「整体院を開業したけれど、チラシの作り方がわからない」「チラシを作っても、本当に効果があるのか不安」と感じている人もいるのではないでしょうか。チラシ作成には規制があり、掲載してはならない情報も存在します。しかし、要点を理解すれば、集客につながるチラシは作成可能です。
本記事では、整体院の集客におけるチラシの必要性や具体的な作成方法とともに、チラシに掲載できる項目や掲載できない表現・内容や配布方法などを解説します。チラシ作成に便利なサイトも紹介しているため、自身の状況と照らし合わせながら、参考にしてください。
整体院の集客におけるチラシの必要性
整体院の集客におけるチラシの必要性として、以下の3つがあげられます。
- 整体院は地域性が高い
- インターネットを利用しない層にも訴求できる
- 紹介のきっかけになりやすい
ここでは、それぞれの必要性について解説します。
整体院は地域性が高い
整体院への来院を考える上で、通いやすさは重要な要素です。そのため整体院に来院する大半は、近隣に住む地域住民と考えられます。店舗周辺の住民に直接配布できるチラシは、院の情報を効果的に届けられる手段といえるでしょう。
配布エリアを選定すれば、ターゲット層が多いエリアを狙うことも可能です。そうすることで整体院の認知度を効果的に高め、来院率の向上につなげられます。チラシは店舗型だけでなく、出張整体にも有効です。出張範囲にチラシを配れば、来院が難しい高齢者の方にも院の存在や利用しやすさを認知してもらえます。
インターネットを利用しない層にも訴求できる
J-Net21の調査によると、整体院を含むカイロプラクティックオフィスを利用する年齢層は幅広い結果となっています。
高齢層には、インターネットに触れる機会が少ない人もいるでしょう。デジタルよりもアナログを好む方も多く、デジタル広告だけでは認知を広げられない可能性があります。デジタル広告とあわせてチラシを使うことで、インターネットを利用しない層にも訴求しやすくなります。
紹介のきっかけになりやすい
院の施術内容や特徴が簡潔に記載されたチラシは、既存の患者さんが友人や家族に勧める際のツールとして活用するケースは珍しくありません。わかりやすいチラシやインパクトのあるチラシであれば、地域のコミュニティで話題になったり紹介されたりして、認知される機会が増えるでしょう。
また、インターネットが普及した現在でも、家族や友人など信頼できる人からの口コミは、来院を促すのに有効です。そのきっかけとして、チラシは重要な役目を果たします。
チラシ集客の反応率
日本ポスティングセンターによると、一般的にチラシの反応率は0.01%~0.3%でした。これは、1万枚配ると、1~3人から問い合わせがくる計算になります。もし1万枚配布しても問い合わせが1件もない場合は、改善が必要です。
問い合わせが増えるまでチラシの改善を行い、テスト配布を繰り返しましょう。基準値よりもよい反応が出たタイミングで、配布数を一気に増やすのがおすすめです。ポスティングであれば1万枚、新聞折込であれば5万~10万枚などと増やしてみましょう。
柳田式インドエステ Riseの柳田さんは、反応率を認識した上で集客につなげる仕組みづくりをしました。
チラシを1000枚配ってやっと1人がご来店くださる、というレベル。そこで、ご来店くださった方には絶対リピーターになっていただくことと、そのお客様にほかの知り合いをご紹介していただけるシステムづくりをしました。
引用:モアリジョブ|柳田式インドエステ Rise 代表 柳田きよみさん
整骨院のチラシに掲載できる項目
整骨院のチラシは、以下のように法律によって掲載が許可されている項目が定められています。
- 施術者の名前や住所
- 業務の種類
- 施術所の名称や電話番号
- 施術をしている時間・曜日(営業日・営業時間など)
- 出張による施術の有無
- 予約制度の有無
- 駐車場の案内
上記の内容以外を掲載した場合、法律違反となります。たとえば、利用者の声や写真、施術方法などはチラシに掲載できません。
整体院のチラシを作成する前の準備
整体院のチラシを作成する前には、準備が必要です。以下のような準備をすることで、より効果的なチラシを作成できます。
- 競合をリサーチする
- ターゲットを明確にする
- 強みを分析する
- チラシの配布枚数を計算する
ここでは、それぞれの準備段階を解説します。
競合をリサーチする
競合の状況を把握せずにチラシを作成した場合、差別化できず、自院のチラシが埋もれてしまうかもしれません。まずは近隣の競合他社をリストアップし、以下のポイントを詳しく調査しましょう。
- 事業規模:店舗数やスタッフの人数、施設の広さなど
- 経営方針:ターゲットやコンセプト、施術スタイルなど
- サービスの価格帯:一般的な価格設定
- サービスの種類:美容整体やスポーツ整体など
- 集客方法:チラシやWeb広告、SNS運用の特徴
これらの項目に対し、次のような点を考慮しながら近隣をリサーチしましょう。
- 競合院はどのような施術メニューを提供しているか
- 地域にはどのような年齢層や世帯構成の人が住んでいるか
- 住宅街かオフィス街か
- 通院しやすいか(コインパーキングや駅からの距離)
競合院のチラシを見て、デザインや訴求内容、特典の有無を確認しておくことも大切です。競合とは異なる訴求をすれば、差別化につながります。たとえば、競合が営業時間を特徴としている場合、自院はサービスや技術力を強調するといった戦略が考えられます。
ターゲットを明確にする
整体院に訪れる患者層は、腰痛や肩こりに悩む中高年層から、スポーツ障害をかかえる若年層まで幅広いのが特徴です。チラシを作成する前に、自院がどの層にアプローチしたいのかを具体的に定めましょう。
ターゲット層を絞れば、チラシのデザインや文言が具体的で魅力的になり、ターゲットに強い印象を与えられます。たとえば、ターゲットが中高年層であれば、腰痛や膝痛の改善を訴求する内容が効果的です。
ターゲットがスポーツをしている若年層であれば、ケガやパフォーマンス向上に焦点を当てるとよいでしょう。ターゲットを決める際には、以下の点に注目することがポイントです。
- 年齢層:若年層であればケガ、高齢者であれば腰痛や膝痛など、年代にあわせたニーズを意識する
- 悩み:痛みや改善、パフォーマンス向上など、具体的な悩みを考える
- 生活エリア:近隣住民なのか仕事帰りの会社員なのかを明確にする
- 行動パターン:ターゲットの行動パターンから、訴求時間を割り出す
強みを分析する
東京商工リサーチの調査によると、整体院を含む整骨院・療術・マッサージ業者の倒産は増加傾向にあります。
多くの競合の中から自院を選んでもらうためには、差別化が必要です。そのためには、まずは自院の強みを分析することが大切です。他院にはない特別な施術法や実績、設備など、利用者が「行ってみたい」と思う理由を明確にしましょう。
強みを分析するためには、以下のように既存の利用者を分析するのもひとつの手段です。
- 施術数が多い症状
- 施術数が多い利用者の年齢層や性別
- 利用者の声 など
腰痛や肩こり、膝の痛みなど施術数が多い症状があれば、症状に特化してアピールしたり、専門の施術メニューを作ったりするとよいでしょう。治療方法の専門性や地域密着型のサービス、柔軟な診療時間は、強みとしてよくあげられる項目です。
また、立地にあわせて訴求方法を考えることも重要です。住宅街なら家族そろって利用できるようなサービスを、オフィス街なら立地条件の良さをアピールするなど、チラシを見た人が興味を持つ工夫をしましょう。
チラシの配布枚数を計算する
どんなに魅力的なチラシを作成しても、反応率が低いエリアでは効果が見込めません。配布対象となるエリアを分析し、どの範囲に配布すれば効果的かを考えることが重要です。
たとえば、地域の人口や年齢層を調査し、その中で自院のターゲット層が多いエリアを特定しましょう。ターゲット層が多いエリアに配布すれば、反応率も高くなるため、チラシの質に比例した集客を期待できます。
整体院のチラシに掲載したい項目
整体院のチラシに掲載したい項目としてあげられるのは、以下のとおりです。
- アイキャッチ
- キャッチコピー
- オファー
- 院長の写真とメッセージ
- 院の強み
- 施術の流れ
- 院の情報と導線
- キャンペーンや特典の情報
ただしチラシのスペースには限りがあるため、ターゲットを見極めた上で、必要な情報を選択することがポイントです。ここでは、それぞれの項目について解説します。
アイキャッチ
チラシには、ターゲットが一目で整体院に行きたいと感じるような視覚的な要素が求められます。目を引くデザインやビジュアルにすると、読者が興味をもち、手に取るきっかけになります。
アイキャッチに、利用者が施術中にリラックスしている様子や、痛みを和らげているシーンを入れるとよいでしょう。たとえば、実際の施術シーンやスタッフと利用者が笑顔で会話している写真を配置すれば、ターゲットに対して安心感を与えられます。
キャッチコピー
キャッチコピーは、読者に対しメッセージを直接伝える役割を果たします。利用者にとって、チラシは読まなければならないものではありません。「自分とは関係ない」と判断すれば手に取ることもないでしょう。
ターゲットにチラシを読んでもらうためには、魅力的なキャッチコピーを入れ「自分と関係がある」と思ってもらう必要があります。瞬間的に興味を引いてもらうため、長いキャッチコピーではなく、簡潔で魅力的な言葉を選びましょう。
「原因を根本から改善」や「悩みに寄り添う専門院」など、読者が「行ってみたい」と感じるコピーが効果的です。
オファー
オファーとは、ターゲットがチラシによって得られるメリットを伝える部分で、割引クーポンや無料相談、初回限定特典などが該当します。「初回限定の特別割引」や「無料カウンセリング」など、患者さんにとって魅力的なオファーを提供すれば、来院する動機づけが強化されます。
人は、お得感をもった場合に行動する傾向があるため、オファーを盛り込むことは忘れないようにしましょう。株式会社ボディスプラウトでは、ゴールとプロセス、金額をセットで見せることで、集客につなげています。
整骨院や整体院の場合は、深刻にとらえる人が少ない分、明確なゴール設定も必要になります。このぐらいのペースで、こういう施術を受けると、何カ月でこうなります。そこまできちんと伝えること。ゴールと過程、そして金額まで明確にみえると、あとはお客さんがお金を出せるか出せないかという判断になります。回数券を売るんじゃなくて、コースを売るイメージが大切だと思います。
引用:モアリジョブ|株式会社ボディスプラウト 代表 小林篤史さん
院長の写真とメッセージ
院長の顔写真やメッセージは、ターゲットに安心感を与えます。自分の身体を預ける先生の雰囲気がわからなければ、不安を感じるターゲットは少なくありません。院長の顔写真やメッセージを記載すると、先生の印象が伝わりやすくなり不安が和らぎます。
安心感を与えられれば、初めての利用者でも利用しやすくなるでしょう。写真ではなく似顔絵でも構いません。メッセージでは、院長が治療に対する理念や、患者さん一人ひとりとの向き合い方を伝えることがポイントです。
院の強み
他院との差別化を図るためにも、利用者に選ばれる理由や院の強みを伝えましょう。自院が提供する独自の治療法や、患者さんに提供できるメリットを明確にすることで、競合との差別化を図れます。
たとえば「話題の治療機器を導入」や「完全予約制」などがあげられます。ただし、独自性だけが差別化ではありません。立地の良さと予約制を組み合わせて訴求するだけでも差別化になります。競合を分析した上で、差別化できる要素を複数見つけましょう。
施術の流れ
どのような流れで治療が行われるのかを紹介すれば、初めて訪れる利用者の不安解消につながります。たとえば「初回カウンセリング→状態確認→治療→アフターケア」など、治療の流れを簡潔に説明しましょう。
「どのようなことをカウンセリングするのか」「どうやって状態を確認するのか」など、具体的な内容も掲載すれば、利用者が治療の様子をイメージしやすくなります。
院の情報と導線
興味をもってくれた人が来店しやすいよう、整体院の場所を含めた基本情報を記載します。院の名前はもちろん、住所や電話番号などの情報を記載しましょう。チラシを見た人全員が整体院周辺の土地勘があるとは限りません。最寄り駅や周辺地図も掲載するとよいでしょう。
法律的にチラシには記載できない情報でも、ホームページでは掲載できるものがあります。チラシにホームページや公式LINE、SNSのQRコードを掲載すれば、チラシを受け取った人をオンラインへ誘導できます。ホームページへの導線を作ることにより、より深い情報を伝えられます。
最近では、デジタル化の浸透によりオンラインでの予約や情報収集が一般的です。ホットペッパービューティーアカデミーの調査でも、3人に1人が「来店前に希望の日時に予約できなかった」ことがきっかけで「お店を変えようと思った(変えた)」と回答しました。
チラシに「今すぐオンライン予約」のコピーと、予約ページのQRコードをセットで掲載すれば、興味をもった患者さんが簡単に予約ページにアクセスできます。ヨガインストラクターのharunaさんは、InstagramのリンクをつけたQRコードをチラシに掲載し、自身の人柄を伝えています。
SNSでこの地域の方に検索してもらい、私に行き着いてもらうのはなかなか難易度が高いので、SNS集客にはあまり力を入れていません。
ただチラシにインスタのリンクをつけたQRコードを入れているので、私の人柄が伝わり、安心して通ってもらえるように自己紹介的な使い方をしています。
引用:モアリジョブ|ヨガインストラクター harunaさん
キャンペーンや特典の情報
自院を知ってもらうためには、まず来院してもらうことが大切です。来院のきっかけになりやすい策としてあげられるのが、キャンペーンや特典です。前述したように、人はお得感を感じると行動に移す傾向があります。
オープン記念キャンペーンやリピーター向け特典、初回利用限定割引などがあることを見せれば「せっかくだから行ってみよう」という気持ちになる可能性が上がります。チラシ内でインパクトを与えるには、文字や色合いを変えて見せるとよいでしょう。
整体院のチラシに関する規制
整体院の広告には規制が存在しており、チラシにも適用されます。規制を理解しないままチラシを作成すると、法律違反になる可能性があるため注意が必要です。整体院のチラシに関する規制として、以下のものがあげられます。
- 柔道整復師法
- 景品表示法
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
- 医師法・医療法
- 医療広告ガイドライン
柔道整復師法
整体院や鍼灸院、整骨院には「柔道整復師法」「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法)」が適用されます。柔道整復師法やあはき法は、SNSやホームページなどのオンライン媒体にも適用されます。
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師・鍼灸師の場合は、前述した項目以外にも、それぞれで以下の取扱いの掲載も許可されています。
- 柔道整復師:ほねつぎ・接骨
- あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師:もみ療治・やいと・えつ・小児鍼(はり)
不当景品類及び不当表示防止法
不当景品類及び不当表示防止法とは、消費者の利益を保護し、不当な表示や過大な景品の提供を規制する法律です。「景品表示法」と呼ばれています。顧客を誘引する手段として事業者が提供する物品や金銭などの景品について、最高額や総額などを規制することで、不健全な競争を防止する目的があります。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
医薬品や医療機器などの品質・有効性・安全性を確保するために制定されている法律で、いわゆる「薬機法」です。薬機法では、販売している健康食品やサプリメントの効果効能をチラシに掲載することは、禁じられています。
また、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師、鍼灸師などの国家資格を保有していない方が施術を行う場合は、「マッサージ」という表現も禁じられています。
医師法・医療法
医師法とは、医師の職務や資格などに関する法律で、医療法は、医療施設の開設や管理に関係することが定められている法律です。
「治療」や「診断」などの表現を使って集客をすると、医療行為を提供しているとみなされ、医師法や医療法違反になる可能性があります。
医療広告ガイドライン
医療広告ガイドラインとは、厚生労働省が定める医療機関の広告に関するルールや指針です。医療行為に分類される治療を受ける患者さんを保護するために制定されました。柔道整復や鍼灸、あん摩マッサージ指圧を行っている整体院は、「医業類似行為」に分類されるため、医療広告ガイドラインの対象ではありません。
しかし、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師および柔道整復師などの広告に関するガイドラインを、医療広告ガイドラインを基準として制定する旨の検討会が行われています。今後を考慮すると、医療広告ガイドラインで規制されている広告表現は、ある程度守るのが望ましいでしょう。
整体院で広告表現規制に該当する内容としてあげられるのは、以下の3つです。
- 医師が医業行為を連想させる広告
- 誇大広告
- ビフォーアフターの情報掲載
検討会の詳細については、厚生労働省の公式ホームページに掲載されています。
整体院のチラシでのNG表現・内容
整体院のチラシでNGな表現・内容として、以下のものがあげられます。
- 誇大広告に該当する表現
- 比較優良広告に該当する表現
- 品位を損ねる広告に該当する表現
- 施術に関する内容
- 施術者の経歴や実績
- 医業行為と誤解させる表現
ここでは、それぞれの表現・内容を具体的なNG例とあわせて解説します。
誇大広告に該当する表現
誇大広告とは、施術内容を優れたものであると誤認させかねないものや、大げさに表現している広告です。たとえば、施術を受ければ必ず改善すると誤解させたり、悪化することはないと思わせたりする表現が該当します。
✕NG例:誇大広告に該当する表現
- こんな症状が出ている人は、放置しておくと危険です
- 〇〇病が治ります
- 最高の技術をもつ院長が施術します
- 当院の施術を受ければ将来も健康でいられます
比較優良広告に該当する表現
比較優良広告とは、自院の施術の質や人員配置、施術内容などを、競合よりも優れていると表現する広告です。たとえ事実でも、優れている点を誤認させる恐れがあるため、規制されています。
根拠のある客観的事実であると証明できる場合は、最上級の表現や誤解を招く比較表現でなければ掲載できます。ただし、行政から根拠の開示要求をされた場合には、資料の提出が必要です。
✕NG例:比較優良広告に該当する表現
- 顧客満足度全国1位
- あの〇〇(著名人)も利用!
- 当院は県内随一の技術を持つスタッフがそろっています
- 〇〇市で「ぎっくり腰」といえば当院です
品位を損ねる広告に該当する表現
医療広告ガイドラインでは、割引キャンペーンの強調や費用を過度に強調した広告、医療の質や内容に関係のない特典の提示など、品位を損ねるような表現や内容の広告が禁止されています。
今後、医療広告ガイドラインが整体院にも適用される可能性があることを考えれば、品位を損ねる広告は控えたほうがよいでしょう。
✕NG例:品位を損ねる広告に該当する表現
- 開院キャンペーン中は治療費50%オフ
- 期間限定で〇〇療法が特別価格
- 圧倒的な良心価格
- LINEのお友達追加で〇〇をプレゼント
施術に関する内容
柔道整復師法・あはき法で許可されている項目以外の情報は、チラシに掲載できません。各施術がどんな疾病・症状に効果があるのかや、料金形態に関してチラシに記載するのもNGです。施術前後の写真や口コミなども、規制されています。
✕NG例:施術に関する内容
- 肩こり・腰痛におすすめの施術
- PMS(月経前症候群)や更年期障害で悩む方におすすめ
- 交通事故や自賠責保険にも対応
- 〇〇式施術
ただ、これらの法律の広告制限対象には、現段階ではホームページは含まれていません。そのため、施術に関する具体的な内容はチラシに記載するのではなく、ホームページに記載しましょう。
施術者の経歴や実績
柔道整復師法・あはき法で広告可能な内容には、施術者の経歴や実績なども含まれていません。そのため、施術者の得意分野や経歴、所属団体名などをチラシに記載すると、指導対象になる恐れがあります。
✕NG例:施術者の経歴や実績
- 略歴
- 所属団体名
- 得意分野
- 経験した施術数
- 院長・副院長などの肩書き
- 柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師以外の保有資格
- 施術中の写真やイラスト
医業行為と誤解させる表現
医師法・医療法・薬機法では、「治療」「治る」のような医業行為と誤解させるような名称や表現が禁止されています。医師や病院などの医療機関を連想させるため、医師法では以下の表現は免許を持つ医師のみしかできません。
✕NG例:医業行為と誤解させる表現
- 診療
- 診断
- 処方
- 投薬
- 注射
- 採血
他にも医業行為と誤解させる具体的な表現例は、以下のとおりです。
✕NG例:その他の医業行為と誤解させる表現
- 休診日・初診・往診
- 最新機器を使って身体の状態を診察します
- 免疫力を上げて感染症を予防します
- 有資格者が診察・診療します
- 〇〇(疾病・症状)を治療します
整体院のチラシ作成に便利なサイト
チラシを作る場合、フリーランスや制作会社に依頼する方法もありますが、自分で作成するのもひとつの方法です。ディライトの団野さんはご自身でチラシを作成し、反応を見ながら改善することで精度を高めました。
最近やっと外注するようになりましたが、それまではすべて自分で作っていました。ポスティングした際はかならず、どの地域に何枚配って、何件予約につながったかという反響率も調べていたので、どんなチラシだと反応がいいかを確認しながら改良を加えてきました。
引用:モアリジョブ|ディライト 代表 団野圭輔さん
自身でチラシを作成するのに便利なサイトとして、Canvaとパワポンがあげられます。ここでは、それぞれのサイトについて解説します。
Canva
Canvaは、ブラウザ上でチラシを作成できるオンラインのデザインツールです。チラシや名刺、パンフレットなど紙媒体のデザインのほか、プレゼンテーション資料や動画編集も可能となっており、注目を集めています。
テンプレートが豊富で直感的に操作できるため、初めて使う方でも使いやすい点が特徴です。有料プランのCanva Proでは、さらに多くのプレミアム画像やフォントを利用でき、チラシデザインの幅が広がります。
細かいデザイン制作には向きませんが、専門家でなくても質の高いチラシを作成できるツールです。
パワポン
パワポンは、アスクルが運営するデザインサイトです。テンプレートのデザインデータをダウンロードして活用できます。Canvaと同様にチラシ作成に使えるテンプレートの種類が豊富で、作成から印刷の発注までスムーズに進められます。
テンプレートのデータはpptx形式のため、パワーポイントを使い慣れている方であれば、デザイン性の高いチラシを作ることも可能です。ただし、パワーポイント自体が本来はプレゼンテーションツールであり、細かいデザインをするには限界があります。
整体院のチラシを配布する方法
整体院のチラシを配布する方法として、以下の5つがあげられます。
- 折り込みチラシ
- ポスティング
- 近隣の店舗に設置
- 自院で配布
- 自力で手配り
ここでは、それぞれの配布方法について解説します。
折り込みチラシ
新聞の折り込みチラシとして配布する方法で、新聞を購読している人に、幅広くチラシを届けられます。実際に配りに行く時間や労力を省ける点がメリットです。新聞社のチェックを受けた上で配布されるため、読者からの信頼も得やすいでしょう。
ただし、最近では若い世代での新聞離れが進んでおり、広告を届けられる世代が偏る可能性があります。ambinoでは、地域に根付いた新聞で折り込みチラシを配布することで、予算の抑制に成功しています。
僕が住む鶴岡市には「コミュニティしんぶん」という優秀な媒体があり、そこに折り込んでもらったのですが、配布エリアを町名まで細かく設定できるため、予算を抑えてピンポイントで打つことができたんですよ。
引用:モアリジョブ|ambino オーナー 蛸井タケミネさん
ポスティング
ポスティングは、整体院周辺の戸建てやマンションのポストに、1枚1枚自分で入れて回る方法です。ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、美容室の初回来店時の重視点として「自宅から近い」が34.6%と高い結果となりました。
小さな子どもを連れての外出や休日は、美容室も含め近くの店舗で用事を済ませたいと考える人はいるはずです。
その他のポスティングのメリットとして、新聞を購読していない世帯にもチラシを届けられることがあげられます。さらに配布エリアを細かく調整できる点もメリットです。そしてポストに入ったチラシは、一度は目にしてもらえるでしょう。
ただし、チラシを配るのに手間と時間がかかりやすい点はデメリットです。
three peaceでは、オープン時はチラシを地域の方々に配って集客につなげたものの、初回料金を下げたことにより、苦しい思いをしたそうです。
オープン時はチラシを地域の方々に配り、初回料金も大幅に割引しました。2000〜3000 円くらい下げたときもありましたが、のちのち自分を苦しめてしまうことに…。最初は「どんなお店なんだろう」と好奇心で来てくれるけど、2回目以降に繋がりにくいなと感じました。2回目以降にぐんと価格が上がるのはお客様にとっても優しくないですよね。
だから、価格を設定するときは将来を見据えてしっかり考えた方が良いよ、とこれから開業を目指す人には伝えています。
引用:モアリジョブ|three peace オーナー うらしままいこさん
SOLuz eyelash salonの新谷さんは、オープン当初に夫婦でポスティングして回ったそうです。当時のお客様が3年経っても通っており、地道な作業を集客につなげています。
また、チラシを作って駅前で配り、夫と一緒に近所の家にポスティングして回ったこともあります。当時は私も夫も時間だけはあったので、そんな泥臭いことも厭わずやりましたね。
嬉しいことに、当時のチラシを見てサロンを訪れた3人のお客様が、3年経った今でも通ってくださっています。そこからは、口コミやお客様からの紹介などを通じて、徐々に軌道に乗っていきました。
引用:モアリジョブ|SOLuz eyelash salon オーナー 新谷美咲さん
近隣の店舗に設置
自院がターゲットとしている顧客層がよく訪れる店舗に、チラシを置いてもらう方法もあります。設置店舗例としてあげられるのは、カフェやスーパーマーケット、薬局などです。普段は整体院に足を運ばないような人たちにもリーチできる点がメリットです。
店舗オーナーと協力関係を構築できれば、イベント開催やキャンペーンの宣伝など、他のプロモーション活動にも活かせる可能性があります。ただし、設置場所が限定されたり、店舗側から承諾を得られなかったりする可能性があります。
ヨガインストラクターのharunaさんは、人通りの多い場所にチラシを貼らせてもらうことで、集客につなげました。
地域密着のレッスンを行っているので、チラシをなるべく人目につくように貼るようにしています。初めてレッスンを持たせてもらったグループホームが、人通りの多いところにあるので、外から見える場所にチラシを貼らせてもらうことで、かなり集客効果がありました。
引用:モアリジョブ|ヨガインストラクター harunaさん
自院で配布
院前にブラックボードを設置してチラシを置き、持っていってもらう方法もあります。店舗の前を通る人に直接アプローチできるため、普段は整体院に足を運ばないような街の通行人や近隣住民にもリーチできます。
チラシとともに「今すぐ使える割引クーポン」や「初回特典」の案内を目立つ場所に設置すれば、チラシには掲載できない情報も伝えられるでしょう。ただし、立地による影響を受けやすいため、設置場所や設置方法を工夫することがポイントです。
自力で手配り
駅前や院前で、通りすがる人に対してチラシを配っていくのも方法のひとつです。チラシを受け取った人と直接対話をできるため、整体院に親近感を覚えてもらいやすいことはメリットです。チラシを配りつつ、体の悩みがある方の相談に乗ってあげれば、来院につながる可能性もあります。
ただし、配っている人の態度によっては、院の印象を悪くする可能性があるため、清潔感や笑顔などに気をつける必要があります。
ヨガセラピストの河本さんは、開業当初の集客がうまくいかないとき、スタジオの近辺でチラシを配り、呼び込んでいたそうです。
せっかくレッスン内容を考えてスタジオに行っても、生徒さんがゼロという日もありました。そんなときはスタジオの近辺を歩いている人たちにチラシを配っていましたね。「体験ヨガやりませんか。今なら500円ですよ」って言いながら。
引用:モアリジョブ|ヨガセラピスト 河本真由子さん
スタッフを雇うのもひとつの方法
チラシの作成や配布には、時間と人手が必要です。ひとりでは限界があるかもしれません。そのような場合には、スタッフに施術を任せて自身はマーケティング活動に専念したり、ブログやSNSの運用経験があるスタッフを雇用して情報発信業務を任せたりするなど、役割分担が必要です。
複数名のスタッフがいる体制を整えれば、宣伝活動をはじめとした施術以外の業務に取り組む時間的な余裕も生まれます。
スタッフを採用する際は、院のコンセプトや雰囲気に合った人材を選ぶことが大切です。自院の社風や求めるスキルと合わない人材を採用した場合、早期離職につながり、再度採用活動を行うためのコストが発生します。
経験者を採用する場合には、自院で提供する施術メニューに対応できるスキルを保有しているかどうかも確認する必要があります。運営状況や予算に合わせて、雇用形態を検討することも大切です。
採用コストを抑える工夫も必要です。人材紹介サービスや総合型の求人サイトを利用する方法は、採用単価が高くなる傾向があります。自社の採用ページを充実させたり、SNSを活用して情報発信をしたりすれば、採用ブランディングにつながるため、長期的にみればコストを抑えた採用につながります。
助産師ヨガ講師のSAKIEさんは、チーム内のそれぞれが得意な分野を担当することで、オンラインヨガサロンを作り上げました。
そうですね。私はインストラクターやるね。じゃあ私はZOOMの入室管理。私は告知のサムネイルとチラシを作るねという感じで、それぞれが得意を生かしてオンラインヨガサロンを作り上げていきました。
引用:モアリジョブ|助産師ヨガ講師 SAKIEさん
自社で能力を発揮し、活躍できる人材を採用するためには、事前準備が重要です。リジョブでは、これから独立・開業をして将来的にスタッフの採用を検討している方に向けたノウハウを提供しています。手順を詳しく知りたい場合は、無料でダウンロードできる下記の資料をご覧ください。
まとめ
地域性が高い整体院にとって、近隣住民に直接アプローチできるチラシは、集客における有効な手段です。インターネットを利用しない層にも情報を届けられ、口コミや紹介のきっかけにもなります。
チラシを作成する際には、競合をリサーチし、ターゲットを明確にした上で、自院の強みを分析することが重要です。整体院のチラシには以下の項目を掲載するとよいでしょう。
- アイキャッチ
- キャッチコピー
- オファー
- 院長の写真とメッセージ
- 院の強み
- 施術の流れ
- 院の情報と導線
- キャンペーンや特典の情報
ただし、整体院のチラシに掲載できる表現や内容には規制があります。規制を遵守しながら、この記事で解説したポイントを参考に効果的なチラシを作成し、集客につなげましょう。
- 執筆者情報
- 田仲ダイ(Tanaka Dai)