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セミパーソナルジムの経営メリットやノウハウ・雇用のポイントを解説!

セミパーソナルジムの経営メリットやノウハウ・雇用のポイントを解説!

  1. セミパーソナルジムとは?
    1. 少人数で指導を行うジムのこと
    2. 実施するプログラムはコース共通のもの
    3. レッスン時間はパーソナルジムより短い
  2. セミパーソナル・パーソナル・一般ジムの違いを紹介
    1. セミパーソナルジムの特徴
    2. パーソナルジムの特徴
    3. 一般ジムの特徴
  3. セミパーソナルジムを経営するメリット
    1. 比較的安い価格設定で顧客にアプローチできる
    2. 会員同士の交友を深めリピート率を上げられる
    3. 会員の継続率が比較的高い
    4. レッスンの回転効率を上げやすい
    5. 個別トレーニングを考える手間が省ける
  4. セミパーソナルジムを経営するデメリット
  5. 質のよいインストラクターの雇用が必須
    1. 顧客同士の相性やレベル差を考慮する必要がある
    2. 個別アプローチができないためメニュー設定が重要になる
  6. セミパーソナルジムの店舗経営のポイント
    1. 広くゆとりのあるスペースを確保する
    2. 顧客ニーズをとらえたトレーニングメニューを複数作成する
    3. 都合・予定・相性を考慮して顧客グループを編成する
    4. 市場価格に沿った料金設定をする
  7. セミパーソナルジム経営を成功させるコツ
    1. パーソナルジムや一般ジム併設も考える
    2. SNSを活用しセミパーソナルジムの認知を高める
    3. 口コミ投稿や友達紹介で集客率を高める
    4. 会員の独自コミュニティを作成し顧客との絆を深める
  8. セミパーソナルジムトレーナーを雇用するポイント
    1. 少人数レッスンの経験がある人材を雇う
    2. 運用メニューに合うトレーニングスキルがある人材を選ぶ
    3. コミュニケーションスキルが高い人材が理想
    4. 雇用形態は豊富に用意するとよい

セミパーソナルジムは、パーソナルジムと一般ジムのメリットを融合させたハイブリッドな形態として、近年注目を集めています。

専門的な指導を手の届きやすい価格で受けられるため、潜在的なニーズを掘り起こしやすく、多くの顧客にアプローチできるのが魅力です。ただし、このビジネスモデルを成功させるには、独自の経営ノウハウや戦略が欠かせません。

本記事では、セミパーソナルジム経営のメリット・デメリット、そして成功に導くための具体的なポイントを解説します。品の高いトレーナーを雇用する方法や、効果的なコミュニティを形成、集客戦略などをチェックしたい方は必見です。

セミパーソナルジムとは?

セミパーソナルジムの本質を理解するために、3つの基本要素を詳しく解説します。

少人数で指導を行うジムのこと

セミパーソナルジムは、トレーナー1人に対して、複数人の会員が同時に指導を受ける形式です。通常2〜5名の会員の指導を、1人が受け持ちます。いってみれば、トレーナーと1対1で向き合うパーソナルジムとも、直接指導がほぼない一般ジムの中間形です。

トレーナーはグループ全体に指示を出し、個々の参加者のフォームを細かくチェックします。完全なマンツーマンではない適度な緊張感を保てるのが魅力で、会員は専門家に見守られている安心感も得られます。会員は放置されず、かといって過度に干渉もされない環境でトレーニングに集中可能です。

実施するプログラムはコース共通のもの

パーソナルジムでは、顧客の身体状態や目標に合わせてオリジナルメニューを作成します。一方で、セミパーソナルジムはあらかじめ設定されたコースやテーマに沿い、共通プログラムをグループ全員で実施する形式です。

特定の目的に特化し、プログラムの専門性と効果を高めているジムも多いです。トレーナー側が毎回ゼロからメニューを考案する必要がないためプログラムの質を磨き込み、指導そのものに集中もしやすいといわれています。

レッスン時間はパーソナルジムより短い

60分〜90分以上のパーソナルトレーニングと比較して、セミパーソナルトレーニングは比較的短めにレッスン時間が設定されています。多くのジムでは45分〜60分のレッスン制です。これは経営的にも、顧客の利便性から見ても合理的といえるでしょう。

現代人は仕事や家庭、プライベートと、常に時間に追われています。多忙な人々にとって、2時間のトレーニングは決して低いハードルではありません。1時間以内で完結するセミパーソナルのレッスンは、出勤前の朝活や仕事帰りのスキマ時間を有効活用したいニーズにぴったりです。

トレーニング科学の観点からも、短時間で集中して行うことのメリットは大きいとされています。人間の集中力が持続する時間には限りがあり、長時間のトレーニングでは後半に集中が切れます。フォームが崩れたり、追い込みきれなかったりすると、効果も下がりがちです。

ウォーミングアップからメイントレーニング、クールダウンまでを、集中力を切らさずに行えるため、短時間で充実した内容を提供して通いやすさと継続を促せます。

セミパーソナル・パーソナル・一般ジムの違いを紹介

セミパーソナルジムのビジネスモデルを深く理解するには、パーソナルジムや一般のフィットネスジムとの違いを明確に把握するのが不可欠です。まずは、3つのジム形態の違いを一覧表で比較します。

形式

指導形式

プログラム内容

料金相場(月額)

セミパーソナルジム

会員2〜5名

目的別の共通プログラム

2万円 〜 4万円

パーソナルジム

マンツーマン

完全オーダーメイドの個別プログラム

5万円 〜 20万円以上

一般ジム

自主トレーニング

なし

5000円 〜 1万5000円

セミパーソナルジムは、パーソナルジムと一般ジムの間に位置する、ハイブリッド型のサービスです。以下で、それぞれの特徴を詳しく掘り下げます。

セミパーソナルジムの特徴

セミパーソナルジムの最大の魅力は、「指導の質」と「価格」の絶妙なバランスにあります。

専門知識を持つトレーナーから直接指導を受けたくても、パーソナルジムに通うほどの経済的余裕はない方も多いものです。セミパーソナルジムは、フィットネス市場における最もボリュームの大きい、中間層のニーズを的確に捉えています。

コミュニティ要素の強さも大きな特徴です。同じ目標を持つ仲間と一緒に汗を流し、「自分も頑張ろう」という前向きな気持ちが芽生えやすくなります。

またジムが単なる運動施設ではなく、新しい交友関係が生まれるサードプレイスとしての役割を果たすケースも少なくありません。この「楽しさ」や「つながり」が、顧客の継続率を大きく左右します。

しかし、グループトレーニングで他の参加者とのレベル差や人間関係が課題となる場合もあります。たとえば上級者と初心者が同じグループになると、どちらかが物足りなさや気まずさを感じがちです。運営は会員のレベルや目的に応じ、グルーピングやクラス編成の工夫をしなければなりません。

パーソナルジムの特徴

結果へのコミットを最大の特徴とする業態です。利用者の骨格や体力、生活習慣をたずね、「いつまでにどうなりたいか」の目標を作成します。

トレーニングメニューから食事管理まで、すべてが完全オーダーメイドです。トレーナーと1対1のプライベートな空間で、誰にも邪魔されずトレーニングに没頭できます。短期間で明確な結果を出したいと考える人に、サービスを提供する形態です。

トレーナーは常に隣でサポートし、会員が正しいフォームで運動できるようにしなければなりません。怪我のリスクを最小限に抑え、限界まで自分を追い込む手伝いをするテクニックが求められます。パーソナル事務は、その点でサービスの質や指導力、コミュニケーション能力の高いトレーナーなしには成功しにくい経営形態といえるでしょう。

手厚いサポートをするため、料金は他のジム形態と比較して高額に設定可能です。費用は月額10万円を超えることも珍しくなく、必然的に顧客は富裕層となります。

一般ジムの特徴

広々とした空間に以下のような機材設備をもうけ、利用者自身がトレーニングをする形態です。

  • トレーニングマシン
  • フリーウェイト
  • 有酸素マシン
  • スタジオ

会員が好きな時間に好きな施設を、自由に利用できます。ひとりあたり月額数千円程度の価格設定のため、顧客層は幅広いです。

トレーナーからの体系的な指導は基本的にないため、質が高いトレーナーをそろえる必要はありません。しかし、トレーナーと顧客のコミュニケーションが取りづらいのがデメリットです。その結果、顧客のモチベーションが低下してすぐ辞めるケースも少なくありません。マシンの順番待ち改善や、施設に通うモチベーション管理などの対策は必須といえます。

セミパーソナルジムを経営するメリット

セミパーソナルジムは経営者側にも多くのメリットをもたらす、優れたビジネスモデルです。セミパーソナルジム経営で得られる5つの大きなメリットを、経営者の視点から詳しく解説します。

比較的安い価格設定で顧客にアプローチできる

経営における大きなメリットの1つは、市場における価格競争力です。完全マンツーマンのパーソナルジムは、月額10万円以上という価格設定が一般的といわれています。富裕層や強い目的意識を持つ層にだけ、サービスは注目されがちです。一般のジムは安価ですが、サポート不足から顧客満足度を高めにくい課題があります。

セミパーソナルジムは、この両者の間に位置する月額2〜4万円の価格です。「専門的な指導は受けたいけれど、パーソナルジムは高すぎる」市場で最も大きなボリュームを占める、そんな層に直接アプローチできます。

「トレーナーの専門的な指導」という付加価値を、手が届く価格で提供できるのが本質です。これまで潜在的なニーズとして存在し、適切な受け皿がなかった市場を開拓できるでしょう。価格戦略の柔軟性は、事業の安定性と成長性を支える強力な武器となります。

会員同士の交友を深めリピート率を上げられる

セミパーソナルジムの運営において、「コミュニティの醸成」はリピート率を向上させる強力な要素です。人間は本質的に社会的な生き物であり、他者とのつながりを求めます。セミパーソナルジムは、この人間心理に巧みに働きかける環境です。

同じ時間帯のレッスンに繰り返し参加すると、会員同士の顔ぶれは自然と固定化されがちです。共通のプログラムに一緒に取り組み、励まし合いながら時には競い合う仲間が生まれます。自然なコミュニケーションが生まれると、ジムは単に身体を動かす場所から仲間に会える楽しい場所へと変化するでしょう。

ジムへの帰属意識が芽生えると会員は、その場にいること自体に価値を感じます。短期的な目標達成で退会するのではなく、ライフワークとしてジム通いを続ける長期リピーターへと育っていくのです。

会員の継続率が比較的高い

セミパーソナルジムはビジネスモデルそのものが高い継続率を生み出しやすい構造です。続けやすい価格設定であり、経済負担による退会リスクを低減できます。トレーナーの存在により効果を実感しやすく、「効果が出ない」という不満も解消しやすいです。

「仲間との連帯感」というモチベーション維持も、継続率を高めるでしょう。さらには、予約制であることも、「予約したからには行かないと」というよい意味での強制力として働きます。

「適度な料金」「確かな効果」「仲間とのつながり」という三位一体の要素は大きな強みです。トレーニングを生活に溶け込んだ「楽しい習慣」へと変えられれば、セミパーソナルジム経営で高い会員継続率を実現できるでしょう。

レッスンの回転効率を上げやすい

セミパーソナルジムは非常に効率的なビジネスモデルです。トレーナー1人あたりの時間単価を、レッスンの回転効率アップで劇的に向上させられるからです。

パーソナルジム

セミパーソナルジム

1万円/60分

定員は1人

売り上げも1名分のみで増加しない

5000円/60分

定員は3~5名

人数分の売上が1時間で発生

上記からもわかるように同じ1時間でも、セミパーソナルジムはパーソナルジムの倍の売上を生み出すポテンシャルを持っています。高い回転効率はトレーナーへの報酬を手厚くしたり、新たな設備投資を行ったりと、事業をさらに成長させるための原資となるでしょう。

個別トレーニングを考える手間が省ける

パーソナルジムでは顧客一人ひとりのため、完全にカスタマイズされたメニューを毎回作成する必要があります。多くの時間と労力がかかり、トレーナーの大きな負担となる要素です。

セミパーソナルジムでは、プログラムが標準化されています。毎回ゼロから、個別のトレーニングメニューを考える必要はありません。トレーナーの業務負荷を軽減し、労働環境を改善できるでしょう。トレーナーがメニュー作成に費やしていた時間とエネルギーを、目の前の会員への指導品質の向上や、コミュニケーションの深化に注力できます。

結果として、より質の高いレッスンが提供され、顧客満足度の向上にもつながるという好循環が生まれるのです。ストレスの低減でトレーナーの定着率を高め、採用・育成コストを抑制できます。

セミパーソナルジムを経営するデメリット

多くのメリットを持つセミパーソナルジムですが、そのユニークなビジネスモデルゆえに、経営には特有の難しさや注意すべき点が存在します。ここでは、経営者が直面しやすい3つの大きな課題について解説します。

質のよいインストラクターの雇用が必須

セミパーソナルジムのサービス品質は、ほぼ100%担当するトレーナーのスキル次第です。ここで求められるスキルは、パーソナルトレーナーや一般的なジムスタッフとは異なる、非常に高度で複合的なものになります。

質のよいセミパーソナルトレーナーに必要な能力とは、具体的に以下のようなものが挙げられます。

マルチタスク能力

  • グループ全体の流れをコントロールできる
  • 参加者一人ひとりのフォーム、表情、体力の限界などを瞬時に把握・対応する

指導力

  • 複数人に対して簡潔かつわかりやすい言葉で指示を出す
  • 全員の動きをシンクロさせる

観察力と修正能力

  • 一人のフォームを修正しているときも他の参加者の動きから目を離さない
  • 危険な動作を未然に防げる

ファシリテーション能力

  • グループ全体の雰囲気を明るく保つ
  • 会員同士のコミュニケーションを円滑に促し、一体感を醸成する

これだけの能力を高いレベルで兼ね備えた人材は、決して多くはありません。さらに質の高いトレーナーの採用競争は激しく、確保するのは容易ではないのが現実です。

採用後もスキルを維持・向上させるための継続的な研修や、高いパフォーマンスに見合った報酬体系の整備が不可欠です。人件費や教育コストをかけ、採用と育成の戦略を立てるのが事業の成否を分ける重要な鍵になるでしょう。

顧客同士の相性やレベル差を考慮する必要がある

どんなに優れたプログラムやトレーナーがいても、グループ内の不協和音は顧客満足度を著しく低下させます。最悪の場合、退会の直接的な原因となりかねません。

たとえば、以下のような状況が考えられます。

  • トレーニング初心者が経験者ばかりのグループに入り疎外感を感じる
  • 経験者が初心者向けのクラスで物足りなさを感じる
  • 特定の会員がグループ内で大きな声で話し続けて他の会員が集中できない
  • 会員同士の会話が弾むあまり内輪の雰囲気になる
  • 本気の会員とエンジョイ派の会員のミスマッチが起きる

経営者やトレーナーは、会員一人ひとりの性格、目標、トレーニングレベルを深く理解しなければなりません。入会前から入会後まで一貫したマネジメントが求められるため、運営の手腕が問われる部分です。

個別アプローチができないためメニュー設定が重要になる

セミパーソナルジムでは、会員のその日の体調に合わせてメニューを微調整したり、個別のリクエストに100%応えたりするのは困難です。多少の個別対応なしでもプログラムにそれ以上の価値があると感じられれば、満足度を高めることが可能です。

メニュー設定において、以下のような点が重要になります。

  • 誰のどんな悩みを解決するプログラムなのかを、徹底的に突き詰める
  • 他のジムでは受けられないユニークで専門性の高いプログラムを開発する
  • 短期間でも効果を実感できる科学的根拠に基づいたメニュー構成にする
  • プログラム内容をアップデートしつつ複数のコースで顧客を飽きさせない

プログラム開発は、一度作って終わりではありません。常に市場のトレンドや顧客の声を分析し、改善を重ねていくことが重要です。

セミパーソナルジムの店舗経営のポイント

経営を軌道に乗せ、繁盛店を作り上げるために押さえるべき4つのポイントを解説します。

広くゆとりのあるスペースを確保する

セミパーソナルジムの物件選びは、十分なスペースの確保が最優先です。

複数の人が同時に運動するため、個室や狭小スペースでは運営が成り立ちません。スペースが不足していると、以下のような問題が発生します。

  • 会員同士が接触したり器具にぶつかったりする
  • 動きが制限され正しいフォームでトレーニングが行えない
  • 窮屈さや圧迫感がトレーニングへの集中を妨げる

目安として参加者1人あたり、5〜7㎡のスペースを確保してください。定員4名のクラスなら20〜28㎡が必要です。他に受付や更衣室、通路などのスペースも考慮する必要があります。

広さはもちろん、開放感のある物件を借りるのも重要です。天井の高さや窓の大きさ、内装の色使いもジム全体の印象を大きく左右します。物件選びの際には、実際のトレーニング風景を具体的にシミュレーションしましょう。将来的にレイアウト変更が可能かどうかも、想定して物件を検討してください。

顧客ニーズをとらえたトレーニングメニューを複数作成する

ターゲットとする顧客層が何を求めているのかを深く洞察し、魅力的なトレーニングメニューを複数用意することも経営の要です。まず「誰に、何を提供したいのか」というペルソナ設定から始めましょう。

ペルソナ

目的

提供メニュー候補

30代後半の産後女性

体型戻し

育児に必要な体力の向上

骨盤調整ピラティス

子連れOK! 産後リカバリークラス

40〜50代の男性ビジネスパーソン

運動不足解消

腰痛・肩こりの改善

体幹リセット&機能改善プログラム

ゴルフパフォーマンス向上クラス

上記のようにターゲットを具体化すれば、プログラムの方向性が明確になります。ボディメイクやダイエット、機能改善やパフォーマンスアップなど目的別に複数の選択肢を用意し、集客の間口を広げましょう。

なお、フィットネスのトレンドは常に変化しており、顧客の関心も移り変わります。会員へのアンケートやヒアリングをプログラムに反映させ、飽きさせない工夫を続けるのも大切です。

都合・予定・相性を考慮して顧客グループを編成する

会員の満足度とトレーニング効果を最大化するためには、人間的な配慮に満ちたグループ作りが求められます。以下3つの要素を考慮し、グルーピングを行いましょう。

  • トレーニング経験や体力レベルが近い会員でグループを組む
  • 「減量」「筋力アップ」など同じ目的意識を持つ会員を集める
  • 年齢層や性格、雰囲気などを考慮し、コミュニケーションが生まれやすい組み合わせを考える

たとえば、以下のような具体的なプランニングが考えられます。

【顧客グルーピングのプランニング例】

 

モーニングプラン

イブニング

アスリート

目的

主婦、朝活したい人

近隣のオフィスワーカー

本気で身体を変えたい人

時間

平日 9:30-10:30

夕方

平日夜、土日

難易度

初級〜中級

中級

上級

内容

全身をバランスよく動かし、1日を元気に始める運動

45分の短時間集中型でリフレッシュと体力づくり

高強度のトレーニングで、限界に挑戦するハードなクラス

レベル別・目的別のクラス設定を明確にし、予約システム上で会員自身が選択できるようにするのが最も効率的です。トレーナーが個別にヒアリングを行い、最適なクラスを提案しましょう。ミスマッチを防ぎ、すべての会員が心地よくトレーニングに集中できる環境をつくり出せます。

市場価格に沿った料金設定をする

料金を決める際には、3つの視点から総合的に判断する必要があります。まず、自社のコストを正確に把握しましょう。固定費・変動費をすべて洗い出し、最低限必要な売上(損益分岐点)を計算します。

次は、商圏内の競合ジムの料金体系を徹底的に調査する段階です。このとき同じセミパーソナルジムだけでなく、パーソナルジムや一般のフィットネスジムも参考にしてください。自社のポジショニングが明確になります。

最後に、自社のサービスが顧客に提供する独自の価値(ベネフィット)を定義しましょう。最高の設備、カリスマトレーナーの指導、他にはないユニークなプログラムなど、価格を正当化できる強みは何かを考える段階です。

そして月会費だけでなく回数券や都度払い、入会金や体験レッスン料などさまざまな項目を見直すべきです。多様な料金プランを用意し、顧客の多様な利用ニーズに応えて機会損失を防いで下さい。

セミパーソナルジム経営を成功させるコツ

経営をさらに加速させるため、5つの戦略的アプローチを紹介します。

パーソナルジムや一般ジム併設も考える

セミパーソナルジム単体で運営するのではなく、他の業態を組み合わせる「ハイブリッド戦略」も、事業の可能性を広げる有効な一手です。パーソナルトレーニングや一般ジムの併設は、顧客満足度の向上と収益源の多角化に大きく貢献します。

セミパーソナルレッスンでは物足りない、より個人的な課題に取り組みたい会員のニーズに応えられます。弱点部位の徹底強化や怪我からのリハビリテーション、産後ケアなどがその例です。

グループレッスンで信頼関係を築いたトレーナーから個別指導を受けられるのは、顧客にとって大きな魅力といえます。高単価のアップセル商品に設定し、全体の売上向上に直結するのもメリットです。

「レッスンがない日も、少しだけ自主的にトレーニングしたい」

ジム併設は、そんな熱心な会員の要望に応えられます。セミパーソナルの月会費+数千円でフリートレーニングも可能なプランがおすすめです。顧客満足度が飛躍的に高まります。

セミパーソナルを受けた方には、フリージムの利用料が割引になるといった特典も効果的です。両サービスの利用を促進する、強力なインセンティブとなります。それぞれの業態の弱点を補完し、顧客一人ひとりの顧客生涯価値を最大化しましょう。

SNSを活用しセミパーソナルジムの認知を高める

現代の集客において、SNSの活用はもはや必須科目です。特にビジュアルでの訴求力が高いフィットネス業界とSNSの相性は最高といえるでしょう。広告費をかけずとも、工夫次第で絶大な認知度向上と集客効果が期待できます。

プラットフォームごとの戦略的な活用法は、以下のとおりです。

プラットフォーム

メリット

活用法

Instagram

  • レッスンの楽しそうな風景やトレーニングの様子を撮影したリール動画の拡散力が高い
  • 潜在顧客にジムの雰囲気を直感的に伝えられる

トレーナーの紹介やトレーニングのコツ、お客様のビフォーアフター(許可を得て)などを投稿する

Facebook

  • 30代以上の層にアプローチしやすい
  • イベントの告知や、少し長めのブログ形式での情報発信ができる
  • トレーニング理論の解説や食事に関するコラムを投稿する
  • 地域コミュニティページでの情報共有を行う

X (旧Twitter)

リアルタイム性と拡散力が魅力

  • レッスンの空き状況やキャンペーンの告知、トレーナーの日常のつぶやきなどの速報性のある情報を発信する
  • 顧客との気軽なコミュニケーションの場として活用

重要なのは、「ジムの個性」や「トレーナーの人柄」が伝わる人間味のあるコンテンツを心がけることです。潜在顧客に親近感を持たせ、楽しそうと感じさせるのが、来店への最後の一押しとなります。

以下は、自分の肉体美をSNSで発信して集客率を高めた事例です。

全身のラインがわかる写真を投稿したところ6,000人ほどだったフォロワーが一気に万単位に増えました。常に自分の身体を載せるようにしているので、自分でもなぜこの投稿がバズったのかわからないのですが……スタイルを褒めてもらうコメントが多く、この投稿をきっかけに新規のお客さまが増えました。

引用:モアリジョブ|「REVIA(レヴィア)」オーナー 菜月さん

口コミ投稿や友達紹介で集客率を高める

どんなに優れた広告よりも、信頼できる知人からの「あそこのジム、すごくよいよ」という一言の方が、人の心を動かします。この「口コミ」の力を意図的に最大化させることが、効率的な集客の鍵となります。

内容

メリット

施策

オンライン口コミの促進

新規顧客がジムを選ぶ際の重要な判断材料になりやすい

具体的なインセンティブを用意し、投稿を積極的に依頼する

友達紹介キャンペーンの導入

  • 既存会員と新規会員の両方にメリットがある仕組みを作りやすい
  • 紹介で入会した顧客は、すでに知人がいるため定着しやすく質も高い

Win-Winの特典を用意して積極的に会員を増やす

フィードバック収集の仕組み化

  • 複数のチャネルでフィードバックを収集できる
  • 不満を早期改善しネガティブキャンペーンを避けられる
  • ご意見箱の設置
  • 退会者へのアンケート送付
  • 定期的なオンラインアンケートの実施
  • レッスン後のトレーナーによるヒアリング

真摯な姿勢は、声をきちんと聞いてくれる信頼感を育み、顧客ロイヤルティを高めます。 逆に会員からの不満を無視し続けると、評判を落とすことになりかねません。

会員の独自コミュニティを作成し顧客との絆を深める

コミュニティ要素をさらに進め、ジムを会員にとっての「不可欠な居場所(サードプレイス)」へと昇華させましょう。長期的な成功と、他社との差別化につながります。

オンラインコミュニティの活用

SNSツールを活用し、オンライン上のコミュニティスペースを作る

自由に交流できる場を提供しジムへの帰属意識をさらに強化可能

オフラインイベントの企画

定期的に会員限定イベントを企画するのがおすすめ

トレーナーと会員、会員同士の人間的なつながりが深まる

「居場所」としての価値を確立できれば、顧客は簡単にジムを乗り換えません。価格競争から脱却し顧客との深い絆によって選ばれ続ける店舗になりましょう。

以下の事例では、TikTokをオンラインコミュニティの場に設定し、ライブ配信でトレーナーと顧客の距離感を縮めるのに成功しています。

TikTokはインスタと比べて、フォロワーが増えやすい傾向にあるので、コメントやフォローバックなどはせずに、動画勝負で投稿しています。動画がバズれば一気にフォロワーが増えるので。それとTikTokでは、朝8時にトレーニングをライブ配信していますね。

【中略】

普通の投稿と違ってリアルタイムでリアクションができるので、ファンの方との交流にも活用していますね。最近はTikTokにギフティング機能がつき、投げ銭をいただくこともできるようになったので、新たな交流の形が生まれています。

引用:モアリジョブ|フィットネストレーナー minoriさん

セミパーソナルジムトレーナーを雇用するポイント

優れたトレーナーは顧客に結果をコミットし、最高の顧客体験を提供してジムの評判を築き上げます。しかし、理想的な人材を見つけ出し、採用するのは決して簡単ではありません。ここでは、優秀なトレーナーを確保するための重要なポイントを解説します。

【ジムトレーナーを雇用したい方はコチラ】

少人数レッスンの経験がある人材を雇う

マンツーマン指導の経験だけでなく、「少人数(グループ)レッスン」の指導経験があるかは確認しましょう。1対1の指導と1対多の指導では、求められるスキルセットがまったく異なります。

複数人を同時に指導した経験のある人材は、以下のような能力をすでに身につけているものです。

  • 一人の会員に指導しながらも、常に他の会員全員の動きや安全に気を配れる
  • 限られたレッスン時間内にウォーミングアップからクールダウンまでを円滑に進行できる
  • 全員のモチベーションを高め一体感のある雰囲気を作り出せる

面接時には、以下の内容を聞くのが効果的です。

  • これまでで最も大変だったグループレッスンの経験と、それをどう乗り越えたか
  • 一人だけ動きが遅れている参加者がいた場合、どう対応するかなど具体的な状況を想定した質問

候補者が持つ実践的なスキルや対応力を見極められます。即戦力となる人材を求めるなら、グループ指導経験は必須条件としましょう。

運用メニューに合うトレーニングスキルがある人材を選ぶ

ジムの提供プログラムにある専門性と、候補者が持つトレーニングスキルが合致しているかの確認も重要です。たとえば自社プログラムがファンクショナルトレーニング中心なのに、ボディビルに強いトレーナーを採用しても、質の高い指導は期待できません。

採用プロセスにおいては、以下の点を確認しましょう。

  • 自社が提供するプログラムに関連する資格や深い知識を持っているか
  • 資格の有無だけでなく実際にそのトレーニングを正しく、かつわかりやすく指導できるか
  • 数分間のデモンストレーションをしたときに指示が的確でフォームは正確か
  • デモンストレーション時の説明はわかりやすいか

特に将来パーソナルトレーニングや一般ジムを併設する場合は、幅広いトレーニング理論・指導法をもつ人材を選びましょう。事業の拡張性を高める上で有利に働きます。

コミュニケーションスキルが高い人材が理想

技術的な指導スキルと共に重要なのが、人間性やコミュニケーションスキルです。トレーナーは、単なる運動の指導者ではありません。顧客のモチベーションを高め、ジムを楽しい場所に変えるエンターテイナーです。

優れたコミュニケーション能力を持つ人材は、以下のような行動が自然にできます。

  • 会員の悩みや目標を親身になって聞き、信頼関係を築ける
  • 専門的な内容を、初心者にもわかりやすい言葉で伝えられる
  • 会員の「きつい」「つらい」という気持ちに寄り添い、励ますことができる
  • グループ全体の雰囲気を明るくし、会員同士のコミュニケーションのきっかけを作れる

面接での対話時には以下のチェックリストを参考に、候補者の適性を見極めましょう。

  • 明るく自然な笑顔で話すことができるか
  • 質問の意図を正確に汲み取り的確に答えられるか
  • 専門用語を多用せずわかりやすい言葉を選んで話しているか
  • 会話の中に相手への共感や気遣いが感じられるか
  • 自ら質問を投げかけるなど、会話を広げようとする姿勢があるか
  • ポジティブな言葉選びや前向きな姿勢が一貫しているか

技術は後からでも教えられますが、人間性やコミュニケーションのスタイルは変わりません。長期的にジムの「顔」として活躍してもらうためにも、この点は妥協すべきではないでしょう。

雇用形態は豊富に用意するとよい

優秀な人材を確保するためには、多様な働き方のニーズに応える柔軟な雇用体系を用意することも有効な戦略です。正社員採用だけにこだわらず、業務委託やアルバイトなど、複数の選択肢を提示することで、応募者の母集団を大きく広げられます。

雇用形態

メリット

デメリット

正社員

安定的な人材確保

帰属意識が高い

長期的な育成が可能

人件費が高い

社会保険などの手続きが必要

業務委託

実力のあるフリーランスを採用可能

即戦力を確保しやすい

固定費を抑えられる

帰属意識が低い場合がある

細かな業務命令はできない

アルバイト・パート

人件費の変動費化

シフトの柔軟性が高い

補助業務を任せやすい

スキルのばらつきがある

離職率が高い

さまざまな雇用形態を組み合わせれば、コストを最適化しながら多様な才能を持つ人材が集まり、活気のあるチームを作れるでしょう。

まとめ

セミパーソナルジムを経営するポイントをまとめると、以下のとおりです。

  • 質の高いトレーナーの採用と育成という課題がある
  • 顧客同士の相性やレベル差を考慮して繊細なコミュニティマネジメントを行わねばならない
  • 事業を成功に導くには、「戦略的な仕組み作り」が大切
  • 顧客の帰属意識を深めれば定着率は高まる

指導スキルとコミュニケーション能力を兼ね備えた優秀な人材をいかに確保し、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えられるかが、あなたのジムが提供できる価値の最大値を決定づけます。

セミパーソナルジムの経営は、単なる場所や設備を提供するビジネスではありません。人の身体と心にポジティブな変化をもたらし、新たな繋がりを生み出すコミュニティを創造する非常にやりがいのある事業といえるでしょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。