店舗オペレーションを改善すれば、業務効率の向上や業務負担の軽減につながります。
店舗運営の生産性を向上させたい方は、店舗オペレーションに含まれる内容を確認して、具体的な改善策を考案しましょう。
本記事では、店舗オペレーションを改善する際のポイントを詳しく解説します。店舗オペレーションを改善する手順や導入するメリットをあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
店舗オペレーションとは
店舗オペレーションとは、店舗運営に必要な業務手順や従業員の配置をマニュアル化することです。
オペレーションは、「作業」や「業務」の意味を持ち、店舗運営においては接客やサービス提供の方法や手順が当てはまります。
店舗オペレーションを定めると、お客さまの案内やレジ操作、サービス説明の方法などを統一できます。
一方で店舗オペレーションに問題があると、業務効率やサービス品質が低下して、次のように顧客満足度が低下する要因につながるため注意が必要です。
「お客さまへのサービス提供が遅延する」
「レジに並ぶお客様への対応が遅くなる」
店舗オペレーションを見直して、顧客満足度の向上を図りましょう。
店舗オペレーションに含まれる業務内容
店舗運営を効率化するためには、はじめにオペレーション化できる業務内容を洗い出す必要があります。具体例を挙げると、次のとおりです。
- 開店・閉店準備
- 接客業務
- 在庫管理
- サービス提供
- 会計・レジ業務
- 本部連絡
- 緊急時の対応
上記の業務内容を確認して、店舗オペレーションを改善する参考にしてください。
開店・閉店の作業
開店準備と閉店作業についてオペレーションを考えてみましょう。
開店準備
開店準備に含まれる業務内容として、以下が挙げられます。
- 店舗の清掃
- レジの立ち上げ
- 食材や備品のチェック
- 道具や機器のチェック
- 朝礼
朝礼は、業務に関連した情報を従業員に共有するために欠かせません。
閉店作業
1日の終わりには、店舗を閉めて次の営業に備えるための閉店作業を実施します。
- 当日の売上金のチェック
- レジ閉め
- セキュリティ対策、確認
- 店舗の清掃
- 道具や機器の片付け、清掃
閉店作業では、売上金やセキュリティの管理など責任感をもって取り組むべき業務内容が多く発生します。
接客業務
店舗でお客さまと向き合う仕事では、接客業務をオペレーション化する必要があります。
具体例として以下が挙げられます。
- 来店時のあいさつや案内
- 注文
- 会計
以上はサービスの提供には欠かせないルーティンワークなので、オペレーション化すると円滑な店舗運営が可能です。
ルーティンワークの他に、クレーム対応や特別なニーズを持つお客さまへのイレギュラーな対応もオペレーション化すると、従業員が慌てずに対応ができます。
またお客さまに対して均一な接客を提供できるため、顧客満足度の向上が期待できます。
在庫管理
在庫管理は、仕入れから食材や備品の検品、在庫処分を行う業務です。
適切に在庫管理ができていないと、お客さまが商品やサービスを求めた際に在庫切れを起こしたり、過剰在庫によって廃棄コストがかかったりして、利益率の低下につながります。
特に飲食店やスーパーなど食料品を扱う店舗では、在庫管理を適切に行わなければ、賞味期限切れの食材をお客さまに提供し食中毒を引き起こす可能性があります。
期限切れの食材や商品を提供した場合、クレームや損害賠償請求につながるため、十分に注意しなければなりません。
在庫管理のオペレーションを整備し、期限切れの食材や資材の管理、市場の需要に備えて発注しましょう。
市場の需要を予測せずに仕入れると、廃棄量が増えてしまいます。近年は世界的にフードロスが推奨されており、廃棄を出さない適切な仕入れ予測が求められます。
サービス提供
店舗でお客さまに提供するサービスも、オペレーション化できる業務の1つです。各店舗のサービス内容について具体例を挙げると次の通りです。
- 飲食店:キッチンと配膳業務
- エステサロン:ボディケアやマッサージなどの施術
- 美容サロン:シャンプーやヘアカットなどの施術
例えば美容サロンの場合、アシスタントとスタイリストなど職務に応じて業務内容が変わります。その場合、職務別にオペレーション化してマニュアルにまとめることが大切です。
会計・レジ業務
会計・レジ業務は、店舗の売上を左右する重要な業務です。特に近年は現金での支払いだけでなく、QRコード決済やクレジットカード決済などのキャッシュレス化により、レジ業務が複雑化しています。
適切なレジ業務によって会計を処理し、必要に応じて割引やポイントを付与する必要があるため、オペレーション化が必要です。
売上管理では、店舗に来店した客数や単価などのチェック項目から、店舗の運営動向を分析する必要があります。
お客さまが来店しやすい曜日や時間帯を予測し、需要のある商品・サービスを特定することで、適切な仕入れやマーケティングにつなげられます。
本部連絡
複数の店舗を経営していたりフランチャイズ化していたりする場合は、本部との連絡業務もオペレーション化しましょう。
本部と店舗のコミュニケーションをスムーズに行えない場合は、情報伝達や共有が遅れ、サービスの品質低下につながるリスクがあります。
次の業務をオペレーション化し、すべての店舗で適切に本部とコミュニケーションが取れる体制を整えましょう。
- 連絡手段や担当者の選別
- 緊急時の対応
- 定期レポートの作成手順
また担当者の体調不良や急な異動などに対応できるようにオペレーションを整備し、緊急時や非常時に店舗の従業員が安心して働ける体制を整えることが大切です。
緊急時の対応
緊急時の対応をオペレーション化すると、従業員が安心して店舗運営できます。
例えば、店長不在時のクレーム処理やインターネット接続の不具合、調理場での火災など、迅速な対応が求められるケースは多岐にわたります。
飲食店や小売店であれば、万が一に強盗が発生した際に従業員の安全を確保する対応をオペレーション化しておきましょう。
警察への連絡や強盗犯を刺激しない対応、犯行後の本部への連絡などをオペレーション化し、従業員に身の危険が及ばない対応を周知することが大切です。
緊急時の対応をオペレーション化し、従業員に周知すると、万が一の事態でも慌てずに対応できます。
店舗オペレーションが重要な理由
店舗オペレーションが重要な理由は、次のとおりです。
- サービスの品質を向上させるため
- トラブルに対応できる体制を整えるため
- 売上を拡大するため
- ミスを軽減するため
- スタッフ教育を効率化するため
適切な店舗オペレーションを設定しなければ、店舗運営が遅延し顧客満足度の低下が起きます。
店舗オペレーションの改善を図るためにも、その重要性を理解しましょう。
サービスの品質を向上させるため
店舗オペレーションは、サービスの品質を向上させるために必要です。サービス提供や接客の手順が未整備だと、対応する従業員によって品質に差が生じます。
例えば、飲食店では、調理や接客を担当する従業員によって手順や方法が異なると、料理の味や提供スピードに差が生じ、均一なサービスの提供が難しくなります。
そこで店舗オペレーションを定めて従業員に周知すると、サービスの品質が均一になり、顧客満足度の向上が期待できます。
店舗オペレーションの整備は、顧客満足度の向上から固定客の定着と、売上増加につながるため重要視するべきです。
また、業務手順やサービスの提供方法がオペレーション化されていると、従業員が迷うことなく適切な対応ができるため、働きやすい環境を整えられます。
トラブルに対応できる体制を整えるため
トラブルに対応できる体制を整えるためには、店舗オペレーションの整備が重要です。
店舗運営では、お客さまからのクレームや飲食店における調理場の火災、居酒屋でのお客さま同士の喧嘩など意図しないトラブルが発生します。
トラブル発生時にどのような対応をするべきかオペレーションで定めておけば、従業員が慌てずに適切な対応を実施できます。
トラブルを想定したオペレーションが整備されていない場合は、飲食店の場合は食中毒や火災による営業停止処分を受ける可能性があります。
また国民生活センターによると、美容サロンの場合、次のように返金や治療費を請求するケースもあるようです。
- ネイルサロンで施術を受けたが、思っていたイメージの仕上がりではない。やり直すか返金してほしい。
- 美容院でカットをしたが、思っていたイメージの仕上がりではない。返金してほしい。
- ヘアカラーの施術を受けた後、頭部に湿疹が出た。治療費を請求したい。
引用:国民生活センター
返金や治療費を請求された場合の対応についても、オペレーションの一つに盛り込むとよいでしょう。
売上を拡大するため
店舗オペレーションを整備すると、接客サービスを統一できるため、顧客満足度の向上が期待できます。また作業効率も改善されるため、店舗の回転率上昇も見込まれるでしょう。
顧客満足度の向上によるリピート率アップと回転率の改善で顧客数が増加すると、売上の拡大が期待できます。
たとえば美容室であれば、施術までの時間をできるだけ短縮できるようにオペレーションを整えると、回転率の改善が可能です。さらに施術の時間も短縮できれば、多忙で早く施術を済ませてもらいたい顧客への要望にも応えられます。
ヒューマンエラーを防止するため
店舗オペレーションで誰が対応しても均一なサービスを提供できるよう作業手順や方法を整備すると、ヒューマンエラーを防止できます。
作業手順が明確でないと、従業員は各自の判断で業務を行うため、サービス品質が安定しません。
例えば、飲食店でのオーダーミスや提供ミス、小売店での在庫切れによる販売停止などのヒューマンエラーは、顧客離れを招きます。ミスを減らし顧客定着率を向上させるには、店舗オペレーションの整備が必要です。
スタッフ教育を効率化するため
スタッフ教育を効率化するために、店舗オペレーションの整備が求められます。
店舗オペレーションには、接客や売上管理・在庫管理などの業務に加え、従業員教育も含まれます。
教育手順や内容をオペレーション化すれば、従業員の研修期間の短縮が可能です。
従業員が専門知識や店舗オペレーションを学び、お客さまへ適切なサービスを提供できるようになると、店舗全体のサービス品質を向上できます。
また、適切な教育体制が整備されている店舗は、従業員にとっても働きやすいため、定着率の向上にもつながります。
店舗オペレーションを導入するメリット
店舗オペレーションを導入するメリットは、次のとおりです。
- 業務を効率化できる
- 改善するべきポイントを把握できる
- スタッフ教育を効率化できる
- 多店舗展開の準備ができる
店舗オペレーションを導入するべきか悩んでいる方は、上記のメリットを確認しておきましょう。
業務を効率化できる
店舗オペレーションを導入すると、従業員が適切な業務手順を理解し、注意点や緊急時の対応を把握できます。その結果、次に取り掛かるべき業務について悩む時間を減らせます。
また、やるべき業務が明確になりスムーズに遂行できると、サービスの提供スピードの向上にもつながります。顧客満足度を高く維持できるため、店舗売上の拡大にもつながるでしょう。
また少ない人員でもスムーズに店舗を運営できるため、人件費の削減効果も期待できます。
改善するべきポイントを把握できる
店舗オペレーションを導入すると、削減するべき作業やミスにつながるアクションを把握できるため、作業手順や方法の改善点が見つけやすいです。
また従業員のシフト体制や在庫管理、接客体制などの手順や方法も改善できます。
業務における無駄を無くし、従業員が均一なサービスを提供できるようオペレーションを改善すれば、生産性の高い店舗運営が可能です。
教育を受けるスタッフの混乱を防げる
店舗オペレーションを導入して教育内容を統一すると、各担当者の指導内容や教育スケジュールを統一できるため、新人スタッフが混乱するのを防げます。
またスタッフ教育をオペレーション化し、教育する内容と手順を定めると、従業員が提供するサービスの品質の均一化にもつながります。
多店舗展開の準備ができる
複数の店舗を展開する場合は、均一化されたサービスを提供するために、店舗オペレーションを共有しましょう。
店舗によってサービスや対応に差が生じないよう、オペレーションを定めることが大切です。
店舗オペレーションを整備すれば、店舗のブランド価値を落としたりサービスの質にバラつきを生じさせたりと、顧客離れのリスクを軽減できます。
複数の店舗でオペレーションを共有する場合、例えば次のように工夫するとよいでしょう。
- マニュアルをオンラインで共有する
- 本部でのレクチャーを受けた後に支店へ配属する
店舗オペレーションを改善する際のポイント
店舗オペレーションを改善する際には、次のポイントを意識しましょう。
- 工数や業務量を減らす
- 運用を変える
- 業務を効率化する
店舗の売上を拡大するために、上記のポイントを押さえて店舗オペレーションを改善しましょう。
工数や業務量を減らす
店舗オペレーションを改善する際は、ルーティンワークの中に、削減できる業務がないか探してください。
例えば、開店作業で店舗内を掃除する場合は、前日の閉店時の掃除を省けないか検討するのもよいでしょう。
閉店作業と開店作業のどちらも掃除している箇所は、1日に2度も掃除しているため、どちらかの作業を削減しても問題ありません。
店舗の売上データを入力し本部へ共有する場合は、日次ではなく週次にすると、毎日の共有業務に費やす時間を削減できます。
店舗の従業員が働きやすい体制を整えるために、不要な工数や業務量を探して、店舗オペレーションを改善しましょう。
運用を変える
店舗オペレーションを改善するためには、不要な工数や業務量を減らすために、運用体制そのものを変える必要があります。
例えば、近年では飲食店でQRコードを卓上に置き、お客さまがスマートフォンでオーダーを完結させる「セルフオーダーシステム」の導入が浸透しました。
従来であれば、従業員がオーダーを取り、キッチンへ注文を伝えていましたが、セルフオーダーシステムによって工数を大幅に削減できました。
他にも、小売店でセルフレジを導入すれば、従業員がレジ業務にかかる時間や工数を削減し、他の業務に手を回せます。
削減できる工数や業務量を把握し、運用オペレーション自体を改善すれば、店舗全体の生産性を向上させられます。
予約システムを導入する
店舗オペレーションの改善を図る際は、予約システムを導入して電話対応にかける時間を削減するのも一つの手段です。
予約システムを導入すると、電話対応の時間を減らせるため、少人数でもスムーズに店舗を運営できるでしょう。
予約システムを導入しようと思ったのは、電話予約を減らしたかったからです。先ほど、一人でやっていた時期があったとお話しましたが、レセプションの担当者がおらず、一人で業務をこなすのは大変でした。ネット予約を受け付けられるシステムを入れたい、というのがスタートです。
引用:予約システム「リザービア」|美容サロン「LUMDERICA」オーナー 長南 一士さん
店舗オペレーションを改善する手順
店舗オペレーションを改善する手順は、次のとおりです。
- 改善点を調査する
- 改善策を探る
- 現場の意見をリサーチする
- オペレーションをマニュアル化する
店舗オペレーションを改善する際は、上記の手順に従いましょう。
改善点を調査する
オペレーションの改善点を調査する際は、はじめに工数ごとの作業時間を計測して、無駄な業務や手順がないかを把握しましょう。
実際に店舗で働く従業員の声をヒアリングし、不要な業務や工数を可視化することが大切です。
業務の手順や所要時間を計測し、効率化・簡略化できる改善点がないか調査しましょう。
改善策を探る
改善点を調査した後は、優先順位が高い工程の改善策を探りましょう。
例えば、某飲食店では正社員がアルバイトのシフトを作成する際に、希望スケジュールを書いた紙を集計してから、シフト作成に取り掛かっており労働時間が増加しました。そこで、正社員の業務負担を軽減するために、アルバイトのシフト希望をネット経由で入力できるシステムを導入したのです。
システムの導入により、従来は丸1日かかっていたシフト作成が、業務量としては少なくとも3割は軽減されました。
上記のように改善点を調査した後に、改善するべき具体的な方法を立案してください。
現場の意見をリサーチする
店舗オペレーションを実装する際は、事前に現場の意見をリサーチしましょう。
なぜなら作業の効率化を目的とした改善策が、かえって現場の工数を増やす可能性もあるからです。
本部目線では改善するべき内容であっても、現場の意見では他に改善するべき工程や業務内容が存在するケースもあるため注意が必要です。
また現場の従業員は、お客さまと接する機会が多く、顧客ニーズをリサーチしている可能性が高いため、お客さまの視点での改善点や要望を把握しています。
オペレーションをマニュアル化する
店舗オペレーションを改善した後は、オペレーションをマニュアル化しましょう。
マニュアル化する際には、イラストや写真を活用してわかりやすくしてください。
改善したオペレーションを組織内で共有すれば、業務効率を向上させられます。ミスを防止して業務の効率化を促進することで、売上の拡大につなげられます。
店舗オペレーションの改善に効果的な施策例
店舗オペレーションの改善に効果的な施策例として、次の8事例を紹介します。
- eラーニングシステムの導入
- POSレジデータの活用
- 業務ローテーションの実施
- 予約管理システムの導入
- チャットツールの導入
- 業務体制見直し
それぞれの事例を参考に、自社の店舗オペレーションを改善しましょう。
eラーニングシステムの導入
スタッフ教育を効率化するには、eラーニングシステムや動画アプリの活用が効果的です。
教育担当者がOJTや座学研修を実施する場合、スタッフ教育にかかる工数が増大し、長時間労働を強いられます。新人スタッフが自ら学習できる体制を整えれば、教育に費やす工数を大幅に削減できます。
厚生労働省が公表した「介護サービスにおける業務改善の手引き」では、外国人介護スタッフの教育を効率化するために、e-ラーニングを導入した事例が紹介されています。受講期間3カ月・職場や自宅で1日1時間〜2時間程度の受講で次の成果がありました。
- 日本語、介護知識、介護技術のすべての能力が向上した
- 周囲とのコミュニケーションが円滑になり、ケア業務に関する理解も深まった
- 新たな業務に取り掛かる際、eラーニングで予習した知識をもとに、円滑な業務遂行を実現した
- 動画内で使われている日本語をマスターし、利用者への声がけが丁寧になった
- 外国人介護職員への業務指示・説明が短時間で済み、報告・連絡が正確になった
引用元:より良い職場・サービスのために今日からできること|厚生労働省老健局
e-ラーニングは指導する立場にある従業員の負担軽減にもつながり、店舗オペレーションを効率的に新人に浸透させる手段としておすすめです。
POSレジのデータの活用
店舗オペレーションを改善する際は、顧客情報や動向を分析し、市場のニーズに合った対応が求められます。
顧客データを分析し、一人ひとりのニーズに合った対応ができれば、既存顧客のリピート率を向上できます。
厚生労働省が公表した「効率性向上に資する取組事例」には、POSレジのデータを有効活用して、顧客ごとにきめ細かなサービスを提供した結果、リピート率85%超を達成した美容院の事例が紹介されました。POSレジを活用した具体的な取り組む内容は次の通りです。
- POSレジを導入し、来店客・対応者・提供したサービス内容、運動会やお祭りなど地域の行事等をデータ化し、従業員が顧客一人一人に提供したサービスなどを把握
- 同データを活用して、顧客のニーズを把握するとともに、サービス提供に係る課題等を抽出。
- データなどを活用して、接客マニュアルを作成し、同マニュアルを活用した研修を実施。顧客毎ごとにきめ細やかなサービスを提供できるよう店員のスキルを向上。
引用元:効率性向上に資する取組事例|厚生労働省
POSレジのデータを活用して店舗オペレーションを改善すると、顧客リピート率の向上にもつながります。
業務ローテーションの実施
従業員が特定の業務に苦手意識を持ってその業務を避けると、別の従業員の負担が大きくなります。
その対策として、従業員の業務をローテーションする取り組みが挙げられます。厚生労働省が公表した「時間外労働削減の好事例集」には、某ホテルが業務ローテンションを実施した結果、業務量の平準化につながった事例が紹介されています。
特定の従業員に業務が集中し長時間労働が発生しないよう、各従業員がさまざまな業務に携われるよう、担当業務をローテーションしています。
業務ローテーションを行った結果、現状の自分の担当業務以外でも、経験したことのある業務であれば他の業務をサポートができるようになり、結果的に業務量の平準化につながっています。
引用元:時間外労働削減の好事例集|厚生労働省
従業員が店舗の業務を網羅的に経験すると、お互いの業務をサポートしあえるでしょう。
予約管理システムの導入
予約管理システムを導入すると、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率を向上可能です。
電話予約だけで店舗の予約を管理している場合は、繁忙時や店舗を離れている間に予約を取れず、機会損失が起きます。某理容室では、予約管理システムの導入によって、次のような効果を実感しています。
いつも予約を受ける際、メモ欄にお客様の特徴を記入しています。具体的には「年俸のお話をされた」「靴が新しかった」など、次の会話のきっかけになりそうなことです。
また、スマホで見たときの使い勝手がよく、店舗以外でもかんたんに操作できる点も気に入っています。出先で携帯にかかってきた予約も、その場でスマホから予約台帳に入れられ、しかも予約の手入力にかかる時間が短いので便利です。
引用元:予約システム「リザービア」|美容サロン「Barber LICHT」オーナー 神崎 国太郎さん
ただ予約を取るだけでなく、顧客との会話や特徴を記録し、次の接客に活かしてリピート顧客の獲得につなげられる点も予約管理システムの魅力です。
チャットツールの導入
店舗間のコミュニケーションを効率化してオペレーションの改善につなげたい場合は、チャットツールの導入もおすすめです。
東京で複数のダイニングバーを展開する「原価バー」では、チャットツール「Slack」を店舗間のコミュニケーションに役立てています。
店舗ごとにチャンネルを作って情報共有を図りました。無料試用の段階で全員触って気に入っているだけあり、普通に使い始めてくれました。ITツールの導入はスタッフに使ってもらうということが大きなハードルになります。今回は、色々触ってもらい、気に入ったものを選んだことで成功したようです。
引用:飲食店がDX&情報共有ツールに「Slack」を選んだワケ。具体的な活用方法は?|All About
電話とメールでは経営層と現場とのコミュニケーションが希薄になりがちでした。しかしチャットツールを導入した結果、経営層と現場とのコミュニケーションが密になりトラブルが発生した際もすぐに対策できるようになったそうです。
業務体制の見直し
現在は働き方改革が推進されているため、店舗オペレーションを改善する際は、従業員の長時間労働の抑制にも注力する必要があります。
長時間労働の削減を目的に業務体制を見直す場合、残業時間削減への取り組みや勤怠管理システムの導入などが挙げられます。
厚生労働の資料によると、これらの取り組みが実際に労働時間の削減につながった事例が紹介されています。
ノー残業デーの設定、顧客の営業時間に合わせた出退時間の就業時間制、勤怠管理システム導入などで業務体制を見直し、2017年に約32時間あった月平均残業時間が現在では約7時間にまで削減できた。
引用元:働き方改革取り組み事例集|厚生労働省
就業時間を適正に保つと、従業員がライフワークバランスを保ちやすくなるため、仕事のモチベーションの改善につながると考えられます。
店舗オペレーションを改善する際は効率化ばかりを追及せずに、従業員の働きやすさにも配慮することが大切です。
まとめ
店舗オペレーションを改善する際に重要なポイントは、次のとおりです。
- 店舗オペレーションに含まれる業務内容を洗い出す
- 不要な業務工程や改善するべきポイントを現場や顧客の意見を参考に洗い出す
- 改善点を洗い出すだけでなく、策定した改善策を実施しマニュアル化する
- 業務効率化や売上拡大だけでなく、従業員の負担軽減・定着率向上につながる施策を実行する
店舗運営を効率化するために、利益だけでなく従業員が働きやすい店舗づくりを意識して、オペレーションを改善しましょう。

- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部