歯のホワイトニングサロンは、取り扱うメニュー次第では無資格でも施術や開業が可能で、初心者でも参入しやすいビジネスです。
本記事ではセルフホワイトニングサロンの開業ステップや、必要な費用について解説します。
セルフホワイトニングサロン運営で注意すべき点や、サロン運営を成功させるポイントも解説しているので、開業を検討している方は参考にしてください。
ホワイトニングサロンとは?
ホワイトニングサロンとは、食べ物や飲み物で歯に付着した黄ばみを取り、歯本来の白さを取り戻すための施術を行うサロンです。
スターホワイトニングの調査によると、多くの方が歯のホワイトニングによって「商談での印象がよくなった」「仕事での評価が上がったと感じた」など、ビジネスシーンでポジティブな効果を実感しています。
ニーズの高まりから、従来は歯科医院で行うものだったホワイトニングを専門で行うサロンが増え、老若男女問わずより身近なものになってきました。
なお、ホワイトニング専門のサロンでは基本的に歯科医師はおらず、お客様がセルフでホワイトニングを行うシステムです。
歯科医院でのホワイトニングとセルフホワイトニングの違いについて、次の項で詳しく解説します。
ホワイトニングの種類と期待できる効果
歯のホワイトニングは主に以下の4つに分類されます。
- オフィスホワイトニング
- ホームホワイトニング
- デュアルホワイトニング
- セルフホワイトニング
各ホワイトニングの特徴と、期待できる効果について解説します。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で行うホワイトニングを指します。
施術には歯科医師、もしくは歯科衛生士の国家資格保持者しか取り扱えない「過酸化水素水」を用いており、即効性が期待できます。
従来の歯より白くすることも可能なため、より白い歯を目指す人におすすめのホワイトニングです。
1回でも効果を実感できるのがオフィスホワイトニングの強みですが、理想の白さにするには平均して3〜5回ほどかかります。
オフィスホワイトニングのデメリットは、1回あたり2〜5万円ほどと高額であること、そして使用する薬剤の濃度や歯の状態によってはしみる可能性がある点です。
また3カ月から半年くらいで元の色に戻ってしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。
なお、ホワイトニング効果の高いオフィスホワイトニングでも、差し歯やインプラントなど人工的な歯は白くできません。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングとはホワイトニング用のマウスピースに専用の薬剤を注入し、一定時間装着して行う歯のホワイトニングです。
専用のマウスピース作成や薬剤購入のための来院は必要ですが、ホワイトニングの施術は自宅で行います。仕事や子育てなどで忙しく、定期的に来院できない人におすすめです。
また、ホームホワイトニングは専用のマウスピースと薬剤を合わせても2〜4万円程度と、オフィスホワイトニングに比べて低コストで出来るのも魅力のひとつです。
オフィスホワイトニングのような即効性はありませんが、限られた予算でできるコスパに優れた方法です。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングとは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用して行うホワイトニングです。
ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングのような即効性はありませんが、持続性が高いといわれています。即効性のあるオフィスホワイトニングとの併用で、ホワイトニングの即効性と持続性の両方を享受できます。
歯を早く白くして、かつ白さを維持したい人に向いているホワイトニングです。
デュアルホワイトニングのデメリットは費用が高額になる点です。使う薬剤によって、推奨される頻度や施術に伴う費用が異なります。
担当医師と相談しながら、継続可能な予算であるかを慎重に検討しましょう。
セルフホワイトニング
セルフホワイトニングとは、ホワイトニングサロンに行き顧客自身がセルフで行うホワイトニングを指します。
マウスオープナーを装着後、ホワイトニングジェルを塗り、LEDライトを当てて歯を白くしていきます。
セルフホワイトニングのメリットは1回あたり3000〜5000円程度と、他のホワイトニングに比べて価格が抑えられている点です。
スマイルモア矯正の調査によると、回答者の約78%が1〜5万円ならホワイトニングをしたいと回答しています。
▼いくらまでならホワイトニングをしてみたいと思うか?(n=300/20代~60代女性)
出典元:スマイルモア矯正|https://clearsmile.jp/articles/survey-qi0121
セルフホワイトニングの効果を早く実感するためには、初めのうちは週1〜2回の集中ケアを受け、その後月1回でのペースがよいとされています。
週1回で通った場合でも1万2000〜2万円程度で、他のホワイトニングよりコストを抑えてホワイトニングを受けられます。
開業するならセルフホワイトニングサロンがおすすめ!
セルフホワイトニングサロンは、店舗経営や開業を検討している方におすすめです。
セルフホワイトニングサロンの開業をおすすめする理由は、以下の3つです。
- 無資格でできる
- 利益率が高い
- 初期費用が低く、開業しやすい
メリット1.無資格でできる
セルフホワイトニングサロンは無資格で開業可能です。そのため資格取得にかかる時間やコストを削減できます。
また顧客対応にあたるスタッフも無資格でよいため、採用ハードルが下がります。
とはいえ、セルフホワイトニングの場合でも歯科衛生士の有資格者を採用することで、信頼性の高いカウンセリングや手厚いサポートができるなど、他店との差別化につながります。
メリット2.利益率が高い
セルフホワイトニングサロンは利益率の高い業態です。人件費や賃料などを差し引いた場合でも、約70〜80%の利益を見込める可能性があります。
セルフホワイトニング溶液は1回あたり数百円程度で、1回のセルフホワイトニングを5000円とした場合、以下の利益率が見込めます。
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1カ月の来店数 750人×5000円=375万円 (主な経費) 家賃 20万円 人件費 36万円 ホワイトニング溶液 23万円(1回あたり300円で試算) その他水光熱費や備品代など 10万円 【合計 89万円】 見込み利益率 約76.3% |
※リジョブ調査の人件費データを参考に算出(スタッフ1人在中、時給1200円、営業時間10時から20時、30日営業)
上記は1日25人来店を想定していますが、新規顧客の集客を継続的に行い、集中的な来店(週1〜2回)を促せばより多くの集客が見込めるでしょう。
メリット3.初期費用が低く、開業しやすい
セルフホワイトニングサロンは少ない初期費用で始められるため、開業しやすいのが利点です。
座った状態で行うセルフホワイトニングは、施術に広いスペースを必要としません。10〜15坪程度の省スペースで運営可能なため、物件取得にかかる費用が少なくて済みます。
飲食店や生花店のような排水設備や床の防水工事も不要で、内装工事に高い費用を要しません。
またホワイトニング溶液の定期購入で、ホワイトニング機器の無料レンタルを行う業者もあるなど、低コストの運営が可能です。
初期費用が低く、月々のコストも少ないセルフホワイトニングサロンは、開業しやすい業態といえるでしょう。
セルフホワイトニングサロン開業の流れと必要な準備
セルフホワイトニングサロンの開業を滞りなく進められるよう、開業のステップと必要な準備についてまとめました。なお、開業にかかる費用については次の項で解説します。
事業計画書の作成
開業を決めたら、まず事業計画書を作成しましょう。
事業計画書は創業計画書とも呼ばれ、事業の内容や戦略、収益計画をまとめたものです。事業の実現性や将来の見込みを示すもので、金融機関から資金調達をする際には必ず作成しなくてはなりません。
資金借入をしない場合でも、事業計画書の作成で事業の計画性を客観的に見る指標となるため、開業を成功させるうえでも事業計画書の作成をおすすめします。
詳しい事業計画書の作成方法やテンプレートは、日本政策金融公庫のサイトをご覧ください。
資金の調達
次に開業に必要な資金を準備しましょう。
セルフホワイトニングサロン開業の際は開業費用だけでなく、当面の運転資金の準備も重要です。
日本政策金融公庫の調査によると、開業した人の約6割が開業後に「資金繰りで苦労した」と回答しています。
▼開業時に苦労したこと(左:2022年度 n=1083・中央:2023年度 n=1766・右:2024年度 n=1943/3つまでの複数回答)
※日本政策金融公庫の「2024年度新規開業実態調査」から一部抜粋
最低3カ月、できれば6カ月の運転資金を準備しておくと安心です。
日本政策金融公庫は女性・若者・シニアの創業や、廃業歴があり創業に再チャレンジする人に向けた資金支援制度を用意しています。要件に該当すれば、通常より有利な条件で融資を受けられます。
支援制度の詳細はこちら
店舗経営にかかる費用(開業資金・運転資金)については以下の記事で詳しく解説しています。
物件確保・内装工事
物件を借りてセルフホワイトニングサロンを開業する方は、物件の確保を急ぎましょう。
理想の物件を見つけるまでに時間を要するうえ、物件が見つかってからも必要書類の提出など、契約完了までに一定の期間を要します。
- 契約書申込書の提出(連帯保証人の財務状況がわかる書類等を添付)
- 事業内容や財務状況がわかる書類の提出
- (物件の)オーナーとの面談 ※オーナーによる
- 入居審査(2~7日程度)
物件が確保できたら、内装工事を依頼し内装を整えていきます。ホワイトニングサロンの内装工事は壁紙や床材の張替など簡易な工事のため、約1カ月程度で終わるのが一般的です。とはいえ、万が一トラブルが起きても開業が間に合うように、工事期間は長めに想定しておきましょう。
セルフホワイトニングサロンに必要な備品を準備
セルフホワイトニングサロンに必要な備品を準備します。
▼セルフホワイトニングサロンに必要な主な備品
- セルフホワイトニングマシン
- 施術用リクライニングチェアやソファ
- 歯ブラシなどの消耗品
契約や購入の際は、納品が開業日に間に合うかの確認も忘れないようにしてください。
セルフホワイトニングマシン
セルフホワイトニングマシンは、購入かレンタルから選択できます。購入の場合は約7万円程度です。レンタルの場合は月々数万円、もしくは初期費用+月々のホワイトニング溶液代といった価格設定です。
購入のほうが一見お得に感じますが、レンタルの場合、販促などのサポートが含まれていたり、最新のホワイトニング機器を使用できたりといった利点があります。
また、ホワイトニングマシンは卓上型とスタンド型があります。スペースや店舗形態に合ったものを選びましょう。
ホワイトニングマシンには歯科用もあるため、誤って歯科用を購入しないよう注意してください。
施術用リクライニングチェアやソファ
セルフホワイトニング中にお客様が座る椅子や、順番を待つ際に座るソファを用意します。
施術中の椅子はリクライニングタイプもしくは、一人掛けソファが主流です。回転を重視するなら一人掛けソファがよいでしょう。単価を上げてリラックス空間を演出したいなら、リクライニングチェアをおすすめします。
施術はセルフですが、初回カウンセリングや説明は必要になるため、カウンセリング用のテーブルと椅子の準備も忘れないようにしてください。
歯ブラシなどの消耗品
セルフホワイトニングの前には、歯磨きで歯の汚れを取る必要があります。食事やカフェの帰りに手ぶらで来れるように、歯ブラシを準備しておきましょう。
その他、施術前の唇に塗るワセリンや歯の水分をふき取るシート、ホワイトニング溶液(ジェル)を塗るためのスティックなども合わせて準備します。
開業時はなるべく初期費用を抑えるために、消耗品は過剰に購入しないようにしましょう。
人材採用・研修
セルフホワイトニングサロンは無人でも営業可能ですが、接客サービスに優れた人材を採用することで、顧客満足度アップや失客防止につながります。
一度サロン脱毛を経験されていて、ちょっと生えてきたところの残毛処理として来店いただいた方は、離脱が早いんです。(中略)毛周期が変わって新しく生えてきた毛を目にしなくなり、毛がなくなったと感じられるんだと思います。でもセルフだと私もお客様に会えないので、そのあたりを詳しくお伝えできないんですよね。
引用:モアリジョブ|セルフ脱毛&フォトフェイシャルサロン CLEVY エステティシャン 千葉美優さん
上記脱毛サロンでは施術に不安のある方に向けて、有料派遣オプションを提供しています。
セルフホワイトニングサロンの場合、施術はお客様自身が行います。そこに定期的なカウンセリングを入れることで、ホワイトニングの効果を高められる上に、顧客満足度向上にもつなげられるでしょう。
ただし、カウンセリングに役立つ高い美容知識や経験をもつ優秀な人材採用には時間を要します。掲載から採用までは2カ月、研修も含めると3カ月程度かかることを想定し、採用活動を始めましょう。
SNSなどでオープン告知
開業が決まったら、なるべくSNSなどで早めにオープン告知をしましょう。
ブランディングテクノロジー株式会社の調査によると、回答者の約3割がホワイトニングを検討する際に「施術の効果」を重視すると回答しています。
▼ホワイトニングを検討する際、もっとも重視する点
安くても効果が期待できないホワイトニングサロンでは集客できません。オープン告知の際はモニターを募り、ビフォーアフターの写真を載せるようにしましょう。
歯のホワイトニングの集客にはInstagramやTikTokなど、美容系に強いSNSの活用がおすすめです。顧客層やエリアに合った販促も意識して行いましょう。
集客について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてお読みください。
税務署へ開業届を提出
セルフホワイトニングサロンを開業したら、1カ月以内に税務署へ開業届を提出しましょう。
開業の届け出は必須ではありませんが、開業届の提出によって「補助金の申請」「青色申告による特別控除」など金銭面で有利になります。
申請費用もかからず、自宅からオンラインでできるため、開業したら開業届の提出をおすすめします。
なお、1カ月の期間を過ぎて申請しても罰則はありません。
開業届の提出はこちら
セルフホワイトニングサロンの開業にかかる費用
セルフホワイトニングサロンの開業費用は約500万円です。
▼セルフホワイトニングサロンの開業費用(東京23区内/10坪/施術用スペース2席)
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項目 |
費用 |
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物件取得費 ※1 |
約200万円 |
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内・外装費 ※2 |
約150~200万円 |
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設備費(消耗品費・備品費含む) |
約60~70万円 |
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販促費 |
約5~10万円 |
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求人掲載費 ※3 |
約20~35万円 |
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合計 |
約435~515万円 |
※1 家賃20万円とし、保証金、礼金、前家賃などで10カ月分を想定
※2 物件10坪を想定
※3 アルバイトで2名採用の場合。リジョブの採用単価事例を参考に算出(採用単価の相場についての詳細はこちら)
上記は初期費用を抑えるため、席数を2席で想定しました。資金に余裕があれば、3〜4席設けてもよいでしょう。
セルフホワイトニングサロンの運営で注意すべき点とは?
セルフホワイトニングサロンを運営する際、気を付けなければいけない点がいくつかあります。違反すると罰金など、罰則対象となることもあるので注意しましょう。
スタッフはお客様の口(口腔内)に触れない
歯科医師や歯科衛生士などの国家資格がないスタッフは、お客様の口(口腔内)に触れることはできません。
ホワイトニングの施術は「相対的歯科医行為」にあたります。相対的歯科医行為は「歯科医師のもとに行うこと」と定義されており、たとえ歯科衛生士の資格をもっていても、歯科医師の指示がなければホワイトニングの施術は行えません。
効果を強調する誇大広告をしない
効果を強調する誇大広告は景品表示法の不当表示の禁止に該当し、罰則の対象です。
「必ず白くなる」といったホワイトニングの効果を確約するような表現や、ビフォーアフターの写真の加工は景品表示法の違反とみなされます。
広告を信じて来店した顧客が期待した結果を得られなかった場合、サロンに対する評価も下がります。結果的に継続的なサロン運営にはつながらないので、誇大広告はしないようにしましょう。
なお、ビフォーアフターの写真掲載は、違反行為にあたりません。
参考:事例でわかる景品表示法
医療資格がいる薬剤や機器を使用しない
歯科医師や歯科衛生士の資格をもたない者は、医療資格が必要な薬剤や機器の使用はできません。
”現在、歯の漂白(ブリーチ)効果が学術的に認められているものは、いずれも過酸化物からなるホワイトニング剤を使用する方法で、医薬品医療機器等法(旧薬事法)上、医療用具(歯科材料)とされており、歯科医師または歯科衛生士の資格を持たない者がこれを用いて施術する事は違法行為になります。”
引用:歯のホワイトニングについて | 一般社団法人 日本歯科審美学会
過酸化水素水や過酸化尿素といったホワイトニング剤、医療資格が必要なホワイトニング機器の使用は違反行為にあたります。
また歯科衛生士の資格があっても歯科医師の監視下にない場合は、上記行為は行えません。
セルフホワイトニングサロン運営を成功させるポイント
歯の色に悩みをもち、色を白くしたいと考える人は少なくありません。
厚生労働省の調査でも、歯や口腔に関する悩みでもっとも多かったのは「歯の色」でした。
▼歯・口腔の悩み(n=4815)
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悩み |
割合 |
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歯の色 |
20.4% |
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歯並び |
19.0% |
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歯石・歯垢 |
18.9% |
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口臭 |
15.8% |
※厚生労働省 歯科口腔保健支援事業(歯科口腔保健の実態等に関する調査)をもとに作表
実際にホワイトニングをする人も増加傾向で、セルフホワイトニングサロンのニーズは益々高まると予想されます。
しかしセルフホワイトニングサロン運営において競合店の多さ、そしてオフィスホワイトニングと比較して効果が実感しづらいというデメリット面が課題にあげられます。
ここでは、セルフホワイトニングサロン運営を成功させるためのポイントを5つ紹介します。
歯科衛生士による専門的なアドバイス
セルフホワイトニングサロンを成功させるには、他店との差別化が重要です。
無資格でも顧客対応は可能ですが、歯科衛生士を採用し、専門的なアドバイスを行えるサロンとして、差別化を図りましょう。
先に解説したように過酸化水素水を使用したホワイトニングは、歯科医師の指示がないと歯科衛生士であっても行えません。しかし歯の磨き方や虫歯の原因など、歯に関する知識やアドバイスは可能です。
仕上がりをよくするためには、ケアも大切です。ネイルケアって本格的にすると、セルフではかなり難しいんですよ。プロにとっては基礎、でも基礎が一番大切ですから。そこができているサロン、ネイリストは、コロナ禍以降より強みになると思います。
引用:モアリジョブ|ネイルサロン Felicia 小笠原友紀子さん
ネイル同様、ホワイトニングの場合もケアは欠かせません。ホワイトニングの効果を実感してもらうためにも、おうちでの口腔ケアを専門家目線で伝え、顧客からの信頼獲得につなげましょう。
サブスクやネット予約など使いやすさとお得さをアピール
セルフホワイトニングサロンを利用するうえで、使いやすさとお得さは重要視されるポイントです。
ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、美容関連サロンの予約に用いた方法でもっとも多かったのはネット予約でした。
▼この1年間で利用した予約方法(複数回答/各エリアTOP3/n=2000)
画像引用:ネット予約はローカルにも!【人口規模別】新規&リピート集客のポイントは?|調査・研究 | 美容業界の調査はホットペッパービューティーアカデミー
ネット予約は店舗の営業時間に関わらずいつでも予約が可能なため、子育てや仕事で忙しい方を中心に多くの人が利用しています。
また通い放題、使い放題のサブスクは、ヨガやピラティス、美容家電などさまざまなジャンルで取り入れられており、多くの方が利用しています。
セルフホワイトニングで効果を出すためには、初期の集中ケアが大切です。効果を実感し、顧客満足度を高めるためにもサブスク導入は有効といえます。
サブスクやネット予約の導入で使いやすさとお得さをアピールし、顧客獲得につなげましょう。
事前のカウンセリングの強化
新規集客に成功しても、カウンセリング不足により失客する可能性があります。
ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、美容サロンを利用する人のうち、カウンセリングが原因で「リピートしない」と決めた割合は、ほぼ全ての美容サロンで2割を超えています。
▼カウンセリングが原因でリピートしないと決めた割合(複数回答/各業態 n=300)
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業態 |
割合 |
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エステサロン(フェイシャル) |
27.0% |
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ヘアサロン |
24.7% |
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アイサロン |
22.3% |
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ネイルサロン |
20.3% |
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リラクゼーションサロン(n=300) |
17.0% |
※ホットペッパービューティーアカデミー 顧客満足調査 2023をもとに作表
とくにケアのジャンルにあたる、エステやヘアでカウンセリングが重要視される傾向です。セルフホワイトニングも同じくケアにあたり、事前のカウンセリングは顧客満足度に大きな影響を与えます。
カウンセリングでホワイトニングの流れ、そして可能なトーンアップのレベル(元の歯より白くはできない点など)をお伝えし、お客様の理想と結果に齟齬が生まれないようにしましょう。
インスタグラムなど写真や動画を使った集客活動
開業の流れでも解説したように、ホワイトニングの効果はInstagramを活用し、写真や動画など視覚的に伝えるのが効果的です。
顧客にも協力してもらい、ビフォーアフターの写真を載せて集客につなげましょう。割引などの特典を用意することで、投稿に協力してもらいやすくなります。
SNSを使った集客が苦手な方は、SNS広告の活用がおすすめです。有料ですが、狙ったターゲットに向けて効率的な販促を行えます。
丁寧な接客やアフターフォロー
セルフホワイトニングサロンでも接客やアフターフォローは、選ばれるサロンになるか否かを左右します。
初めてのセルフホワイトニングに不安を覚えている方は、丁寧な接客を受けるだけでも不安は和らぎます。
またアフターフォローは、ホワイトニングの仕上がりに満足していただく大切な要素です。個々に合った来店頻度の提案や、歯の色素沈着の原因となる飲食物を控えるなど、綺麗な白い歯をキープするためのアドバイスを行い、顧客が通い続けたいと思う信頼あるサロンを目指しましょう。
セルフホワイトニングサロン開業の成功には接客力のある人材採用が不可欠
セルフホワイトニングサロン開業を成功させるには、接客力のある人材の採用が不可欠です。
セルフホワイトニングの増加に伴い、契約トラブルも増加しています。以下は国民生活センターに寄せられた相談ですが、いずれも誤った接客や説明不足によるものです。
- 「1カ月は無料、無料期間中に解約もできる」と言われて契約したが、実際に解約しようとすると事前に説明のなかった違約金を請求された
- SNSの広告を見て無料体験に行ったところ、「絶対お得」などと契約を強く勧められ断り切れず契約してしまった
- 回数券を契約後、長期通えるか不安になったのでクーリング・オフを申し出たが応じてもらえなかった
強引な勧誘や契約時の説明不足はトラブルに発展するだけでなく、サロンに対する信用を失い、評判を悪くします。
お客様に寄り添った接客ができる人材を採用し、人気のセルフホワイトニングサロン運営を目指しましょう。
自社に合った人材採用には、美容業界求人に強いリジョブがおすすめです。
まとめ
本記事を総括すると、次のとおりです。
- セルフホワイトニングサロンは特別な資格がなくても開業可能
- お客様がセルフでホワイトニングを行うため、スタッフも特別な技術は不要
- 誇大広告や医療資格がいるホワイトニング薬剤の使用など、違法行為をしないよう注意!
- セルフホワイトニングサロンの成功には、接客力の高い人材採用が不可欠
セルフホワイトニングサロンは少ない初期費用と利益率の高さから、参入しやすいビジネスとして今注目を浴びています。
多くのセルフホワイトニングサロンの中で勝ち残るためには、他店と差別化を図り、お客様に選んでいただけるサロンでなくてはなりません。
スタッフの接客力は、お客様がサロンを選ぶ際に重要視するポイントのひとつです。接客力の高い人材採用に注力し、人気のセルフホワイトニングサロン運営を目指しましょう。
- 執筆者情報
- 田中 久美(Tanaka Kumi)