【離職率が高い産業ランキング】3年以内の離職率が高い産業とその特徴を紹介
人手不足が大きな社会問題になっている日本において、人材確保のための対策を打っている企業は少なくありません。
人材確保において採用活動は重要ですが、並行して取り組むべきなのが「離職の食い止め」です。
厚生労働省が実施した「令和5年上半期雇用動向調査結果の概要」によると、令和5年上半期に離職した人は4,510,000人で、離職率は常用労働者数の8.7%に及びます。
令和4年上半期の離職率も同じく8.7%ですが、令和4年通期で見ると離職率は15.0%に跳ね上がっており、令和5年度も同じく年度後半で離職率が跳ね上がる可能性が懸念されます。
さらに注目すべきは産業によって異なる離職率です。この記事では離職率の高い産業のランキング上位5つを紹介し、その特徴を解説します。
離職率の高い産業
厚生労働省が発表した最新の雇用動向調査の結果を踏まえて、離職率の高い産業をランキングで紹介します。
また離職者の中でも新規学卒者の離職状況についても解説するので、新規学卒者の採用を検討している方や新規学卒者の離職で悩まれている方は参考にしてみてください。
最新調査から判明した離職率の高い産業
厚生労働省が行った最新の調査でわかった離職率の高い産業は、以下の通りです。
1位:生活関連サービス業,娯楽業
2位:宿泊業,飲食サービス業
3位:サービス業
4位:教育,学習支援業
5位:不動産業
なお離職率の高い上記5つの産業は、以前より高い離職率に悩まされている産業でもあります。
平成27年の同調査でも「宿泊業,飲食サービス業」「生活関連サービス業,娯楽業」「サービス業」が離職率ランキングの上位にきています。
なぜ一定の業種のみ、高い離職率が続いているのかについて紐解いていきましょう。
生活関連サービス業,娯楽業
生活関連サービス業や娯楽業とは美容室やエステティックサロン、クリーニング店、映画館など生活に欠かせないものや生活を豊かにしてくれる産業を指します。
旅行代理店や葬儀屋もここに分類されます。
生活関連サービス業や娯楽業はさまざまな産業の中でも、例年高い離職率が続いている産業です。令和5年上期は15%、令和4年はさらに高い18.7%の離職率でした。
同産業の離職率が高い理由はサービス業であるため、土日に休みを取りにくいことや労働時間が長いことが考えられます。
出典:株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー 美容就業実態調査2023
株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミーが2023年に行った美容就業実態調査でも、学校を卒業して初めて就職した勤務先を辞めた理由として「拘束時間に対しての不満」や「仕事がハード」が上位にきています。
また「給与が低い」「収入が不安定」など給与面に対する不満も退職理由の大きな要因です。
生活関連サービスや娯楽業は立ち仕事であることも多く、体力面の不安から離職する人も少なくありません。
宿泊業,飲食サービス業
宿泊業や飲食サービス業は旅館やホテルなどの宿泊施設や飲食店のほか、ピザや寿司宅配などのデリバリー、キャバレー、ナイトクラブも含みます。※持ち帰り専門店は該当しません
同産業の離職率は令和5年上半期で14.8%、令和4年は26.8%と他産業を大きく引き離して最も離職率が高い結果となっています。
日本労働研究雑誌によると、就職後に感じたギャップは「生活関連サービス,娯楽業」と同じく、休日の取りにくさや長時間労働であり、離職理由につながっていると考えられます。人手不足によるひとり当たりの業務負担の大きさが増加していることも要因のひとつと考えられます。
人手不足の背景にはインバウンド客の回復が影響しています。
令和5年6月に観光庁がまとめたデータによると、令和4年の外国人延べ宿泊者数は前年比282.3%と驚異的な回復を見せています。
コロナが終息したことでこれまで下火だったホテルや外食産業が息を吹き返し、求人を控えていた企業や店舗の多くで積極的な採用を再開したためです。
良い人材を確保するために条件や待遇を見直すところもあり、対応が遅れているところでは離職を食い止めることが難しくなっています。
サービス業
「生活関連サービス業,娯楽業」「宿泊業,飲食サービス業」に含まれないサービス業には、自動車整備業やごみ収集運搬業、職業紹介、派遣業などが含まれます。
令和5年上半期のサービス業における離職率は11.7%、令和4年では19.4%と平均離職率8.7%(令和4年の平均離職率は15.0%)と比較しても高い水準にあることがわかります。
サービス業離職経験者へのアンケート(ClipLine 株式会社)によると、勤続期間に関わらず「仕事がきつかった」が最も多い結果となっています。
サービス業に分類される自動車整備業やごみ収集運搬業などは、労働環境や給与面の問題が退職理由として多い傾向です。過酷な労働環境や条件のため、長く続けるのが困難な業種と言えるでしょう。
また就労をサポートする職業紹介や派遣業は、現在職についている人をサポートすることもあるため、残業が多くなる傾向にあります。
教育,学習支援業
教育,学習支援業は学校教育を行う業種や学校教育以外の教育を行う業種を指します。学習支援業には学習塾以外にも図書館や博物館も含みます。
同産業の令和5年上半期における離職率は11.0%、令和4年では15.2%にも上っています。
離職の原因には長時間労働や過酷な業務により引き起こされる、精神疾患などの体調不良によるものが多い傾向です。
文部科学省がまとめたデータによると、平成25年以降右肩上がりで推移している教育職員の精神疾患による休職者数は、令和4年に6,000人を超えました。
さらに学習支援業のひとつ「学習塾」では、授業の準備や片付けのために早出や残業をしても残業代が出ないなど、働き方や給与面における問題も離職率を高める大きな要因となっています。
株式会社市進ホールディングスの決算資料から見えてくるのは、塾経営を圧迫する人件費の高さです。売上に対して人件費が半分以上を占めており、人件費の高さが問題となっていることが理由に考えられます。
不動産業,物品賃貸業
不動産業は不動産の売買や賃貸管理を行う事業所、もしくはその代理や仲介を行う事業所を指します。また物品賃貸業には事務用機械器具や自動車、娯楽品の物品を賃貸する事業所が含まれます。
同産業の離職率は令和5年上半期で9.7%、令和4年では13.8%でした。
賃貸不動産管理会社の社員の離職に関するアンケート(GMO)で、会社環境による理由としては社風や人間関係も多いものの、給与の低さや労働時間の割合も高くなっています。ここから不動産業や物品賃貸業の離職率が高い理由として長時間労働や高いノルマが考えられます。
不動産仲介業の求人を見ても多くが給与に固定残業代を含んでおり、残業ありきの働き方が常態化しています。
また小さな事業所ではIT化が進んでいないところも多く、無駄な作業が多いのも離職に繋がる原因と言えるのではないでしょうか?
3年以内離職率のうち離職率の高い上位5産業
出典:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
次に3年以内の離職率に絞って、離職率の高い産業を紹介します。
令和2年3月に卒業した新規高卒者の3年以内の離職率は37.0%、大卒者は32.3%でした。
厚生労働省がまとめた新規学卒就職者の離職状況では、高校、大学ともに上位5つは同産業がランキングしています。順位が多少異なるため、今回は高校新卒者のランキングを元に順位を作成しました。
出典:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
厚生労働省がまとめたデータによると、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は事業規模が小さいほど高い傾向です。
このことからも3年以内という早期に退職を決めてしまうのには、さらに別の要因が絡んでいることが予測されます。
ようやく一人前になった頃に退職されないためにも、各産業に起きている問題を理解し対処していきましょう。
宿泊業,飲食サービス業
高卒、大卒ともに3年以内の離職率が最も高かったのは宿泊業,飲食サービス業でした。
今回の集計対象はコロナ禍中である令和2年のため、コロナのせいではと思う人もいるかもしれません。たしかに宿泊業,飲食サービス業はコロナで大ダメージを受けた産業です。
しかし平成27年のデータを見てもわかるように、同産業はコロナ前から高い離職率でした。
沖縄県那覇市ホテルを事例に、宿泊産業における早期離職の現状と課題に焦点をあてた調査結果があります。それによると早期離職理由は人間関係や体力面などのほか、マンネリ化やステップアップ、引き抜きなどキャリアアップを目指すためであることがわかりました。
コロナが終息しインバウンドが回復するなど、宿泊業も飲食サービス業も需要が高まる中で深刻な人手不足問題を抱えています。体力があり将来性も高い若い働き手は多くの企業が求めており、早期離職に拍車をかけている現状と言えるでしょう。
生活関連サービス業,娯楽業
出典:13-287-298-MatsumotoK.pdf (nihon-u.ac.jp)
日本大学大学院総合社会研究科が「美容師の労働状況と離職の実態調査」について調べたデータによると、早期離職に至った原因は先輩美容師との人間関係や労働条件がもっとも多いものでした。
美容師には見習いであるアシスタントの期間があり、その期間はカットはおろかシャンプーすら担当させてもらえないことも。
また美容師も含めエステティシャンなど技術を必要とする職種では、営業時間外に練習を行うところもあります。仕事に拘束される時間が長くなるアシスタントや見習い期間は、プライベートの時間を大切にしたい人にとって離職を検討してしまう要因が多い時期です。
小売業
小売業とは主に個人又は家庭消費のために商品を販売するもの、もしくは産業用使用者に少量の商品を販売するものを指します。
パン屋やケーキ屋、ガソリンスタンドなどがこれにあたります。アパレルや百貨店なども小売業に分類されます。
アパレル業界の労働環境を調査したアンケート(株式会社スタルジー)では、アパレル販売員の悩みとして1位の「給与が少ない」に次いで多かったのが「体力的に大変」「休みが少ない」でした。
この結果から小売業において早期離職が多い理由は、慣れない入社後すぐに多くの業務を任されることが原因として考えられます。
また同アンケートでは「将来が不安」という声も多く、第5位にきています。
アパレルなど販売業は長年勤めても転職に有利なスキルが積めないことと、出世するにも上が詰まっていて出世の見込みが立たないことも早期離職につながっています。
さらに業務量や勤務時間に見合わない低い賃金も早期退職に拍車をかけているようです。
出典:アパレル販売員(ショップ店員)のお悩み、退職理由、転職に関するアンケート調査結果を発表 | 株式会社スタルジーのプレスリリース (prtimes.jp)
株式会社スタルジーがアパレル販売員として働いている、もしくは過去に販売員だった方に行った調査では、元アパレル販売員の多くは一般職・事務職に転職しており勤務時間は減ったのに給料は上がったと回答しています。
教育,学習支援業
教育や学習支援業は精神的なストレスと業務量の多さ、勤務時間の長さ、勤務時間帯が早期退職の引き金となっています。
文部科学省が公表した教員勤務実態調査(令和4年度)の結果を見てみると、平成28年度比較では若干減少しているものの依然として労働時間が長い傾向にあります。
さらに学習塾は元々個人塾から始まったこともあり、長く勤めてもらうための人事制度や人材育成プランなどがない傾向にあります。そのためキャリアアップや昇給は期待しにくい産業であると言えるでしょう。
また子供だけでなく、親への対応も必要とされる中で先輩や上司からのフォローも少なく、精神的に疲れて早期離職を選ぶ人も少なくありません。
医療,福祉
医療や福祉産業で働く人は働きがいややりがい、資格や技能を活かせることを理由に選ぶことが多い傾向です。
公益財団法人 介護労働安定センターが行った介護労働者の就業実態と就業意識調査によると、介護関係の仕事を辞めた約半数の人が介護関係の企業・事業所へ再就職しています。
さらに同調査では直前職を離職した理由の質問に対して、約半数が「職場の人間関係」もしくは「施設の理念や運営方針に不満」と回答しています。
アンケートに答えた半数以上が今の仕事を続けたいと職種自体に満足している一方で、離職者を出してしまう施設があるのは相談窓口の存在も関係していると考えられます。
同調査の回答によると、5割以上の施設で相談窓口がない、もしくは分からないとの現状が明らかになりました。
社会人経験の少ない新卒者の場合、困ったときに相談できる相手がいるかいないかでは不安や不満の軽減、ひいては離職を左右することに繋がるのではないでしょうか?
離職率が高い企業の特徴
ここまで紹介した離職率の高い産業と早期離職率の産業に多い特徴を元に、離職率の高い企業の特徴をまとめます。
また離職率の低い企業を参考に各問題への対応策も参考として紹介します。
長時間労働や残業が慢性化している
離職率の高い生活関連サービス行の中で代表的な美容師の例を挙げると、2018年にタカラベルモント株式会社が元美容師に行った調査で「職場環境で改善が望まれる点」についての給与面に次いで多かったのが「休日の取得」と「勤務時間」でした。
美容関連の仕事に従事し離職した人の約半数は退職後どこにも就職しておらず、せっかく取得した技術や知識を活用できていません。
ところが先の調査を見てみると美容師として働いていない人のうち6割を超える人が、労働環境が改善されたらまた美容師に戻りたいと回答しています。
実際、あえて忙しくさせ過ぎない経営方針を取り入れた美容鍼サロン「HariFa」では、6年連続離職率0を維持しています。
「無駄な作業はIT化していく」「技術者でなくても出来る雑用は別のスタッフを雇う」など出来る限り負担を減らす仕組み作りが必要です。
またそれぞれのライフスタイルに合わせた勤務時間を選べるなど、働き方への柔軟性も求められています。
人事評価制度が整っていない
離職率の高い企業では人事評価制度は取り入れているものの、評価基準が明確でなかったり、名ばかりで機能していなかったりで不平や不満が募り、離職率を高める原因となっています。
国もパートや正社員など雇用形態に関係なく平等な賃金制度「同一労働同一賃金」を推し進めているように、公平な評価と報酬を与えることが大切です。
株式会社ミュゼが運営するまつげエクステサロン「MAQUIA(マキア)」では、パートにも正社員にも歩合制を導入し、どのスタッフも頑張りを正当に評価される環境を整えています。
子育て中のパートでも頑張れば収入を上げられることでモチベーションアップにもつながり、離職を防ぐことにつながっています。
社員のモチベーションが低下している
社員のモチベーションを高めるためには、個人の能力や個性を尊重することが大切です。人を資本と捉える「人的資本」という考え方に切り替え、個々の価値をいかにして引き出すかがポイントとなります。
出典:上司のマネジメント力、部下からの評価は? |転職ならdoda(デューダ)
社員のモチベーションと離職率に関わる興味深いデータがあります。
株式会社dodaはdodaに登録している25〜39歳のビジネスパーソンに、直属の上司のマネジメント力を評価してもらいました。
その結果、離職率の高かった「医療,福祉」や「小売,飲食」などの産業ではすべての評価が平均点以下で、マネジメント力と離職率は相対関係にあることがわかりました。
つまり個々のモチベーションを高めていくには個々の考えを聞き出す傾聴力や、目標設定など上司のマネジメントが要ということです。
企業の方向性と個々が担う役割を共有し、社員のモチベーションを上げていきましょう。
人材の育成制度が整っていない
出典:コロナで転職理由に変動! コロナ以前とコロナ以降を徹底比較 |転職ならdoda(デューダ)
株式会社dodaはコロナを期に、転職者にどのような心境の変化があったかを調べるアンケートを実施しました。
2020年4月の緊急事態宣言前はトップだった人間関係の不安や不満から、緊急事態宣言後は個人的な理由へと変化しています。細かい部分をみると「給与が低い・昇給が見込めない」という理由とともに、上位に上がってきたのが「スキルアップしたい」というものでした。
その背景には、コロナで業績不安に陥った企業に対する不安が関係していると考えられます。このまま今の会社にいていいのかという不安から、スキルアップできる企業への転職が増えたようです。
人には成長したい、誰かの役に立ちたいという承認欲求があります。言われたことをやるだけでいいという昔のやり方は令和時代に合いません。
新入社員向けの研修マニュアルだけでなく、常に成長を実感し続けられる人材育成制度が企業に求められています。
休暇が取りにくい
出典:【調査レポート】2023年新人・若手の早期離職に関する実態調査 第1回|リクルートマネジメントソリューションズ (recruit-ms.co.jp)
リクルートマネジメントソリューションズが社会人1〜3年目の正社員に対して行ったアンケートによると、過去退職理由についてトップだったのが労働環境や条件でした。
現在は男女関係なく、プライベートを充実させたいと考える人が多く、雇用を継続するうえでライフワークバランスへの理解は必要不可欠です。
女性スタッフが多い美容業界は、子供の急な熱などで休まざるを得ないママスタッフへの配慮やサポートも必要です。一方でママでない、他のスタッフのみへ負担がかからないようにすることも忘れてはなりません。
本部で予約やシフトを一括管理し、スタッフの急な休みによるシフト調整やお客様への連絡も本部が行うようにすることで現場スタッフへの負担や、休むスタッフへの配慮も可能になります。
ハラスメントが横行し、企業として対応していない
企業は業務を通じて成果を出すことが優先されるべきで、成果を出すために必要な意見は立場に関係なく、言い合える関係性が大切です。
しかし実態は上司の声のほうが大きくなりがちで、部下や新入社員が発言しにくい現状です。
言いたいことが言えない「一方的なコミュニケーション」では信頼構築が難しく、ハラスメントと感じてしまうことに繋がります。
立教大学 経営学部 中原淳教授は心理的安全性とは「言いたいことを言っても干されない、除け者にされない」ことだと提唱しています。
つまり心理的安全性はハラスメントと相対する関係にあるため、ハラスメントが横行している職場は心理的安全性の高いチーム作りをしていく必要があります。
同時にハラスメントを感じた人が相談できる窓口も大切です。悩みや不安などの問題を小さなうちに摘むことは離職率を低下させるうえで重要と言えるでしょう。
働き方の柔軟性がない
厚生労働省でも選択的週休3日制といった労働者が望む休暇や休息制度を推奨している昨今、自分の望む働き方ができるか否かは離職率に大きく関わります。
約60人のママスタッフを抱える「まつげエクステサロン MAQUIA(マキア)」では、雇用形態をパートと正社員から選べるように設定しています。さらにパートはシフトを自由に決められて、月1〜4回の少ない勤務でも可能です。
また冒頭に触れた週休3日制は介護や育児に関わる人に留まらず、働き方の多様性に添える方法であり、SMBC日興証券株式会社や株式会社ZOZOなど多くの企業で導入されています。
人間関係が悪い
出典:【現役美容師500人にアンケート調査】 現役美容師が転職理由や働く美容室に求めることは?|美容師の転職事情2022年版 | GYRO HOLDINGS 株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
例えば美容師の場合、株式会社イーグラント・コーポレーションが現役美容師500人に実施したアンケートによると、職場を決める際に重要な指標は給与や通勤のしやすさ、そしてお店の雰囲気でした。
合わせて注目したいのが同調査の「転職理由」に対する回答です。
お店を決める際の指標には4位にきている「人間関係」ですが、転職理由は人間関係が4割以上でもっとも多い回答になっています。
実は美容師のように同僚や先輩との連携が必要な職種では、人間関係の良さは働きやすさに直結します。
どんなに給料が良く通勤に便利でも、最終的に人間関係の悪さが離職率を高める原因となってしまうのです。
人間関係が原因で辞めていく人は本音を言いません。経営者や責任者は現場からの報告を鵜呑みにするのではなく、自分の目で人や現場の雰囲気を確認することも大切です。
まとめ
本記事を総括すると次のとおりです。
- 離職率が高い企業は業務量と給料が見合っていない
- 働き方は人によって異なり、ライフワークバランスを重要視する人が増えている
- 歩合制や公正な評価制度など、頑張りが認められるシステムを整える必要がある
- 職種によってはどんなに給料が良くても、人間関係の悪さが離職率を高めてしまう
少子高齢化で働き手が少なくなる現代において離職率を下げるのは優先事項のひとつです。求める人材が何を重要としているのかを知り、働きやすい環境を整えていきましょう。
- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部