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エステサロン経営のコツや開業手順を解説!

エステサロン経営のコツや開業手順を解説!

エステサロン経営で成功を収めるためには、資金計画や立地選定、そして適切なスタッフの採用など、さまざまな課題をクリアする必要があります。

そこで本記事では、エステサロンオーナーの平均年収や開業に必要な資金、経営における注意点、そしてメリットとデメリットを分かりやすく解説します。成功に向けた具体的なステップや失敗を回避するためのコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

エステサロンの経営がうまくいかない理由

東京商工リサーチの調査によると、エステティック業の2023年度の倒産件数は、2004年以降で最も多い95件に達しました。

1-エステティック業の倒産 年度推移

倒産件数が拡大した理由のひとつとして、競合先が多い点が挙げられます。

また、コース契約や回数券を利用して顧客に施術料金を前払いさせるビジネスモデルについては、倒産後にサービスを提供できなくなるリスクが問題視されています。

エステティック業は参入障壁が低く、小資本での開業も可能だ。ただ、競合先が多いほか、低価格での施術を売りにして顧客の前払い金を事業拡大の原資にするビジネスモデルが問題視されている。

引用元:東京商工リサーチ

エステサロンオーナーの平均年収

平均的には年商の約8〜10%がオーナーの年収(給与手当)になるケースが多いです。

サロン売上別のオーナーの年収の目安は次の通りです。

売上(年商)

想定年収

3,000万円

300万円

5,0000万円

500万円

1億円

1000万円

参照元:b-models

エステサロンの経営に必要な資格

エステサロンを開業・経営する際に、法律で定められた必須の資格はありません。しかし、資格があればお客様や取引先から信頼を得られるケースがあります。そのため施術者と経営者を兼ねる場合は、次のような資格の取得がおすすめです。

  • AEA(日本エステティック協会)認定エステティシャン
  • AJESTHE(日本エステティック業協会)認定エステティシャン
  • CIDESCO国際ライセンス

エステサロン経営に必要な資金

エステサロンの開業には、規模や形態によって必要な資金が大きく異なります。

ここでは、自宅開業と賃貸物件での開業について、それぞれ必要な資金を具体的に解説します。

自宅での開業に必要な資金

自宅でエステサロンを開業する場合、比較的少ない初期投資で始められます。

一般的な必要資金の内訳は以下の通りです。

■ 必要な設備投資(合計:80〜150万円)

  • 施術ベッド:15〜30万円(1台)
  • エステ機器:30〜50万円
  • タオルウォーマー:5〜10万円
  • 備品(タオル、施術着など):10〜20万円
  • 内装工事:20〜40万円

■ その他の初期費用(合計:20〜40万円)

  • 開業届け関連費用:5万円程度
  • 広告宣伝費:10〜20万円
  • 消耗品:5〜15万円

なお、自宅開業の場合は店舗賃料が不要なため、初期投資を100〜200万円程度に抑えられます。

賃貸物件での開業に必要な資金

賃貸物件でエステサロンを開業する場合は、物件関連の費用が加わるため、より多くの資金が必要です。具体的な費用については以下を参考にしてください。

■ 物件関連の費用(合計:150〜300万円)

  • 敷金・礼金:家賃3〜6カ月分
  • 内装工事:100〜200万円
  • 設計費用:20〜30万円
  • 看板製作費:20〜40万円

■ 設備投資(合計:200〜400万円)

  • 施術ベッド:15〜30万円(2〜3台)
  • エステ機器:80〜150万円
  • タオルウォーマー:10〜20万円
  • 受付カウンター:20〜40万円
  • 待合室用家具:20〜40万円
  • 備品(タオル、施術着など):30〜50万円
  • POSレジ:20〜30万円

■ その他の初期費用(合計:50〜100万円)

  • 開業届け関連費用:5万円程度
  • 広告宣伝費:30〜50万円
  • 消耗品:15〜25万円
  • 運転資金:3カ月分(人件費・家賃など)

賃貸物件での開業の場合、総額で400〜800万円程度の資金が必要です。これに加え、突発的な支出に備えて、月々の運転資金の3カ月分程度は余裕をもって準備しておく必要があります。

エステサロン経営の資金に関する注意点

ステサロンの経営を成功させるには、綿密な資金計画が重要です。資金計画を立てる際の注意点は次の通りです。

  • 開業前と開業後にかかる資金を把握する
  • 助成金や融資の活用も重要

それぞれの注意点について解説します。

開業後にかかる経費を把握する

エステサロンの開業後にかかる主な経費は、変動費と固定費に分けられます。それぞれについて大まかな目安を示すと次の通りです。

【固定費の例】

  • 家賃:10〜30万円
  • 人件費:スタッフ1人あたり20〜25万円
  • 水道光熱費:5〜10万円
  • 保険料:2〜3万円
  • リース料:機器により変動

【変動費の例】

  • 消耗品費:売上の10〜15%
  • 広告宣伝費:売上の5〜10%
  • 商品仕入れ:売上の20〜30%

なおエステサロンの消耗品として、以下の商材が挙げられます。売上げに応じて商材の消費量が増減するため、消耗品費もそれに応じて変動します。

備品名

費用(相場)

用途

施術用ベッド

3万円

施術の際に使用

防水ベッドシート

1500円

ベッドの衛生管理として

ワゴン

8000円

小物や備品を入れる

タオルシーツ

5000円

ベッドに敷く用のもの※複数枚購入が必要

バスタオル・フェイスタオル

500~1500円

汗やジェルなどの拭き取り、シャワー後に体を拭く、※複数枚購入が必要

ペーパーショーツ/ブラジャー

700円

施術時にお客さまへ着替えていただく

電気シェーバー

3000円

脱毛サロンの場合は必須

スパチュラ

100円

ジェルなどを塗布する際に使用

コットン

600円

メイク落とし、化粧品などを使用する際に必要

ゴム手袋

1500円

掃除、施術時に使用

ガウン

1200円

お客さま用で施術前後に着用

タオルウォーマー

5000円

タオルをあたためる際に使用

遠赤外線消毒液

1万円

備品などをサロン内で消毒する際に使用

ボウル

300円

塗布するジェルなどを入れるために使用

助成金・補助金や融資の活用も重要

開業資金が不足する場合は、助成金・補助金や融資を活用するとよいです。

たとえば、補助金のひとつである小規模事業者持続化補助金は、商工会議所が行っている持続化事業にもとづいた補助金制度です。エステサロンの開業後3年以内であれば利用できます。(※ただし「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受ける必要がある)

小規模事業者持続化補助金は、インボイス制度の導入や被保険者の適用拡大など、目まぐるしい制度変更への対応を目的とした補助金です。条件に該当していれば、必要となる経費を一部負担してもらえます。

そのほか助成や補助金に関する情報については、無料でダウンロードできる下記の資料をご覧ください。

融資を活用する場合は、日本政策金融公庫の新規開業資金や、地域金融機関の創業支援融資を活用しましょう。

ただし、助成金や融資を活用する際は以下の点に注意してください。

  • 助成金には募集期間があるため、開業計画に合わせて申請する
  • 融資は審査に時間がかかるため、余裕をもって申請する
  • 月々の返済額は売上予測に基づいて慎重に設定する

資金計画は開業後のサロン経営を左右する重要な要素です。特に開業後6カ月〜1年は売上げが安定しづらいため、この期間の運転資金は十分に確保しておきましょう。

エステサロン経営のメリット・デメリット

ここでは、実際の経営者の声をもとに、具体的なメリットとデメリットを詳しく解説します。

エステサロン経営のメリット

エステサロン経営の大きなメリットは、スケジュールを自分の思うままに調節できる点です。そのため、家族との時間や自分の趣味の時間を確保しやすくなります。

私が独立した一番の理由は働き方を変えたかったから。大好きなエステをずっと続けていきたい。けれど、このまま会社員としてサロンで働いていたらいつか体を壊してしまう。自分が一番良いと思える技術や接客をするためには、スケジュールを自分で調整できる働き方をする必要があると思ったんです。

引用元:モアリジョブ|エステサロン「美寿(ビジュー。)」オーナー 在間麻里さん

そのほかにも、エステサロン経営には以下のメリットがあります。

  • 収益性が高い
  • お客様の喜びを直接感じられる
  • 自分がやりたいサロン作りが可能
  • 美容への需要は景気に左右されにくい
  • 幅広い年齢層の顧客確保が可能

エステサロン経営のデメリット

エステサロン経営では課題や難しさを感じるポイントが多く、悩んでいる経営者が多いです。ラ・シンシア株式会社の調査によると、具体的な経営者の悩みは次の通りです。

2-経営を行う上で課題や難しさを感じるポイント

加えて、設備投資(最低でも100万円以上)や、内装工事(賃貸の場合200万円前後)など、多くの初期費用がかかる点もデメリットです。

また、単に資金があればよいというわけでもなく、その資金をどう使うかも悩みの種になります。エステサロン経営に欠かせない業務用化粧品選び一つをとっても、経営者は以下のような悩みや課題を感じています。

・それぞれのユーザーに合った化粧品を選ぶこと

・高価な化粧品が多く仕入れに影響を与える

・価格と効果のバランス

・お客様の要望がばらばらなこと

・目利きが正しいか分からない

・価格と成分のバランスの判断

・コストパフォーマンスの向上

・より良い製品を厳選しづらい

引用元:ラ・シンシア株式会社

さらに、 競合との差別化の難しさや、 人材確保と育成の課題など、経営上の悩みが絶えない点は大きなデメリットといえるでしょう。

エステサロンを開業するまでの6ステップ

エステサロンを開業するまでの6ステップは次の通りです。

  1. 事業計画書を作成する
  2. 資金調達
  3. 物件探し
  4. 店舗づくり
  5. スタッフの採用
  6. 税務署に開業届を提出

各ステップごとに解説します。

1.事業計画書を作成する

事業計画書は、エステサロン開業の設計図ともいえる重要な書類です。

まずは以下のチェックポイントを参考に、事業計画を明確にしましょう。

3-創業準備時のチェックポイント

チェックポイントをクリアにしたら、具体的な販売計画に落とし込みます。

①だれが

従業員を必要とするのか、家族のみでよいのかを検討

②だれに 

どのような顧客層をターゲットにするのかを明確化

③何を

顧客層や立地条件などによって、どのようなサービスにするのかを決定

④どのように 

どのような販売方法にするのかを検討

⑤どこで 顧客層に

自店舗にマッチした立地を選定

⑥販売条件は

現金なのか、カード決済を可能にするのかを検討

⑦時間は

営業時間をどうするのかを検討

※日本政策金融公庫「創業の手引」もとに作成

次に仕入計画を立てます。

①何を

売れ筋商品や販売戦略に沿った商品の確保が可能かどうか検討

②どこから

必要な時期に必要な商品を安定供給してくれる仕入先があるかを選定

③どんな条件で

現金なのか買掛は可能か、支払サイトはどうなっているのかを確認

④計画的に

過剰在庫は資金繰りを圧迫するため、計画的な仕入先を確保する

※日本政策金融公庫「創業の手引」もとに作成

事業計画書の具体的な書き方については、日本政策金融公庫の「創業の手引」を参考にしてください。

2.資金調達

エステサロンの開業には、通常300〜800万円程度の資金が必要です。資金調達の主な方法は次の通りです。

■ 融資の活用

  • 日本政策金融公庫の新規開業資金
  • 地方自治体の創業支援融資
  • 民間金融機関のビジネスローン など

■ 助成金・補助金の利用

  • IT導入補助金
  • 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業地域活性化関連の助成金 など

融資を受けるためには、具体的な返済計画を含めた事業計画書が必要です。また、自己資金として総額の20〜30%程度は用意しておきましょう。

なお日本政策金融公庫の調査によると、自己資金の準備にかけた期間は、5割以上が1年を超えています。

4-自己資金の準備を始めた時期

資金調達(借入)の準備は、約半数が6カ月以内に行っています。

5-資金調達の準備を始めた時期

3.物件探し

エステサロンの成功は、立地選びが大きく影響します。物件を探す際のポイントは次の通りです。

  • 駅から徒歩10分以内
  • 人通りの多い通り沿い
  • 競合店との距離
  • 周辺の人口動態

気になる土地があったらレンタルサロンを活用し、お試しでオープンしてみるのもひとつの手段です。

前のサロンとの約束でお客様には独立することをお伝えできず、集客はゼロからのスタートでした。貯金もほとんどなく、食べていける保証もない。そんな中で1ヶ月フルオープンではじめるのは難しいだろうと思い、本格的にお店を構えるまでの準備期間として「期間限定」という形でスタートしたんです。

こちらは1週間ごとに貸し出しをしているウィークリーサロンなんです。たまたま知人の紹介で借りることができたのですが、それもあって「1週間限定」になったんです。意外とその働き方がハマり、結果、気づいたら今に至るまで続いていました。

引用元:モアリジョブ|エステサロン「美寿(ビジュー。)」オーナー 在間麻里さん

また物件選びでは、店舗を将来的に拡張するかどうかを考慮することも重要です。

4.店舗づくり

お客様に心地よく過ごしてもらえる店舗づくりは、エステサロンの重要な要素です。

また、店舗そのものが広告になるケースもあります。

路面店ってやっぱり魅力的に見せてくれるんですよね。私も最初はマンションの一室でも良いと思っていたんです。「エステは部屋でやるから、どこだって一緒でしょ」と。でも、外からお店の様子が見えていると安心感も全然違うし、認知してもらいやすい。広告をかけなくても人が集まるんです。

最初に小さく出していたら、ここまでお客様に恵まれなかっただろうなと。

引用元:モアリジョブ|「アンリュミエール」オーナー 保戸塚優美さん

店舗づくりの核となる内装設計の基本的なポイントは次の通りです。

  • 施術ルームの適切な配置(プライバシーへの配慮)
  • 心地よい照明設計(間接照明の活用など)
  • 清潔感のある内装材の選択
  • 十分な防音対策
  • スムーズな動線設計

内装工事は通常1〜2カ月かかるため、開業日から逆算して余裕をもって進めましょう。

5.スタッフの採用

美容・ヘルスケア業界は採⽤難易度が⾼いです。具体的には約3割の企業は最初の応募が来るまでに1カ⽉以上時間がかかります。採⽤の要件によってはさらに長引くでしょう。

また、応募が来てからも、複数の応募者を選考していくため、採⽤したい求職者に出会うまで1〜2カ月は見積もっておかなければなりません。さらに、転職活動は在職中に⾏う人が多いため、前職の滞在期間を含め、1カ⽉程度は間隔が必要です。

全ての採⽤ステップを考慮すると、⼊社して欲しい⽇より4カ月以上前から求⼈掲載を開始する必要があります。

このほか「独立開業の場合はいつから採用をはじめるべきか」「求職者が職場に求めている条件」といった採用の重要ポイントについては、無料でダウンロードできる以下の資料を参考にしてください。

6.税務署に開業届を提出

開業する際は、開業日の前日までに開業届を提出します。

■ 必要な届出書類

  • 開業届(開業日の前日までに提出)
  • 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
  • マイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード、個人番号通知書のコピー、個人番号記載の住民票の写しなど)
  • 青色申告承認申請書(任意)

■ その他の重要な手続き

  • 賠償責任保険への加入
  • クレジットカード決済の契約
  • 取引業者との契約締結
  • 広告宣伝の準備

これらの手続きは、開業の1カ月前までに完了させましょう。なお、青色申告認証申請書は、事業開始から青色申告を行いたい人のみ提出します。青色申告所承認申請書を期日までに提出していないと、青色申告特別控除(最大65万円)を受けられないため注意してください。

加えて開業直前の準備では、以下の点にも注意してください。

  • 近隣挨拶と地域とのコミュニケーション
  • オープニングキャンペーンの企画
  • 予約管理システムの整備
  • 衛生管理マニュアルの作成
  • 緊急時対応マニュアルの準備

また、開業後すぐに必要となる消耗品や販売商品の在庫確保も忘れずに行いましょう。予約管理や顧客管理のシステムも、事前にスタッフ全員が使いこなせるよう、十分な練習時間を設けておくとよいです。

エステサロン経営のコツ

エステサロンを経営するコツは以下の通りです。

  • コンセプトを具体的に設定する
  • 接客スキルと技術を磨き続ける
  • ターゲットに合った集客方法を選ぶ

それぞれのコツについて解説します。

コンセプトを具体的に設定する

エステサロンの成功は、明確なコンセプト設定から始めましょう。コンセプトを具体的に設定すれば、スムーズに開業を進められるためです。

サロンを作るにあたって、自分がどんなサロンにしたいかという具体的なイメージを持っていないと、すぐに動けないですよね。だから仕事をしながら、サロンのコンセプトや運営のイメージというものは、すごく具体的に考えていました。

会社にいる間は忙しくて全然動けなかったので、退職してから物件探しなどを始め、2カ月半でオープンしました。そのスピード感で開業できたのは、イメージが固まっていたからだと思います。

引用元:モアリジョブ|「La Marna」主宰 斉藤万奈さん

コンセプトを設定する際は、「癒しの空間を提供する」といった漠然としたコンセプトではなく、より具体的な方向性を定めましょう。

たとえば「働く女性(30代)向けの、短時間で効果を実感できるアンチエイジングサロン」というように、誰に、何を、どのように提供するのかを明確にします。設定したコンセプトをサロンの内装や接客スタイル、メニュー構成、価格帯にまで一貫して反映させれば、スムーズに開業できるだけでなく、ブランディングにもなります。

接客スキルと技術を磨き続ける

エステサロンでは、技術に加えて接客スキルも求められます。技術面では、基本的な施術スキルだけでなく、新しい技術や商品の知識も常にアップデートすることが必要です。定期的な研修や勉強会の実施、美容関連の展示会への参加などを通じて、サロン全体のスキルアップを図りましょう。

接客スキルで重要なのは、お客様一人ひとりの悩みや要望を適切に把握し、最適な施術方法などを提案する「提案力」を養うことです。ただし、以下の事例からも分かる通り、接客スキルも時代によって良し悪しが変化しているため注意しましょう。

ひと昔前のエステサロンでは、お客様にあえてネガティブな指摘をたくさんするエステティシャンが多かったと思います。「私は太ってるんだ。このままじゃダメなんだ」と不安を煽って通わせるみたいな。最近でも、お客様のお話を聞いていると、いまだにそういうサロンはあるみたいです。

はっきり言って、不安を煽って通わせるというやり方は古いのではないでしょうか。お客様の良いところを褒めて、優しく接し、お互いに楽しい時間を過ごす。そういうコミュニケーションの取り方がベストかなと私は思います。

引用元:モアリジョブ|「MIROOM」オーナー 町田美香子さん

また、技術と接客スキルの両方をもつ人材は、店舗にとって大きな資本となります。資本となる人材をなるべく多く獲得したい場合は、採用にもしっかりと力を入れましょう。

ターゲットに合った集客方法を選ぶ

ターゲットに合った集客方法を選べば集客効果は高まります。そのためには、ターゲット層の特性やライフスタイルの理解が欠かせません。たとえば、20代向けのサロンであればSNSを活用した情報発信が効果的ですし、40代以上をターゲットとする場合は、紙媒体や口コミを重視した集客戦略が有効である可能性が高いです。

エステサロンオーナーの保戸塚さんは、専門のWebページを作ってリピート率を向上させました。

このサロンのウリである「顔深筋マッサージ」の専門ページをつくり込みました。どういう手技で、どういう効果があるのか、どんな悩みを抱えた人におすすめなのかを説明したんです。そうしたら、実際にお悩みを抱えている人の来店が増えまして。

(中略)

「安いから来た」よりも「悩みを改善したくて来た」の方がリピート率は高いですね。

最近はSNS集客が一般的になり、「HPなんて見ない」と言われがちですが、悩みを抱えている人はきちんとネットで調べて来てくれる印象です。

引用元:モアリジョブ|「アンリュミエール」オーナー 保戸塚優美さん

上記事例のように、ターゲットを深く理解すれば、ターゲットが「どのような悩みをもっているのか」が見えてきます。あとはその悩みに対し、そのターゲットに合った訴求方法でリーチすればよいでしょう。

エステサロンでよくある失敗

エステサロンでよくある失敗は以下の通りです。

  • お客様の声を聞けていない
  • 立地の選定を間違える
  • 集客がうまくできていない
  • 接客力が足りない
  • 採用のミスマッチ
  • 技術力が足りない

どのような失敗が多いのかを把握しておき、未然に防ぎましょう。

お客様の声を聞けていない

エステサロン経営で最も重要なのは、お客様のニーズを正確に把握することです。お客様の本当の声を聞き逃さないように注意しましょう。

たとえば、お客様の中には施術スペースの温度が気になった場合に、自分からそのことを伝えられないこともあります。そのため施術者が、「室温はいかがでしょうか?」などと声をかけて、お客様の希望に寄り添う姿勢を示すことが大切です。

このように、お客様の声をしっかりと聞き、サービスに反映するように努めると、集客数の増加が期待できます。エステサロン経営者の佐々木さんも、以下のように語っています。

入念なリサーチが良かったのかなと。ご来店いただいたお客様に必ず「なぜ当店をご利用いただいたのか」「どこが良かったのか」などヒアリングをさせていただきました。数あるサロンの中から選んでくれた理由は、ご来店いただいたお客様が一番知っているはずなので。

結果的にお客様のご意見やご感想を反映したサービスにレベルアップできたことで、口コミも広まり、オープン2ヶ月目にして満席になってしまうほどになりました。

引用元:モアリジョブ|エステサロン経営者 佐々木沙織さん

立地の選定を間違える

立地選びは、エステサロンの集客に直結します。しかし、賃料の安さだけを重視して人通りの少ない場所を選んだり、逆に家賃負担が重すぎる物件を選んでしまったりするケースは多いです。

こういった失敗を防ぐためには、自分で足を運んでしっかり確認しておくことが大事です。

先ほどの不動産会社を経営する知人によると、「人の流れは朝と夜の両方見ておくと良い。エステサロンは女性が通う場所だから、夜道が危ないと通いづらいから」とアドバイスをいただき、時間帯ごとに実際に歩いて雰囲気を確かめました。

引用元:モアリジョブ|「アンリュミエール」オーナー 保戸塚優美さん

現地に足を運んだ際は、以下の点もチェックしておきましょう。

  • 周辺住民の年齢層
  • アクセスの良さ(駅からの距離、駐車場の有無など)
  • ターゲットとする顧客層が多く居住・勤務しているか

集客がうまくできていない

多くのサロンが、開業直後の集客に苦労します。たとえば、よくある失敗として、以下のようなケースがあります。

  • 集客手段の選択ミス
  • 価格設定の不適切さ
  • リピーター確保の施策不足

これらの問題を解決する対策は次の通りです。

  • ターゲット層に合った広告媒体の選択
  • 競合店を意識した適切な価格設定
  • 会員制度やポイント制度の導入

また、広告やSNS運用などに捉われず、目の前のお客様を大事にすることも重要です。

ひとりひとりのお客様を大切にするよう心がけています。カルテに肌質、ご来店日、メニューはもちろんですが、会話した内容も記載して、前回お話した内容を忘れないように心がけています。お誕生日には、ゴルフをやる方だったら日焼け止めをプレゼントしたり、お出しするお菓子をその方が好きなものに替えたり、ひとりひとりに合ったものを選ぶようにしています。いつもお話する方でもお客様の動作で、今日は眠そうだなと思ったら、こちらからは質問しないようにしたり、こういった心遣いはCA時代に学んだことですね。

引用元:モアリジョブ|「Air Daisies」オーナー 櫛原悠里さん

上記事例の通り、目の前のお客様を大切にすれば、結果的に口コミなどで集客やリピートにつながります。

接客力が足りない

エステサロンでは、高い接客力が顧客満足度を左右します。サービスの質が高くても、スタッフの態度や対応が不十分であれば、リピーターを逃す可能性が高いです。

良くなかった点は、開業からのお客様が離れてしまったこと。表参道まで電車に乗っていらっしゃるのが難しくなったのが原因ですが、それはつまり「ここでなければいけない」というのが弱かったから。お客様であってファンではない、というのが、すごく反省点ですね。

(中略)

改善するために、スタッフ教育にさらに力を入れるようになりました。これまで私の中で甘い部分もあったと反省したので、スタッフが成長すること、お客様が喜ばれるかどうかを判断基準に、より研修内容を深めていこうと思っています。

引用元:モアリジョブ|「ハリジェンヌ」オーナー 光本朱美さん

上記事例のように、「お客様が喜ばれるかどうか」という判断基準をもとにスタッフの接客力を強化すると、ファンがつきやすくなります。

採用のミスマッチ

採用段階でのミスマッチが原因で、スタッフがすぐに退職したり、サービスの質が低下したりするケースが多いです。

エステサロン経営はチームワークや顧客対応など人間関係のうえに成り立つため、自社の社風や方針にマッチした人材を採用することが大切です。

サロンは決して一人では運営できません。「チームワークを大切にすること」は企業理念の1つでもあります。

エステティシャンは「手」を通してお客さまと向き合い、それがお客さまの結果や満足度として現れます。ですからエステティシャン一人一人の仕事に向き合う想いや姿勢が、もっとも大切なんです。

引用元:モアリジョブ|「KaBUL町田店」マネージャー 左髙智恵さん

採用のミスマッチを防ぐための具体的な方法は次の通りです。

  • 面接時に、業務に対する意欲や適性を見極める質問を準備する
  • 求人票にサロンの理念や具体的な業務内容、求める人物像を明記する
  • 入社後の研修制度を整え、スタッフが安心して業務を始められる環境を整える

サロンにマッチした人材を採用して育成すれば、その人材がサロンの資本となり、永続的な売上・サービスの品質維持につながります。

技術力が足りない

エステサロンでは、施術技術の高さが顧客満足度や売上に直結します。スタッフのスキルが未熟であると、顧客が期待した効果を得られず、不満を抱かせてしまいます。

顧客に期待通りのサービスを提供したり、効果を実感してもらったりするためには、まずは丁寧にヒアリングすることが大切です。美容室オーナーの田村さんは、ヒアリングの重要性について次のように語っています。

120%の施術を提供して感動を与えることです。そのために、お客さまの声に徹底的に耳を傾けています。現状に至った経緯を探り、そこにアプローチを加えなければ根本的な解決には繋がりませんから。また会話を多くすることによって身体自体にも変化があり、施術結果も大きく変わってきます。緊張がほぐれることで、筋肉が緩み血流の流れが良好になる、呼吸が安定して心拍数もが落ち着く、といった施術の効果を受けやすい状態を作ることができるんです。良質な施術を提供するためには、丁寧なヒアリングが第一のステップだと思いますね

引用元:モアリジョブ|「Lily」オーナー 田村貴博さん

 

まとめ

エステサロン経営は、正しい知識と計画があれば多くのメリットを得られる魅力的な事業です。しかし、資金面やスタッフ採用、技術力の向上など、クリアすべき課題も多いのが実情です。

エステサロン経営を行ううえで重要なポイントは次の通りです。

  • ターゲットを理解したうえでコンセプトを具体的に設定する
  • 接客スキルと技術を磨き続ける
  • 店舗の資本となるような人材を採用する

この記事で紹介した経営のポイントや注意点を参考にし、計画的な準備と運営を心がけましょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。