エステサロンの運営を安定させるには、リピート率の向上を図ることが重要です。
ただ実際のところは多くのサロンで新規来店があっても、2回目以降の来店に続かず苦戦しているのが現状です。
この記事では、エステサロンのリピート率の上げ方や平均値、新規顧客がリピート来店しない理由について解説します。
リピート率の獲得に悩むサロンオーナーや担当者はぜひ参考にしてください。
リピート率とは?
リピート率は新規顧客のうち、再度商品やサービスを購入した比率を表す指標です。
リピート率の高さは商品やサービスの顧客満足度の指標にもなるため、定期的なチェックをおすすめします。
〈リピート率の計算方法〉 一定期間内のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100=リピート客 |
たとえば先月の新規来店客が100人だとして、そのうち今月に20人来店したとするとリピート率は(20人÷100人×100)で20%になります。
またリピート率は、データの集計期間で変化します。さらに1カ月経ち20人の2回目の来店があった場合、指定した月のリピート顧客は40人となり(40人÷100人×100)でリピート率は40%に上がります。
エステサロンが勧める来店サイクルをもとに適切な集計期間を設定して、リピート率を算出しましょう。
エステサロンの平均リピート率
Salon Knowledgeの調査によるとエステサロンのリピート率は、新規予約から3カ月以内、6カ月以内どちらの場合も約20%でした。
アイラッシュサロンやネイルサロン、ヘアサロンのリピート率は約30〜40%のため、エステサロンのリピート率は美容系サロンの中では低い傾向です。
エステはアイラッシュやネイル、ヘアと異なり、視覚的に効果がわかりにくいため、必要性が低く感じられ、低リピート率につながっていると考えられます。
とはいえ、エステサロンでも50%以上の高いリピート率を維持しているサロンもあり、他のサロン以上の高いリピート率を達成することが不可能なわけではありません。
ホットペッパービューティーアカデミーは20~59歳のエステサロン利用者に対して顧客満足度調査を行いました。その結果を示すと次の通りです。
驚くべき点は、22.2%の顧客が口コミを見て事前確認する段階で、すでにリピートする意向がある程度固まっていることです。つまり4〜5人に1人は、初回の来店時から2回目以降の継続利用も視野に入れてサロンを選んでいることになります。
この結果からもわかるように顧客の期待に応え、顧客満足度を上げればサロンを訪れた新規顧客は2回目、3回目とリピート利用をしてくれます。
さらに口コミサイトやGoogleマップの口コミを増やす取り組みも、リピート率アップにつながるでしょう。施術に満足した顧客に対して、施術後や会計時に軽く口コミの投稿を依頼するのもリピート顧客を獲得する手段のひとつです。
リピート利用を促すためには新規顧客がリピートする理由を知り、最適な対策を打つ必要があります。
エステサロンでリピート率を重要視する理由とは?
エステサロンにとってリピート率を重要視すべき理由は下記の4つです。
- コスト削減になる
- 優良顧客が増える
- 収入の見込みが立つ
- 紹介による新規顧客の獲得につながる
順に詳しく解説します。
コスト削減になる
リピート率のアップはコスト削減効果が期待できます。
その背景となる考え方として、アメリカのコンサルティング会社Bain & Company社の名誉ディレクターであるフレデリック・F・ライクヘルド氏が提唱した「1:5の法則」が挙げられます。
この法則によれば、新規顧客を獲得して売上を伸ばすには、既存顧客からの売上を伸ばす場合に比べて約5倍のコストがかかるといわれています。
つまり逆にいえば、既存顧客を大切にしてリピート率を高めた方が、広告を出して新規顧客を獲得するよりもコストを大幅に抑えられるのです。
一度来店があった顧客の場合、メールやSNSツールを介してキャンペーンや新商品、新メニューのお知らせを簡単に行えます。
しかし未来の新規顧客に対しては狙った販促ができません。そのため不特定多数の人に届く販促をかけなくてはならず、多くのコストがかかります。
さらに日本は少子高齢化社会のため、今後新規獲得はますます厳しさを増し、さらなるコストが求められるでしょう。
優良顧客が増える
リピート率が高くなると、優良顧客数も増えます。優良顧客とは、高単価商品やメニューを購入して企業に長期的な利益をもたらす顧客を指します。
来店回数が増えるとスタッフとの信頼関係ができるため、優良顧客が増えるのです。
20%の優良顧客が80%の売上を支えていることから考えると、優良顧客はサロンにとって貴重な存在です。この考え方は、「パレートの法則」がもとになっています。
パレートの法則とはイタリアの経済学者が個人の所得額における傾向のなかに見出した法則です。マーケティングや経営においてはパレートの法則を応用して、売上の8割が2割の優良顧客から生まれているとされています。
エステは定期的に受けることで持続的な効果を実感できるようになるため、顧客満足度の向上にもつながります。
また来店ごとに行うカウンセリングで美容意識のアップデートやホームケアの継続も促せるため、顧客の美容意識が定着し、更なるリピート利用が期待できるのです。
売上の見込みが立つ
リピート率が高くなると毎月の売上の見込みが立てられるようになります。
新規顧客の場合、来店する人数も申し込むメニューも予測できません。しかしリピート顧客の場合、来店頻度や毎回利用するメニューの傾向がわかるため、売上の見込みを立てられます。
物販では、事前に販売見込み分を仕入れることで、在庫不足による売上機会の損失を防ぎ、過剰在庫のリスクも軽減できます。
つまりリピート率の把握は売上の見込みを立て、店舗の負債軽減をするうえで欠かせません。
紹介による新規顧客の獲得につながる
リピート率が高くなると、紹介による新規顧客の増加も見込めます。
エステに通ってみたい、今通っているエステサロンに不満があり変えたいと思っている人は、エステや美容に詳しい友人や知人からの紹介でエステサロンを決める傾向にあります。
内閣府は「エステ・美容医療サービス」を利用する消費者に対する調査結果をまとめました。それによると、エステサロン・美容クリニック選びの情報源として、最も多かったのは「友人・知人、またはその紹介」でした。
▽エステサロン・美容クリニックを選ぶ際に利用者が参考にする情報源
とくにエステでは40%以上の人が紹介でエステサロンを選ぶと回答しており、紹介による信頼度の高さがうかがえます。
さらに紹介で利用した人のうち約60%が、紹介のエステサロン(美容医療サービス含む)に対して「不満なし」と回答しています。
仲の良い友人や好みが似ている知人から情報を得るほうが間違いないと感じる人が多く、実際にSNSをはじめとした他の情報媒体よりサロン選びに失敗することも少ないようです。
紹介による新規予約が入った場合は、できるだけ紹介元の顧客を担当しているエステティシャンが施術を担当しましょう。多くの場合、顧客はエステサロンではなく、担当エステティシャンを気に入って友人を紹介しています。
紹介客がサロンを気に入りリピーターになれば、新たな顧客を紹介してもらえる可能性が高まり、新規集客もよりスムーズになるでしょう。
新規顧客がリピートしない理由
新規顧客がエステサロンを「リピートしない理由」は主に下記の2つが考えられます。
どちらも改善までに時間がかかりますが、当てはまる場合は、早急に対策を打ちましょう。
接客や施術に満足してもらえなかった
接客や施術はお客様が店舗を決める重要なポイントです。ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、受付時の対応や気遣いに対する不満は「サロンを変えたい」と思うきっかけになっています。
どんなに技術が高く、効果を出せたとしても、接客で顧客満足度を上げられなければリピートしてもらえません。
もちろん逆も然りです。エステの効果を感じてもらえなければ、どんなに接客が良くても長く通っていただくことはできません。
「サロンを変更したい」と思った理由上位5つのうち、3つは技術や効果に対しての不満でした。スタッフの技術格差を感じる人も多くいます。
エステサロンはシフトなどの関係から、指名制を取り入れていない場合があります。毎回担当者が異なると技術の違いや格差を感じやすくなってしまうのです。
技術において一定の属人性が出るのは避けられませんが、不満を感じるほどの差がある場合は改善が必要といえるでしょう。
エステサロンは非日常を売る空間でもあり、コンプレックスや悩みを改善する場所です。リピートしてもらうためには、丁寧なカウンセリングや心のこもった接客などホスピタリティ、そして効果や変化を感じられる技術力の提供が大切です。
予約が取りにくい
接客や施術に満足しても予約が取りにくいと一度リピーターになっても、失客する可能性が高くなります。
実際ホットペッパービューティーアカデミーの調査でも、3人に1人が「来店前に」希望の日時に予約できなかったことがきっかけとなって、「お店を変えようと思った(変えた)」と回答しています。
エステは適切な頻度で利用しないと、肌改善や痩身の効果を感じられません。エステサロン側も契約を進める際に理想の来店ペースを提案します。
それなのにいざ予約を取ろうとすると、希望の日時で予約が取れないのではモチベーションも下がり不信感や不満につながります。
新規顧客に契約やリピート来店を進める際は「その人が通いやすい枠にゆとりがあるか」、また「既存顧客が予約を取りにくくならないか」という2点を確認してから進めるようにしましょう。
エステサロンのリピート率を上げる方法
エステサロンのリピート率を上げる主な方法は下記の7つです。
- 目標のリピート率を設定する
- 採用ターゲットを明確にする
- 接客や技術の統一を図る
- ポイントカードやリピート特典を準備する
- サロンの公式SNSをフォローしてもらう
- 次回予約を促す
- 定期的なフォローをする
目標のリピート率を設定しておかないとどう頑張ればいいのかわかりません。顧客が接客や技術に不満を感じているなら、次回予約を促しても予約は入れてくれません。
チェックも兼ねて、1つ目から順に見直していきましょう。
目標のリピート率を設定する
まずは現在のリピート率を算出し、達成可能な目標のリピート率を設定します。
リピート率の目標を設定することで、目標達成までの具体的な数値がわかり、それに基づいた施策を計画して実行に移せます。
なお、エステサロンのリピート率は平均20%とお伝えしましたが、地域や顧客の年齢層でも異なります。
繁華街や転入出が多いエリアはリピート率が低くなりやすい傾向で、新規顧客の割合が多くなります。一方で、住宅地や地方では新規が少なく、リピート率が高くなりやすい傾向です。
リピート率を設定する際はトップダウンにならないよう、セラピストの意見も聞きながら自社のサロンに適した数値を設定するのがおすすめです。
自分たちで設定した目標値なら、達成するために積極的に取り組めるからです。
採用ターゲットを明確にする
リピート率を上げるためには採用ターゲットを明確にして、適切な人材を集めることが大切です。
採用ターゲットを明確にするには「価値観・志向」「人柄・性格」「能力・役割」「勤務条件・働き方」の4項目について考えてみましょう。
リピート率アップを目標に据えた場合の例を紹介します。
【価値観・志向】リピート顧客中心や担当制のエステサロンにしたい
【人柄・性格】協調性があり、成長意欲が高いタイプ
【能力・役割】エステティシャン歴3年以上、痩身メニューや物販の販売が得意な人
【勤務条件・働き方】夜シフト勤務や土日出勤が可能な人
このように求めている人物像を言語化すると、求職者にも伝わりやすく、共感を得られやすくなります。
また採用ターゲットを明確にするためには、自社の魅力やこだわりの明確化も大切です。
自社にマッチした人材の採用率を高めるためのフレームワークについては、下記より無料の資料をダウンロードするとご覧いただけます。
接客や技術の向上と統一を図る
接客や技術の向上と統一を図ると、リピート率の向上につながります。
「新規顧客がリピートしない理由」の項で解説したように、スタッフによる技術格差や接客の良し悪しは失客の原因のひとつです。
新規顧客のリピート率や口コミ評価が低いスタッフについては、接客や技術面で他のスタッフに比べて違いがないか確認する必要があります。口コミに評価が低い理由がはっきりと書かれている場合は、指摘されたポイントを重点的に研修し直しましょう。
接客レベルの統一を図るには「接客マニュアル」の作成がおすすめです。
また接客や技術の向上や統一を図るためには、エステティシャンひとりひとりの頑張りや向上心が不可欠です。未経験でも向上心が高い人や経験者でも成長が見込めない人もいます。
エステティシャン採用の際に注意すべきポイントやコツは下記のサイトで解説しています。
ポイントカードやリピート特典を準備する
ポイントカードやリピート特典を準備して、2回目以降もお得に続けられる点をアピールしましょう。
エステは初回クーポンで、通常価格よりお得に施術を受けられる場合が多いです。
そのため、低価格を重視する人はリピートしにくい傾向があります。初回クーポンで来店したお客様に対しては、継続して利用することで得られる効果をアピールし、2回目以降もお得に通える会員特典を伝えましょう。
2回目以降も継続して、安易に値引きする行為は危険です。値段だけで決める顧客は失客しやすいため、リピート率を上げる施策ではありません。
リピーターしか受けられない特別メニューや継続利用でアップするランク制度といったような、顧客が通い続けたくなる特典や施策がよいでしょう。
サロンの公式SNSをフォローしてもらう
新規顧客にはできる限り、サロンの公式SNSをフォローしてもらいましょう。
SNSは登録している人に一斉配信が可能です。ブロックされない限り、メールのように迷惑メールやその他のダイレクトメールにまぎれてしまうこともなく、簡単に顧客へ情報を届けられます。
どのSNS媒体が適しているかは顧客の層によっても異なります。顧客の年齢層に合わせたSNSツールを選びましょう。
年齢層に関わらずおすすめなのが「LINE」です。総務省の調査によると令和4年度のLINE利用率は10代から60代すべての年代でほぼ90%を超えています。男女比で見ると女性のLINE利用率は96.8%と、ほぼ100%に近い利用率となっています。
予約管理システム「リザービア」ならLINEなどSNSとの連携が可能で、フォローメッセージからの直接予約も可能です。直接予約機能は「あとで予約しよう」といった予約の取りこぼしを防げます。
LINEを使ってリピート対策を行いたい場合は、リザービアの活用を検討するとよいでしょう。
関連リンク
次回予約を促す
効果を実感してもらうためにも、次回予約をおすすめしましょう。
疲れを取るのが目的のアロマトリートメントやリラクゼーションと異なり、エステは効果を実感してもらえないと顧客満足にはつながりません。そのためには各エステメニューに適した頻度での定期的な来店が大切です。
また予定がわかったら入れてもらう形ではエステ来店が後回しになり、いずれ失客してしまう可能性が高くなります。
スケジュールが未定の人も適切なタイミングをお伝えし、一旦入れてもらい後から変更できる旨を伝えましょう。
指名料無料やヘッドスパサービスなど、次回予約してくれた人向けの特別特典を用意するのも有効です。
また次回予約をその場で取ると、「予約が取れない」という不満から起こる失客も回避できます。
定期的なフォローをする
次回予約を好まない人やできない人には定期的なフォローでリピート来店を促しましょう。
お客様の多くは仕事や子育て、介護にと忙しい日々を送っているため、エステを後回しにして忘れてしまいます。定期的なフォローはリマインダー機能を果たすのでおすすめです。
フォローのタイミングは利用するメニューや目的によって異なります。フェイシャルであれば、肌のターンオーバーを目安に最終来店から1カ月、痩身であれば効果が薄れてしまう2週間くらいを目安にするとよいでしょう。
施術や後輩育成など別の業務で忙しく、定期的にフォローする時間を取れない人にはリザービアの自動配信機能の活用がおすすめです。
リピート率アップのための施策で注意すべきポイント
リピート率アップの施策を打つ場合には、下記の3点に注意しましょう。
- 失客予備軍のフォローをする
- 安易な値引きはしない
- 新規顧客獲得のための販促を忘れない
順に詳しく解説します。
失客予備軍を見つけて早めにフォローする
リピート率を高めるには来店が止まりそうな「失客予備軍」を見つけて、早めにフォローしましょう。
来店が完全に止まってしまってから再来店を促すのはかなりの労力を要するうえ、実際に再来店してもらえる確率は低いです。
ダイエットや肌改善に対するモチベーションの低下や、家庭の事情で時間の融通が利かなくなるなどエステサロンへ通う頻度が落ちる理由はさまざまです。
当初よりやる気が落ちているように感じたり、予約変更が増えて失客の兆候が見えたりした場合は、カウンセリングの時間を長めに取り、悩みの聞き取りや適切なアドバイスを行いましょう。
安易な値引きはしない
安易な値引きはおすすめしません。
値引きで来店する顧客は「サロン」や「エステティシャン」に魅力を感じてリピート利用しているのではなく、価格に惹かれて来店しています。
そのため値引きがないと来店してくれず、安いエステサロンへと移っていきます。
初回クーポンと正規の価格が大幅に異なる場合、クーポンで来店した顧客に次回来店を促すのは大変ですし、商品価値を下げるリスクもあります。それだけでなく、正規価格で通っている顧客からの信頼を失うことにもつながりかねません。
安易な値引きはせず、自分たちの商品に自信をもって販売できるよう、値引き以外でリピートにつなげられる方法を模索してみましょう。
新規顧客獲得のための施策も並行して行う
リピート率を上げるための施策と並行して、新規顧客を獲得するための施策も行いましょう。
顧客満足度の高いエステサロンになれたとしても、失客をゼロにはできません。結婚や子育て、介護、転勤など、ライフステージの変化に伴う失客は避けられません。
個人経営の場合、リピート率は70〜80%が理想と言われています。つまり失客対策を取ったとしても何らかの理由で20〜30%は失客します。そのためリピート率アップの施策と並行して、新規顧客を獲得するための施策も重要です。
なお新規顧客を獲得するための最適な集客ツールは、地域やターゲット層によって異なります。
▼サロンの所在地別|おすすめの集客ツール
サロンの所在地 |
集客ツール |
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住宅地や居住エリア |
チラシポスティングやLINE(近くの店舗がおすすめで出てくるため) |
通勤や通学に使われるターミナル駅の近く |
InstagramやXなどのオープン型SNS |
繁華街 |
看板やブラックボード、置きチラシ |
自社のサロンに合ったオンライン、もしくはオフラインの媒体での集客を行いましょう。次の事例で示すように、複数の集客ツールを活用して、コストの偏りを避けるのもポイントです。
クーポンサイト経由からは、毎月15〜20件ほどご予約をいただいています。ただ、ひとつのクーポンサイトに依存しすぎてコストが偏るのを避けたいので、複数の媒体を併用して使い分けています。オフラインの施策としては、郵便局や近隣の店舗などに、予約ページやクーポンサイトへ誘導するQRコードを印刷したチラシを置かせていただいています。
引用:リザービア|Hair's Departure KIHARA マネージャー兼スタイリスト 生野 健太郎さん
リピート率を向上させたサロンの事例
実際にリピート率を向上させたサロンの事例を2つ紹介します。
事例1:失客しないための対策で徹底的に失客を防ぐ
銀座の一等地に美容室「COA銀座」をオープンさせた美容師で、同サロンの共同代表も務める青木大地さんは、徹底した失客対策でリピートにつなげる工夫を行っています。
初回来店のお客様全員にLINE登録をしてもらい、髪の乾かし方や巻き方などおうちに帰ってからのアフターケアの方法をアドバイス。来店周期や使うヘアケア商品など悩み相談にも応じるなどして、信頼関係の構築に努めました。
さらに忙しい時間とゆっくりしてもらえる「おすすめの時間」を事前にお伝えし理解していただくことで、忙しい時間帯に来店する顧客の失客を軽減できたそうです。
参考:モアリジョブ|COA銀座 美容師 共同代表 青木大地さん
事例2:スタッフのブランディングでリピート率アップ
横浜の中華街近くにある美容室「LUMDERICA(ラムデリカ)」のオーナースタイリストの長南一士さんは、コロナをきっかけにブランディングを意識するようになったと言います。
スタッフそれぞれが一番自信をもっている技術を売り出す「スタッフのブランディング」を意識した店作りで、リピート率の高い店作りに成功しました。
スタッフが想定するターゲットに合わせた広告を出し、スタッフに合う顧客の集客を狙ったそうです。
たとえばメンズカットが得意なスタッフに担当してもらうお客さまを集客する場合は、Googleマップを強化しリモートワークの男性へアプローチしました。一方で中高年の集客には40~50代の利用者が多いFacebookを活用して、宣伝媒体を使い分けています。
また設定した時間内にカットできるように練習を積み重ね、技術力とスピード感をもった施術の提供も高いリピート率につながっているようです。
参考:リザービア|LUMDERICA オーナースタイリスト 長南一士さん
まとめ
本文を総括すると次のとおりです。
- エステサロンの平均リピート率は約20%
- リピート率が重視される理由は、コスト削減と安定した店舗運営につながるから
- 新規顧客がリピートしない理由は「接客や技術に対する不満」と「予約の取りにくさ」
- 目標の設定と採用・研修の見直し、そしてフォロー体制の整備でリピート率アップ
エステサロンのリピート率アップは、店舗運営にとって必要不可欠です。まずは自社に来店した新規顧客がリピートしない理由を分析しましょう。そして顧客や店舗に合った採用を行い、適切なタイミングで顧客フォローが行えるように体制を整えることをおすすめします。
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- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部