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店舗マニュアルのテンプレート集!作成手順や便利なツールも紹介

店舗マニュアルのテンプレート集!作成手順や便利なツールも紹介

店舗運営を効率化し生産性を向上させるために、店舗マニュアルが効果的です。店舗運営の基本や接客に関するルールをマニュアルに記載すると、新人教育を効率化して、接客サービスの均一化を図れます。

店舗マニュアルをはじめから作成する場合は、項目選定やデザイン決めに時間がかかります。そこで本記事では、店舗マニュアルに活用できるテンプレート例を解説します。

マニュアル作成のコツやおすすめのテンプレート作成ツールをあわせて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

店舗マニュアルが必要な理由

店舗マニュアルが必要な理由は、主に次の5つです。

  1. 均一なサービスを提供できる
  2. 新人育成を効率化できる
  3. 業務効率を向上できる
  4. コンセプトや想いを浸透させられる
  5. 業務の抜け漏れを防止できる

それぞれの理由を確認して、店舗マニュアルを作成するべきか検討しましょう。

理由1.均一なサービスを提供できる

店舗マニュアルを作成すれば、均一なサービスを顧客に提供できます。顧客にとって、対応するスタッフごとにサービスの質が変わる店舗は、信頼できないものです。

サービスが均一化されていない店舗は、顧客の信頼を獲得できず、売上を安定させられません。

誰が対応しても均一化したサービスを提供できるよう、店舗マニュアルで接客ノウハウや企業コンセプトを統一しましょう。

店舗マニュアルによって、サービスの質を均一化すると顧客満足度を向上させ、既存顧客の定着率向上につながります。

理由2.新人や未経験者の育成を効率化できる

店舗マニュアルを作成すると、新人や未経験者の育成を効率化できます。マニュアル通りに接客対応や施術をしてもらうことで、顧客満足度の向上が期待でき、高いリピート率を見込めます。

実際にマニュアルを新人教育に活用して、95%という高いリピート率を達成したケースもあります。

弊社は「技術」「接客」「肌について」、3つのマニュアルを用意しています。これらは全て私の15年ほどの美容業経験をベースに作成しています。

総ページ数は200ページ超えとかなりボリュームがあり、読み解くのに時間がかかるのですが(笑)。マニュアルをマスターすれば、未経験者でも95%のリピート率が見込めるコツが分かるようにしました。「本当?」と思われるかもしれませんが、実際にエステ未経験だったアイリストの方にマニュアルを元に勉強いただいた結果、研修後にはリピート率95%を達成しているんですよ。

引用: モアリジョブ|未経験者でもリピート率95%を獲得!売上&ブランド力を維持する独自の「マニュアル」とは!?【エステサロン経営者 佐々木沙織さん】#2 」

理由3.業務効率を向上できる

店舗マニュアルに沿って接客やサービスを実施すれば、新人スタッフでも短時間で業務を修得できます。

マニュアルに接客の手順やノウハウ、サービス提供のフローが記載されており、顧客の来店から退店までの業務スピードを向上できます。

次に何をするべきか考える時間を省き、マニュアル化されたフローでサービスを提供できるため、効率的に業務を進められます。

業務効率の向上によって生産性を向上させれば、売上が増加するだけでなく、従業員の負担を軽減できます。

理由4.コンセプトや想いを浸透させられる

店舗マニュアルを導入すれば、接客ノウハウやサービスの手順が明確になるだけでなく、店舗のコンセプトや経営者の想いを従業員に浸透させられます。

店舗のコンセプトや経営者の想いを従業員に浸透させていない場合、対応するスタッフごとに接客で重要視する基準やスタイルが異なるため、サービスの質に差が生じやすいです。

経営者の想いや店舗のコンセプトを従業員に浸透させると、統一感のあるサービスを提供できます。また、コンセプトを従業員に浸透させ、経営者の想いを反映した店舗づくりを実現できます。

理由5.業務の抜け漏れを防止できる

店舗マニュアルを活用することで、業務の抜け漏れを防止できます。

業務の抜け漏れは、サービスの質を低下させ顧客満足度の低下やクレームにつながるため、徹底的に防止しなければなりません。

特に新人スタッフの場合、業務手順や注意点を習熟できておらず、業務の抜け漏れが起きる可能性が高いです。マニュアルに必要な業務や接客手順を記載しておくことで、業務の抜けや漏れを防止できます。

従業員の業務負担を軽減し、顧客満足度を向上させるために、店舗マニュアルが必要です。

店舗マニュアルに活用できるテンプレート例

店舗マニュアルに活用できるテンプレート例として、次の項目を紹介します。

  • 基本ルール
  • 接客ルール
  • 新人育成ルール

上記の項目は、店舗マニュアルに記載するべき主な内容です。

それぞれの項目別に定めておくべき具体的なルールを解説するため、自社のマニュアルを作成する際の参考にしてください。

基本ルール

店舗マニュアルには、店舗運営に関する基本的なルールを定めましょう。基本ルールとして、次のような業務に関するマニュアルが必要です。

  • 店舗オープン・クローズ
  • 売上管理・商品管理
  • レジ操作
  • 勤怠・シフト
  • 導線設計・レイアウト

それぞれの業務に関する基本ルールを定めて、店舗の運営を効率化しましょう。

店舗オープン・クローズ

店舗オープン・クローズに関するルールを定めておけば、開店準備から閉店作業に費やす業務時間を短縮できます。

例えば、店舗オープンのルールに関しては、次の業務をマニュアル化しましょう。

  • 店舗の開錠
  • 店内の清掃
  • 商品棚の補充
  • 機器や設備の清掃
  • 音楽や空調のセッティング
  • 朝礼

店舗オープンに関するルールを定めると、新しい従業員が一人で開店準備をする際にも、円滑に業務を進められます。

同じように店舗クローズに関するルールを定めると、閉店作業を効率化し、売上金の管理やセキュリティ対策を徹底できます。

店舗クローズに関するルールを定めておけば、閉店作業にかかる時間を短縮し、残業時間の削減が可能です。

店舗マニュアルに定めておくべき閉店作業のルールとして、次のようなものがあります。

  • 売上金管理
  • レジ締め
  • 機器や設備の停止
  • 店舗の閉錠
  • セキュリティ対策
  • 終礼

閉店作業は、レジ締めやセキュリティ対策など責任感が重要な役割が多いため、店舗マニュアルでルールを徹底しておきましょう。

売上管理・商品管理

売上管理と商品管理のポイントを示すと次の通りです。

売上管理

売上管理には、日々の売上金額の記録だけでなく、朝礼での目標設定や予算管理も含まれます。また、売上を向上させる施策の立案や、売上金の銀行口座への入金作業も一連の業務としてマニュアル化しましょう。

商品管理

商品や備品の発注・管理も重要です。ルールを整備すると、在庫不足による機会損失や過剰在庫による損失を防止できます。発注は市場の需要に応じて行い、適切な在庫量を維持することが求められます。

発注先の業者に関する連絡先や担当者名、在庫管理ツールの使用方法などをルール化し、誰が担当しても適切な在庫量を確保できるようマニュアル化してください。

レジ操作

レジ操作に関するルールをマニュアル化しておけば、店舗業務に不慣れな新人スタッフも安心して業務を遂行できます。具体的には次の業務をマニュアル化すると、レジの業務経験のないスタッフでも適切に会計処理をしやすくなります。

  • レジ操作
  • レジ締め
  • レジを通じたお客さまとのやり取り
  • クーポンの使い方や期限、ポイントの加算方法や利用方法

例えば、コンビニなどのレジ業務では、商品のスキャンだけでなく公共料金や収入印紙の販売まで担当するため、覚えるべきルールが煩雑化します。

店舗マニュアルにレジ業務に関するオペレーションや注意点を明記して、万が一トラブルが発生した際の緊急対応についても記しておきましょう。

勤怠・シフト

従業員の勤怠やシフトに関するルールも、店舗マニュアルに記載しておくべきです。

例えば、正社員やアルバイトの稼働時間や公休数の管理、シフトを提出する際の期限やスケジュールなど細かいルールを設定しましょう。

休み希望はいつまでに提出し、シフトをいつまでに公開するかスケジュールを明確化すると、従業員がプライベートの予定を立てやすくなります。

突発的な休みや遅刻を連絡する手段や、緊急時に早退する際のルールをマニュアル化しておけば、急な遅刻や早退に対応できます。

また勤怠の打刻方法や給与計算方法をマニュアルで定め、管理者向けにシフト表のテンプレートを共有しましょう。

導線設計・レイアウト

店舗の導線設計やレイアウトをルール化しておけば、多店舗展開に備えられます。

従業員が作業しやすい導線を確保し、顧客のリピート率を高めるためにおしゃれなレイアウトを意識することで、売上増加につなげられます。

商品の配置や店内のレイアウトによって、お客さまの滞在時間が変わるため、導線設計とレイアウトのルールを定めておくことが大切です。

また、入口付近は店舗の顔となる部分なので、季節感や限定性の高い商品を陳列しておきましょう。

お客さまを店内の奥まで誘導できるような導線を意識して、商品のレイアウトを工夫してください。

接客ルール

店舗マニュアルに記載するべき主な接客ルールは、次のとおりです。

  • 接客の心構え
  • 身だしなみ・言葉遣い
  • トークスクリプト
  • 接客の流れ
  • クレーム対応

それぞれのルールに関するマニュアルを作成して、店舗の接客スキルを向上させましょう。

接客の心構え

接客の心構えをマニュアルで定めると、接客サービスの均一化を図れます。

接客の基本は「お客さまに喜んでもらうこと」であり、常に相手の立場になって物事を考えるホスピタリティの精神が必要です。

静岡県飲食業生活衛生同業組合の「飲食店新規従業員接客マニュアル」では、接客サービスの心構えとして、次の基本ルールが定められています。

「最低限守るべき接客サービスの3つの心構え」

  1. 笑顔で明るく
  2. はっきりと気持ちの良い声
  3. 丁寧な対応

「お客さまが不快に感じる従業員の言動」

  1. 不快な服装、身だしなみ(ぼさぼさの髪・厚化粧・香水・爪や制服の汚れなど)
  2. 声がぼそぼそと小さい
  3. できません、わかりません(わからなくても対応するようにしましょう)
  4. 特定の政党、宗教、球団を話題にする(思想や好みに違いがある話題は避けます)
  5. お客さまから言われた言葉を修正する
    お客さま:「お水をください。」
    従業員:「チェイサーをお持ちいたします。」
  6. 従業員同士のおしゃべり(お客さまを大事にしていないと思われます)
  7. 柱や壁に寄りかかる
  8. 腕組みをする
  9. 髪をさわる(飲食店の場合は口に入れる食材を扱うため、不潔な印象を与えてしまいます)
  10. お見送りをせずに片付けを始めてしまう

引用元:飲食店新規従業員接客マニュアル【最低限知っておくべき接客の9つの基本】|静岡県飲食業生活衛生同業組合

最低限守るべき接客ルールと、お客さまを不快にさせないためのNG言動をマニュアルに記載して、お客さまが快適なサービスを受けられるよう質の高い接客スキルを教育してください。

身だしなみ・言葉遣い

身だしなみと言葉遣いは、接客の質を左右する重要な項目です。

どれだけ店舗が綺麗でサービスの質が良くても、従業員の身だしなみや言葉遣いが悪いと、顧客満足度の低下につながります。

例えば、厚生労働省の「生産性&効率アップ必勝マニュアル」では「接客8大用語」として次の言葉を自然に使えるよう、トレーニングするよう推奨しています。

  1. いらっしゃいませ
  2. ありがとうございました
  3. かしこまりました
  4. 申し訳ございません
  5. 恐れ入りますが
  6. 少々、お待ちくださいませ
  7. お待たせいたしました
  8. またお越しくださいませ

引用元:生産性&効率アップ必勝マニュアル|厚生労働省

また「生産性&効率アップ必勝マニュアル」を参考に自社ルールを策定しましょう。

1_男性の身だしなみにいてのマニュアル例

2_女性の身だしなみについてのマニュアル例

例えば、飲食店や小売店では明るい髪色はNGとされますが、美容院やネイルサロンのような職種では問題ないケースがあります。

自社の店舗特色に合った身だしなみと言葉遣いをマニュアルで規定し、お客さまに不快な想いをさせない接客を心がけましょう。

トークスクリプト

トークスクリプトは、お客さまとの会話の流れをマニュアル化したものです。

店舗マニュアルに、頻繁に発生する接客のケースを例にして、トークスクリプトを定めておけば大まかな流れを把握できます。

コンビニやスーパーを例にすると、次のようなスクリプトを作成しましょう。

  1. 従業員「いらっしゃいませ。ポイントカードはお持ちでしょうか」
    ・お客さまがポイントカードを持っていない場合 → 2.へ進む
    ・お客さまがポイントカードを持っている場合 → 4.へ進む
  2. 従業員「当店のポイントカードは、1ポイントと1円としてご購入代金から差し引いたり、ポイントを利用してキャンペーン商品と交換したりできます。」
    ・ポイントカードを作る場合 → 3.へ進む
    ・ポイントカードを作らない場合 → 4.へ進む
  3. 従業員「かしこまりました。こちらの用紙に電話番号と氏名・住所などの登録事項をご記入ください。」 → ポイントカード作成手続きへ進む
  4. 従業員「かしこまりました。またの機会をお待ちしております。
  5. 従業員「〇〇円が1点...」 → 商品をスキャンしていく
  6. すべての商品をスキャン後 → 従業員「お会計〇〇円です」
    ・お会計ちょうどの金額を渡された場合 → 7.へ進む
    ・お釣りが発生する金額を渡された場合 → 8.へ進む
    ・クレジットカードでの支払いの場合 → 9.へ進む
    ・バーコード支払いの場合 →10.へ進む

上記は一例ですが、店舗マニュアルに記載する場合は、他にも想定できるケースを洗い出しておきましょう。

あらゆるケースを想定しておくことで、新人スタッフが対応しても慌てることなく、丁寧に対応できます。

また、店舗マニュアルにトークスクリプトを記載しておけば、新人教育の際にスクリプトをもとにした接客練習ができるため便利です。

接客の流れ

お客さまが来店してから退店するまでに行う接客の流れをマニュアル化しておけば、スムーズな対応を実現できます。

例えば、「生産性&効率アップ必勝マニュアル」では電話のマナーとして、次のような流れを想定してルール化しています。

  1. 電話が鳴ったらできるだけ早く出る
    →お待たせした場合は最初に「お待たせしました」と付け加える
  2. 電話に出る時は、お礼を述べて名乗る
    →「お電話ありがとうございます。○○ ( 会社名・店名 ))の□□でございます」
  3. 用件を復唱する
    →「○○については、□□□・・ということでよろしいでしょうか?」
  4. 転送する場合は、転送先にお客さまの要件を伝える
    →お客さまが繰り返し用件を伝えることがないよう配慮する
  5. お客さまが先に電話を切ったことを確認して電話を切る

引用元:生産性&効率アップ必勝マニュアル|厚生労働省

トークスクリプトと合わせて一連の流れをマニュアル化しておけば、どのようなお客さまが来店してもスムーズに対応できるため安心です。

お客さまに商品・サービスを提供するまでの流れだけでなく、アフターケアに関するルールや手順まで記載しておくと、スタッフにも伝わりやすいでしょう。

クレーム対応

お客さまからクレームを受けた際の対応をマニュアル化すると、万が一にトラブルが発生した際に、適切な対応ができます。

生産性&効率アップ必勝マニュアル」で定めているクレーム対応のマニュアルは、次のとおりです。

3_クレーム対応マニュアル

さらにクレーム対応におけるポイントを、次のように定めています。

  • 初動をはやく
    →対応が遅れるほどイライラがつのる
  • お互い落ち着いて話す
    相手を落ち着かせる「3つの変える」
    ・場所を変える=応接室など場所を変えてクールダウンを目指す
    ・相手を変える=担当者では納得いただけない場合には、責任者に代わりクールダウンを目指す
    ・時間を変える=原因を調べる等時間を空けることでクールダウンを目指す
  • 傾聴行動を示す
    あいづち、うなずき、メモ、復唱などで「聴いている」ことを表現する
  • クッション言葉をうまくつかう
    ・恐れ入りますが
    ・お手数ですが
    ・ご多忙とは存じますが
    ・お差し支えなければ
  • 悪質・不当要求を見極める
    →暴力、繰り返し、こちらに話をさせない、営業妨害などは専門家に相談する

引用元:生産性&効率アップ必勝マニュアル|厚生労働省

クレーム対応は、顧客満足度の向上とリピート購買の促進につながるため、店舗運営において重要です。

クレームに対して適切な対応ができれば、お客さまの不満や不信感を払拭し、信頼関係を構築できます。

適切なクレーム対応によって、店舗に何度も訪れるリピーターをつくれるため、店舗マニュアルにクレーム対応のルールを記載しておきましょう。

新人育成ルール

店舗運営の基本ルールと業務・接客に関するルールだけでなく、新人育成ルールをマニュアル化しておくことが大切です。

新人育成を適切に行えなければ、店舗内の人材が育たずに離職につながる可能性があります。

人材のスキルアップと定着率向上を促進するため、次の項目に関するルールをマニュアル化しましょう。

  • 教育内容・スケジュール
  • 実践形式での研修
  • 閉店後の練習・指導
  • 安全衛生教育

それぞれのルールをマニュアル化して、優秀な人材を育成できる体制を整えましょう。

教育内容・スケジュール

新人育成には、教育内容とスケジュールの計画が欠かせません。

業務ごとのスキルアップを目指し、段階的に新人スタッフを育てることで、安心して店舗を任せられる人材へ成長させられます。

下記は、厚生労働省が公表した「新入社員研修スケジュール」の一例です。

4_新人教育スケジュール1

5_新人教育スケジュール2

教育する内容や担当者、具体的な教育手順などをマニュアルで定めることで、新人教育の際に一から計画を立てる手間を軽減できます。

実践形式での研修

新人育成は、大きく分けて次の3種類です。

  • 座学による研修
  • 実践形式のOJT研修
  • eラーニングなどを活用した自己学習

座学による研修は、教育する内容や教材をマニュアルで定めておけば、スムーズに新人教育を実施できます。

しかし実践形式のOJT研修は、現場である店舗に立って実働するため、新人スタッフの習熟度や理解度を把握しにくいです。

そのため、OJT担当者が新人育成計画を立てて、育成目標や現状の課題を可視化する必要があります。

厚生労働省の「OJT推進体制」が公開している新人育成計画書のテンプレートは、次のとおりです。

6_新人育成計画書

上記のテンプレートでは、1年度の成長目標と3年度の成長目標を定め、具体的な育成内容と方法を記入することで新人育成計画を立てます。

自社の職種や運用形態に適した育成計画書を作成して、店舗マニュアルに記載しておきましょう。

閉店後の練習・指導

店舗マニュアルに閉店後の練習や指導に関するルールを定めておくと、新人スタッフと先輩スタッフの双方に負担がかからない育成計画を立てられます。

例えば「練習で使用する食材は廃棄分から使用する」など、練習で備品や食材のロスが出ないようルールを決めておきましょう。

また新人スタッフの練習に先輩スタッフが付き合う場合、長時間の練習は双方の負担になるため注意が必要です。

「閉店後の練習は1日2時間まで」「閉店後の練習は時間外なので給与は発生しない」など、自主練習に関するルールを明確化しておきましょう。

安全衛生教育

新人育成では、安全衛生教育を実施することが大切です。安全衛生とは、労働者の安全と健康を守り、快適な職場環境を形成するための取り組みです。

厚生労働省が公表した「未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル」によると、労働者の死傷災害(休業4日以上の労働災害)は、経験年数3年未満の従業員が起こすケースが全体の4割以上を占めています。

7.経験年数別死傷災害の状況(製造業)

※厚生労働省の「未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル」をもとに作成

経験が浅い従業員ほど重度の労働災害を引き起こす可能性が高いため、新人育成の際に安全衛生教育を実施する必要があります。具体的には、次のような内容を教育しましょう。

  • 正しい作業服装の着用
  • 作業手順の励行
  • 4S・5Sの励行
  • ヒヤリ・ハット活動
  • 危険予知訓練(KYT)
  • リスクアセスメント
  • 危険の見える化

また、従業員の健康状態を確認するために、業務前のKY活動(危険予知活動)が必要です。

厚生労働省が公表した「KY活動に関する資料」では、健康に関するセルフチェックと管理者が従業員の健康をチェックする項目の一例が紹介されました。

「セルフチェック項目」

  1. 頭痛がする
  2. めまいがする、ふらつき、耳鳴りがする
  3. 手足にしびれ・けいれん・筋肉痛がある、腰が痛い
  4. 腹が痛い、下痢をしている
  5. 咳、くしゃみ、鼻水
  6. 熱がある、だるい、寒気がする
  7. だるい、ねむい
  8. その他(自覚症状)

「リーダーが従業員に実施する健康観察5項目」

  1. 姿勢(シャンとしているか、うなだれていないか)
  2. 動作(キビキビしているか、ダラダラしていないか)
  3. 顔・表情(イキイキしているか、明るいか、むくんでいないか)
  4. 目(キリッと澄んでいるか、血走っていないか)
  5. 会話(ハキハキとしているか、声の大きさ・ハリは)
    その他(必要があれば体温・脈拍・呼吸数を検査する(従業員一人ひとりよく観察して異常をつかむ)

「健康問いかけ項目」

  1. よく眠れましたか?すっきり起きられましたか?
  2. どこか痛いですか?だるさはありますか?
  3. 食欲はどうですか?食事はおいしいですか?
  4. 熱はありますか?動悸がありますか?
  5. 医者に診てもらいましたか?くすりを飲んでいますか?
  6. 夜更かしましたか?疲れはとれましたか?
  7. 遅くまで飲みましたか?飲みすぎていませんか?
    その他 親が子を思う気持ちで具体的に問いかける

引用元:KY活動 1 健康確認のねらいと内容|厚生労働省

上記のテンプレートを参考に、自店舗に適した項目を作成して、安全衛生を促進しましょう。

店舗マニュアルを作成する際の流れ

店舗マニュアルを作成する際の流れは、次のとおりです。

  • スケジュールと目標を決める
  • 企画書の作成
  • 現状の課題や改善点を整理する
  • 大まかな構成を作成する
  • マニュアルを作成し試運転する
  • 結果を検証し改善する

上記の流れに沿えば、スムーズに店舗マニュアルを作成できます。店舗マニュアルを作成する際の参考として、それぞれの流れを確認しておきましょう。

スケジュールと目標を決める

店舗マニュアルを作成する際は、スケジュールと目標を決めておきましょう。

マニュアル作成に費やす期間が定まっていない場合、他の業務との兼ね合いで先伸ばしになる可能性があります。運用開始日が決まっている場合は、逆算してマニュアル作成のスケジュールを組みましょう。

また、店舗マニュアルを作成する目標を決めておくことで、どのようなルールを決めるべきか明確にできます。スケジュールと目標を決めてから、店舗マニュアルの作成計画を立てましょう。

企画書の作成

店舗マニュアルの作成計画を立てるために、企画書を作成しましょう。

企画書を作成する際は、マニュアルの目的と用途を決めるために、5W1Hを活用してください。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

5W1Hを活用して、店舗マニュアルが必要な理由や作成するスケジュールと担当者などを決めてください。

現状の課題や改善点を整理する

店舗マニュアルを作成する際は、現状の課題や改善点を整理することが大切です。

店舗で働く従業員にヒアリングやアンケートを実施することで、現場が感じるリアルな課題や改善点を把握できます。

また、店舗の課題や改善点を整理する際は、従業員の立場だけでなくお客さま視点で考える必要があります。

サービスを受けるお客さまが「また利用したい」と思える店舗運営ができなければ、常連客を定着できず売上が改善しません。

厚生労働省が公表した「生産性&効率アップ必勝マニュアル」では、顧客満足度を向上させるためのチェックリストとして、以下のテンプレートを紹介しています。

お客様とのさりげない会話を通して、お店の商品・サービスに対する満足度を収集すれば、現状の課題や改善点を把握することが可能です。

チェック結果から課題を分析すれば、より顧客満足度が高い店舗運営を実現できます。

大まかな構成を作成する

店舗マニュアル作成に関する企画書と現状の課題を把握できた後は、大まかな構成を作成しましょう。

業務の大まかな流れやマニュアルに記載する項目を明確化しておけば、店舗マニュアルの構成を作成しやすいです。

またマニュアルを作成する際に、1人の担当者で作業を進めると主観が入ってしまうため、複数人の意見を取り入れることが大切です。

大まかな構成を作成し、項目に適した役割分担を決めて、記載するべきルールを決めましょう。

マニュアルを作成し試運転する

構成に従ってマニュアルを作成した後は、試運転します。実際にマニュアルを使用して店舗運営し、業務効率や顧客満足度が改善されたか検証する必要があります。

マニュアルを試運転する際は、1週間や1カ月など短期間で実施して、本採用するべきか検討しましょう。

結果を検証し改善する

マニュアルを試運転した結果を検証するために、従業員がお客さまの立場で効果を測定する必要があります。

また、お客さまにアンケートを実施して、顧客満足度の調査を行えば、リアルな検証結果を把握できます。

検証結果から、新たに改善するべき項目や内容を明確化し、より顧客満足度と生産性を向上できる店舗マニュアルへ改良してください。

店舗マニュアルを作成する際のコツ

店舗マニュアルを作成する際のコツは、次のとおりです。

  • 読み手の立場で作成する
  • 5W1Hを意識する
  • 伝えたい内容を明確に簡潔化する
  • 新人にもわかりやすい表現をする
  • 視覚的にわかりやすくする

上記のコツを押さえて、誰が読んでもわかりやすい店舗マニュアルを作成しましょう。

読み手の立場で作成する

店舗マニュアルは、読み手の立場で作成することが大切です。例えば、文章ばかりで構築されたり難しい専門用語が使用されていたりするマニュアルは、読みづらく内容を理解しにくいです。

具体性に欠けるマニュアルは、実際に何をするべきか明確な行動をイメージしにくいため、実践しにくいデメリットがあります。

店舗マニュアルの主な読み手は新人スタッフになるため、わかりやすい表現を意識して書くことが大切です。

現場や設備の写真やイラストを交えて解説すると、わかりやすく表現できます。

都内の青山にある美容サロンで全店舗の接遇部門責任者をしている店長兼接遇部門代表の石塚さんは、新人教育で気を付けているポイントについて、次のようにコメントしています。

指導をする際は、何故出来ないのか、どこがわかりづらいかなど教わる側の立場になって考えるようにしています。出来て当たり前という概念をなるべくなくすように心がけています

引用元:モアリジョブ|美容サロン「MINX」店長 石塚マサトさん

ベテランの感覚で「できて当たり前」「なぜわからない」と、自分たちができることを当たり前だと捉えず、新人スタッフの立場になって教育することが大切です。

5W1Hを意識する

店舗マニュアルを作成する際は、5W1Hを意識すると内容をまとめやすいです。

例えば、閉店作業のレジ締めに関するマニュアルを作成する際は、次のようにまとめましょう。

  • When(いつ)「閉店時間から実際に店舗を閉めるまでの22時~23時の間に」
  • Where(どこで)「レジで」
  • Who(誰が)「ラストまでシフトに入っている従業員が」
  • What(何を)「レジの売上金を」
  • Why(なぜ)「その日の売上金を把握して、レジ内のお金を銀行に入金するため」
  • How(どのように)「レジ内の金銭を集計し、入金袋に入れてレジを施錠する」

5W1Hを意識して業務手順やルールを記載すれば、誰が読んでもわかりやすい内容でマニュアルを作成できます。

伝えたい内容を明確に簡潔化する

店舗マニュアルは、過剰な説明がされている長文では、読み手が内容を理解しにくいです。伝えたい内容を明確に簡潔化することで、わかりやすいマニュアルを作成できます。

マニュアルで伝える内容は、次の3点を意識してください。

  • 業務を行う意味や目的
  • 業務全体の流れ
  • 求められる水準

また、一文につき1つの動作を目安にマニュアルを作成すると、内容が複雑化しません。

新人にもわかりやすい表現をする

新人にもわかりやすい表現をすると、新人スタッフが店舗マニュアルを読んだ際に、内容を理解しやすいです。

店舗マニュアルの読み手は新人スタッフである可能性が高いため、専門用語や店舗独自の略語は使用しないでください。

美容サロンで新人教育を担当する阿部さんは、教育に関して次のような点を大変だと感じています。

どういう説明や指導をしたらわかってもらえるのか、どういう説明をしたらわかりやすいのか毎年悩みながら教えています。

引用元: モアリジョブ|美容サロン「MINX」スタイリスト 阿部由菜さん

新人スタッフにわかりやすく説明するには、新人の立場になって物事を考えなければなりません。

新人スタッフが内容を理解しやすい店舗マニュアルを作成し、疑問点や不安点を解消できるよう対処できれば、学ぶ意欲を育めます。

出来なかったり、わからないことが解決できる環境を作ってあげることで、どんどん意欲も湧き、「知ろう、学ぼう」という姿勢につながると思います

引用元:モアリジョブ|美容サロン「MINX」スタイリスト 阿部由菜さん

マニュアルでわからない点があれば、気軽に相談できる環境を整えておけば、実際に新人スタッフがマニュアルを読んでわかりにくかった点を改良できます。

視覚的にわかりやすくする

店舗マニュアルは、イラストや画像・動画を組み込んで、視覚的にわかりやすくすることが大切です。

文章だけの説明ではなく、イラストや画像・動画を取り入れたマニュアルにすることで、初めて業務に携わる新人スタッフでも、業務手順や注意点を把握できます。

厚生労働省が公表した「多店舗展開している飲食業-職場の危険の見える化-」では、次のようにイラストを取り入れて、視覚的にわかりやすいマニュアルを作成しています。

誰が読んでも直観的に内容を理解できるよう、写真や画像を活用して視覚的にわかりやすいマニュアルを作成しましょう。

店舗マニュアルに活用できるテンプレート作成ツール6選

店舗マニュアルを作成する際には、テンプレート作成ツールの活用がおすすめです。

テンプレート作成ツールを活用すれば、デザインや項目を考える手間がかからず、マニュアル作成に費やす時間を削減できます。

店舗マニュアルに活用できるおすすめのテンプレート作成ツールは、次の6つです。

  • bizocean
  • Microsoft
  • SILAND.JP
  • bizroute
  • テンプレートBANK
  • [文書]テンプレート

それぞれの特徴を確認して、店舗マニュアルを作成する際に活用しましょう。

bizocean

bizoceanは、無料テンプレート2.9万点、会員登録者358万人を超えるテンプレートサイトです。

主にビジネスパーソンを対象としており、WordやExcel・パワーポイントで利用できるテンプレートが豊富に用意されています。

ビジネスシーンで活用できるテンプレートのカテゴリーは、主に次のとおりです。

  • 社内文書・社内書類
  • 社外文書
  • 営業・販売書式
  • 企画書
  • 契約書
  • 経理・会計・財務書式
  • 人事・労務書式
  • 総務・庶務書式
  • マーケティング・販促・プロモーション書式
  • 業種別の書式
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他にもハガキや画像に関するテンプレートも多く揃えており、一部には有料のテンプレートもあります。

しかし多くのテンプレートは無料会員登録すれば利用できるため、店舗マニュアルの作成を効率化したい方におすすめです。

参照元:【bizocean(ビズオーシャン)】テンプレートとハウツーを共有、業務効率を支援する

Microsoft

Microsoftは、Word・PowerPoint・ExcelなどOfficeソフトを開発・運営しており、さまざまなテンプレートも用意しています。

公開されているテンプレートはプロがデザインしたおしゃれなものが多く、誰が見ても読みやすいマニュアルをすぐに作成できます。

テンプレートをもとにフォントやカラーを自由にカスタマイズできるため、自店舗の特色に合わせたマニュアル作成が可能です。

参照元:ソーシャル メディア、ドキュメント、デザイン用の無料テンプレート | Microsoft Create

SILAND.JP

SILAND.JPは、WordやExcelの無料テンプレートを公開しているサイトです。

会員登録不要で利用でき、ソフトをインストールせずに利用したいテンプレートを圧縮ファイルで解凍するだけで、簡単に使用できます。

操作マニュアルや運用マニュアルのテンプレートは、表紙・目次・本文ページとマニュアルに必要な構成が揃っており、自由にカスタマイズできます。会員登録の手間やテンプレートの利用料金を支払いたくない方におすすめです。

参照元:エクセル・ワードをもっと簡単便利に!無料テンプレートで業務効率化 | SILAND.JP(しらんど)

bizroute

bizrouteは、ソフトウェア開発やWebサイト制作などを行っている株式会社エクシアが運営するオンラインメディアです。

ビジネスに役立つツールを多数紹介しており、次のような部門で活用できるテンプレートを取り扱っています。

  • 総務
  • 営業
  • 人事
  • 経理
  • 開発
  • その他

テンプレートは、WordやExcelで活用でき、カラーとモノクロの2種類から選べます。店舗マニュアルに活用できるテンプレートとしては、次のようなものがおすすめです。

  • 業務マニュアル
  • 作業手順書
  • 業務引継書

参照元:ビズルート

テンプレートBANK

テンプレートBANKは、無料で6,000種類以上のテンプレートをダウンロードできるサイトです。

会員登録不要・利用料金無料で、さまざまな種類のテンプレートを使用できるため、170万人以上が利用しています。

ビジネスシーンで使用できる書類テンプレートから、イラストや画像・ハガキのテンプレートを揃えており、仕事だけでなくプライベートでも利用できるサイトです。

なお、一部のテンプレートは利用料金が発生するものもあるため、使用する前に確認しておきましょう。

参照元:ビジネス支援テンプレート&商用利用無料のイラスト・写真素材集のテンプレートBANK

[文書]テンプレート

[文書]テンプレートは、240種類以上のカテゴリーからテンプレートを探せるサイトです。

案内文・連絡文・依頼書など、さまざまな文書のテンプレートが用意されており、店舗マニュアルに活用できるものとして、次のようなテンプレートがあります。

  • 業務マニュアル
  • システム構築(移行・複製)マニュアル

上記の2種類から、使いやすさと見やすさを比較して、自店舗に適したテンプレートを活用してください。

参照元:[文書]テンプレートの無料ダウンロード

まとめ

店舗マニュアルのテンプレートを活用する際の重要なポイントは、次のとおりです。

  • 現状の課題や課題点を把握した上で構成を考える
  • まとめにくい内容は5W1Hを意識する
  • 誰が読んでもわかりやすいデザイン・文面にする
  • 読み手の立場になってマニュアルを作成する

店舗運営の質を向上させるために、テンプレートを活用して店舗マニュアルを作成しましょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。