスキルや知識を習得させるために重要です。そのため、これを初期投資と捉えてしっかりと計上しておく必要があります。

離職をカバーするためにかかる費用

離職をカバーするためにかかる費用とは、人材の早期離職で発生した人材の不足をカバーするための費用です。採用した人材が早期に退職する場合、再度採用活動を行う必要が生じ、二重にコストがかかります。このため、採用の質を高め、定着率を向上させることが重要です。

これらの採用コストをしっかりと把握し、分析すると、企業はより効果的な採用戦略を立てられます。

採用コストと採用単価の違い

まず、採用コストとは、新たに従業員を雇用するために企業が負担する総費用を指します。この費用には、求人広告費、人材紹介料、面接にかかる経費、採用関連の人件費などが含まれます。

一方、採用単価は、1人の新規採用にかかったコストを示します。これは、企業が支出した採用コストを新たに採用した人数で割ると計算できます。

採用単価は、採用活動の効率性を測るための指標であり、低い方がコストパフォーマンスが良いとされます。

採用コストと採用単価の計算方法

前述の通り、採用コストは採用にかかる全ての費用を合算して算出します。

採用コスト=広告費用+人材紹介料+面接関連費+人件費+研修費用
  • 広告費用:求人掲載にかかる費用(例:求人サイトや広告媒体への掲載料)
  • 人材紹介料:人材紹介会社を利用した場合の手数料。
  • 面接関連費:面接のための交通費や会場のレンタル料など。
  • 人件費:採用活動に関与する人事担当者や面接官の人件費。
  • 研修費用:採用後の研修にかかる費用。

採用単価の計算方法は次の通りです。

採用単価 = 採用コスト ÷ 新規採用人数

たとえば、採用コストが100万円で、5名を新たに採用した場合、採用単価は20万円です。

新卒と中途における採用コストおよび採用単価の相場

就職白書によると、2019年の新卒の平均採用単価(1人あたりの平均採用コスト)は93.6万円、中途の平均採用単価は103.3万円でした。また2018年度の平均採用単価は、新卒採用が71.5万円、中途採用が83.0万円です。このことから、2019年は2018年に比べて増加していることがわかります。

現在の日本では、少子高齢化や労働力人口の減少が続いているため、今後も採用単価は増加することが予想されます。実際、パーソル総合研究所の調査によると、2030年には644万人の人材不足が予測されています。そのため今後、企業間での人材獲得競争が激化し、求人広告費用やヘッドハンティング費用が上昇すると考えられます。

採用コストの相場

マイナビの調査 によると、各業界の採用費用平均は次の通りです。

業種

採用費用平均

IT・通信・インターネット

998.5万円

メーカー

827.9万円

金融・保険・コンサルティング

907.5万円

不動産・建設・設備・住宅関連

539.2万円

運輸・交通・物流・倉庫

525.3万円

上図の通り、採用費用平均が最も高かったのは「IT・通信・インターネット」で998.5万円でした。逆に最も低かったのは「商社」で241.7万円です。

採用単価の相場

採用単価の平均から加味すると、採用単価の相場は100万円前後です。そして中途の方が、新卒よりも採用単価が高い傾向にあります。

就職白書によると、2019年の新卒の平均採用単価(1人あたりの平均採用コスト)は93.6万円、中途の平均採用単価は103.3万円でした。また、2018年度の平均採用単価は、新卒採用が71.5万円、中途採用が83.0万円であることを考えると、いずれも増加していることが分かります。

現在の日本では、少子高齢化や労働力人口の減少が続いているため、今後も採用単価は増加することが予想されます。実際、パーソル総合研究所の調査によると、2030年には644万人の人材不足が予測されています。その結果、企業間での人材獲得競争が激化し、求人広告費用やヘッドハンティング費用が上昇すると考えられます。

中途と新卒のそれぞれの採用単価に影響を与える要素について詳しくみていきましょう。

中途の採用単価に影響を与える要素

中途採用は即戦力としての人材を求めるため、短期間で選考が進むことが多いです。しかし、求人広告や人材紹介会社、ヘッドハンティングなどの利用が一般的で、その費用は比較的高めです。

特に専門職や管理職の採用には、求人媒体の広告費用だけでなく、採用成功時に支払う成功報酬なども加わるため、費用が上がる傾向にあります。

人材紹介エージェントを利用する場合、手数料は採用者の年収の30%前後とされることが多く、採用者のスキルや役職が高ければ高いほどコストが上昇します。

新卒の採用単価に影響を与える要素

新卒の採用単価には、会社説明会や合同企業説明会への参加費用、広告費、選考にかかる人件費やインターンシップの運営費、さらには研修やフォローアップ活動にかかる費用が含まれます。

また、企業によっては採用サイトの運営や、エントリー管理システムの導入などに多額の投資を行う場合もあり、採用活動の初年度には多くの費用がかかることが多いです。

採用コストを削減する方法

適切な採用方法の選定により、採用コストを削減しつつ質の高い人材を確保できます。

採用コストを削減する具体的な方法は次の通りです。

  • リファラル採用の導入
  • ダイレクトリクルーティングの導入
  • 自社採用サイトの活用
  • 無料求人サイトの活用
  • SNSの活用
  • 選考プロセスを見直す
  • 早期離職の防止
  • 求人媒体を見直す

以下にて解説します。

リファラル採用の導入

リファラル採用とは、従業員の紹介を通じて新しい人材を採用する方法です。この手法は、求人広告の出稿やエージェントの手数料といった費用が発生しないため、採用コストの削減に大きな効果が期待できます。

また、従業員が自分の知り合いを紹介するため、会社のカルチャーに合った人材が集まりやすく、ミスマッチによる早期退職のリスクも低減されます。

リファラル採用を導入する際に重要なのは、従業員へのインセンティブを明確にすることです。たとえば、紹介した人材が入社した際にボーナスを支給する制度を設けることで、従業員の積極的な紹介活動を促進できます。

ダイレクトリクルーティングの導入

ダイレクトリクルーティングは、企業が直接求職者にアプローチする手法です。これにより、人材紹介会社や求人広告の利用にかかる費用を削減できます。

また、企業の採用担当者が求職者のバックグラウンドをリサーチし、直接コンタクトを取るため、スピード感をもって採用を進められます。特に、専門性の高い職種やニッチなスキルセットを求める場合に効果的です。

以下は、ダイレクトリクルーティングで多くの美容師を採用した倉田さんの事例です。

求職者の人たちに出会う接点を、とにかくたくさん作りました。求人サイトやSNSはもちろん、美容学校や学生とのつながり、自社のブランディングなど数多くの手を打っています。受け身の採用ではなく、攻めの採用という感じでしょうか。

引用元:モアリジョブ|「OjOmano」人材 倉田晋吾さん

具体的に学生と接点を作る方法についても述べています。

ディーラーさんやメーカーさんに美容学校をご紹介いただいて、ガイダンスに参加させていただいています。あとは美容学生を対象としたスタイリングモデルの募集や割引クーポンの発行をSNSでしていまして、学生さんがうちのサロンに触れるきっかけになっています。

引用元:モアリジョブ|「OjOmano」人材 倉田晋吾さん

求人媒体を見直す

求人媒体を見直す際には安易にコストの低い媒体を選ばずに、自社にマッチした人材からの応募が期待できるかどうかを検討することも大切です。自社にマッチした人材からの応募が増えると、面接にかかるコストを抑えたり、早期離職を防止したりすることにつながります。

とくに求人サイトを見直す場合、自社にマッチした人材を採用するためにも、次の2点を押さえるとよいでしょう。

  • スカウト機能の実装された求人サイト
  • 特化型の求人サイト

それぞれについて解説します。

スカウト機能の実装された求人サイト

自社にマッチした人材を採用するためには、先述のダイレクトリクルーティングを活用した採用活動が主流です。ダイレクトリクルーティングは、求人サイトのスカウト機能を活用すると実施できます。そのためスカウト機能が実装された求人サイトを選ぶと、自社の求める人材にアプローチしやすくなります。

特化型の求人サイト

さらに資格やスキル、経験が求められる人材を採用するためには、特化型サイトを活用するとミスマッチを防げます。

なぜなら「自分のスキルや経歴を活かしたい」という求職者の立場から考えると、自分の能力が評価されやすい求人媒体を使うと考えられるからです。

たとえば、美容やヘルスケア関連の人材をターゲットとしている場合は、美容・ヘルスケア業界に特化したリジョブの活用もおすすめです。美容やヘルスケア関連職に関連した検索キーワードで上位表示されることが多いので、多くの専門職の人材にアピールしやすくなります。

またスカウト機能も実装されているので、自社にマッチした専門職の人材に直接アプローチできる点も特徴です。自社にマッチした人材へのアプローチで採用活動を効率化し、コストを抑えたい場合は、ぜひ導入を検討してみてください。

自社採用サイトの活用

自社採用サイトを活用すると、広告費や手数料がかかる外部の求人サービスに依存せずに、求職者と直接接点を持てる点がメリットです。

また、採用サイトは自社のブランディング構築にもつながります。サイト内で企業のカルチャーやビジョン、具体的な業務内容を発信できるため、ミスマッチや早期離職のリスクを低減できます。

自社採用サイトを成功させるためには、求職者にとって見やすく、分かりやすい情報を提供することが重要です。職種ごとの仕事内容、求めるスキル、福利厚生などを具体的に記載し、求職者にとって魅力的なページを構築しましょう。

さらにSEO対策(検索エンジン最適化)を行い、GoogleやYahoo!などからのアクセスを増やす工夫も効果的です。これにより、求人広告費を削減しながらも、必要な人材を安定的に集められます。

無料求人サイトの活用

採用コスト削減のもう一つの方法として、無料求人サイトの活用があります。多くの企業は、大手の有料求人サイトに求人を掲載するため多くのコストがかかりますが、無料で利用できる求人サイトをうまく活用すれば大幅にコストを抑えられます。

たとえば、Indeedの無料掲載枠や地域に特化した無料求人掲示板を活用すると、広告費を削減しつつ、幅広い求職者層にアプローチできます。

ただし、無料の求人サイトはいくつかの制限があるため、ターゲットに対する訴求が弱くなりやすいです。あくまで多少の認知度を向上させるためのツールと認識しておきましょう。

無料求人サイトを活用する際には、他社と差別化できる魅力的な求人情報を掲載することがポイントです。職場の雰囲気や働く環境を具体的に伝えれば、求職者の応募意欲を高められます。

SNSの活用

SNSは、現代の採用活動において強力なツールです。Facebook、Instagram、X(旧:Twitter)、LinkedInなどのプラットフォームは、無料で求人情報を発信でき、これをうまく活用できれば採用コストを大幅に削減できます。

SNSを活用する最大のメリットは、求職者に対して広範囲にアプローチできる点です。また、求職者との双方向のコミュニケーションも容易で、興味をもっている人材とすぐに関係を築けます。

たとえば、企業の公式SNSアカウントを通じて、採用情報を定期的に投稿し、職場の雰囲気や社内イベントなど、企業の魅力について画像を交えて伝えることが有効です。特に、ミレニアル世代やZ世代にアピールするには、動画や写真を使った力強いコンテンツの提供が効果的です。

また、社員のインタビューや働く姿をリアルに伝えると、企業文化や仕事の魅力をアピールでき、応募者の興味を引きます。

選考プロセスを見直す

選考フローが長引くと、時間やリソースが余計にかかり、結果としてコストが増大します。そのため、選考プロセスの見直しには、採用コストの削減効果が期待できます。

たとえば、従業員が対応していた初期のスクリーニング段階でAIやチャットボットを導入すれば、候補者の基本的なスキルや適性を迅速に把握でき、人事担当者の負担を軽減しながらも、優秀な人材を見つけやすくなります。

また、選考基準を明確に設定し、必要なスキルや経験を適切に絞り込むことで、採用ターゲットをより正確に定められます。これにより、無駄な面接を減らし、選考にかかる時間とコストを削減できます。さらに他社やターゲットの動きを見て採用期間を調整したり、重要となる説明会に力を入れたりすると、採用活動の質を大幅に改善できます。

早期離職の防止

早期離職は採用コストの増加に直結します。せっかく採用した人材が短期間で退職すると、再度求人を行う必要があり、採用活動にかかる時間や費用が二重に発生するためです。よって早期離職の防止は、採用コストの削減に効果的と言えます。

早期離職の防止にはまず、面接の段階で求職者と企業の相性を正確に見極めることが不可欠です。求人広告や面接での情報提供において、業務内容や職場環境、働き方の実態をできる限り詳しく、リアルに伝えると、ミスマッチを防げます。

また、入社後のオンボーディング(スムーズに会社に馴染んでもらうための仕組み)を強化し、新入社員がスムーズに仕事に適応できるような環境整備も重要です。たとえば、メンター制度を導入して定期的なフィードバックを行うと、社員が安心して働き続けられる環境を作れます。

さらに、企業文化やミッション・ビジョンに共感できる人材の採用も、長期的な定着につながります。求人広告に企業の理念や価値観をしっかりと反映させて自社にマッチする人材を引き寄せ、早期離職のリスクを低減させましょう。

【業界別】主な求人媒体の掲載費用

ここでは、求人媒体の掲載費用を業界別に紹介します。

【美容業界】リジョブ

リジョブ

美容業界に特化した求人サイトとして有名なのが「リジョブ」です。リジョブは美容師、ネイリスト、エステティシャン、アイリストなど、幅広い美容関連職種をカバーしており、業界内で高い知名度を誇ります。リジョブの強みは、美容業界に精通した専門的な情報と求職者層に的確にアプローチできる点です。

また、美容業界は転職者や中途採用が多く、求人が頻繁に出される業界です。リジョブはそのような業界特性を活かし、求職者に対して最新の求人情報をリアルタイムで提供しています。さらに、美容業界ならではの「技術力」「接客スキル」などを強調した求人原稿が多く見られるなど、応募者ファーストのサービスを展開している点も特徴です。

なお、最低限の採用ではなく、売上を最大限にするための採用を行いたい人は以下も参考にしてみてください。

【IT業界】typeエンジニア

typeエンジニア

IT業界では「typeエンジニア」が代表的な求人媒体として知られています。特に、エンジニアやプログラマー、デザイナーなど、IT職種に特化した求人情報を多く掲載しているのが特徴です。

IT業界は他業界に比べて専門性が高く、技術のトレンドも日々変化しているため、求職者も自身のスキルや経験にもとづいて求人を探す傾向があります。その点、typeエンジニアは、求人情報の記載内容が詳細で、使用するプログラミング言語やフレームワーク、業務の具体的な内容を明確に示しています。このため、応募者は自身のスキルや経験にマッチした企業を効率的に見つけられ、企業側も求める人材に対して的確にアプローチできます。

【医療業界】レバウェル看護

レバウェル看護

医療業界では「レバウェル看護」が看護師をはじめとする医療従事者向けの求人サイトとして高い人気を誇ります。レバウェル看護は、看護師の転職支援に特化した求人サイトで、求職者が自身に合った病院やクリニックを見つけやすい点が特徴です。

医療業界では、慢性的な人手不足が問題視されており、特に看護師の求人需要は高いです。レバウェル看護は、求職者に対して勤務地や勤務形態、施設の詳細情報を提供することに加え、転職エージェントによるサポートを行い、人手不足の解消に一役買っています。

採用コストの削減に成功した事例

ここでは、採用コストの削減に成功した以下の事例を紹介します。

  • SNS活用により採用コストを削減
  • 未経験者を育てて将来的な採用コストをカット
  • リファラル採用の導入で採用コストを削減

各事例について詳しく見てみましょう。

SNS活用により採用コストを削減

近年、多くの企業がSNSを利用した採用活動にシフトしています。従来の求人広告や人材紹介サービスを利用する場合、かなりの費用がかかる一方で、SNSは無料または低コストで広範囲の候補者にリーチできるためです。

特に、美容ヘルスケア業界ではSNSの活用が進んでいます。

Londの場合、いろいろな採用媒体にも登録はしていますが、申し込みの比率は僕が運用しているInstagramが大きいです。とくに新卒採用に関しては、外部の採用媒体には掲載しておらず、Instagramと美容学校からの紹介からしか取っていません。とくに学生だと、専門学校に置かれている求人票などのいわゆる紙媒体は、あまり見ていない印象があります。その学校の風土にもよると思いますが、紙の求人票をファイリングして置いてある学校もあるんです。でも、やっぱり見ないですよね。紙よりもウェブに慣れている世代ですから、求人票よりもSNSの投稿の方が親しみやすいのかなという感触はあります。中途の場合も、SNSと採用エージェントからの申し込みが半々くらいの印象ですね。

引用元:モアリジョブ|「株式会社Lond」ゼネラルマネージャー/リクルーター 関根孝文さん

上記の通り、美容業界、中でも美容サロンでの採用活動においては外部の求人媒体を利用していないケースも多くみられます。

未経験者を育てて将来的な採用コストをカット

「Fast Lash」は、未経験者のみを採用し、内部で育成することで長期的な採用コストの削減に成功しています。通常、経験者を採用するためには高い人材紹介費用や求人広告費用がかかりますが、未経験者を採用し、社内の教育プログラムで育成することで、将来的な採用費用を削減しました。

経験者の方だと「自分はできる」とある程度自信を持っているためか、もっと他に良いサロンがあるのでは?と早々に転職してしまう人が過去に多かったんです。新卒の場合ははじめて働くことになるので、もちろん他を知りませんし、技術も素直に吸収してくれます。新卒に絞るようになってから離職率はグンと下がりました。

引用元:モアリジョブ|「Fast Lash」オーナー 錦織桃さん

ただし、こうしたアプローチの成功には、しっかりとした育成体制の整備がカギとなります。たとえば、新入社員に対してスキルアップの研修やOJTを実施し、一定期間内で戦力化が図れる環境の構築が重要です。

リファラル採用の導入で採用コストを削減

リファラル採用(社員紹介制度)も、採用コスト削減に効果的な手法の一つです。リファラル採用では、既存の社員が自分のネットワークから適切な人材を紹介するため、人材紹介会社や求人媒体に依存せずに優秀な人材を採用できます。

採用で大切にしているのは、その段階から価値観を共有していただけているかという点。そのためにリファラル採用(紹介制度)を推進しています。紹介してもらったら会社から紹介料も払うんです。紹介だと、信頼関係のスタートが違うんですよね。今働いているスタッフの半数近くは紹介で採用しています。

引用元:モアリジョブ|「FILMS」代表 若林紀元さん

このように、リファラル採用の導入で信頼性の高い候補者を低コストで採用できる可能性があります。加えて、既存社員との信頼関係を活かしたスムーズなオンボーディングにつなげられる可能性もあります。

まとめ

採用コストは企業の未来を左右する重要な要素です。そのため、採用コストはしっかりとした戦略を立てるだけでなく、定期的に見直し、常にコスト削減の意識をもつことが大切です。

採用コストを削減する際のポイントは次の通りです。

  • SNSをうまく活用する
  • 定着率の低減にもこだわる
  • 自社の採用にマッチした求人媒体を選定する

採用活動の改善は、採用コストの削減だけでなく、質の高い人材の獲得にもつながります。良い採用活動ができていないと感じる企業は、これを機にしっかりと立て直しましょう。

Bizリジョブ編集部 プロフィール画像
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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。