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店舗の売上アップ|客数・客単価・来店回数を増やす方法と事例を紹介

店舗の売上アップ|客数・客単価・来店回数を増やす方法と事例を紹介

店舗の売上アップは、店舗経営を行う上での根本的な課題です。ただ一方で「頑張ってはいるが売上が伸びない」「売上を伸ばす具体的な方法が分からない」といった方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、店舗の売上を決定づける3つの要素、各要素をアップさせる方法、売上アップの成功事例を紹介します。

店舗の売上アップに向けて重視すべき要素

店舗の売上アップに向けて、重視すべき要素について紹介します。

下記に示す式の通り、売上は「客数・客単価・来店回数」の3要素で成り立ちます。つまり、売上をアップさせるためには、各要素の数値をそれぞれ高める必要があるのです。

以下では、売上を構成する3つの要素について具体的に解説します。

客数

「客数」とは、一定期間内に来店した顧客の総数を指します。客数アップは、売上全体の底上げに直結します。客数を高める主な手段は、新規顧客の創出です。

客数を集計する際に注意すべきは、1人の顧客が複数回来店してもカウントを「1」とする点です。例えば、1ヶ月でAさんは2回来店、Bさんは3回、Cさんは1回だった場合、A・B・Cさんはともに1ずつのカウントで客数としては「計3名」となります。これは、後述の「来店回数」と切り分けて扱うためです。

美容室や美容サロンなどの場合は、「顧客のカルテ数」に置き換えれば分かりやすいでしょう。

客単価

「客単価」は、1人の顧客が1回の来店で消費する平均金額です。客単価を高めれば、売上全体を効率的に引き上げられます。客単価アップのためには、顧客に付加価値の高い商品を提供したり、一度に複数のサービス利用を促したりして、支出を自然に増やしてもらう必要があります。

来店回数

「来店回数」とは、1人の顧客が一定期間内に平均して何回来店したかを指します。来店回数アップは、顧客が生涯にわたってもたらす利益の総額「顧客生涯価値(LTV)」を高め、安定した売上を確保するために重要な要素です。来店回数を高める主な手段としては、次回来店を促すクーポンや年間行事に合わせたキャンペーン実施などが挙げられます。

客数を増やして店舗の売上アップを行う方法

売上を構成する3要素のうち「客数」を増やして売上アップを行う方法を、6つ紹介します。

SNS活用による集客

SNSの効果的な活用により、新規顧客の獲得を期待できます。

例えばInstagramでは、魅力的な製品やサービス、店舗の雰囲気を視覚的に伝える投稿を定期的に行いましょう。Xでは、タイムリーな情報や限定オファーを発信し、即時性のある集客を狙います。また、ハッシュタグを適切に使用すれば、潜在顧客へのアプローチも可能です。

ただし、SNSの運用には、閲覧数やフォロワー数を伸ばす投稿や配信、定期的な更新、炎上リスクの回避など、一定のノウハウや工数を要します。そのため、SNSに詳しい人材の採用も有効な手段といえるでしょう。

Web広告

Web広告は、ターゲット層に対して効率的にリーチするための有力な手段です。

特に売上アップを図りたい店舗周辺の地域に限定した広告設定を行えば、対象エリア内の新規顧客に対して効果的にアプローチできます。また、リターゲティング広告を使えば、過去に店舗のサイトやSNSを訪れたユーザーに再びアプローチが可能です。

主なWeb広告の種類としては、以下のものがあります。

  • リスティング広告

ユーザーが検索したキーワードに連動して広告を表示する形式で、特定のニーズを持つユーザーにリーチ可能です。

  • ディスプレイ広告

Webサイトやアプリ上にバナー形式で表示され、視覚的に目を引く広告でブランディング効果を期待できます。

  • ソーシャルメディア広告

InstagramやFacebook、XなどのSNSに配信される広告であり、ターゲットの趣味や関心に基づいて配信可能です。

  • 動画広告

YouTubeなどの動画プラットフォームで配信される広告で、動画コンテンツに関連付けて商品やサービスを訴求できます。

  • リターゲティング広告

過去に店舗のサイトを訪問したユーザーに再度広告を表示し、購入意欲の喚起に有効です。

Web広告を展開するには相応のコストを要するため、無理のない予算に応じて企画・実施しましょう。

新規顧客向けの割引キャンペーンや紹介プログラム

新規顧客を増やすために、割引キャンペーンや紹介プログラムを実施するのも効果的です。

とくにキャンペーン情報は、先述のWeb広告と組み合わせるのも有効です。株式会社リンクアンドパートナーズが行った調査によると、ついつい見てしまうWeb広告に含まれる要素として「特典やキャンペーン情報」を挙げる回答者が最も多い結果でした。

割引キャンペーンや紹介プログラムの企画について、具体例を挙げると次の通りです。

  • 初回利用〇%オフ

新規顧客向けに、初回利用時に一定の割引を提供するキャンペーン。お得感を演出して試しやすい環境をつくるため、新規顧客の取り込みに有効です。

  • 友人紹介プラス割引

紹介者と新規顧客の両方に割引が適用されるプログラム。例えば、「紹介された友人が30%オフ、紹介者も次回来店時に30%オフ」のように双方へメリットを提供して紹介件数を増やします。

  • ペア割キャンペーン

2人以上での来店で割引が適用されるキャンペーン。新規顧客が友人や家族を連れて来店することで、新規獲得の幅が広がります。

  • 誕生日特典キャンペーン

新規・既存問わず、誕生日月に特別割引やサービスを提供するキャンペーン。個別のケアが顧客満足度を高め、新規顧客の取り込みにも役立ちます。

こうしたキャンペーンを組み合わせてターゲット層に合わせた集客戦略を展開すれば、新規顧客の獲得(客数の底上げ)を期待できるでしょう。

Googleマップの店舗情報を充実化

Googleマップ上における店舗情報の充実は、地元顧客を獲得するために有効です。新たな店舗を探す際には、「地域名+〇〇」「近くの〇〇」といった検索を行う人が多く存在します。

検索結果からのアクセスを増やすためには、営業時間やサービス内容、メニュー、写真を最新の状態に保つ必要があります。

また、口コミの数や評価が多いほど、他の店舗よりも選ばれやすくなるため、率直な評価をお願いするのもよいでしょう。実際に、LINEが1000人を対象に行った調査によると、6割以上が地図アプリの口コミや評価を参考にしていることがわかりました。

ただし、高評価と引き換えに割引などのインセンティブを提供すると、ステルスマーケティングと見なされて措置命令を受ける可能性があるため、注意が必要です。

集客媒体の利用

ホットペッパーやEPARKなど、集客媒体の利用で客数アップを図れます。これらの媒体は検索からの流入を増やせるため、新規顧客の獲得に有効です。

特にクーポンや特典を設定すれば競合店と差別化につながり、来店率や予約率の向上を期待できるでしょう。集客媒体を定期的に更新し、季節やトレンドに合わせたキャンペーンを行うと効果的です。

ただし、掲載料がかかる点や媒体内で競合店と比較される点、媒体内外での予約発生で管理が煩雑化しやすい点には留意しましょう。

他店と差別化された新サービスの導入

競合店との差別化を図るため、独自のサービスを開発・導入しましょう。例えば、飲食店であれば季節限定メニューの提供や、美容室であれば新技術を取り入れたトリートメントの導入などが考えられます。

他にも、整骨院であれば「美容鍼」の導入で差別化を図る手段があります。ただし、そのためには鍼灸師の資格をもった人材の確保が不可欠です。このように、より明確な差別化のために、新たなサービスを提供可能なスキルやノウハウを有した人材を雇い入れるのは有効な手段といえます。

また、差別化を成功させるには、業界内市場のトレンド把握や競合店のリサーチが欠かせません。普段から積極的に情報収集を行い、差別化された新サービス開発・導入のためのヒントを蓄積する姿勢が大切です。

客単価を増やして店舗の売上アップを行う方法

売上を構成する3要素のうち「客単価」を増やして売上アップを行う方法を、6つ紹介します。

アップセルの実施

アップセルとは、顧客に対して通常利用するサービスよりも上位のサービスや商品を提案して、単価を引き上げる方法です。

例えば、美容室でカットのみの予約客にトリートメントやヘッドスパを追加提案したり、レストランでワインのグレードアップを勧めたりします。

アップセルを成功させるためには、丁寧なカウンセリングや綿密なリサーチを通じて、個々の顧客および自店舗を利用する顧客層のニーズに合わせた適切な提案が求められます。

クロスセルの実施

クロスセルは、顧客が購入または利用するものに関連した別の製品・サービスを追加で提案する方法です。

例えば、カフェでサンドイッチを注文した客にスープやサラダを勧めたり、衣料品店でシャツを購入した客にネクタイやベルトを提案したりします。美容室であれば、カラーを利用した顧客に対して、色持ちを良くするためのホームケア商品や、セットメニューとしてトリートメントなどを提案することが挙げられます。

このように、既存の利用に対して適切な製品やサービスを追加提案すると、顧客満足度を高めつつ、客単価アップを図れます。

クロスセルを成功させるポイントは、まずは顧客の購買意図を正確に理解した上で、それを補完する製品・サービスを自然に紹介することです。

パッケージメニューの作成

パッケージメニューは、複数の製品・サービスを組み合わせて提供し、通常価格よりもお得感を演出することで購入を促す方法です。

例えば、レストランなら「前菜+メイン+デザート+ドリンク」のコースを提供したり、美容室であれば「カット+カラー+トリートメント」のセットメニューを作成したりします。

こうしたパッケージメニューにより、一度の来店でより多くのサービスを利用してもらうことで、お得さによる満足感を顧客へ提供しつつ店舗側の客単価を高められます。

プレミアムメニューの導入

プレミアムメニューは、通常のメニューよりも高品質や希少性を強調した商品やサービスを提供して、客単価を引き上げる方法です。

例えば、高級食材を使用した特別料理や、限定版の商品、VIP向けのサービスなどが該当します。美容室の場合は、オーガニック製品を使用したヘアケアメニューや、最新のトリートメント技術を取り入れたメニューなどが挙げられます。

このような製品やサービスを通じて顧客に高い付加価値を提供し、他店との差別化と客単価アップを実現するのです。

プレミアムメニューを成功させるには、通常メニューとの違いや期待される効果など高価格の裏づけとなる根拠を明確に顧客に伝え、特別感を演出することが重要です。ただし、対象の顧客が一定の関心やニーズをもっていることが前提です。それらなくしてプレミアムメニューの価値を伝えても、セールス感や押し売り感につながりかねません。

スタッフのスキル向上や新規採用

客単価をアップさせるためには、スタッフのスキル向上や適切な人材の採用が不可欠です。

ここまでに紹介したアップセルやクロスセルなどを提案するには、製品・サービスに関する知識や技術が求められるため、スタッフの教育は欠かせません。

技術研修や接客トレーニングを定期的に行えば、顧客満足度を高めながら客単価の向上を図れます。また、各サービスを提供・提案できる能力を有した人材の採用も店舗の成長につながります。

例えば、美容室であれば最新のカラーリング技術を習得したスタイリストを育成したり、レストランであれば高度な調理技術を持つシェフを採用したりすると、提供できるサービスの質や幅が広がり、客単価アップを実現できるでしょう。

来店回数を増やして店舗の売上アップを行う方法

売上を構成する3要素のうち「来店回数」を増やして売上アップを行う方法を、6つ紹介します。

リマインドやフォローアップの実施

リマインドやフォローアップは、顧客に次回の来店を促すために有効な方法です。

例えば、美容室であれば前回の来店から2ヶ月後に「そろそろカットの時期ですね」とメールやSMSを送ったり、飲食店なら来店後に「お食事はいかがでしたか?」と感想を伺うフォローアップを行ったりします。これにより、顧客の記憶に店舗を留めて再来店を促します。

また以下のように、来店サイクルや顧客の嗜好を分析し、パーソナライズされたリマインドメッセージを送ることで、より高い効果が期待できます。

例1:美容室の場合

顧客Aさんが平均6週間ごとに来店していることがデータから分かれば、5週間後に「そろそろカットの時期ですね。次回のご予約はいかがでしょうか?」というメッセージを送信。

例2:ネイルサロンの場合

夏は明るい色、冬は落ち着いた色を好む傾向がある顧客Bさんに対して、季節の変わり目に「夏(冬)のトレンドカラーが入荷しました。Bさんにおすすめのデザインをご用意しています」といったメッセージを送信。

定期的なケアの提案

顧客に定期的なケアやメンテナンスの重要性を伝えて来店サイクルをつくり、安定した来店回数を確保する方法です。

例えば、自動車整備店であれば「3ヶ月ごとの点検で安全運転をサポートします」と提案したり、美容室なら「6~8週間ごとのカットで、髪の毛先の傷みを防いで美しいスタイルをキープできます」と提案したりといったアプローチが挙げられます。

定期的なケアの利点を具体的に説明し、顧客の利益につながることを強調するのがポイントです。また、定期コースや会員制サービスを導入することで、より確実な来店サイクルを形成できるでしょう。

年間行事や季節に合わせたキャンペーンの実施

年間行事や季節に合わせたキャンペーン実施により、顧客の来店動機を高めます。

例えば、年末のクリスマスやお正月、春の卒業式や入学式など、特定のイベントに合わせて特別な割引やサービスを提供して顧客の関心を引き、再度来店するきっかけをつくります。

この他にも、「夏のUVケアプラン」のような季節特有のニーズに応じた企画、顧客情報を得られているのであれば「誕生日キャンペーン」なども有効です。

主要な企画例を、以下にまとめます。

  • クリスマスキャンペーン
  • お正月キャンペーン/福袋キャンペーン
  • バレンタイン/ホワイトデーキャンペーン
  • 卒業式/入学式キャンペーン
  • ハロウィンキャンペーン
  • 誕生日キャンペーン
  • 夏休み/冬休みキャンペーン
  • 夏のケアプラン/冬のケアプラン(主に美容・健康関連)

次回に利用できるクーポンの提供

次回利用可能なクーポンの提供は、顧客の再来店を促進します。例えば「次回のご会計30%オフ」のようなクーポンを、会計時やメールで配布します。クーポンには有効期限を設定して、一定期間内の再来店を促すのがよいでしょう。

具体的には、以下のような企画が挙げられます。

  • 次回〇円引きクーポン

500円など一定の金額を割引くクーポン。お得感が伝わりやすく手軽に再来店を促す手段です。

  • 次回利用時〇%オフクーポン

次回の来店時に総額から割引くクーポン。利用金額に応じて割引額も大きくなるため客単価アップも期待できます。

  • ポイント〇倍クーポン

ポイントカードを活用している店舗向けのクーポン。次回の利用時にポイントを通常の数倍付与することで、顧客のロイヤルティを高めます。

  • 特定メニュー割引クーポン

人気商品や季節限定メニューを「次回20%オフ」などで提供。特定の商品に限定することで、顧客に試してもらいたいメニューに誘導できます。

  • 次回来店時プレゼントクーポン

次回来店時に小さなギフト(ドリンク無料やサンプル商品)を提供する特典クーポン。サービスの満足度を高め、気軽な来店を促進します。

また、クーポンの内容を来店頻度や購入金額に応じて変えれば、優良顧客の囲い込みにも活用できます。

クーポン内容の検討時は、顧客の利用データから、来店頻度や購入金額の平均、人気メニューなどを基に、顧客にとって魅力的、かつ店舗の利益も確保できる適切な割引率や特典を設定しましょう。

LINEなどSNSを活用した接点の保持

来店頻度を維持・向上させるためには、LINEやInstagramなどのSNSを活用して、顧客との継続的な接点を保つことが重要です。

とりわけ、LINEはメッセージの開封率がメールと比較しても高く、即時性のあるコミュニケーションを行える特徴を有しています。Instagramは視覚的に顧客の関心を引き付けつつ、ストーリーズ機能を活用すればタイムリーなキャンペーン情報や予約の空き状況を共有できます。

これらのプラットフォームを通じて、新サービス情報や限定オファー、イベント告知などを定期的に発信して顧客の興味を喚起し、再来店のきっかけをつくります。

店舗の売上アップに成功した具体的な事例

店舗の売上アップに成功した具体的な事例を、5つ紹介します。

カウンセリングからの自然なアイテム紹介で売上250万円

美容室「Clip Clap」を経営する庄司さんは、ヘアケアアイテムなどの「店販」に力を入れてきたことで長期間にわたって安定した経営を続けてきました。

顧客との「髪に関するお悩み相談」から自然な流れでアイテムを紹介し、過去の個人の店販の月間最高売上は250万円です。現在はスタッフ5人による店販のみで年間1200万円以上を売り上げています。

こうした売上アップを達成した背景には、専門知識の習得やトークスクリプトの作成、スタッフの育成などがあります。

庄司さんはメーカー主催の勉強会やセミナーに積極的に参加し、最新の商品情報や薬剤知識、マーケティング視点での販売手法などを学びました。そこで得た知識やノウハウを店販に活かします。

シャンプーを売りたい場合、いきなりお客さまに「シャンプーいかがですか?」と話し掛けるのは、すごく不自然ですよね(笑)。ですから、自然な流れでシャンプーの話ができるようなシチュエーションを作ります。

具体的にはシャンプーをする前に、アシスタントから「お客さまにあったシャンプーを選びたいので、髪の悩みを聞かせていただけますか。」と声を掛けます。

スタッフによく伝えているのは、「クロージングをしっかりしよう」ということですね。店販をする場合ありがちなのが、使用するメリットを一方的に伝えて、お客さまの返答待ちになってしまうこと。

ですから私のサロンでは、「使ってみませんか?」という言葉でクロージングをするようにしています。

引用:モアリジョブ|Clip Clap代表 庄司琢麻さん

カウンセリング動画発信で売上が5倍にアップ

美容室「Lapis渋谷本店」のスタイリストTAKUMAさんは、TikTokなどSNSを用いたカウンセリング動画配信を通じて、半年後で160万円から800万円への売上アップに成功しました。

ここまでの売上アップを達成できた背景について、次のように述べています。

お店に行けば絶対に満足した仕上がりになる、ということが伝わる動画作りを意識したからです。今の時代の女の子たちは技術力の高さももちろん求めていますが、自分の要望が叶えられるかを重視している人が多いと思います。

引用:モアリジョブ|Lapis渋谷本店 スタイリスト TAKUMAさん

「パーソナルカラー診断」を導入し売上30%アップ

美容室「Of HAIR」のスタイリスト齋藤さんは、カラーの全メニューにパーソナルカラー診断を導入し売上30%アップを達成。成功の背景には、市場ニーズの把握や他店舗にはないサービス導入による差別化、知識と技術を向上するための努力がありました。

最終的に背中を押してくれたのは偶然街中で「最近パーソナルカラー診断が気になるんだよね」と話している若い女性の会話が聞こえてきたことでした。世の中の需要が高まっていることを確信し、資格を取ることに。実際に布を当てて診断をする美容師が少なかったというのも決め手のひとつです。

パーソナルカラーの資格で得たものとネットで集めたカラーの知識を自分なりに組み合わせて研究していきました。それからやはりモデルさんにご協力いただいて、たくさん練習できたことは大きかったです。

引用:モアリジョブ|Of HAIR スタイリスト齋藤さん

スタッフの強み・育成にフォーカスして前年比売上134%を達成

ビストロバルやカフェ、イタリアンレストランなどを展開する株式会社バルニバービ。店長をはじめ、各スタッフが最大限に力を発揮できる店舗運営や育成に注力して、売上や店舗数を伸ばしています。その背景について、代表の石倉さんは次のように述べています。

まずは店長や子会社の代表など、店舗の中心となるメンバーの能力を活かせそうなコンセプトを作り上げます。

こちらが「イタリアンが良さそうだ」と考えたとしても、店を任せるスタッフが和食に強ければイタリアンを無理に作ることはありません。店舗の人の一番良い力が発揮されなければ意味がないからです。

一番大切な仕事は店長の育成といっても過言ではありません。たとえば店長のバックオフィス業務を減らして、お客様対応に集中してもらう。事務作業が得意な店長には任せることもありますが、その場合は苦手な分野、スタッフのケアなどを役員が現場に入ってサポートすることも多々あります。

引用:フーズチャンネル|株式会社バルニバービウィルワークス 代表取締役社長 石倉さん

強みを明確に打ち出して売上アップに成功

株式会社ボディスプラウトの代表である小林さんは、整骨院「宮前まちの整骨院」を運営するなかで自院の「強み」を明確にしたビジネスモデルを確立し、売上アップに成功しました。

まずは回数券を販売して資金を調達しつつ主力メニューを作り、ビジネスモデルを確立します。その結果、ひとつの整骨院で約5000万円の売上を達成し、分院展開などへと幅を広げます。

その間もずっと変わらず大切にしてきたのが、「お客様が最後に選ぶ整骨院」であろうという想いでした。いろんな整骨院や整体院を転々とする方が多いなかで、最後に「ここに来てよかった」と思ってもらうために、他のところでは絶対にやっていないだろうということを考え続ける。「他の整骨院の何歩先を行けるか」を考えてきたことが、山も谷も乗り越えられてきた理由だと思います。

コンサルタントの仕事でもよくお伝えしているのが、強みを明確にすること。そして、その強みをしっかり打ち出すことです。あとは目の前のお客様だけでなく、もっと広い範囲の人に貢献すること。世の中に貢献するくらいのイメージで心構えの部分から変えていくと、見える世界も変わってきます。

引用:モアリジョブ|株式会社ボディスプラウト 代表 小林篤史さん

まとめ

店舗の売上をアップさせるためには「客数・客単価・来店回数」の各数値を伸ばして行く必要があります。

そのために、それぞれ下記のような方法を紹介しました。

  • 客数アップの方法

SNS活用による集客、Web広告、新規向けキャンペーン、Googleマップの情報充実化、集客媒体の活用、差別化された新サービスの導入

  • 客単価アップの方法

アップセルやクロスセルの実施、パッケージメニューの作成、プレミアムメニューの導入、スタッフのスキル向上や新規採用

  • 来店回数アップの方法

リマインドやフォローアップの実施、定期ケアの提案、年間行事に合わせたキャンペーン、次回用クーポンの提供、LINEなどSNSでの接点保持

続けて紹介した成功事例5つもあわせて参照の上、店舗の売上アップを実現させましょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。