日本政策公庫のデータによれば、39.8%の店舗で顧客数が減少しており、多くの店舗が経営に苦しんでいます。
そのような場合は、LINE公式アカウントの活用を検討してみてはいかがでしょうか?モバイル社会研究所によれば97%の人がスマホを利用しており、総務省のデータではLINEユーザーは94.0%と非常に多くいるのがわかります。
LINEによると、その日のうちに開封した人の割合が8割以上だったとしており、メッセージ開封率の高さでも有名です。さらに基本的に無料で利用できる部分も魅力のひとつといえるでしょう。
そこでこの記事では、LINE公式アカウントの基本的な使い方や効果的な運用方法、実際の成功事例について詳しく説明します。店舗の集客で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
店舗の集客におけるLINEとは?
店舗経営者にとって集客は重要な課題です。
しかし、広告予算を抑えながらも集客効果を高めることに、苦労している企業は少なくありません。東京都のデータによると、新型コロナウイルス発生前の時期と2023年の5月の売上高を比較した結果、減少と答えたところが92.7%となったほどです。
その悩みを抱える人におすすめのツールがLINE公式アカウントです。LINEは単なるSNSではなく、ユーザー数が多く、友だち登録の誘導が簡単にできる点が魅力です。また、リピート施策や自動化も簡単にできます。
店舗への集客に困っている人は、LINE公式アカウントを試しましょう。具体的な活用方法を紹介します。
LINE公式アカウントとは?
そもそもLINE公式アカウントとは、ビジネス用LINEアカウントです。店舗を持つ企業や個人が集客に活用できるよう、LINEの基本機能に加えて集客に便利な機能も実装されています。
メールマガジンのようにリストに登録された宛先に一方的にメッセージを送信するだけでなく、LINE公式アカウントは1対1でメッセージのやり取りが可能です。
また、クーポンを使った割引機能など、ユーザーにとってもお得な機能が豊富に用意されています。
つまり、LINE公式アカウントはメルマガと同様の機能を持ちながら、それ以上の機能も使えます。それでいて、必要最小限の機能であれば無料で利用できる点も魅力です。
LINEの調査によると、メルマガより1.8倍の高い開封率が実現できています。
個人LINEとLINE公式アカウントの違い
LINE公式アカウントを使った経験がない人には、個人のLINEと何が違うのか気になるでしょう。
個人のLINEは、プライベートでのメッセージのやり取りをすることが主な目的です。一方、LINE公式アカウントは、店舗や企業が運用しやすく設計されています。そのため、様々な機能が追加されている点が大きな違いです。
例えば、メッセージ配信機能において、個人アカウントでは1対1のやり取りが基本ですが、LINE公式アカウントは複数の人にメッセージを送れます。また、個人アカウントにはない集客に便利なクーポンなどの機能も豊富に実装されています。
ただし、ビジネス目的で使うツールのため、料金プランには注意しましょう。上記のLINE公式アカウントの料金プランを見ると、個人アカウントは基本的に無料ですが、LINE公式アカウントはメッセージ配信数に応じて料金が発生します。
他の集客方法との比較
LINE公式アカウント以外にも、店舗への集客をする方法はあります。
- SNS広告
- メールマガジン
- ダイレクトメールやポスティング
メリットやデメリットを、それぞれ比較しています。
SNS広告
SNS広告は、広告費を支払って自分の投稿を広告欄に表示させる機能です。LINE公式アカウントは開封率が高い一方、使っていない人に対してはSNS広告が有効です。
デザイン性やターゲット層によって、SNS広告とLINE公式アカウントを使い分けると効果的です。ターゲットに合わせた使い分けが、集客効果を最大限に引き出すポイントとなります。
メールマガジン
メールマガジンは、LINE公式アカウントよりも低予算でメッセージが送れます。データ移行もしやすいため、メールアドレスのリストを多く持っているなら、メールマガジンのほうが使いやすいと感じる人も少なくないでしょう。
しかし、開封率はLINE公式アカウントのほうが高いため一長一短です。LINE公式アカウントは、メールマガジンにはない多彩な機能が特徴となっており、そこに魅力を感じるならLINE公式アカウントを使いましょう。
ダイレクトメールやポスティング
送り先の住所がわかっている場合、ポスティングやダイレクトメールの活用を考えている人も少なくないでしょう。
これらは専門の業者とつながりがあり、ノウハウを持っている場合に店舗への集客に有効です。しかし、LINE公式アカウントは手間やコストがかからず、気軽に使えるのが魅力です。
手軽さを重視するならLINE公式アカウントを活用し、適切に使い分けましょう。
店舗の集客にLINEを活用するメリット・デメリット
LINE公式アカウントは、店舗の集客ツールとして非常に魅力的です。
しかし、デメリットも存在します。メリットがデメリットを上回ると感じるなら、ぜひLINE公式アカウントを活用してください。デメリットが気になる場合は、他の方法を試しましょう。
LINE公式アカウントのメリットとデメリットを比較し、自分に合った方法を見つけてください。
メリット1:無料で始められる
LINE公式アカウントの大きなメリットは、無料で使い始められる点です。料金プランがいくつか用意されていますが、毎月のメッセージ数が200通以内ならお金がかかりません。
その範囲内でLINE公式アカウントを体験し、集客効果を実感できるなら有料プランに移行しましょう。
メリット2:利用ユーザー数が国内最大級
LINE公式アカウントの強みは、利用しているユーザー数です。総務省情報通信政策研究所の令和4年度のデータによれば、どの年齢層に関しても約90%の利用率となっています。
【令和4年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別)
全世代 |
10代 |
20代 |
30代 |
40代 |
50代 |
60代 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
LINE |
94.0% |
93.6% |
98.6% |
98.0% |
95.0% |
93.8% |
86.0% |
|
45.3% |
54.3% |
78.8% |
55.5% |
44.5% |
31.6% |
21.0% |
|
29.9% |
11.4% |
27.6% |
46.5% |
38.2% |
26.7 |
20.2% |
|
50.1% |
70.0% |
73.3% |
63.7% |
48.6% |
40.7% |
21.3% |
TikTok |
28.4% |
66.4% |
47.9% |
27.3% |
21.3% |
20.2% |
11.8% |
YouTube |
87.1% |
96.4% |
98.2% |
94.7% |
89.0% |
85.3% |
66.2% |
LINEは利用者が多く、集客に役立つツールのため、気になる人はまずは無料プランを試してください。
メリット3:友達登録が簡単にできる
LINEでは、メッセージのやり取りができる状態を「友だち」と呼びます。LINE公式アカウントは、この「友だち」を簡単に追加できるところが特徴的です。
例えば、友だち登録用のQRコード機能を利用すれば、店舗内にポップを貼るだけで、興味のあるお客様が簡単に友だちを追加してくれます。QRコードを読み取った後に、お客様は追加ボタンを押すだけで登録完了です。
一方、メールマガジンは、個人情報とメールアドレスの入力が必要で手間がかかります。この手軽さが、LINE公式アカウントが重宝される理由のひとつです。
メリット4:開封率が高い
LINE公式アカウントの大きなメリットは、非常に高い開封率です。
「LINEヤフーfor Business」に掲載されたアンケートによると、LINEでメッセージを受け取った人のうち、20%がすぐに中身を確認し、さらに50%が3時間から6時間以内に開封しています。その日のうちに8割が開封したという結果まで出ています。
対してBenchmark社によると日本におけるメールマガジンの開封率は31.75%となっており、一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会のデータでは、ダイレクトメールの開封率は65.0%でした。
これらのデータからも、LINE公式アカウントの開封率の高さが際立ちます。この高い開封率を活かして集客に役立てましょう。
メリット5:分析機能が豊富にある
LINE公式アカウントでは、豊富な分析機能が提供されています。
ログイン後、分析タブを開けば様々な数値データを確認でき、PDCAサイクルを効率よく回せます。
例えば、次の内容を確認しましょう。
- 過去のメッセージ開封率
- クリック率
- コンバージョン率
これらを確認すれば、成果を測ることも可能です。
また、ブロックされた友だちの数も把握できるため、メッセージを送信するタイミングや頻度が調整しやすくなります。
デメリット1:そもそもアカウント開設ができない業種がある
どのような人であっても、手放しにLINE公式アカウントをおすすめできるかといえば、そうではありません。それは開設できないケースがあるからです。
たとえば、クレジットカード現金化や模倣品・海賊版の販売に関連するサービスを提供する場合、アカウント開設ができません。他にも、業種によっては、アカウント開設ができないことがあるため、詳しくは、LINE公式アカウントガイドラインをご確認ください。
デメリット2:ブロックされてしまうとアクションできない
LINE公式アカウントでは、ブロックされてしまうとメッセージが全く届かなくなります。さらにブロックも簡単にできるため、友だち登録してもらってもユーザーに届けるコンテンツに魅力がなければすぐにブロックされます。
トーク画面で右上の三本線ボタンを押し、ブロックボタンをタップするだけでブロックが完了します。一度ブロックされると店舗からのメッセージは表示されなくなるため注意しましょう。
集客効果を維持するためには、ブロックされる数を最小限に抑えましょう。利用者にとって利便性が高くなる運用方法を心がければ、ブロックされにくくなります。
デメリット3:友だち登録してもらわないとアプローチできない
LINE公式アカウントは、友だち登録数を増やしていかないと効果を実感できません。メールマガジンと同様に、メッセージ配信をしても見てもらえる母数が少なくなってしまうからです。そのため友だち登録数を増やす努力が必要不可欠です。
店頭に友だち登録用のQRコードを掲示し、積極的にお客様に声をかけてください。さらに、登録者に対してインセンティブを提供すれば、登録を促進できます。
加えて、期間限定の友だち紹介キャンペーンを実施することで、友だち数を増やしやすくなります。
デメリット4:アプローチ対象がLINEユーザーに限られる
総務省情報通信政策研究所の令和4年度のデータによると、どの年齢層に関してもLINEは約90%の利用率となっています。それだけLINEが普及していますが、使ってない人がいるのも事実です。
LINEを使っていない人には、LINE公式アカウントを使って集客しようとしても効果がありません。
特に高齢者に関しては、スマホを使っていない人も少なくありません。LINEやスマホを使っていない層をターゲットにしている業種に関しては、LINE公式アカウントの恩義は感じられないでしょう。
デメリット5:メッセージ送信数が増えるとコストがかさむ
LINE公式アカウントは無料で運用できますが、友だちが増えメッセージ配信が頻繁になると、コストがかかる場合があります。
LINEの公式サイトによると、月に200通以上のメッセージを配信する場合は有料プランへの加入が必要です。コストを抑えるためには、オーディエンス機能を使ってメッセージ配信対象を絞り込む方法があります。
詳細は後述しますが、設定には手間がかかるため、その手間をストレスに感じないのであれば、コスト削減が可能です。
LINE公式アカウントの主な機能
LINE公式アカウントの大きな特徴は、個人用のLINEとは違って、機能が豊富にある点です。主な機能の紹介と、効果的な活用方法についてもまとめてあります。
メッセージ配信
メッセージ配信機能ではテキストのみならず、画像や「リッチメッセージ」、カルーセル表示の「カードタイプメッセージ」など、多様な形式で配信が可能です。
開封率を高めるためには、ユーザーにとってメリットがあり、読みやすい内容にすることが重要です。また、頻繁な配信はブロック率を上げる原因となるため、配信頻度にも注意が必要です。
ショップカード
ショップカード機能では、LINE上でポイントを付与し、一定のポイント数に達すると割引を使った特典も提供できます。
通常のポイントカードと同様の機能をLINEで実現できる一方で、他の機能と組み合わせることで、お客様により大きなメリットを提供できます。
例えば、友だち登録したユーザーにポイントを付与しましょう。さらに、メッセージ配信機能でクーポンを組み合わせると、ショップカードの効果を最大限に引き出すこともできます。
クーポン
LINE公式アカウントのクーポン機能は、友だち登録してくれたユーザーに限定して配信できます。
来店時にクーポンを提示すれば特典を受け取れるため、集客ツールとして非常に有効です。紙のクーポンと似たような使い方ができますが、LINEユーザー限定であるため、特別感を演出できます。
LINEを使っていない人向けには、ポップを使ってプロモーションを行い、登録を促すのも効果的です。
リッチメニュー
リッチメニューは、LINEのトーク画面に表示できるカスタマイズ可能なメニュー機能です。
クーポンやショップカード、外部サイトへのリンクを貼り付けるなどして自由に配置しましょう。
ユーザーがトーク画面を開いた時に、リッチメニューが自動で表示されるように設定をすれば、キャンペーンやセール情報を効果的に伝えられます。
LINEの高いメッセージ開封率を活かして、来店率を上げられるおすすめの機能です。
ステップ配信
ステップ配信は、設定した条件に合致する友だちに対して、自動的にメッセージを配信する機能です。
これにより、適切なタイミングでメッセージを送信できるため、集客効果を高めながら、ブロック率の上昇も抑えられます。初めての利用者にとってはハードルが高く感じられるかもしれませんが、テンプレート機能を活用すれば簡単に設定できます。
テンプレートには基本的な設定が含まれており、メッセージの編集だけでステップ配信をスムーズに始められます。
オーディエンス配信
オーディエンス配信は、メッセージを配信する時に、送信先を限定して絞り込みができる機能です。
性別や年齢はもちろん、友だちの期間やメッセージのリンクをクリックした人の数など、細かい設定が可能です。上記で紹介したステップ配信にも対応しているため、幅広く使えます。
例えば、ヘアサロンでLINE公式アカウントを利用している場合、ヘアカラーに関連するメッセージを送信し、開封したユーザーに対してのみ、ヘアカラーの割引クーポンを配信できます。
ユーザーの興味や行動に応じたメッセージ配信が可能なため、集客効果を実感しやすくなるでしょう。
また、オーディエンス配信を活用すれば、無駄なメッセージ配信を減らしてコストを削減しつつ、効果的にプロモーションができます。
メンバーシップ
メンバーシップ機能は、月額課金で提供されるサブスクリプションサービスです。ユーザーが毎月料金を支払うことで、メンバー限定の特典を受けられます。
例えば、メンバーシップ専用のセール情報を提供しましょう。通常よりも大幅に割引された商品を購入できれば、会員になればお得感が出やすくなります。
LINE公式アカウントの初期運用ステップ
LINE公式アカウントに興味があるのなら、予め運用する流れを知っておきましょう。
- アカウントの目的を定める
- アカウントの初期設定を行う
- 友達を集める
- メッセージを送る
4つのステップに合わせて、運用をするだけでも結果が出やすくなります。初めてLINE公式アカウントを運用する人は、以下を参考に運用を始めてみてください。
1.アカウントの目的を定める
本格的にLINE公式アカウントを運用する前に、目的を明確にしましょう。具体的な課題を見つけると、目的が見えやすくなります。
例えば、以下のような目的が考えられます。
- 店舗への来店数を増やしたい
- 売上を上げたい
- 情報発信でお客様を教育したい
LINE公式アカウントは豊富な機能を持っており、目的に応じた使い方ができます。詳細な目的を設定できれば、LINE公式アカウントの活用方法が明確になり、スムーズな運用も可能です。
2.アカウントの初期設定を行う
次に、アカウントの初期設定を済ませましょう。最低でも次の3つを設定しておいてください。
- プロフィール
- あいさつメッセージ
- リッチメニュー
まず「プロフィール」の設定をしてください。営業時間、住所、連絡先などの店舗情報を入力し、魅力的な内容でサービスや商品の特徴を分かりやすく説明しましょう。
さらに、お客様に友だち登録をしてもらった後に表示される「あいさつメッセージ」を編集してください。友だち追加のお礼や店舗説明、クーポン配布を含めたメッセージを設定します。
リッチメニューの設定も必要です。あいさつメッセージにリッチメニューへの誘導を含めることで、ユーザーが希望する流入先へスムーズにアクセスしてもらいやすくなります。
3.友達を集める
初期設定が完了したら、次は友だちを集めるだけです。目標となる友だち数を決めると、モチベーションが高まります。
- スタッフによる注文時やお支払い時の声かけ
- ポップの掲示で友だち追加の特典を紹介
- ネットで発信活動をする
上記は一例ですが、特に大事なポイントは声かけです。
注文時やお支払い時に友だち追加をお願いし、メリットを伝えましょう。友だち追加してもらった人にはクーポンを用意すると、より多くの友だちを集めやすくなります。
4.メッセージを送る
友だちが増えたら、メッセージ配信を始めましょう。テキストやスタンプを使ったシンプルなメッセージから試してください。
例えば、新商品のセール情報やクーポン配布に関するメッセージを使ったお得な情報を紹介するだけでもいいでしょう。
配信に慣れてきたら、リッチメッセージやクーポンを活用してください。カードタイプメッセージや動画を取り入れられれば、より魅力的な配信ができ、ユーザーに飽きられずに済むため、ブロックされにくくなります。
LINEで集客する際の効果の高い運用方法
ただLINE公式アカウントを運用しているだけでは、結果が出ない人もいることも考えられます。そのような人のために、効果の高い運用方法についてまとめました。
友だち登録の特典を用意する
LINE公式アカウントを使って効果を出すためには、友だちの数が重要です。友だちが多くなるに従い、新規顧客の開拓がしやすくなり、売上にも直結します。
そこで、友だち登録を増やすための特典を用意してください。
- クーポンを使った割引
- 商品のお試しサンプルをプレゼント
- ヘアケアのチェックリスト など
お店のターゲット層によって、メリットと感じられる特典の内容に違いはあります。来店するお客様が何にメリットを感じるかを考え、それに適した特典を提供しましょう。
ショップカードを活用する
LINE公式アカウントを使うなら、ショップカードを活用してみてください。うまく使いこなせると、店舗へのリピーターが増えやすくなります。
例えば、10回来店で無料となる特典を作ってみましょう。ショップカードは、用意したQRコードをスキャンするだけでポイントが加算されるため、来店意欲を高められます。
ゴールとなる目標は、これより低めに設定してもいいでしょう。
さらに来店時にポイントが加算される仕組みを用意すれば、より店舗に通うモチベーションを高められます。
クーポンを配布する
クーポンの活用も、LINE公式アカウントをうまく運用するポイントとなります。様々な機能と組み合わせられるため、相性の良い方法を見つけてください。
友だちを追加してくれたお客様には、割引クーポンを配布して新規顧客の獲得を促進しましょう。さらに、リピーターには次回来店時に使えるクーポンを提供すると、リピート率が向上しやすくなります。
イベントごとに特典を用意するのも有効です。例えば、新規顧客を紹介した際には、紹介者と新たに来店したお客様の両方に割引クーポンを配布できれば、新規顧客の獲得と口コミの拡大ができます。
効果的なメッセージを送る
LINE公式アカウントは、開封率が高い点が特徴です。しかし闇雲にメッセージを配信してもよくありません。
効果的なメッセージ配信には、ターゲットの特徴を把握し、ライフサイクルに合わせてタイミングを見極めることが重要です。
例えば、働きながら主婦業をこなす女性をターゲットにする場合、メッセージ配信は平日の昼休みや夜の時間帯に行ってください。
また、メッセージ内容に関しても、クーポンや宣伝ばかりでは飽きられる可能性があります。キャンセル枠を割引で予約できるキャンペーンを使い、リアルタイムで価値のある情報を発信しましょう。
お客様の関心を引き続け、ブロックされるリスクを減らせられます。
その他の効果的な運用方法はLINEキャンパスで
上記の運用方法は基本的な内容でしたが、業種や店舗によって適切な運用方法に違いがあります。
詳細な運用方法を知りたい場合は、LINEが提供する学習サイト「LINEキャンパス」を確認しましょう。
無料で運用方法を学べるほか、LINEが提供する認定資格も取得できます。さらに深くLINEについて学びたいのなら活用してください。
LINEで予約機能を使う
LINE公式アカウントでは、店舗の来店予約機能があります。
来店予約機能を活用すれば予約が手軽になり、リピート顧客の獲得にも繋がります。ただし来店予約機能は、主に飲食店向けに提供されており、他業種での使用には外部予約サービスとの連携が必要です。
ご予約のストレスを大幅に軽減できることもLINEの大きな魅力です。電話予約だと忙しい仕事の合間を縫って予約を取らなければなりませんが、LINEだと隙間時間にパパっと済ますことができます。お客さまは忙しい方が多いですから、負担を減らすことはとても大切ですね。
電話予約だけでは、顧客満足度が下がる可能性があります。LINEの予約機能を導入できれば、接客や電話対応の手間を軽減し、スタッフの負担を減らしつつ、スムーズに予約管理ができます。
LINEの予約機能と併せてリザービアの活用もおすすめです。リザービアは幅広い業種に対応している予約システムで、LINEと連携して手軽に予約が取れます。これにより顧客の予約に対するハードルが下がり、来店率を高められます。
LINEでの予約はメッセージとして残るため、予約管理が容易になり、ミス防止にも役立ちます。顧客とのトラブルも減りやすいため、LINEとリザービアの併用はスムーズな営業に欠かせない存在となるでしょう。
LINE公式アカウントで集客を行った事例
LINE公式アカウントを使って、集客に成功できた事例をまとめました。
そもそもLINE公式アカウントは、機能の豊富さにメリットがある反面、自分に合った使い方を見つけるのが難しいという側面もあります。
そこで以下の事例を参考に、相性のいいLINE公式アカウントの使い方を見つけてください。
事例1:LINEの導入でスタッフが目の前の接客に集中できるようになった!
ヘアサロンで頻繁に電話対応してしまうと、何度も接客を中断してしまうため、顧客とのコミュニケーションが疎かになります。会話が途切れるたびに、会話内容を忘れて、不穏な空気になる可能性があります。
そこでLINEの予約機能を活用しましょう。
例えば、ヘアサロン「1001mille(ミル)」では、以前外部予約サービスを利用していましたが、現在はLINEの予約受付機能を導入しています。
これにより、顧客の5割がLINE経由で予約を行っています。さらにポイントカードを廃止し、ショップカードに集約した結果、電話予約が3割ほど減少しました。
スタッフが予約管理をしやすくなり、接客に集中しやすくなったという声も増えているそうです。
事例2:小規模サロンでも可能!自社集客システムをLINEで完結!
自社開発アプリで予約管理や集客に活用しているオーナーの中には、利用率が低くて困ってる人はいないでしょうか?
アプリをダウンロードしてもらう手間が影響して、利用率を高めている可能性があります。そこでLINE公式アカウントを活用しましょう。
例えば、ヘアサロン「HairSalonHOME」では、LINE公式アカウントを活用した結果、様々な成果を出しています。
お客様はLINE以外のアプリをダウンロードする必要がなく、使い慣れたLINEだけで予約ができるため、簡単に利用率が高められます。
お店の空席情報をメッセージ配信すれば、配信後1時間以内に5~6件の予約が入り、1日で10件以上の予約を獲得できているそうです。
事例3:LINEの導入でコスト削減と業務の効率化に成功!
飲食店でもLINE公式アカウントが効果を発揮している事例があります。
「すしの美登利」では、店頭に設置した端末やWebブラウザで順番待ち管理をしていましたが、LINE公式アカウントを導入した結果、大きな成果を出しています。
導入から3か月で友だちを4,000人集め、年間で約500万円のコスト削減を実現できました。メッセージ配信機能を活用して季節メニューの紹介を行った結果、おせちがわずか15分で完売できたそうです。
以前はスタッフが、店頭や電話での予約対応に追われていたため、大きな負担がかかっていました。
LINE公式アカウントの導入により、その負担が大きく軽減され、業務効率まで向上したそうです。売上もアップし、LINE公式アカウントの効果が顕著に現れたと考えられます。
まとめ
店舗集客のためにLINE公式アカウントを使えば、多くのメリットがあると紹介しました。
デメリットを感じる時もありますが、LINE公式アカウントの特徴を把握できていれば、使い方次第でデメリットはカバーできます。条件次第では無料で使用できるため、コスト削減にも役立つでしょう。
スマホ利用率が高い現在こそ、LINE公式アカウントの効果を実感しやすくなっています。店舗集客に困っているのなら試す価値があるツールです。
LINEをしっかりと運用するためには、LINEに携われるスタッフの確保も欠かせません。いつもスタッフが忙しく、LINE運用に関わる余裕がないと、せっかくLINEを集客に活かそうとしても中途半端に終わってしまう可能性があります。
これからLINE運用に力を入れようと考えている場合は、自社にマッチした人材の採用も検討してみてください。
- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部