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人材育成で大切なこと6選!必要なスキルや具体例も紹介!

人材育成で大切なこと6選!必要なスキルや具体例も紹介!

人材育成に取り組んで優秀なスタッフを確保すると、企業成長につながります。その一方で人材育成への取り組みが不十分だと、従業員が将来のキャリアに不安を感じて離職するリスクがあるため注意が必要です。

このような状況に陥った企業は、「ゆるブラック企業」と呼ばれることもあり、労働環境が悪くないにも関わらず人材の流出が進む事例としてニュースでも取り上げられています。

20~30代の若手・中堅従業員らの約7割が、自身の勤務先を働きやすい「ホワイト企業」だと認めているものの、そのうちの約4割は勤務先について、仕事にやりがいを感じられず、スキルアップ、キャリアアップが難しい「ゆるブラック」の企業であるとも考えている

引用:ゆるブラック企業とは?ホワイト企業勤務の20~30代、4割が憂慮|読売新聞オンライン

以上のニュースからも、企業成長と離職防止の観点において、人材育成への取り組みが企業にとって重要であることがわかります。本記事では、人材育成で大切なことを6つ紹介します。必要なスキルや具体例を交えて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

人材育成が大切な理由

企業にとって優秀な人材を育成することは、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。しかし昨今の労働環境では、「ゆるブラック企業」とみなされることが問題となるケースも増えています。

ゆるブラック企業とは、労働条件が悪いわけではないものの、人材育成やキャリアパスが不十分であるため、従業員が成長の機会を感じられずに退職してしまう企業を指します。

アデコが行った調査によると、現在の勤務先がゆるブラック企業と思う労働者が全体の40.3%に達しました。

▼現在の勤務先が「ゆるブラック」と感じるスタッフの割合

1_現在の勤務先が「ゆるブラック」と感じるスタッフの割合

さらに同調査によると、現在勤める職場がゆるブラック企業と考える従業員のうち、37.4%が転職に前向きであることがわかっています。

つまり企業が人材育成に注力せず、従業員が新しいスキルを学べる環境を提供しなければ、彼らは成長の見込みがないと感じ、より良いキャリアを求めて離職を選ぶと考えられます。これがブラックな環境ではなくとも、離職率が高くなる原因です。

企業が持続的に成長するためには、優秀な人材を確保し、従業員が長期的に活躍できる環境を整えることが不可欠です。キャリアアップやスキル習得などの機会を提供して人材育成に注力すると、離職の防止につながり、組織全体のパフォーマンス向上が期待できるしょう。

人材育成の考え方

人材育成で重要なことは、従業員が必要な知識とスキルを適切に習得できる環境を整えることです。そのためにも、業務に関連する知識を習得する機会と、実務の遂行に必要なスキルを磨く場の提供が求められます。

業務遂行に必要な知識を獲得させる

企業が従業員を育成する際、はじめに提供すべきことは、業務遂行に必要な基礎知識です。こうした知識を従業員が得ると、業務を円滑に遂行し正しい判断を下せます。

たとえば美容室の場合、パーマ剤やカラー剤に関する知識は、スタイリストが顧客にサービスを提供するために欠かせません。また髪質に合わせたカラー剤の選択や、髪のダメージを最小限に抑える施術方法を知ることも、プロの美容師にとって重要です。

このような業務遂行に欠かせない知識を従業員に獲得させることが、企業の人材育成に求められます。

実務に取り組むためのスキルを獲得させる

知識だけでは業務を効率的に遂行することが難しいため、実務に取り組むための具体的なスキルを習得できる環境を整えることが重要です。これには、技術的なスキルやコミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップなどが含まれます。

たとえば美容室を経営する場合、カットやカラーリングなどの本業に関するスキル以外にも、情報発信やPRなどの集客スキルも求められます。実際に、ハワイアンサロン「aivee 吉祥寺店」では従業員にコラム記事の作成を担当させて、積極的に集客スキルを身に着けられるようにしています。

美容師さんの中にも目立ちたい人と、そうじゃない人がいますからね。でも、うちでは目立ちたくないタイプのスタッフも頑張って個人の集客スキルを身に付けてほしいんです。

モアリジョブ|ハワイアンサロン「aivee 吉祥寺店」代表 辰野匠さん

人材育成で大切なこと6選

企業の成功には、優れた人材を育成し、従業員が能力を最大限に発揮できる環境を整えることが不可欠です。そのためにも、次の6つのポイントを意識するとよいでしょう。

  • 目標を設定する
  • スタッフのモチベーションを高める
  • 人材育成ができる人材を育てる
  • 教育マニュアルを整える
  • 実際に現場を任せる
  • 自社にマッチした人材を採用する

各項目について詳しく解説します。

目標を設定する

人材育成において最初に必要なことは、明確な目標の設定です。目標が具体的であるほど、従業員は自分の進むべき方向を理解しやすくなります。

たとえば、ある従業員に「3ヶ月以内に業務効率を10%向上させる」といった具体的な目標を設定すれば、従業員はその目標達成に向けて自身のスキルを積極的に磨こうとします。

美容師などの顧客に施術サービスを提供する職種の場合、売上や指名数などを具体的な目標として設定する方法もあります。

そのために必要なのは、確かな技術。人を笑顔にできる技術が身についたか分かる指標が、売上と指名だと思ったんです。なので、まずは身近なお客さんに価値を感じてほしいと思ったんです。

モアリジョブ|旅人美容師 うーぱーさん

以上のように具体的に目標を設定した結果、スキルアップのモチベーションにつながるケースもあります。

はじめにやったのは、徹底的なカットの練習です。どんなリクエストが来てもこなせるようにするのはもちろんなのですが、僕は技術面では本当に不器用でして、どうにかして自分のスキルを高めようと、寝る間を惜しんで練習に打ち込みました。

モアリジョブ|旅人美容師 うーぱーさん

さらに定期的な見直しやフィードバックを行いながら、柔軟に目標を調整すると、従業員がモチベーションを維持しながら努力できるようになるでしょう。

スタッフのモチベーションを高める

人材育成の成功には、スタッフのモチベーションが大きく関わります。スタッフが成長を望む意欲を持たない限り、どんなに優れた研修やプログラムを用意しても、人材育成の効果は半減します。そのため、モチベーションを高めるための施策が必要です。

たとえばスタッフの成長が、会社の成長に対してどのように役立つのかを具体的に示し、各スタッフの努力が正当に評価される仕組みを整えることが重要です。

また適切な報酬制度やキャリアパスを提示すると、スタッフは自分がどのように会社で成長していけるのかを見据えることができます。その結果、成長意欲が高まり、モチベーションが維持される効果が期待できます。

人材育成ができる人材を育てる

効果的な人材育成には、指導者となる人材を育てることも欠かせません。優秀な指導者は、単に技術を教えるだけでなく、部下や後輩の成長に合わせたサポートを心がけ、彼らが自ら学び成長できる環境を整えようとします。

実際に全国に500店舗以上を展開する「QB HOUSE」で新人研修を担当するトレーナーは、研修生に合わせて指導することの大切さについて次のように語っています。

研修生たちが技術をしっかりと理解できるよう、研修生たちのペースに合わせることを意識しました。1回目の時はスタイルを作ることに必死で、教わっている研修生たちをあまり見ずにただ内容を伝えていたんです。2回目では生徒一人ひとりの表情や仕草などをしっかりと観察するようにしました。聞いたことを理解する時間を与えたり、生徒に合わせたスピードでレクチャーした結果、合格できました。

モアリジョブ|「QB HOUSE」トレーナー 高橋将士さん

他にも育成担当者には、リーダーシップやコミュニケーションスキル、他者を導くための教育方法、フィードバックの仕方も身につける必要があります。このような指導者を育てることが、結果的に組織全体の成長を促進し、長期的な企業の成功につながります。

教育マニュアルを整える

教育マニュアルを導入して指導方法を標準化することも、人材育成を効率化する手段の1つです。マニュアルが整備されていれば、新しい従業員でも早期に業務に慣れることができ、学習の効率も向上します。

たとえば業務に必要なスキルや手順を明確に示したマニュアルは、指導者と新人スタッフの双方にとって有益です。これにより、従業員は自主的に学習を進めやすくなり、指導者も一貫性のある教育を提供できるようになります。

またマニュアルは定期的に更新し、常に最新の業務内容やスキルが反映されていることが大切です。株式会社フィンテックスが実施した調査によると、「最新の状態がアップデートされていること」が、わかりやすいマニュアルのためにもっとも重要であることがわかりました。

▼わかりやすいマニュアルのためにもっとも重要と思うこと

2_わかりやすいマニュアルのためにもっとも重要と思うこと

次いで、画像や見出し、動画の活用や具体例の掲載なども重要な要素なので、教育マニュアルを作成する際は意識するとよいでしょう。

実際に現場を任せる

理論や知識を指導するだけではなく、実践させることも重要な学びの機会です。従業員がスキルを身につけた後は、実際に現場の業務を任せることが成長につながります。

さらに責任を持って仕事に取り組み、顧客に喜ばれたり、企業の売上に貢献できたりして成功体験を積むと、自信が育まれ、さらなる成長につながります。

実務を取り入れた人材育成の方法は「OJT」とも呼ばれ、多くの企業が重視する指導方法です。中小企業庁の運営するサイトにも、7割以上の企業がOJTを重視することを示すデータが示されています。

▼【企業規模別】重視する教育訓練の方法

3_【企業規模別】重視する教育訓練の方法

自社にマッチした人材を採用する

人材育成を成功させるためには、そもそも自社にマッチした人材を採用することも大切です。自社の文化やビジョンに共感し、成長意欲を持つ人材は、人材育成プログラムにも積極的に参加し、成果を上げやすいと考えられます。

株式会社学情のアンケートによると、ミスマッチを避けるために重視したい項目として、「仕事内容・配属先」と回答する求職者が最も多いことがわかりました。

4_ミスマッチを防ぐために重視したい項目

ミスマッチを防いで人材育成プログラムに積極的に参加してもらうためにも、求職者に対してまずは仕事内容や配属先について、求人票や面接を通して詳しく伝えることが大切です。

またミスマッチな人材を採用すると早期離職につながる可能性が高くなるため、育成にかけた時間や労力が無駄になってしまうケースもあります。育成した人材ができる限り長く自社で活躍してもらうためにも、マッチした人材を採用できるように戦略を練りましょう。

次の記事では自社にマッチした人材を採用するためのコツについて解説しています。

人材育成に必要なスキル

人材育成は、企業の未来を担う人材を育てるための重要なプロセスです。このプロセスを成功させるためには、育成担当者がさまざまなスキルを備えていることが重要です。ここでは、特に重要な2つのスキルとして、「コーチング」と「ティーチング」について解説します。

コーチング

コーチングとは相手の話を聞く過程で、相手を観察したり、質問や提案などをしたりして、その人が自ら成長できるようにサポートする方法です。コーチングには、以下の能力が求められます。

共感力

共感力が高いと、相手は自分の悩みや問題を安心して話せるようになり、信頼関係が深まります。また相手がどのような考えや感情を抱えているかを理解することで、適切なアドバイスやサポートができます。

観察力

観察力が優れていると、相手が言葉にしないサインや本音を見抜きやすくなります。その結果、行動特性や価値観を引き出すような質問や提案が可能です。相手の変化や成長を細かく把握し、適切なフィードバックを与えることで、成長をサポートできるでしょう。

洞察力

洞察力とは、相手の本質的な問題や潜在的な可能性を見抜く力です。表面的な問題にとらわれず、その背後にある原因や根本的な課題に気づくと、効率的に指導できます。洞察力のある指導者は、相手が自らの力で解決策を見つけられるように導きます。

ティーチング

ティーチングは、知識やスキルを伝えることに焦点を当てた指導スキルで、具体的な技術や業務に関する知識を伝える場面で求められます。ティーチングで求められるポイントは次のとおりです。

目的の明確化

指導を受ける従業員が達成すべきことを明確にすることが重要です。目的が明確であれば、従業員が自分の向かうべき方向性を理解しやすくなります。また目的が明確だと、学習者のモチベーションが高まるため指導の効率化につながります。

フィードバックの提供

フィードバックは、従業員が学習の進捗状況やスキル獲得までの道のりを確認し、改善すべき点を見つける際に役立ちます。相手を褒めてポジティブな感情になってもらうためのフィードバックと、不備や誤りを指摘して改善を促すようなフィードバックをバランスよく伝えると、より効果的です。

実践的な指導

ティーチングでは、理論を伝えるだけではなく、実際に現場で使えるスキルや知識を伝えることも重要です。より実践に則した指導をすると、指導を受ける従業員が知識や理論を現実のシチュエーションで応用する力を養えます。

人材育成のやり方

人材育成の主なやり方について、OJTとOFF-JT、e-ラーニングの3つに分けて解説します。いずれも人材育成に欠かせない手法なので、教育システムに組み込むように意識するとよいでしょう。

OJT

OJTとは、現場で実際の業務を通じて学ぶ教育方法です。新入スタッフが先輩や上司の指導を受けながら、実務に取り組むと、即戦力として働けるようになります。OJTのメリットは、理論と実践を同時に学べる点です。

とくに美容室をはじめとしたサービス業で働くスタッフを育成する場合、カットやカラーリングなどの実務以外にも、接客スキルを身に着けてもらう必要があります。より実践的な接客スキルをスタッフが身に着けるためにも、OJTが役立ちます。

美容師って技術職ではあるんですけど、接客も大きなウェイトを占めていますし、いわゆるサービス業ですよね。学校を出て、技術をもっと向上させたい、と思っていても、接客がうまくいかず壁にぶつかることがあると思うんです。だから、OJTで得たことを、次の日にサロンで活かすという実践形式にすれば、いち早く活躍できる人材になっていくと考えています

引用:モアリジョブ|美容サロン「unsarto poi」店長 瀬賀龍さん

またOJTを成功させるためには、事前に計画を練ることが大切です。計画性に欠けると、指導が現場の繁忙状況に左右され、指導者側が教育にかける時間を十分に確保できないことがあります。

そうなると、研修生の学習が断片的になり、OJTの効果が得られない可能性があります。。そのため、事前にしっかりとした指導計画を立て、進捗を確認しながら進めることが重要です。

Off-JT

Off-JTは、現場から離れた場所で行う人材育成手法で、社外研修やセミナー、ワークショップなどが該当します。Off-JTの特徴は、業務とは距離を置いて理論や知識を深めることができる点です。たとえばOff-JTを通して、リーダーシップ研修やマネジメント講座など、将来的なキャリア形成に役立つスキルを学べます。

株式会社日本能率協会マネジメントセンターの調査によると、現在Off-JTの実施方法について見直しを検討している企業が、9割以上に上ることがわかりました。

たとえばOff-JTの集合研修の良さが活かされていなかったり、職場での行動変容につなげられていなかったりする点に課題を感じて見直しを検討している企業が多いようです。

さらに同調査の結果をもとに、具体的な改善策について回答割合の多い項目から順に5つ挙げると次のとおりでした。

改善策

割合

コンテンツの見直しを行う

41.4%

「対面重視」だが、オンラインも活用

35.7%

社内の先輩との関わりから学ぶ機会を増やす

30.5%

学習管理システムなど新しいシステムを導入する

28.2%

キャリアに関する教育を取入れる

26.5%

最も多い改善策は、コンテンツの見直しで、次いでオンラインの活用でした。Off-JTを改善する場合は、他社の取り組みも参考にするとよいでしょう。

e-ラーニング

e-ラーニングは、インターネットを活用して学習する方法です。場所や時間を選ばずに手軽に学習コンテンツにアクセスできるため、多くの企業で導入が進んでいます。

e-ラーニングの主なメリットは、スタッフが自分のペースで学習を進められる点で、業務時間の合間や自宅で学習ができます。

ただしe-ラーニングによる学習の進捗はスタッフの自己管理に依存する側面があるため、学習意欲が低いスタッフはモチベーションを保つことが難しいケースもあります。そのためe-ラーニングは単独で利用せずに、OJTやOff-JTと組み合わせながら取り入れて、学習環境を整えることが重要です。

人材育成の具体例

人材育成の具体例について、次の5項目に分けて解説します。

  • 職業能力評価シートの導入
  • 不安なく業務遂行できる育成システムの導入
  • プロジェクトグループ室の設置
  • オンラインサロンの設立
  • 研修カリキュラムの作成

職業能力評価シートの導入

職業能力評価シートは、従業員一人ひとりのスキルや業務遂行能力を可視化するためのツールです。これを導入すると、各スタッフの強みや課題が明確になり、個別の指導やキャリアアップ支援を効率化できます。

職業能力評価シートでは、業務ごとの必要なスキルや知識をリストアップし、従業員がどの程度そのスキルを持っているかを定期的に評価します。この評価をもとに研修やOJTを計画すると、スタッフの成長を効果的にサポートできます。

たとえば厚生労働省の発行する資料をもとに、ホテル業の職業能力評価シートを一例として示すと次のとおりです。

▼職業能力評価シートの具体例(ホテル業)

5_職業能力評価シートの具体例(ホテル業)

選択能力ユニットの欄には、各業種や職種に合わせた具体的な能力項目が示されています。このようなシートを導入すると、従業員が自分の成長過程を把握しやすくなり、モチベーションの向上にもつながります。

不安なく業務遂行できる育成システムの導入

新しい業務や難易度の高いプロジェクトに取り組む際、従業員が不安を感じることも多いです。このような不安を取り除くためには、業務遂行に必要な知識やスキルを段階的に学べる育成システムを導入することが重要です。

厚生労働省が示す人材育成事例の1つに、看護職員の育成システムを取り上げた事例が紹介されています。そこには、実務に直結したトレーニングやシミュレーションを行うことで、スタッフが安心して業務に取り組めるようになった成功例が紹介されていました。

以下のように内部研修と外部研修に分けた育成システムが整えられており、それぞれの具体的な内容は次のとおりです。

研修の種類

研修の内容

内部研修

  • 看護師・理学療法士の同行訪問160時間
  • 毎月1回全職員での勉強会への参加

外部研修

  • 他ステーションでの同行訪問や在宅療養支援診療所などの見学実習
  • 日本看護協会や東京都ナースプラザ、大学などが主催する研修会への参加
  • 訪問時の接遇などを加えた在宅看護ならではの研修の実施

以上の人材育成システムを確立したうえで、子育てなどを理由に15年以上の長期ブランクのある人材を採用して、現場で働ける環境を整えています。

プロジェクトグループ室の設置

株式会社ナンゴーは、世代交代及び自立的に向上する組織を目指すことを目的としたプロジェクトグループ室を創設しました。同社では月1回の昼休みに、プロジェクトグループ室主催による「自由参加の勉強会」を実施しています。難しいことをテーマにした勉強会ではなく、気楽に自由に参加できるため、ほとんどのスタッフが参加しています。

必要以上に呼びかけを行わなくても、多くのスタッフが自主的に参加しており、「楽しく学べる !」などのポジティブな意見も聞かれ、人材育成への取り組みに主体的に参加してもらうことに成功しています。

オンラインサロンの設立

美容サロン「Violet」ではオンラインサロンを設立して、自社のスタッフだけではなく、多店舗の美容師が学べる場を提供しています。

オンラインサロン「ABU美容師大学」を設立しました。「Violet」のスタッフはもちろん、外部のスタイリストも入会可能です。

モアリジョブ|美容サロン「Violet」代表 前原穂高さん

このオンラインサロンにはサロン技術学部とサロン営業学部、撮影学部、マネジメント学部の4つのコースが設けられており、各コースでは設立者の経験に裏打ちされたスキルを学べ、実践に役立てることができます。

またABU美容師大学は、フリーランスや業務委託などの多様化する働き方の実現を目的に設立され、働き方を問わず高度な技術力の養成を目指しています。

昨今、フリーランスや業務委託などと働き方の多様化が進んでいますが、その働き方を実現するには基盤の技術力が必要です。その基盤作りを怠ってほしくないですし、業界全体の底上げのためにも「教育」には今後も力を入れていきたいです。

モアリジョブ|美容サロン「Violet」代表 前原穂高さん

美容サロン「Violet」もオンラインサロンを活用しながら、働き方の多様性に対応できる職場を目指しています。

研修カリキュラムの作成

整体サロン「POWWOW」では、体系化された研修カリキュラムをもとに人材育成に取り組んでいます。その一環として、セラピスト向けの手技や接客マニュアルを盛り込んだ教科書の作成にも力を入れているようです。

POWWOWでは、最初からいきなり手技を学ぶのではなく、座学を通してサクラムバランステクニックがどういうものかを理解してもらった上で体を動かしていきます。その方に合わせた未経験の人でも学びやすい研修カリキュラムを用意していて、それを常にブラッシュアップすることにも尽力しています。

新商品や季節メニューが出る際に、セラピスト向けの手技や接客マニュアルを盛りこんだ教科書を作成することも大事な業務のひとつです。

モアリジョブ|整体サロン「POWWOW」育成・研修担当 泉安奈さん

研修カリキュラムを通してトレーナー全員が認識を統一して指導に当たることを心がけ、指導を受けるセラピストが同じ知識やスキルを得られる環境を整えています。

このように研修カリキュラムが整っていると、幅広い年代から未経験者を採用できるため、人材不足の予防にもつながるでしょう。

セラピストの仕事をやってみたいけど、体力に自信がなくて足踏みしている30~40代の未経験の方が結構いらっしゃるんですよね。でも、うちのようにその人に合わせた研修を用意しているサロンも増えています。50代でデビューされた方もいらっしゃるので、やってみたいというその気持ちをぜひ大事にしてほしいと思います。

モアリジョブ|整体サロン「POWWOW」育成・研修担当 泉安奈さん

まとめ

まとめ

本記事を総括すると、次のとおりです。

  • 人材育成は、企業の成長と従業員の長期的な活躍を支える重要な要素。
  • 明確な目標設定やキャリアパスの提示が、従業員のモチベーションを高める。
  • OJTやOff-JT、e-ラーニングを効果的に活用し、知識と実践の両面から人材を育成することが大切
  • 自社にマッチした人材を採用しスタッフの学習へのモチベーションを維持することが、人材育成の効率化につながる

人材育成を成功させるためには、システムを整えるだけではなく、スタッフ側にも積極的に学ぶ姿勢が求められます。そのためにも、まずは自社にマッチした人材を採用できるようにすることも大切です。

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美容・ヘルスケア業界で自社にマッチした人材を採用したい場合は、ぜひご相談ください。

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執筆者情報
Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。