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採用課題の解決方法をケース別に解説!成功事例やトレンドも紹介

採用課題の解決方法をケース別に解説!成功事例やトレンドも紹介

「採用課題を明確にしたい」

「採用課題に対する具体的な解決策が知りたい」

「採用課題を解決した事例があれば知りたい」

こういったお悩みをもつ採用担当者は多いでしょう。

そこで本記事では、採用課題の解決方法に加え、採用課題を明確化する手法を解説します。

採用課題を解決し、事業拡大や企業成長を図りたい人はぜひ参考にしてください。

採用課題とは

採用課題とは、企業が必要な人材を確保する際に直面するさまざまな問題や障壁を指します。

近年、多くの企業が優秀な人材を求める一方で、採用活動においてさまざまな課題に直面しています。これらの課題は、企業の規模や業界、地域によって異なりますが、共通しているのは、人材不足や求職者のニーズの多様化といった要素です。 

人手不足

まず、最も一般的な採用課題の一つとして挙げられるのが人材不足です。特に、技術職や専門職においては、必要なスキルや経験をもつ人材の絶対数が不足しているため、企業は適切な人材を確保するのに苦労しています。このような状況は、労働人口の減少によってさらに深刻化しています。

次の記事では、業界ごとの人手不足問題について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

求職者のニーズの多様化

次に、求職者のニーズの多様化も採用課題の一つです。現代の求職者は、単に高い給与や安定した雇用を求めるだけでなく、さまざまな要素を重視しています。具体的には、次の要素が挙げられます。

  • 仕事のやりがい
  • キャリアパスの明確さ
  • ワークライフバランス
  • リモートワークの可否 など

企業がこれらのニーズに応えられない場合、優秀な人材を他社に奪われるリスクが高まります。そのため、企業は求職者の多様な期待に応えられる柔軟な労働環境を整え、それを自社で働く魅力としてアピールすることが求められます。

企業は事業拡大に伴い、このような採用課題に向き合い、解決することが重要視されます。

採用課題の原因となる採用市場のトレンド

採用課題の解決には、採用市場のトレンド理解が欠かせません。近年の市場変化は、企業の採用戦略に直接的な影響を与えているためです。

以降では、採用市場のトレンドが新卒採用と中途採用にどのように影響しているのかを詳しく見ていきます。

【新卒採用】採用市場のトレンド

新卒採用市場は、テクノロジーの進化とともに大きな変化を遂げています。まず、デジタルネイティブ世代(1990年代生まれのデジタル機器やインターネットに抵抗がない世代)の登場により、企業はオンラインプラットフォームを通じた採用活動を重視する必要があります。たとえば、SNSや求人情報サイト、ビデオ面接などのツールが主流となり、これらを効果的に活用することが大切です。

また、企業文化や福利厚生の透明性も新卒者の採用において重要な要素です。特に若年層は、働きやすい環境やキャリアパスの明確さを重視しており、企業はこれらを正確に伝えることが求められます。競争が激化する中で、採用ブランドの構築や、魅力的な職場環境のアピールが成功のカギとなるでしょう。

さらに新卒採用では、従来のナビサイトなどを利用する「マス型採用」だけでなく、ダイレクトリクルーティングなどの「個別採用」を重視する流れがあります。

HR総研の調査によると、マス型採用と併用する場合を含めて個別採用を導入した(もしくは導入する予定)と回答した企業は、2021卒の新卒採用では合計47%だったのに対し、2022年卒では58%と過半数に達しています。

次の記事では、新卒採用の手法について詳しく解説しています。

【中途採用】採用市場のトレンド

中途採用市場では、スキルのミスマッチや人材の流動性が主な課題です。たとえば、ITの分野では、急速に変化するスキルセットに対応するため、企業はより高度な専門性をもつ人材を求めています。

また、リモートワークの普及によって地理的な制約が少なくなり、採用可能な人材の間口が拡大しました。これに伴い、コミュニケーション方法やマネジメント面で新たな課題が浮上しています。

実際、エン・ジャパン株式会社の調査によると、2021年には、オンライン面接を経験した人が半数近くまで増えています。これは2020年以降に発生したコロナ禍が影響しているとも考えられます。

また同調査によると、求職者側がオンライン面接を受けるに当たって、次の点で難しかったと回答しています。

「企業の反応や温度感がわかりづらい」

「通信環境の準備」

「社風や社員の人柄がわかりづらい」

企業がオンライン面接を取り入れる場合は、以上に示す求職者側の不満を解消するような取り組みも求められるでしょう。

これらのトレンドを踏まえた採用戦略の見直しが、採用課題の解決への第一歩です。市場の動向を常に把握して柔軟に対応することで、競争の激しい採用市場においても成功を収められるでしょう。

【ケース別】採用課題と解決方法

採用課題には次のようなものがあります。

  • 応募者が増えない(母集団形成)
  • 応募者の質が低い
  • 面接辞退者が減らない
  • 入社後の定着率が低い

以下では、それぞれの採用課題に対する具体的な解決方法を紹介します。

採用課題1.応募者が増えない(母集団形成)

応募者が思うように集まらないという問題は、多くの企業が直面する課題です。応募者数が少ないと、選考の幅が狭まり、結果として優秀な人材を見逃してしまうリスクが高まります。この問題を解決するためには、以下の方法を検討してみてください。

解決方法1-1.採用ターゲットに合わせたチャネルの活用

応募者を効果的に集めるためには、まず採用ターゲットを明確にしましょう。ターゲット層を定めることで、どのようなスキルや経験をもつ人材を求めているのかがはっきりし、それにもとづいた採用戦略を立てられます。

たとえば、特定の業界経験や資格をもつ人材をターゲットにする場合、その業界に特化した転職サイトを活用することで効率的にリーチできます。

そもそもなぜ求人が必要なのかという、目的を意識することも大切だと思っています。漠然となんとなく人が必要だと採用をスタートさせるより、どんな人を採用したいかが明確になったほうが、どこに出会いに行けばいいかもわかりやすくなると思うんです。

引用:モアリジョブ|美容サロン「OjOmano」代表 倉田晋吾さん

解決方法1-2.自社に合った採用手法の選定

採用手法は多岐にわたりますが、自社のニーズに合った方法を選ぶことが大切です。たとえば、専門職や技術職の人材を探している場合は、業界特化型の求人サイトや専門職のコミュニティを活用するのが効果的です。

一方、広く一般的な職種の募集には、大手求人サイトやSNSを利用するとよいでしょう。たとえば美容室ではSNS採用が主流となっており、SNSをうまく活用する店舗が採用を成功させています。

ALBUMでは、エントリーの段階でInstagramアカウントを提出していただき、書類選考と同時に確認します。羽場さんのように学生時代から精力的にSNSに取り組んでいたらアカウントを見ればわかりますし、その姿勢が評価につながる部分は大きいです。逆に、提出されたアカウントが、そもそも非公開だったり、投稿が0枚だったりする方も稀にいらっしゃいます。そこは、こちらの想いがあまり伝わっていないという反省点ではあるんですが、どうしても評価は低くなりがちです。

引用:モアリジョブ|美容サロン「ALBUM」広報部 廣原美南さん

このように、自社のブランドや採用ニーズに応じた手法の選定により、応募者の質と数を改善できます。

解決方法1-3.求人情報のブラッシュアップ

求人情報の内容が曖昧だったり、魅力的でなかったりすると、応募者の関心を引くのは難しいです。そのため、求人情報を見直し、明確で具体的な仕事内容や求めるスキル、働く環境について詳細に記載することが重要です。

また、企業のビジョンやミッション、働くメリットなどをしっかりと伝えると、応募者に自社で働く意義を感じてもらいやすくなります。視覚的にも魅力的な求人広告を作成し、デザインやレイアウトに工夫を凝らすことで、より多くの応募者を引き寄せられるでしょう。

一方で「やる気があればいい」という価値観のもと採用活動を行う美容室もあります。

テクニカルの部分やマーケティングの部分など、各セクションの責任者たちが動いて、勉強会や企画運営などを積極的にやってもらっているんです。新しく入社した子がどうやったら売上をつくれるか、どのようにお客様を呼べば良いのかを、彼らが全面的にサポートします。売上をつくるためのきっかけをたくさん提示できるようにと、会社全体でフォローしているわけです。だから「中途入社はやる気だけあれば良い」というのは、うちに入社してくれれば売上をつくらせてあげられる、という自信があるからなんです。

引用:モアリジョブ|美容サロン「KANOW GROUP」代表 桐山弘一さん

上記のように、応募者のやる気だけを見極めて成果が出るサポート体制をしっかりと作れば、応募者の増加に加え、定着率の向上も見込めます。

以下は、転職希望者が求人サイトで転職先を探す際、求人票で重点的に確認すると回答した箇所です。求人情報を見直す際は、以下の表を参考にするとよいでしょう。

求人サイトで転職先を探す際、求人票のどこを重点的に見ますか?

参照元:d's JOURNAL編集部

これらの解決方法を実践すれば、応募者数の増加と質の向上につながり、効果的な母集団形成を実現できます。

採用課題2.応募者の質が低い

応募者の質が低い場合、採用できる人数が減るだけでなく、定着率の悪化にもつながります。

この課題に対処するために、以下の解決方法を検討しましょう。

解決方法2-1.求人情報に向いている人を明記

求人情報が曖昧であったり、求める人物像が明確でなかったりする場合、応募者は自分に適した企業であるかどうかの判断が難しくなります。よって、応募者の質を向上させるためには、求人情報に具体的にどのようなスキルや経験をもった人が向いているかを明記することが重要です。

たとえば「5年以上のプロジェクト管理経験」や「特定の資格保有者」などと明記すれば、応募者が自分に合ったポジションかどうかを判断しやすくなり、結果としてより適格な人材を引き寄せられます。

一方で、求人情報以外のところを見ている人もいるため、自社で運営するメディアは手を抜かないようにしよう。

気になったサロンがあったら求人情報だけでなく集客サイトを見て、どんなスタイルを提供しているかもチェックするようにしました。私の場合は特定のスタイルに特化したい思いはなく、オールマイティに、どの世代でも担当できる技術を身につけたい思いがあったので、スタイル特化のサロンも候補から外していきましたね。

引用元:モアリジョブ|美容サロン「MaNo」スタイリスト ayaさん

解決方法2-2.求める人材に刺さる求人広告の作成

求人広告が求める人材に刺さるものでなければ、いくら多くの応募があっても質の高い応募者は集まりません。そのため、求人広告を作成する際は、ターゲットとなる人材の関心や価値観に訴える内容を心掛ける必要があります。

たとえば、スキルアップやキャリアの成長を重視する人材には、企業が提供する研修やキャリアパスの詳細を強調すると、応募者の関心を引き寄せられます。また、実際に働く社員の声や企業文化を紹介すれば、応募者が自分の価値観と合致するかを判断しやすくなります。

「求人広告の具体的な改善方法を知りたい」という方は、次の資料を無料でダウンロードしてご覧ください。

解決方法2-3.選考プロセスの見直し

選考プロセスは、応募者の質に大きな影響を与えます。選考が効率的でない場合、適切なスキルや経験をもつ応募者が選ばれにくくなります。よって、選考プロセスの見直しは、質の高い応募者を引き寄せるために不可欠です。

具体的には、職務適性テストや技術的なスキル評価を導入することで、応募者の実力を客観的に評価できます。また、面接の段階でも、スキルや経験にもとづいた質問をすれば、応募者の能力を正確に把握することが可能です。

採用課題3.選考辞退者が減らない

選考辞退者が多いと、採用プロセスの効率が大きく損なわれ、企業のリソースが無駄になる可能性があります。

選考辞退者とは、面接の前後や内定取得後などの求人に応募してから選考プロセスの過程で離脱する求職者をさします。

応募者が面接に参加しない理由はさまざまですが、担当者はその根本的な原因を理解し、適切な対策を講じなければなりません。2022年と2023年には、半数以上が選考を辞退しています。

採用活動において選考辞退をしたことありますか?

参照元:エン・ジャパン

以上から、求人に応募した人材が選考を辞退することを防ぐためのなんらかの対策が必要であることがわかります。

以下に、面接辞退者を減らすための具体的な解決方法を紹介します。

解決方法3-1.選考プロセスを見直す

面接辞退者が多い場合、選考プロセスそのものに問題があるかもしれません。たとえば、選考内容が過度に複雑だったり、時間がかかりすぎたりすると、応募者は面接に対するモチベーションを失い、結果として辞退につながります。

そのため、シンプルで効率的な流れになるように選考プロセスを見直すことが重要です。具体的な施策の一例として、初回の面接は短時間で基本的なスキルや適性のみを確認し、詳細な評価は後のステップで行うことが挙げられます。また、面接のスケジュールを可能な限り応募者の都合に合わせ、柔軟な対応を心掛けることも大切です。

解決方法3-2.応募者とのコミュニケーション方法改善

応募者とのコミュニケーションの質が低いと、面接への参加意欲が低下します。たとえば、応募者に対する返信が遅かったり、連絡内容が不明確だったりすると、信頼感が損なわれ、辞退の原因となります。

実際、面接後と面接前に辞退した応募者の人数に大きな差はありません。

▼選考を辞退した人のタイミング

選考を辞退したタイミング

参照元:エン・ジャパン

この結果から、面接前のコミュニケーションが、面接と同じくらいに重要であることがわかります。

面接前の対策として考えられるのは、面接日程の調整やリマインダーを定期的に送るといった、応募者に対するフォローアップです。

また、面接の目的や内容について詳細に説明すると、応募者が安心して面接に臨めます。積極的で親身なコミュニケーションが、応募者の安心感を高め、面接辞退のリスクを減少させます。

面接辞退や早期離職に課題感のある企業は、以下の資料を無料でダウンロードしてご覧ください。

解決方法3-3.求人情報と実際の労働条件とのギャップを見直す

求人情報と実際の仕事内容や条件とのギャップも、面接辞退の一因です。応募者が求人情報で期待していた内容と実際の業務内容が大きく異なると感じた場合、面接を辞退する可能性が高くなります。そのため、求人情報は正確で具体的な内容を提供し、実際の業務内容や企業文化をしっかりと伝えることが重要です。

実際、エン・ジャパンが面接後に辞退した人に対してアンケートを取ったところ「求人情報と違った」と回答した人が49%と最も高いです。よって、求人情報とのミスマッチがある場合は早急に改善すべきだと言えます。

また、選考過程で企業のビジョンや職場環境についての説明を充実させることで、応募者の理解を深められます。これにより、応募者と企業の間でのミスマッチを減少させ、面接辞退のリスクを低減できます。

これらの対策により、面接辞退者の減少に向けた効果的なアプローチを行えます。選考プロセスの見直しだけでなく、コミュニケーションや求人情報を改善して応募者の信頼を獲得し、面接への参加率を高めましょう。

採用課題4.入社後の定着率が低い

入社後の定着率が低い問題は、企業にとって大きな悩みの種です。高い定着率は、社員の満足度や生産性、さらには企業全体の成長に直結します。そのため、長期的な成功の確保には、定着率向上の対策が欠かせません。

うちの会社は「多様性を楽しもう」という文化がスタッフ全員に根付いているんですよ。他者の考えを受け入れた上で議論できる土壌があるから、スタッフは安心して意見を交わすことができるし、アイデアの幅も広がる。結果「人が辞めない→会社が発展する」という好循環が生まれています。

引用:モアリジョブ|美容サロン「NAILsGUSH・NAIL MAFIA」オーナーネイリスト 木下さとこさん

以下に、入社後の定着率を向上させるための具体的な解決方法を紹介します。

解決方法4-1.成果が出るサポート体制を構築

新入社員が迅速に成果を上げるためには、適切なサポート体制の構築が欠かせません。入社後のオンボーディングプロセス(スムーズに会社に馴染める体制)を充実させることが重要です。

具体的には、入社初日からのオリエンテーションや、役割に応じたトレーニングプログラムを整備し、必要なスキルや知識を早期に身につけられるようにします。また、メンター制度を導入し、経験豊富な社員が新入社員に対して定期的にフィードバックを提供することで、業務の理解を深めるとともに、仕事への適応をサポートできます。

解決方法4-2.休業中のフォロー体制を作る

社員が休業中に不安を感じたり、孤立したりすることは定着率に悪影響を及ぼします。そのため、休業中でも社員と定期的に連絡を取ったり、仕事の進捗や問題点を常時把握できる体制を整えたりすることはとても大切です。

具体的には、休業中の社員には定期的にフォローアップの連絡を行い、業務に関する情報や復帰後のプランを共有します。これにより、休業中の不安を軽減し、スムーズな復帰を促進できます。

「職場や社会と離れている時間が長くなると、『自分はもう必要ないのではないか』『元のように働けないのではないか』といった不安が生じやすいのです。ですから、定期的に職場の情報を提供するという流れも組み込みました。一見シンプルな方法ですが、『つながり』を絶たないこと大切なんです」

引用:モアリジョブ|社会保険労務士 東久仁子さん

上記の例からも、継続的なコミュニケーションの重要性が分かります。

解決方法4-3.労働条件の見直し

労働条件が社員の定着率に大きな影響を与えることは明白です。労働条件が市場の標準に合わない場合や、社員の期待に応えられない場合、定着率は必然的に低下します。

そのため、給与や福利厚生、勤務時間などの労働条件を定期的に見直し、社員が満足して働ける労働環境を整えることが大切です。社員の意見を取り入れ、働きやすい環境の整備を進めれば、定着率の向上につながるでしょう。

解決方法4-4.情報発信の見直し

企業の情報発信も社員の定着率に影響を与えます。入社前と入社後での情報のギャップが大きいと社員の満足度が低下し、離職につながります。

そのため、採用活動や企業の情報発信を見直し、実際の職場環境や文化について正確に伝えることが重要です。また、入社後も企業のビジョンや目標を定期的に共有し、社員が自分の役割を理解しやすいようにすれば定着率が向上しやすくなります。

等身大の自社の魅力を発信していくことだと思います。等身大以上のものを見せてしまうと、人は集まると思うのですが、マッチングミスにもつながりかねないので。とはいえ他社との差別化や会社を魅力的に見せることはしないといけないので、それが難しいなと僕も日々感じています。

インスタで求人用のアカウントを運用しているのですが、投稿の方ではモデルさんを撮影した写真で格好よく見せつつ、ストーリーではスタッフの等身大の写真を公開するなど、バランスを取りながら発信していますね。

引用:モアリジョブ|美容サロン「OjOmano」人事 倉田晋吾さん

上記事例のように、理想とリアルのバランスを意識した情報発信を行うとよいでしょう。

採用課題の調査方法

ここでは、採用課題の調査方法を紹介します。

「自社の採用課題を詳細に把握したい」

「採用に課題を感じているが具体的な問題が分からない」

こういった悩みをお持ちの人は参考にしてみてください。

チャネルごとの費用対効果を分析

採用活動の効果を最大化するためには、どのチャネルが最も効果的かの見極めが重要です。求人広告、転職エージェント、SNSリクルーティングなど、複数の採用チャネルが存在しますが、それぞれの費用対効果を正確に把握すれば最適なチャネルを選択できます。

まず、チャネルごとにかかった費用(広告費やエージェント手数料など)を把握し、その費用に対して得られた応募者数や、最終的に採用に至った人数を計測します。この際、単に応募者数を見るだけでなく、採用者の質や定着率も考慮すれば、より包括的な効果分析が可能です。

たとえば、SNSリクルーティングが低コストで多くの応募者を集める一方で、応募者の質や定着率が低い場合、そのチャネルが本当に効果的かどうかを再考する必要があります。

次に、これらのデータをもとに費用対効果を算出し、チャネルごとのパフォーマンスを比較します。最もコストパフォーマンスの良いチャネルにリソースを集中すれば、採用活動の効率を大幅に向上できます。

ロジックツリーによる分析

ロジックツリーは、複雑な問題を体系的に整理し、原因を特定するためのツールです。採用課題においても、ロジックツリーの活用により課題の根本原因を効率的に洗い出せます。

まず、採用課題をトップレベルの問題として定義し、それを枝分かれする形で細分化します。たとえば、「応募者が集まらない」という課題を分析する場合、次のサブ課題に分解できます。

  • 応募者がターゲットに合わない
  • 採用チャネルの選択が不適切
  • 求人情報が魅力的でない

さらに、それぞれのサブ課題に対して具体的な原因を特定すると、最終的に対策すべきポイントが明確になります。

ロジックツリー活用のメリットは、問題を構造的に捉えられる点です。採用活動における課題は複数の要因が絡み合っていることが多いため、ロジックツリーを用いて問題を可視化すると、的確な改善策を見出せます。

ロジックツリー採用課題を解決した企業の事例

ここでは、採用課題を解決した企業の事例を紹介します。

【攻めの採用】ヘアサロン「OjOmano」

株式会社PEROは、積極的に求職者と出会って接点を作る攻めの採用を実施し、応募者が少ない状況を打破しました。

求職者の人たちに出会う接点を、とにかくたくさん作りました。求人サイトやSNSはもちろん、美容学校や学生とのつながり、自社のブランディングなど数多くの手を打っています。受け身の採用ではなく、攻めの採用という感じでしょうか。

引用:モアリジョブ|ヘアサロン「OjOmano」人事 倉田晋吾さん

こういった攻めの採用が功を奏したのは、採用トレンドにマッチしているからだと考えられます。HR総研の調査によると、マス型採用と併用する場合を含めて個別採用を導入した(もしくは導入する予定)と回答した企業は、2021卒の新卒採用では合計47%だったのに対し、2022年卒では58%と、過半数に達しています。

【SNS採用の強化】株式会社Lond

株式会社Londは、応募者数が増加しないことが課題でした。従来の採用チャネルだけでは限界があると判断し、SNSを活用した採用活動に注力することを決定しました。

Londは、企業アカウントを活用して自社の魅力を定期的に発信するだけでなく、現役社員によるSNSでの発信を推奨。これにより、社内のリアルな雰囲気や業務内容を直接伝えることができました。

とくに学生だと、専門学校に置かれている求人票などのいわゆる紙媒体は、あまり見ていない印象があります。その学校の風土にもよると思いますが、紙の求人票をファイリングして置いてある学校もあるんです。でも、やっぱり見ないですよね。紙よりもウェブになれている世代ですから、求人票よりもSNSの投稿の方が親しみやすいのかなという感触はあります。中途の場合も、SNSと採用エージェントからの申し込みが半々くらいの印象ですね。

引用:モアリジョブ|ヘアサロン「Lond」ゼネラルマネージャー/リクルーター 関根孝文さん

特に、若い世代に強い影響力をもつInstagramやX(旧Twitter)を活用したことで、ターゲット層に対する認知度が大幅に向上しました。この取り組みの結果、応募者数が大幅に増加し、Londは求める人材を効率的に採用できるようになりました。

【早期募集の活用】AI TOKY

AI TOKYは、特に技術職の中途採用において定着率が低いという課題に直面していました。この課題を解決するため、同社は「早期募集」の戦略を導入。通常の採用活動よりも早い段階で募集を開始し、長期間にわたり候補者と接触する機会を増やすことで、より良いマッチングを図ることを目指しました。

やはり意欲がある人がほとんどですね。1年生の時点で決意を固めている時点で、一段とやる気が感じられます。

引用:モアリジョブ|ヘアサロン「AI TOKYO」執行役員・統括マネジャー 中島翼さん

また、早期に応募してくれた候補者に対しては、特別な研修プログラムや企業内部の見学ツアーを提供することで、企業への理解を深めてもらう努力をしました。その結果、技術職の定着率が大幅に改善され、長期的に活躍する人材の確保に成功しました。

まとめ

採用課題は企業の規模や風土によりさまざまで、画一性がありません。そのため、企業はフォーマットやツールを用いた独自の分析が求められます。

また、同時に解決方法もさまざまなため、事例や手法を網羅的に把握することが大切です。

採用課題の調査として有効な方法は次の通りです。

  • チャネルごとの費用対効果を洗い出す
  • ロジックツリーで課題を細分化する

まずは企業が抱えている採用課題を明らかにし、一歩ずつ前進していきましょう。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。