美容・ヘルスケア業界
経営者・採用担当者のためのメディア
補助金を活用した美容室経営!開業・運営に役立つ支援制度と成功事例を詳しく解説

補助金を活用した美容室経営!開業・運営に役立つ支援制度と成功事例を詳しく解説

  1. 補助金とは?
    1. 美容室が補助金を活用して得られるメリット
    2. 補助金には審査と一定の条件が用意されている
    3. 補助金の税務上の扱い
    4. 助成金や融資の違い
  2. 美容室が補助金を利用する際の注意点
    1. 一旦は自社で全て支払っておく必要がある
    2. 申請すれば必ず採択されるわけではない
    3. 事業期間中の事務処理は正確に行う
    4. 返還義務が生じる可能性がある
  3. 美容室が補助金を受け取るまでの流れ|申請~交付
    1. 1.補助金の存在を知る
    2. 2.必要書類を提出する
    3. 3.事務局から採択の通知が来る
    4. 4.交付決定された事業を実際に行う
    5. 5.中間監査があれば対応する
    6. 6.交付された補助金を受け取る
  4. 美容室が使える人材・労務系の補助金
    1. キャリアアップ助成金
    2. 人材開発支援助成金
    3. 業務改善助成金
    4. 両立支援等助成金
  5. 美容室が使える開業支援におすすめの補助金
    1. 開業支援事業補助金
    2. 中小企業ホームページ作成費補助金
  6. 美容室が使える販路開拓におすすめの補助金
    1. 小規模事業者持続化補助金
  7. 美容室が使える設備導入や店舗改装におすすめの補助金
    1. 事業再構築補助金
    2. ものづくり補助金
  8. 美容室が使えるIT化支援におすすめの補助金
    1. IT導入補助金
  9. 実際に補助金を申請して成功した美容室の事例
    1. 補助金で人材の育成するための仕組みを作った事例
    2. 補助金で業務の効率化と同時にスタッフに賃金もアップさせられた事例
    3. 補助金で炭酸ヘッドスパを導入して客単価が向上した事例
    4. 補助金でPOSシステムを導入して作業の効率化ができた事例
    5. 補助金で要介護者高齢者の受け入れが強化できた事例

美容室経営の環境は、年々厳しさを増しています。

帝国データバンクのデータによると、2024年8月までの倒産件数は139件に上り、前年の1.5倍のペースで増加しました。資金繰りの悪化や経営難に直面するサロンが急増しています。

ただ一方で、中小企業庁が行なったアンケートでは、資金調達の手段として補助金を活用している美容室はわずか6%しか存在しないことがわかっています。

今後、美容室が安定した経営を実現するためには、国や自治体が提供する補助金の活用を検討し、資金負担を軽減しながら事業を成長させる戦略が欠かせません。

そこで本記事では、補助金を活用した美容室の成功事例や、開業・運営に役立つ支援制度について詳しく解説します。補助金の申請方法や活用のポイントを知り、競争の激しい美容業界で生き残るための一歩を踏み出しましょう。

補助金とは?

補助金とは、事業の成長や安定運営をサポートするために、一定の条件を満たした事業者に対して支給される資金のことです。

ただし、補助金は事業に必要な費用の一部を支援するものであり、全額が給付されるわけではありません。

また、補助金ごとに上限額や補助割合が異なり、申請すれば必ずもらえるわけではない点にも注意が必要です。審査に通るためには、適切な事業計画の策定や、要件を満たすことが求められます。

補助金は、美容室経営の負担を軽減する有効な手段ですが、あくまで目的ではなく、事業の成長を支えるためのひとつの選択肢として活用しましょう。

美容室が補助金を活用して得られるメリット

補助金を活用すれば、自己資金の負担を抑えながら事業の成長を加速させられます。以下が具体的なメリットの一例です。

  • 資金負担を軽減できる:設備投資などの事業拡大にかかるコストを補助金でまかなえるため、自己資金を温存しながら運営できる。
  • 集客やマーケティング活動を強化できる:広告作成やホームページ制作など販路拡大につながる施策を、補助金によって効率よく新規顧客獲得ができる。
  • 新たなビジネスモデルに挑戦できる:ウィッグ販売や訪問美容などの新たなサービスを導入する際に、補助金の活用で初期投資を抑えられる。

そもそも美容室の経営では、新しい設備の導入や店舗の改装、人材育成など、さまざまな場面で資金を要します。

補助金は、こうした経営負担を減らし、事業の成長を促進する強力なサポートとなります。ただし、申請には条件があるため、適切な補助金を選び、計画的に活用しましょう。

補助金には審査と一定の条件が用意されている

補助金は、あらかじめ決められた条件を満たした上で、審査をクリアした事業者のみが受け取れる仕組みになっています。補助金ごとに審査基準や条件が異なるため、事前にしっかり内容の確認を行いましょう。

例えば、「事業の成長性」や「計画の具体性」などが審査のポイントとなる場合が多く、計画性のない申請では採択されません。

また、補助金の条件には、対象となる事業内容や事業規模、設備投資の用途などが細かく定められています。申請前に、自社の状況と補助金の要件が合致しているかを確認しましょう。

審査や条件の詳細は、各補助金の公式サイトやガイドライン、申請手引きに記載されています。

補助金の税務上の扱い

補助金は国や自治体から給付される資金であるため、事業の収益として扱われます。そのため、法人税や所得税の課税対象となる点に注意が必要です。

ただし、補助金は売上として計上するのではなく、営業外収益に分類され、「雑収入」として処理されます。売上高には影響しないものの、会計処理の際には正しく計上するよう留意しましょう。

また、補助金の中には特定の用途にのみ使えるものもあり、適切な支出が行われたことを証明するための書類が必要になるケースもあります。

申請時や受給後の処理については、事前に税理士や会計士と相談し、適切な会計処理を行うことが大切です。

助成金や融資の違い

補助金は、事業者が特定の取り組みを行う際に一部の資金を給付する制度ですが、助成金や融資とは異なる特徴があります。

  • 補助金:特定の事業活動を支援するために給付される資金。審査があり、採択されなければ受給できないが、返済の必要はない。
  • 助成金:雇用創出や人材育成を目的とした支援金。条件を満たせば基本的に受給できる。
  • 融資:金融機関からの借入で、返済義務と利息が発生する。審査では事業の返済能力が問われる。

補助金は審査が必要で競争率も高いですが、返済不要のため、適切に活用すれば事業の成長に有効です。

美容室が補助金を利用する際の注意点

補助金を活用するには、いくつか押さえておくべき注意点があります。適切に申請し、スムーズに活用するためにも、以下の4つを十分に理解しておきましょう。

一旦は自社で全て支払っておく必要がある

補助金は後払いが基本であり、採択されたとしても、まずは事業者が全額を立て替える必要があります。

例えば、総額500万円の事業で補助率が30%の場合、最終的に150万円の補助を受けられますが、一旦は500万円を自社で支払わなければなりません。

そのため、申請前に資金を確保してください。手元の資金が不足している場合は、金融機関のつなぎ融資を活用する方法もあります。

資金準備が不十分な状態で申請すると、事業が進められなくなる可能性があるため、慎重に計画を立てましょう。

申請すれば必ず採択されるわけではない

補助金は申請すれば必ず採択されるわけではなく、厳しい審査を通過する必要があります。

例えば、中小企業庁によれば「ものづくり補助金」の採択率は30〜40%程度とされており、不採択となるケースも少なくありません。採択されない理由の多くは、以下の2パターンだといわれています。

  • 補助対象要件を満たしていない
  • 申請内容が不十分であること

申請の際は、補助金の対象となる事業内容を十分に確認し、審査員に伝わりやすいように具体的かつ分かりやすく記述することが重要です。

事業の課題や補助金の活用によって得られる効果も詳細に記載し、採択される確率を高めましょう。

事業期間中の事務処理は正確に行う

補助事業期間中は、正確な事務処理が求められます。

これは補助金によって、中間監査が実施される場合があるためです。経費の記録や事業の進捗状況が適切に管理されていないと指摘を受ける可能性があります。

さらに、事業終了後に補助金が目的外に使用されていると判断されると、補助金の支払いを拒否されることもあるため、注意が必要です。

事務処理の不備が原因で補助金を受け取れなくなるリスクを避けるためにも、経費の管理や書類の整理を徹底しましょう。

返還義務が生じる可能性がある

補助金は基本的に返済不要ですが、条件を満たさなかったり、用途外の使用が発覚したりすると返還義務が生じます。

特に「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」では、不正利用や条件違反が発覚した場合、国が交付を取り消し、返還を求めることが定められています。

第四章 補助金等の返還等

(決定の取消)

第十七条 各省各庁の長は、補助事業者等が、補助金等の他の用途への使用をし、その他補助事業等に関して補助金等の交付の決定の内容又はこれに附した条件その他法令又はこれに基く各省各庁の長の処分に違反したときは、補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。

引用:電子政府の総合窓口(e-Gov)|補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律

例えば、設備投資目的で受給した補助金を広告費や運転資金に流用した場合や、補助金で購入した美容機器を無断で売却した場合は、補助金の一部または全額の返還を求められるでしょう。

また、補助金を活用して計画した新メニューの導入が実施されなかった場合なども、事業の未達成として返還対象となる可能性があります。

補助金を活用する際は、申請時の条件をしっかりと確認し、用途を厳守してください。事業の進捗を適切に管理し、事後の監査にも対応できるよう、書類や経費の整理も重要です。。

美容室が補助金を受け取るまでの流れ|申請~交付

美容室が補助金を受け取るまでには、申請書の作成や必要書類の準備、事務局による審査を経る必要があります。

無事に採択されれば補助金を受け取れますが、その過程で細かな手続きが求められるため、事前の準備が必要です。

また、補助金の受給後も、領収書や証明書などの書類を適切に保管しなければいけません。補助金ごとに保存期間や報告義務が異なるため、受給後の管理についても把握しておきましょう。

1.補助金の存在を知る

補助金を活用するには、まず自社の美容室に適した制度の検索と選定が必要です。補助金にはそれぞれ目的や条件があり、事業計画と合わないものを選ぶと採択されにくくなります。

補助金を探す際は、以下の公的機関が運営するサイトを活用しましょう。

また、補助金は事業の目的を達成するための手段であり、補助金の獲得自体を目的にしないよう注意してください。事前にしっかり調査を行い、適切な補助金を見つけることが成功への第一歩となります。

2.必要書類を提出する

申請に必要な書類を準備し、期限内に提出します。

補助金ごとに提出書類は異なるため、事前に公式サイトや募集要項を確認し、必要な書類を揃えましょう。一般的に以下のような書類が必要となります。

  • 応募申請書(補助金の申請を行うための基本書類)
  • 事業計画書(補助金をどのように活用するかを記載した計画書)
  • 経費明細書(補助対象となる経費の詳細を示した書類)

これらの書類作成が難しいと感じる場合には、専門機関の支援を受けながら進めるとスムーズです。

例えば、以下のような公的機関が運営する相談先があります。

利用する補助金によって相談先が異なるため、事前に相談可能な範囲を確認した上で、適切な支援を受けましょう。

3.事務局から採択の通知が来る

補助金の申請後、事務局から交付決定通知書が届いたら、補助金を受け取るための「交付申請」を行います。これは、補助金の正式な支給を受けるための重要な手続きです。

以下が交付申請で必要となる書類の一例です。

  • 交付申請書(補助金の交付を正式に申請する書類)
  • 経費明細書や相見積もり(補助対象経費の詳細や見積もりを証明する書類)

交付申請を行わなければ、採択されても補助金を受け取れません。事務局から求められた書類は必ず期限内に提出しましょう。

また、交付決定通知には「事業開始日」や「事業期間」などの重要な情報が記載されているケースがあります。補助金を適正に活用するためにも、通知書は必ず保管し、内容をしっかり確認してください。

4.交付決定された事業を実際に行う

交付決定後、事務局から通知された事業開始日に合わせて、補助金を活用した事業を実施します。

補助金は、事業計画通りに実施するのが前提であるため、スケジュールや内容に沿って進行しましょう。事業実施中は、以下の3つを意識しておくと安心です。

  • 遂行状況報告書の提出が必要な場合がある:進捗報告が必要な補助金は、指定の期日までに提出する。
  • 計画通りに進められない場合は「計画変更申請書」を提出:変更がある場合は、事務局へ計画変更申請を行う。
  • 領収書や証拠書類を必ず保管:補助対象の支払い証明書類を整理し、適切に保管しておく。

このように事業実施中は申請内容との整合性を保ちつつ、適切な手続きを行いましょう。

5.中間監査があれば対応する

補助事業期間中に、事務局担当者が現地訪問を行う場合もあります。必要書類や進捗状況、計画変更の有無を確認されるため、事前に準備をしておいてください。

ただし、急な監査はほとんどなく、基本的には事前に連絡が入るため、過度に慌てる必要はありません。

監査の目的は、補助金を活用した設備や書類の整理状況の確認です。不備があれば丁寧に指摘してもらえるため、冷静に対応しましょう。

監査時間は1時間程度のケースが多いため、事前にスケジュールを確保しておくと安心です。

6.交付された補助金を受け取る

補助事業が完了した後は、必要書類を提出し、補助金の交付を受けます。

主に以下のような書類が必要です。

  • 実績報告書(事業の成果や実施内容をまとめた報告書)
  • 経費のエビデンスとなる書類(納品書、請求書、振込依頼書など)

これらを事務局に提出し、正しく事業が実施されたことが確認されると、補助金額が確定し、交付が行われます。

一度確定された金額は特別な理由がない限り、補助金の減額はほとんどありません。

美容室が使える人材・労務系の補助金

美容室が使える主要な人材・労務系の補助金は、以下4つです。

  • キャリアアップ助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 業務改善助成金
  • 両立支援等助成金

これらの活用で、研修の実施や賃上げ、働きやすい環境づくりに必要な負担を軽減できます。

さらに、スタッフの育成や労働環境の改善に積極的に取り組むことで、求職者へのアピールポイントになるでしょう。

特に、給与や待遇の向上、研修制度の充実を実現すれば、採用活動時における自社の強みになります。優秀な人材を確保し、長期的に定着してもらうためにも、これらの補助金を積極的に活用してください。

以下では、各補助金について、目的や対象者、補助額などの詳細を解説します。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者のキャリアアップを支援する制度。

・正社員化、賃金引き上げ、処遇改善の取り組みを行った企業に助成される。

・非正規雇用者の安定した雇用を促進し、美容室の長期的な人材確保をサポートする。

補助金の対象者

・雇用保険適用事業所の事業主。

・キャリアアップ管理者を配置し、キャリアアップ計画を作成している事業者。

・労働条件や賃金の支払い状況を明確にできる事業者。

・申請時に、助成対象となる要件を満たしている美容室オーナー。

補助額、補助率

▼正社員化コース

・有期⇒正規:80万円

・無期⇒正規:40万円

▼賃金規定等改定コース

・3%以上5%未満の増額:5万円

・5%以上の増額:6.5万円

▼賃金規定等共通化コース

1事業所当たり60万円

▼賞与・退職金制度導入コース

1事業所当たり40万円

▼社会保険適用時処遇改善コース

○手当等支給メニュー

・1年目:1人当たりの助成額:6か月ごとに10万円×2回

・2年目:6ヶ月ごとに10万円×2回

・3年目:6ヶ月で10万円

○労働時間延焼メニュー

6ヶ月で30万円

○併用メニュー

・1年目:6ヶ月ごとに10万円×2回

・2年目:6ヶ月で30万円

上限

▼正社員化コース

1年度1事業所当たりの支給申請上限人数20名

▼賃金規定等改定コース

1年度1事業所あたりの支給申請上限人数は100人

美容業界では、非正規雇用のスタッフが在籍しているケースも珍しくありません。このような状況の美容室は、キャリアアップ助成金を活用しましょう。

具体的には、以下のような施策が可能となります。

  • アルバイト・パートの正社員化:優秀な人材を長期的に確保しやすくなる。
  • 賃金改定や福利厚生の充実:給与アップや退職金制度の導入でスタッフの定着率向上。
  • 社会保険適用の促進:短時間勤務の美容師も安心して働ける環境を整備する。

キャリアアップ助成金は、美容室の人材確保やスタッフの働きやすさを向上させるうえで、非常に有効な制度です。長期的な経営の安定を目指すためにも、積極的に活用してみてください。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・事業主が従業員に対して、専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練を支援する制度。

・研修費用や訓練期間中の賃金の一部を助成し、人材育成をサポートする。

・美容師の技術向上を促進し、店舗全体のサービス向上に貢献する。

補助金の対象者

・雇用保険適用事業所の事業主。

・従業員に対し、職務に関連する研修やOJT付き訓練を実施する事業者。

・正社員化を目指した非正規雇用者向けの訓練を実施する美容室オーナー

補助額、補助率



▼人材育成支援コース

○人材育成訓練

・正規雇用労働者:45%

・有期契約労働者等:60%

・正社員転換:70%

○認定実習併用職業訓練:45%

○有期実習型訓練

・有期契約労働者等:60%

・正社員転換:70%

▼教育訓練休暇等付与コース

30万円

▼人への投資促進コース

・60%

・75%※賃金要件を満たした場合

上限

▼人材育成支援コース

・10時間以上100時間未満:15万円

・100時間以上200時間未満:30万円

・200時間以上:50万円

・1事業所1年度あたりの助成限度額:1,000万円

▼人への投資促進コース

・1事業所1年度あたりの助成限度額:2,500万円

美容室間の市場競争が激しくなるなか、スタッフのスキルアップは店舗の成長に不可欠です。特に、美容業界では最新の技術やトレンドを学び続ける必要があります。

しかし、研修や教育にはコストがかかるため、思うように人材育成を進められない美容室も少なくありません。そんなときに活用したいのが人材開発支援助成金です。

この助成金を活用すると、以下のような施策が可能になります。

  • 技術向上研修の実施:カット・カラー・パーマなどの最新技術を学ぶ講習を開催。
  • 接客スキルの向上:カウンセリング技術や接客マナー研修を取り入れ、顧客満足度を向上。
  • スタッフのキャリア形成支援:OJT付き研修で、新人や中堅スタッフの成長をサポート。

人材開発支援助成金を活用すれば、スキルの高い美容師を育成し、店舗のサービスレベルを向上できます。長期的な成長を見据えて、積極的に導入してみましょう。

業務改善助成金

業務改善助成金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・生産性向上を目的とした設備投資や人材育成を支援する制度。

・事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、その費用の一部が助成される。

・美容室では、最新機器の導入や業務フローの見直しを通じて、業務効率化や顧客満足度の向上につながる。

補助金の対象者

・中小企業・小規模事業者。

・事業場内最低賃金を一定額引き上げることが条件。

・労働環境を改善しながら、業務の効率化を進めたい美容室に適している。

補助額、補助率

・900円未満:9/10

・900円〜950円未満:4/5(9/10)

・950円以上:3/4(4/5)

※()内は生産性要件を満たした事業場の場合

上限

・30円コース:30万円〜130万円

・45円コース:45万円〜180万円

・60円コース:60万円〜300万円

・90円コース:90万円〜600万円

※引き上げる人数によって違いあり

美容室の経営では、施術時間の短縮や業務の効率化、スタッフの負担軽減などが重要なポイントになります。特に、業務のデジタル化や最新機器の導入は、顧客の満足度向上にも直結する施策です。

しかし、これらの改善にはコストがかかるため、実施に踏み切れない美容室も多いでしょう。そこで活用したいのが以下のような施策に活用可能な業務改善助成金です。

  • 最新の美容機器の導入:施術時間を短縮し、スタッフの負担を軽減。
  • POSシステムの導入:予約や会計業務を効率化し、業務負担を軽減。
  • 社員研修の実施:接客スキル向上や業務フローの見直しで生産性向上。
  • 業務効率化のための設備投資:省エネ型のドライヤーやシャンプー台の導入でコスト削減。

業務改善助成金を上手く活用すれば、労働環境の改善と生産性向上を同時に実現できるでしょう。

両立支援等助成金

両立支援等助成金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・育児や介護と仕事を両立できる職場環境を整備するための制度。

・育休や介護休業の取得を促進し、従業員が安心して働き続けられる職場づくりを支援。

・育児や介護を理由とした離職を防ぎ、人材の定着率を向上させる。

補助金の対象者

・育児・介護休業制度や短時間勤務制度を就業規則に明記している事業主。

・育休や介護休業の取得・復帰を支援する体制を整えている美容室。

・育児や介護に関する一般事業主行動計画を策定・公表し、労働局へ届け出ている事業者。

補助額、補助率

▼出生時両立支援コース

・第1種(男性の育児休業取得):1人目20万、2〜3人目10万円

・第2種(男性育児休業取得率の上昇等):1年以内達成:60万円、2年以内達成:40万円、3年以内達成:20万円

▼育児休業等支援コース

・育休取得時30万円

・職場復帰時30万円

▼育休中等業務代替支援コース

・育児休業中の手当支給:最大125万円

・育短勤務中の手当支給:最大110万円

・育児休業中の新規雇用:最大67.5万円

▼柔軟な働き方選択制度等支援コース

・制度2つ導入し、対象者が制度利用:20万円

・制度3つ以上導入し、対象者が制度利用:25万円

▼介護離職防止支援コース

○介護休業

・休業取得時:30万円

・職場復帰時:30万円

○介護両立支援制度:30万円

30万円

▼不妊治療両立支援コース

環境整備、休暇の取得等:30万円

上限

▼育児休業等支援コース

無期雇用者、有期雇用労働者各1人限り

▼育休中等業務代替支援コース

・業務代替手当:上限10万円/月、12か月まで

・業務代替手当:上限3万円/月、子が3歳になるまで

▼柔軟な働き方選択制度等支援コース

1年度5人まで

▼介護離職防止支援コース

※休業、両立支援制度それぞれで1年度5人まで

▼介護離職防止支援コース

1回限り

美容業界では、長時間労働やシフト制勤務が一般的ですが、働きながら育児や介護を両立したい美容師も増えています。

特に、男性美容師の育児休業取得や、介護による離職を防ぐための環境整備は、今後の美容業界においても重要な課題です。両立支援等助成金の活用によって、以下のようなサポートができるようになります。

  • 育児休業を取得しやすい職場づくり:育休取得を促進し、復職しやすい環境を整備。
  • 育休中の業務代替支援:育休を取得するスタッフの代替要員を確保し、店舗運営を安定化。
  • 介護と仕事の両立支援:介護休業を取得した美容師がスムーズに復職できる仕組みを構築。
  • 復職後のフォロー体制の強化:育児や介護で離職した美容師がスキルを取り戻せる研修の実施。

スタッフが安心して長く働ける美容室は、求職者にとっても魅力的な職場なため、働きやすい労働環境の整備は、採用活動においても大きなメリットです。両立支援等助成金を活用し、育児・介護と仕事を両立しやすい美容室を目指しましょう。

以下では、各補助金について目的や対象者、補助額などの詳細を解説します。

美容室が使える開業支援におすすめの補助金

美容室を開業するためには、店舗の準備、設備投資、広告宣伝など、多くの資金が必要になります。

そこで活用したいのが、以下の2つです。

  • 開業支援事業補助金
  • 中小企業ホームページ作成費補助金

これらの補助金の活用によって、開業時の資金負担を軽減しながら、効果的な集客施策を進められます。

「開業資金を少しでも抑えたい」「美容室の認知度を高めるために、ホームページを作りたい」と考えているのなら、ぜひ参考にしてみてください。

開業支援事業補助金

開業支援事業補助金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・豊島区内の事業者を対象に、開業・経営安定・事業拡大をサポートする補助金。

・創業初期の事業者が、販路拡大・デジタル化推進・専門家活用などを通じて基盤を強化することを目的としている。

補助金の対象者

・開業支援コース:区内に本店登記地または主たる事業所があり、創業後3ヶ月以上5年未満の事業者。

・経営安定コース:区内に本店登記地または主たる事業所がある法人および個人事業主。

・コラボチャレンジコース:複数の事業者が団体を形成し、半数以上が区内の中小企業者であること。

補助率

2/3以内

上限

20万円

美容室の開業や経営安定のために、以下のような形で補助金を活用できます。

  • 広告宣伝や販促活動の強化:チラシ・ポスター・SNS広告の制作費を補助金でカバーし、新規顧客を獲得。
  • デジタル化の推進:予約管理システムやキャッシュレス決済端末を導入し、業務効率化を実現。
  • 専門家の活用:美容業界に精通した経営コンサルタントやマーケティングの専門家に相談し、経営の安定化を図る。
  • コラボレーション企画の推進:美容業界内の他サロンや異業種と協力し、新たなサービス開発やイベント開催を実施。

開業初期の美容室にとって、販促活動やデジタル化を進めることは、今後の成長を大きく左右します。この補助金の活用で、経営基盤を整えながら安定した運営を目指してみてください。

中小企業ホームページ作成費補助金

中小企業ホームページ作成費補助金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・中央区内の中小企業・個人事業主が、新規でホームページを作成または既存のホームページを変更する際の費用を補助。

・オンラインでの情報発信を支援し、集客やブランディングの強化を目的としている。

補助金の対象者

▼一般枠

・中小企業基本法に規定された中小企業者。

・風俗営業等に該当しない業種。

・中央区内に事業所を持ち、過去に本補助金を受けたことがない事業者。

・ホームページの作成・変更前であり、申請年度内に事業完了が可能な事業者。

▼創業枠

・中央区内で創業予定、または創業1年未満の中小企業・個人事業主。

・申請日から3カ月以内に登記簿謄本や開業届を提出できる事業者。

・ホームページの作成前であり、申請年度内に事業完了が可能な事業者。

補助率

・一般枠:1/2以内

・創業枠:2/3以内

上限

・一般枠:5万円

・創業枠:6万円

美容室の集客力向上やブランディングのため、以下のように活用できます。

  • 新規ホームページの開設:開業したばかりの美容室が、集客のためにホームページを作成する際の費用を軽減。
  • 既存ホームページのリニューアル:デザインの刷新や、予約機能・オンラインカウンセリング機能を追加し、利便性を向上。
  • SEO対策やブログ機能の導入:検索エンジンでの上位表示を狙い、新規顧客を獲得。
  • SNSや予約システムとの連携:InstagramやLINE公式アカウントと連携し、スムーズな予約導線を確保。

現在では、特にスマホの普及によってオンラインでの集客は欠かせません。低コストで効果的なウェブサイト運営が可能となり、より多くのお客様にアプローチできるようになるでしょう。

美容室が使える販路開拓におすすめの補助金

美容室の売上を維持・向上させるには、新規顧客を獲得するための販路開拓および集客強化が欠かせません。

それを支援するのが「小規模事業者持続化補助金」です。この補助金を活用すれば、販促活動にかかる費用の一部を補助してもらえます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・小規模事業者が販路開拓や業務効率化を行う際の経費を補助し、事業の成長を支援する制度。

・地域の雇用や産業を支える小規模事業者の生産性向上と持続的な発展を目的としている。

・広告宣伝、設備導入、業務効率化など、経営基盤を強化する取り組みを幅広く支援。

補助金の対象者

・小規模事業者であること

・資本金5億円以上の法人から100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)

・直近3年分の課税所得の平均額が15億円を超えていないこと

・商工会・商工会議所の支援を受けながら事業を進めること

・他の国の補助金制度と重複しないこと

補助率

2/3以内

上限

・通常枠:50万円

・賃金引上げ枠:200万円

・卒業枠:200万円

・後継者支援枠:200万円

・創業枠:200万円

小規模事業者持続化補助金を用いて、例えば以下のような施策を実施すれば、、売上アップにつなげられます。

  • 新たなサービスの導入:ウィッグ販売や訪問美容など、新たなメニューを展開し、他の美容室と差別化を図る。
  • 販促活動の強化:チラシ・ポスター作成、新聞折込広告、SNS広告、地域情報誌への掲載などで集客を強化する。
  • デジタル化の推進:予約システムの導入、キャッシュレス決済の導入など、業務の効率化を進める。
  • 店舗のリブランディング:ロゴデザインや店舗の内装をリニューアルし、ブランドイメージを向上させる。

ただ集客を増やすだけでなく、ブランディングやデジタル化の推進にもつながるため、今後の経営戦略として検討してみてはいかがでしょうか。

美容室が使える設備導入や店舗改装におすすめの補助金

美容室の経営では、店舗のリニューアルや新しい設備の導入が欠かせません。

そこで設備投資や改装の負担を軽減できるのが、以下の2つです。

  • 事業再構築補助金
  • ものづくり補助金

これらの補助金を活用すれば、店舗の改装費用や新しい美容機器の導入、業務効率化のための設備投資などの費用を支援してもらえます。

補助対象となる設備や申請条件など詳細を解説しますので、美容室の設備投資を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

事業再構築補助金

事業再構築補助金についての詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・ポストコロナの経済変化に対応し、新市場進出や業態転換、事業再編を支援する制度。

・成長分野への進出や地域サプライチェーンの強化など、経営基盤の変革を促進することを目的としている。

補助金の対象者

・事業再構築指針に該当する事業を行うこと。

・金融機関や認定経営革新等支援機関と事業計画を策定し、確認を受けること。

・補助事業終了後3〜5年で、付加価値額の年平均成長率を3〜4%以上向上させること。

※「成長分野進出枠」「コロナ回復加速化枠」など、目的に応じた事業類型が用意されている。

補助率

・中小企業1/2以内

・中堅企業1/3以内

上限

・通常類型:3,000万円

・GX進出類型:5,000万円

・最低賃金類型:1,500万円

美容室の事業拡大や新たな取り組みを支援するため、以下のような活用が可能です。

  • 新規事業の立ち上げ:ウィッグ販売やエステサービスなど、新たな事業に挑戦。
  • 業態転換による事業拡大:高単価メニューの導入や、高齢者向け訪問美容サービスの展開。
  • 店舗のリニューアル・設備投資:最新の美容機器を導入し、施術の効率化やサロン環境の向上を実現。
  • デジタル技術を活用した経営改革:オンライン予約システムやAIカウンセリングを導入し、顧客満足度を向上。

美容室の競争力を高めるには、時代の変化に適応した事業展開が欠かせません。この補助金を活用すれば、新しい市場への進出や設備投資が可能になり、美容室のさらなる成長につなげられるでしょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金についての詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・中小企業や小規模事業者の業務効率化や生産性向上を目的とした設備投資を支援。

・働き方改革やインボイス導入などの制度変更に対応しつつ、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を促進。

補助金の対象者

・付加価値額の年平均成長率を3%以上向上させること。

・給与支給総額の年平均成長率を1.5%以上増加させること。

・事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上引き上げること。

※補助対象経費:機械装置・システム構築費・技術導入費・外注費・専門家経費など。

補助率

・中小企業1/2以内

・小規模、再生2/3以内

上限

・5人以上:750万円

・6〜20人以上:1,500万円

・21〜50人以上:3,000万円

・51〜99人以上:5,000万円

・100人以上:8,000万円

美容室の生産性向上やサービス強化に活用できる補助金です。

  • 最新設備の導入:高性能なヘアドライヤーやヘッドスパ機器を導入し、施術時間を短縮する。
  • 新サービスの開発:特許技術を活用したドライヤーアタッチメントなど、美容機器を独自に開発する。
  • ITツールの活用:予約・顧客管理システムを導入し、業務の効率化を図る。
  • スタッフの労働環境改善:自動シャンプー機の導入で、スタッフの負担軽減と作業効率向上を図る。

ものづくり補助金を活用すれば、業務効率の向上だけでなく、競争力の強化や新しいサービス展開も可能になります。

美容室が使えるIT化支援におすすめの補助金

美容室の経営では、予約管理・顧客対応・売上管理など、日々の業務が多岐にわたるだけでなく、インボイス制度やキャッシュレス決済への対応といった時代に合わせた変化も求められています。

こうした課題を解決するためにおすすめできるのが、「IT導入補助金」です。

IT導入補助金

IT導入補助金の詳細は、以下の通りです。

補助金の目的

・中小企業や小規模事業者が、ITツールを導入して業務の効率化や生産性向上を図るための補助金。

・会計業務や予約管理などのデジタル化を支援し、事業の成長を促進する。

補助金の対象者

・中小企業・小規模事業者であること。

・補助対象となるITツールを導入すること。

・他の国や独立行政法人の補助金と重複しないこと。

補助率

1/2以内

※3か⽉以上地域別最低賃⾦+50円以内で雇⽤している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合は2/3以内

上限

・1プロセス以上:5万円以上150万円未満

・4プロセス以上:150万円以上450万円以下

美容室の業務効率化や顧客管理の改善に向けて、以下のようなITツールを導入できます。

  • POSレジの導入:クラウド対応のPOSレジを活用し、売上や在庫管理を一元化。
  • 予約・顧客管理システムの導入:予約受付を自動化し、顧客の来店履歴や施術内容を記録。
  • 電子カルテシステムの活用:ヘアスタイルの履歴や薬剤の使用履歴をデータ化し、よりパーソナライズされたサービスの提供。
  • 会計ソフトの導入:経理業務を効率化し、確定申告や帳簿管理の負担を軽減。

IT導入補助金の活用によって、業務のデジタル化を進め、美容室のサービス向上と経営の効率化を両立できます。

時間や手間を削減し、よりお客様に向き合う時間を増やすためにも、積極的な活用がおすすめです。

実際に補助金を申請して成功した美容室の事例

補助金を活用し、業務効率化や経営改善につなげた美容室の事例を紹介します。

実際の活用方法を把握できれば、どのように補助金を活かせるのか具体的なイメージが湧くはずです。補助金の使い道が明確でない場合でも、参考にしながら活用を検討してみてください。

補助金で人材の育成するための仕組みを作った事例

美容室「大山悟」では、キャリア形成促進助成金を活用し、若手スタッフの育成に力を入れています。

技術研修だけでなく、接客やカウンセリングスキルの向上を重視しており、その結果、顧客満足度の向上につながりました

使用した補助金

キャリア形成促進助成金(若年人材育成コース)

事業内容

・リーダークラスの社員を育成するための教育研修を実施

・技術習得だけでなく、顧客に最適なヘアカラーやシャンプーを提案できるカウンセリング力を強化

・若手美容師の成長を促すため、以下の研修プログラムを導入

・SSAベーシックコース・アドバンスコース:美容技術の基礎・応用の習得

・シャンプーソムリエ:髪質に応じた適切なケアの知識を習得

・ヘアカラー検定:カラー技術の専門知識を取得

・管理理美容免許の取得支援:美容師としてのキャリアの幅を広げる

また、リーダークラスの社員の育成によって、店舗全体のサービス品質が安定し、スタッフのモチベーション向上にも寄与しています。

さらに、明確なキャリアパスの整備で、スタッフが将来のビジョンを描きやすくなりました。これにより、職場への定着率も高まり、長期的な経営の安定化が期待できます。

このように、キャリア形成促進助成金を活用すれば、人材のスキルアップだけでなく、店舗の成長にもつなげられるでしょう。

補助金で業務の効率化と同時にスタッフに賃金もアップさせられた事例

ある美容室は業務改善助成金を活用し、コラーゲンマシンを導入しました。これにより、従来のマッサージでは1時間30分かかっていた施術時間を、30分短縮できています。

使用した補助金

業務改善助成金

事業内容

・時間給を60円引き上げ、従業員の処遇を改善

・施術時間の短縮と業務効率化を目的に、コラーゲンマシンを導入

・1時間30分かかっていた施術(ヘッドスパ→ハンドマッサージ→フェイシャルマッサージ→パック)の時間を30分短縮

・コラーゲンマシンによる施術効果は、従来のマッサージの2倍以上を実現

・マシンの使用中に他の業務を行うことで、スタッフの作業負担を軽減

また、従来のマッサージに比べて2倍以上の効果を実現し、顧客満足度の向上にもつながりました。

さらに施術中に他の業務ができるようになり、スタッフの業務負担が軽減された点も、この補助金を活用するメリットです。その結果、賃金を60円引き上げることができ、従業員のモチベーション向上にも貢献しています。

このように、業務改善助成金を活用すれば、業務の効率化だけでなく、スタッフの働きやすさの向上や顧客満足度の向上にもつなげられるでしょう。

補助金で炭酸ヘッドスパを導入して客単価が向上した事例

美容室Faithは、補助金を用いて導入した炭酸ヘッドスパの無料体験をきっかけに、カットやカラーを併せて施術するお客様が増えました。

2ヵ月間で200人がモニターとして体験し、その声をもとに価格設定やPR戦略を見直した結果、客単価の向上につながっています。

使用した補助金

小規模事業者持続化補助金

事業内容

・20〜40代の新規顧客をターゲットに、炭酸ヘッドスパを導入した。

・集客のためにチラシのポスティングを実施し、無料体験を提供した。

・炭酸ヘッドスパの魅力を体験してもらうことで、来店率の向上を目指した。

さらに、2019年度の採択事例では、マイクロバブル発生装置を導入し、頭皮環境の改善を強みにしたメニューを展開しました。その結果、新規顧客の獲得にもつながり、リピーターの増加も見込めるようになっています。

このように、補助金の活用によって、新メニューの導入や集客の強化が可能です。美容室経営の安定を目指すのであれば、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

補助金でPOSシステムを導入して作業の効率化ができた事例

株式会社アミックスハラダは、タブレットの活用によって、スタッフがパソコンの前に移動する手間がなくなり、鏡の前で予約や顧客情報を確認できるようになりました。

飲み物の好みや施術履歴をすぐに把握し、ヘアスタイルの提案や事前の料金説明をスムーズに行えるようになったため、接客の質が向上しています。

使用した補助金

IT導入補助金

事業内容

・クラウド化を進め、タブレット端末で予約確認や顧客カルテの入力、料金の事前提示を可能にした。

・施術後の写真を取り込み、顧客カルテをさらに充実させた。

また、コロナ禍での時短営業に対応するため、予約システムを活用し、予約時間の分散化を実施しました。

複数の予約サイトと連携し、予約時間の調整によって、スタッフの業務負担も軽減しています。その結果、スタッフのモチベーション維持や働き方改革にもつながり、より良い職場環境が実現しました。

このようにIT導入補助金を活用すれば、業務効率の向上だけでなく、スタッフの働きやすさの実現にもつながります。

補助金で要介護者高齢者の受け入れが強化できた事例

老舗サロン「Marry First」は、移動美容車の導入によって、介護施設や訪問美容師が不足する山間部でも美容サービスを提供できる環境を整えました。

使用した補助金

事業再構築補助金

事業内容

・コロナ禍で来店客が減少したため、移動美容車での訪問美容を計画。

・事業再構築補助金を活用し、シャンプー台や車いす対応リフト付きの移動美容車を導入。

・カラーやパーマの施術にも対応できる設備を整備。

また、高齢者だけでなく、障がいのある子どもや育児中の方など、外出が難しい人々にも寄り添ったサービスを展開し、多くのニーズに応えています。

さらに、地元の議員からは「震災時にも役立つ」との声が寄せられ、今後は防災支援の一環としても活用を検討しています。

補助金の活用によって、単なる事業拡大にとどまらず、地域社会への貢献にもつながっている点が大きな成果といえるでしょう。

まとめ

美容室が補助金を活用すれば、業務の効率化や新規事業の展開、スタッフのスキル向上など、多方面で経営を強化できます。しかし、補助金ごとに要件や活用目的が異なるため、適切なものを選び、計画的な申請が必要です。

  • 補助金の種類を把握する:IT導入、設備投資、人材育成、販促支援など、目的に合った補助金を選ぶ。
  • 審査があることを理解する:申請すれば必ず採択されるわけではなく、事業計画の具体性が求められる。
  • 自己負担が発生する場合がある:補助金は後払いが基本で、事前に資金を準備しておく必要がある。
  • 申請や事務手続きを適切に行う:必要書類の準備や経費の管理を徹底し、不備がないように進める。
  • 返還義務が生じる可能性を考慮する:条件を満たさない場合や、用途外の使用が発覚すると返還を求められる。

補助金は、美容室の経営改善や成長を後押しする有効な手段です。事業の方向性に合わせて最適な補助金を活用し、競争力を高めていきましょう。

Bizリジョブ編集部 プロフィール画像
執筆者情報
Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。