人材募集のやり方おすすめ18選!無料でできる方法や成功させるためのコツを紹介
求める人材を募集するためには、さまざまなやり方のなかから自社に合った方法を選ぶことが大切です。
「人材募集について、自社の状況に合う方法は結局何なのか...…」
「そもそも、人材募集のやり方にはどのようなものがあるのか? 」
このような悩みを抱えている場合は、まずは人材募集のやり方について多くの種類を把握したうえで、その中から自社に合ったものを見つけると、予算を抑えつつ効率的に採用活動ができるでしょう。
この記事では、人材募集の方法について18のやり方を紹介。それぞれのメリットやデメリット、向いている企業について各種データを交えながら解説します。
人材募集の手順についても説明するので、ぜひ参考にしてください。
人材募集のやり方18選
令和3年経済センサス-活動調査 によると、日本企業の95.9%が従業員数50名未満です。そこで本項では、50名以下の企業における人材募集のやり方をランキング形式にて紹介します。
株式会社マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」 によると、正社員の中途採用の募集で利用したサービスのうち、採用につながった手法は次のとおりでした。
ここからは以上のデータをもとに、利用割合の高いものから順にサービスや手法について詳しく解説します。
ハローワーク
ハローワークは公共の就職支援機関であり、厚生労働省が管轄しています。
ハローワークのメリットは、公共機関であるため求人票を出稿するための費用がかからないことです。
さらに利用者が多いため、求人票が求職者の目に触れる機会を増やせることも魅力。多くの求職者の目にとまることで、多数の応募が期待できます。
令和5年10月発表の公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績 によると、ハローワークにおける新規求職申込件数は次のとおりでした。
- 令和元年:392.8万人
- 令和2年:385.5万人
- 令和3年:385.9万人
- 令和4年:382.1万人
年間に400万人近くが安定して応募しているので、ハローワークを利用すると多くの求職者からの応募が期待できます。
一方でハローワークの場合、希望する人材以外からの応募も多いというデメリットがあります。 厚生労働省の「労働力需給のミスマッチの状況に関する調査結果について」の資料 によると、能力不足や経験不足が原因で求職者を採用しない企業が多くみられたようです。
以上からハローワークを利用する場合は、多くの求職者のなかから自社にマッチした能力や経験を備えた人物を見極めることが大切です。
転職サイト
転職サイトとは、インターネットを介して求人を募るサービスで、全国規模で人材募集をできることが魅力です。
またインターネット環境が整った現代では、転職サイトを利用して求職活動をする人が多いこともポイントです。
厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査結果の概要」 によると、正社員と正社員以外(派遣や契約社員、アルバイトなど)のいずれにおいても、求人情報サイトの利用者数が最も多い結果となりました。
※多いものから順に5項目を抽出して掲載
応募者の母集団が多いなかで採用活動を進められるため、多くの人材獲得が期待できます。
求人検索エンジン
求人検索エンジンとは、求人情報に特化した検索エンジンです。求人検索エンジンでは、GoogleやYahoo!と同じように検索窓にキーワードを入力して目的の求人情報を見つけるシステムが採用されています。
たとえば、代表的な求人検索エンジン「インディード」のトップページは次のようにシンプルです。
▼インディードのトップページ
求人検索エンジンの場合は、職種や仕事内容、働き方に関するキーワードや勤務地を検索窓に入力して検索します。
求人検索エンジンのメリットは、配信をコントロールできることです。求人票の表示回数やクリック数、コンバージョン数(求人への応募数)を分析して適切に運用できれば、無駄のない効果的な求人広告の配信ができます。
一方で広告を手動で調節する必要があるため、効果測定や費用対効果を見定める判断力が求められます。
専門的な知識が必要なので、求人検索エンジンを扱い慣れていないと運用に苦労するかもしれません。勘に頼った広告運用をしてしまうと、想定外の費用がかかるリスクもあるため注意が必要です。
人材紹介会社
人材紹介会社は別名「転職エージェント」とも呼ばれ、有料で希望の人材を紹介してくれる会社です。人材紹介会社に対して求める人材の条件を伝えると、その条件に見合った候補者を推薦してもらえます。
人材紹介会社に申し込むと専任の担当者がついて、あらかじめ応募者をフィルタリングしてくれることも特徴です。そのため自社にマッチした人材を募りやすく、面接の手間を省いて採用活動を効率化できます。
また ビズヒッツの調査 によると、転職エージェントを利用した求職者218名のうち41名が「自分に合う求人を紹介してもらえる」ことがメリットと回答しています。
紹介された職場が自分にマッチしていることを実感する求職者が多いため、採用過程での辞退や入社後の早期離職を回避する効果も期待できるでしょう。
企業ホームページ
多くの求職者が志望企業について調べる際に、企業のホームページは有益な情報源です。
株式会社ディスコの調査 によると、半数以上の求職者が個別企業のホームページを有力な情報源としてあげています。
以上から求職者を募りたい場合は、企業ホームページの整備は欠かせない施策のひとつと考えられます。
さらに同調査の結果によると、ほとんどの求職者が採用ホームページには目を通していることもわかりました。つまり採用ホームページを作成して、そこに事業内容や実績、社員紹介などを掲載しておくと、多くの求職者に自社をアピールできることになります。
最近は採用向けのLP(ランディングページ)を作成する企業もみられます。LPは1ページのなかに、会社情報や採用情報、社員紹介などの求職者が知りたい情報を掲載して求人や説明会への応募を促すページです。
LPは1ページで手軽に制作できるため、コストや時間を抑えて採用ホームページを作成したい企業におすすめです。
縁故採用
縁故採用とは、企業や経営者、役員、社員などの伝手を活かして人材を募集する方法です。一般的には「コネ入社」とも呼ばれ悪いイメージを持たれることもありますが、違法性はありません。
悪いイメージを持たれやすい一方で、応募者側と採用企業の双方にとってメリットがあります。 ビズヒッツの調査 によると、応募から採用までがスムーズであることが応募者にとっての大きなメリットです。
また会社にとっては、選考にかける期間を短縮して採用コストを削減できるメリットがあります。
さらに縁故を頼って応募する人は、事前に会社の業務内容や雰囲気、職場環境について、紹介者から詳しい情報を聞きやすい状況にあります。
そのため採用後のミスマッチが少なく、内定辞退や早期退職のリスクが低い点も採用企業側のメリットとして考えられるでしょう。
紙媒体
紙媒体を利用して採用活動をする場合、その媒体として有料求人情報誌や折込求人、新聞の求人欄、フリーペーパーなどが考えられます。
昨今はWeb媒体での採用活動が増加したといわれますが、紙媒体を利用して採用活動をする企業は現在でも6割以上に上ります。
引用: 求人情報・求職情報関連事業実態調査結果の概要|厚生労働省
また紙媒体にかける費用は、9割近くの企業が10万円未満と回答しています。
※「 求人情報・求職情報関連事業実態調査結果の概要|厚生労働省 」を参考に作図
紙媒体を利用した採用活動は、特定の地域にターゲットを絞って訴求できる点がポイントです。特定の地域のみに店舗展開をする企業や、1店舗のみを経営する小規模事業者などが利用しやすい採用方法といえます。
リファラル採用
リファラル採用は、自社の社員から友人や知人を紹介してもらう採用方法です。
先述の縁故採用とリファラル採用は同じように感じられるかもしれませんが、両者には明確な違いがあります。
縁故採用は入社することが前提であることが多く、通常とは異なる選考フローで採用が決まることが一般的です。もしくは、選考フロー自体が省かれることもあります。
一方でリファラル採用は、紹介者に対しても通常の選考フローに従って採用の可否を判断します。採用が前提となっておらず、紹介者とはいえども落選する可能性もある採用方法です。
公平性が担保されていることもありリファラル採用にポジティブな社員は多く、 株式会社MyReferの調査 によると7割近い社員が知人や友人を紹介したいと回答しています。
リファラル採用は採用媒体への掲載が不要なため、採用コストの削減にも寄与します。そのため低コストで採用活動を進めたい場合は、一度検討するとよいでしょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に対して直接アプローチする採用の方法です。
ダイレクトリクルーティングは低予算で自社にマッチした人材を集められるため、予算の限られる企業が効率的に人材を募集をする際に効果的です。
レバレシーズ株式会社の調べ によると、ダイレクトリクルーティングのメリットは、採用コストが安いことや自社の要件にあった人材を見つけられることです。
一方で採用候補者を探すのに時間がかかったり、スカウトの返信率が低かったりすることがデメリットです。手間や時間を要する採用方法なので、ダイレクトリクルーティングを実施する場合は、担当者の業務負担に配慮する必要があります。
合同企業説明会
合同企業説明会とは、複数の企業が同じ会場で求職者に対して会社説明会を実施することです。合同企業説明会では多くの企業が出展するなかで、自社の説明会に足を運んでもらう必要があるため、求職者の希望に答えることが重要です。
株式会社ディスコの調査 によると、求職者が参加したいと思う企業セミナーで最も多かったのが、「社員と話せる場が設けられている」ことでした。
採用担当者が一方的に説明するだけではなく、現役社員と会話できたり、職場の実際の雰囲気がわかったりと、その会社のリアルな様子を知りたいというニーズに応える必要があります。
また合同企業説明会は、コロナ禍の前後で大きく状況が変化したこともポイントです。コロナ禍を境に、合同企業説明会がWebで開かれるようになり、そこに多くの求職者が参加しました。
Webの合同企業説明会については、次項のWebイベント・セミナーで詳しく解説します。
Webイベント・セミナー
株式会社マイナビの調査 によると、2022年時点でWebの合同企業説明会に参加した求職者が半数以上いました。これは、対面での合同企業説明会の割合を上回っています。
2023年になるとWebの合同企業説明会に参加した求職者は45.3%となり、2022年に比べやや減少したものの4割以上が参加している状況です。(参考: マイナビ 2023年卒 学生就職モニター調査 3月の活動状況 )
そのためコロナ禍以降も引き続き、求職者はWebの合同企業説明会に参加すると考えられます。
Webの合同企業説明会は対面の説明会に比べ、費用や時間を抑えて多くの参加者に自社をアピールできます。対面の説明会に参加するための費用や時間を確保できない場合は、Webの合同企業説明会での出展を検討するのもひとつの手段です。
SNS
LINEやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSを採用活動に活かすこともできます。
NTTドコモ運営のモバイル社会研究所の調査 によると、SNSのなかではLINEの利用率が圧倒的に高い状態です。
LINEを採用活動に利用するためには、まずはLINE公式アカウントを作成し、求職者から登録してもらう必要があります。
登録してもらう場合は、会社説明会の資料にLINE登録用のQRコードを添付して、登録へと
誘導する方法が考えられます。登録後は、求職者の求める情報を配信しながら関係を築き、求人への応募につなげます。
求職者の集客の観点では、クローズドなLINEよりもオープンなSNS(InstagramやX)が適している場合もあります。以下は店舗の公式Instagramでタグを使って求人募集をする例です。
https://www.instagram.com/p/CDJbLJnDsla/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==
こうした投稿は無料でできる反面、求職者から探してもらえるかは運用次第です。
ヘッドハンティング
ヘッドハンティングとは、自社が必要な人材を他社から引き抜いて採用する方法です。特定のスキルを持った優秀な人材を採用したい場合に有効で、専門職に対するアプローチで利用されます。
ヘッドハンティングを行う際には、ヘッドハンティング会社に依頼することも多いです。そこに依頼をすると、所属するヘッドハンターが条件に合った人材とコンタクトをとって、採用のための交渉を行います。
ヘッドハンティングを利用して採用するターゲットは、経営者やエグゼクティブ層、専門職などの人材が多いです。
採用管理ツール
採用管理ツールとは、求人情報や応募者の個人情報、選考の進捗、応募者に対する担当者の評価などを管理するためのツールです。
採用管理ツールがあると、求人への応募者に対してきめ細かな対応ができるようになります。さらに採用フェーズごとの担当者同士の情報共有を効率化できるため、採用活動のパフォーマンス向上も期待できるでしょう。
採用管理ツールを導入する企業は増加しており、 株式会社リクルートの調査 では2021年には36.6%の企業が導入していると報告されています。
これまで表計算ソフトや紙を利用していた企業も、採用管理ツールに乗り換えているようです。
人材募集にかける予算に余裕がある場合は、採用管理ツールの利用も検討するとよいでしょう。
口コミサイト・インターネット掲示板
就職サイトのなかには、社員が自社の働き方について口コミや感想を書き込むサイトや掲示板があります。 HRproの調査 によると、就職活動で利用されている就職ナビは次のとおりでした。
以上のなかから利用者の多い口コミサイトやインターネット掲示板を抽出すると、 楽天みん就(楽天みんなの就職活動日記) や 就活会議 、 OpenWork などが該当します。
口コミサイトや掲示板については、企業の採用担当者が直接投稿したり、投稿内容をコントロールしたりすることが難しいです。
そのため自社の口コミを適時チェックして、誤った情報があれば削除依頼をしたり、企業アカウントを作って口コミに対して返信したりして対策を講じます。また口コミサイトや掲示板に求人情報の掲載を依頼することも可能です。
ポスティング
ポスティングは、自社の求人情報が書かれたチラシを特定エリアに絞って配布するため、限られた地域内で人材募集をできることが特徴です。
発行部数を調整すると、ポスティングにかける費用もコントロールできます。予算が限られている企業でも、比較的利用しやすい採用方法といえるでしょう。
一方で社内の従業員がポスティングをすると、配布枚数が限られたり、従業員の業務負担が増えたりします。
多くの枚数を配布して自社をアピールする場合は、先述した紙媒体の利用を検討したほうがよいでしょう。
オウンドメディアリクルーティング
オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアで自社の魅力を発信して、マッチした人材を募集する取り組みです。
本来は企業ホームページやSNS、紙媒体などの企業が運用する媒体は、すべてオウンドメディアに該当します。
ここでは、会社が運営するウェブサイトやブログに限定した狭義のオウンドメディアについて解説します。
ブログで採用活動をするためには、まずは求職者に役立つコンテンツを発信してアクセスを集めます。次にアクセスした求職者に自社をアピールして、人材採用につなげるのです。
ウェブサイトで採用活動を行うためには、サイト制作やSEOに関する知識が求められるため、専門業者に依頼するケースもあります。
またアクセスを集めるためには、オウンドメディアの長期的な運用が欠かせません。効果を実感するまでに時間も要するため、運用コストや人材を確保して体制を整える必要があります。
アルムナイ採用
アルムナイ採用とは、なんらかの理由で自社を退職した人材を再び採用することです。
株式会社プロフェッショナルバンクの調べ によると、アルムナイ採用を活用する職種は技術職が多いことがわかりました。
アルムナイ採用は自社の業務に精通した人物を採用することになるため、採用や育成にかかるコストを抑えられることが魅力です。
一方でアルムナイ採用を多用すると、他の従業員が「すぐに復職できるから退職しても大丈夫」と認識するリスクがあります。退職のハードルが下がって離職率が高まる可能性があるため、アルムナイ採用を濫用しないように注意が必要です。
人材募集を成功させるためのコツ
次のコツを実践すると、人材募集の成功につながります。
- 仕事内容を明記する
- キャリアマップを示す
- 専門特化型の求人サイトを利用する
各項目について詳しく解説します。
仕事内容を明記する
株式会社ONEの調査 によると、求職者が採用サイトで最も見たい情報は仕事内容でした。
そのため、採用サイトに仕事内容が明記されていないと求職者の希望を満たせずに、応募につながらない可能性があります。
仕事内容に関する記載を充実させるためには、あいまいな情報ではなく、具体的な数字を用いたり、実際に働く従業員の声を載せたりすると効果的です。
従業員の1日のスケジュールを明記すると、実際の働き方をイメージしやすくなるため、求職者の興味をひきやすくなります。
キャリアマップを示す
キャリアマップを作成して給与アップや昇進、キャリア形成、スキル獲得のイメージを求職者に持ってもらうことは、人材募集において効果的です。
マイナビのキャリアリサーチLabの調査 によると、入社を決めた理由として給与が良いことやキャリアアップ、スキル獲得を挙げた求職者は多いことがわかりました。
たとえば、下記のようなキャリアマップを採用ページに掲載すると、求職者の興味をひいて応募への意欲を促進できます。
引用: 職業能力評価基準導入マニュアル 演習ノート|厚生労働省
上記のキャリアマップにさらに情報を追加して、各レベルもしくは役割ごとに目安となる給与を記載するのもおすすめです。
専門特化型の求人サイトを利用する
専門職を採用したい場合は専門特化型の求人サイトを利用すると、自社にマッチした人材を集めやすくなります。
専門特化型であれば、求職者が業界に関連した詳細なキーワードで絞り込み検索ができるため、自社にマッチした求職者からの応募が期待できるのです。
▼業界に関連した詳細な絞り込み検索の例(リジョブ)
また専門職で仕事をしたい人が興味を示すようなコラムも充実しているため、求める人材が集まりやすいと考えられます。
「(株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー 美容就業実態調査2023」 によると、美容系の専門職の場合、美容系専門の求人サイトの方が美容系専門以外の求人サイトよりも利用されていることがわかりました。
▼復職時の仕事探しの方法(2022年)
また他の事例として、 株式会社ギークリーの調査 によるとITの専門職を志望する求職者も、専門性の高さを重視していることがわかります。
自社にマッチした専門職を募集したい場合は、専門特化型求人サイトの利用をおすすめします。
弊社リジョブは美容やリラクゼーション、治療に特化した求人サイトです。下記のページより無料で資料をダウンロードできますので、どうぞご覧ください。
人材を募集する手順
人材を募集する手順は次のとおりです。
- 予算を決める
- ターゲットを明確にする
- 募集方法を決める
- 求人原稿を作成する
- 改善する
各ステップについて詳しく解説します。
予算を決める
まずは予算を決めましょう。各業種における人材募集にかけるコストや具体的な予算の決め方を解説します。
各業種における人材募集にかけるコスト
人材募集にかけるコストは業種ごとに大きく異なります。各業種が人材募集にかけるコストは次のとおりです。
▼業種別の人材募集にかけるコスト
自社が属する業界を参考にして、人材募集にかけるコストを決めるのもひとつの手段です。
予算の決め方の具体例
人材募集にかける予算を考える際に、売上げの最大化を考慮して決める方法があります。
まずは採用の損益分岐点までの期間を把握して、人材の採用後にどれくらいの期間でコストを取り戻せるのかを考えるのです。
たとえば、スタッフ1人あたりの売上げが平均して月に60万円で営業利益率が10%の場合、スタッフが1人増えると店舗の収益は月に6万円増えることになります。
計算式:60万円×10%=6万円 |
この状態で、一人あたりの採用に36万円を費やすと、人材募集にかけたコストを取り戻すまでの期間は半年後です。
計算式:36万円÷6万円=6カ月(半年) |
人材募集の費用で赤字になるリスクを避けるためには、採用の損益分岐点までの期間を把握して、人材募集にかけるコストを調整することも大切です。
人材募集にかけるコストの決め方については、以下の資料で詳細に解説しています。無料でダウンロードできるので、ぜひご覧ください。
〜最低限の採用ではなく、売上が最大限になる採用を〜費用を抑え成果を高めるノウハウ・成功事例集
ターゲットを明確にする
次に自社の軸となる価値観や志向を明確にして、ターゲットを具体化しましょう。自社の価値観や志向に合わないターゲットを採用すると、ミスマッチにより内定辞退や早期離職につながる可能性があります。
たとえば美容室スタッフを募集する場合は、技術力や接客へのこだわりを深堀して考えることが大切です。
深堀りした内容をもとに、次の5項目についてターゲットを明確にしましょう。
- 価値観・志向
- 人柄・性格
- 能力・役割
- 勤務条件・働き方
人材募集を開始したあとは、ターゲットに刺さるような訴求で自社をアピールしてマッチした人材の採用につなげます。
募集方法を決める
先述した18の方法のなかから、自社の目的やターゲット、採用コストをもとに適した募集方法を採用するとよいでしょう。
たとえばコストを抑えることを重視している場合は、SNSを利用した募集活動やリファラル採用がおすすめです。
また専門性を重視する場合は、ダイレクトリクルーティングや専門特化型の求人サイトの利用を検討しましょう。
求人原稿を作成する
求人原稿を作成する際は、ターゲットに効果的な訴求内容を考えることが大切です。
希望する人物像にマッチさせつつ、ターゲットに効果的な訴求を行うためには、自社とターゲット像の価値観や志向が合致するポイントを明確にするとよいでしょう。
たとえば美容室スタッフの採用を例に考えると、次のようなメッセージなら、ターゲットに対して効果的に訴求できます。
上記の詳細については無料でダウンロードしてご覧になれますので、どうぞご利用ください。
〜今日からできる!成功のカギ〜 美容・ヘルスケア業界 採用成功率アップのための4STEP
結果をもとに改善する
人材募集を成功させるためには、計画の実施後に改善することが大切です。そのためにも、どれくらいの人数を採用すれば成功かどうかを明確にしていきましょう。
目標とする採用人数に届かなかった場合は、その目標に対してどれくらい足らなかったのかを分析して次の人材募集に活かします。
他にも、次のような内容を検証すると人材募集の改善に役立ちます。
- 多くの応募者を集められる人材募集の方法はどれか?
- あまり応募者を集められなかった人材募集の方法はどれか?
- 面接を受ける人の割合が高かった人材募集の方法はどれか?
- 選考過程でどれくらいの人が途中で辞退したか?
- 内定辞退者がどれくらいいたか?
うまくいった人材募集の方法は引き続き次回の採用活動で活用する一方で、うまくいかなかった方法については中止するか改善するかを判断しましょう。
まとめ
本記事の内容を総括すると、次のとおりです。
- 予算や目的、ターゲットに合った方法で人材募集を行うこと
- 仕事内容を明記したり、自社の強みを示して他社と差別化したりすると多くの人材を集めやすい
- 専門技術を持ったスタッフを集めたい場合は、専門特化型の求人サイトを利用するのもひとつの手段
人材募集を成功させると大きな母集団を形成できるため、最終的な採用者の増加につながります。しかしマッチしていない人材ばかりを集めてしまうと、面接数が多くなって担当者の負担になったり、採用後の離職につながったりするため注意が必要です。
母集団の数とマッチした人材の採用をうまくバランスさせながら、自社に適した人材募集の方法を選ぶようにしましょう。
- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部