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美容室集客のコツとは?課題や集客方法を紹介

美容室集客のコツとは?課題や集客方法を紹介

小スペースかつ低コストで開業できるネイルサロンの店舗数は、年々増え続けています。

しかしながら、店舗数が多いエリアを中心に集客に悩むネイルサロンのオーナーや経営者は少なくありません。

本記事ではネイルサロンの効果的な集客方法と、集客を成功に導くポイントを解説します。

新規顧客の集客のほか、既存顧客の再来店をうながす方法についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

ネイルサロンの現状

ネイルサロンの集客で効果を出すには、まずネイルサロンの現状を把握しましょう。

ネイルサロンの利用率はコロナ禍で一時的に落ち込みました。しかし昨今、韓国アイドルブームや美意識向上の影響などで男性の利用率向上に伴い、上昇傾向です。

1.1年以内のネイルサロンの利用率

画像出典:ホットペッパービューティーアカデミー

ネイルの市場規模やネイルサロン数について詳しく解説します。

ネイルの市場規模はコロナ終焉後に再拡大中

NPO法人日本ネイリスト協会の調査によると、ネイルの市場規模はコロナ前の水準まで戻ってはいないものの徐々に回復しており、2025年は2212億円に達する見込みです。

消費者向けネイル製品、ネイルサービス共に上昇しており、ネイルサービスはコロナ前のピーク時である約1736億円まであと70億円というところまで回復しています。

2.ネイル産業の市場規模(各市場別内訳)

ネイル市場規模の再拡大は、ステイホームが解除されてリモートワークから出社型へ、また外食の解禁などで以前のように人と会う機会が増えたためと考えられます。

さらにジェルネイルやネイルケアなど、自宅でできるネイル製品が増えていることもネイル市場の活性化につながっているようです。

ネイルサロンの増加

ネイルサロンの市場規模は売上高だけでなく、店舗数も増加しています。

NPO法人日本ネイリスト協会がまとめた『ネイル白書2023』によると、ネイルサロンの数はコロナ禍もコロナ終焉後も右肩上がりで推移しています。

3.ネイルサービス市場の推移

市場規模全体が拡大していることで、一見するとネイル産業は安泰にみえますが、店舗数と売上高を比較すると集客に悩むネイルサロンの理由がわかります。

2023年の店舗数(見込み)は2015年の約126%と増えているにもかかわらず、同期間の売上高は92.5%(※)です。1店舗あたりで換算すると、売上高が落ちている現状が見受けられます。

つまり、今後も増え続けるであろう多くのネイルサロンによって淘汰されず、生き残るにはいかに集客できるかが鍵となるのです。

※2023年の売上高(市場規模)は『ネイル白書2025』の確定値を参考

集客の前にすべきこと

集客に取りかかる前にもう1つ大切なのが、以下の3つです。

  • エリアや既存顧客を分析する
  • 「なぜ集客できていないのか」を考える
  • 自店の強みを知る

集客にはさまざまな方法があり、異なるツールを使用します。3つの点を無視して集客に取り組んでも思うような効果を得られない可能性があります。

順番に詳しく解説します。

エリアや既存顧客を分析する

集客を行う前に、自店のネイルサロンのあるエリアや既存顧客の分析をしましょう。

このとき、手当たり次第の集客は費用対効果が薄くなります。エリアや既存顧客を分析することで自店にあった集客方法がみえてきます。

エリア分析では同エリア内にあるネイルサロンの特徴、各サロンの顧客層をチェックしましょう。各サロンの顧客層は、予約サイトや口コミを見ればわかります。

そしてライバル店の店舗の特徴や顧客層の分析をすることで、自店が集客できていない潜在顧客層がわかる可能性があります。

一方で集客で効果を出すには、自店の顧客層の分析も忘れてはなりません。自店に来店している顧客層は、自店にとって集客しやすい顧客層でもあるからです。

まずはエリアと既存顧客を分析し、集客すべき顧客層を明らかにしましょう。

「なぜ集客できていないのか」を考える

集客するには「今」集客できていない理由を知ることが大切です。また集客できていないのは新規顧客なのか、リピート顧客なのかも合わせて考える必要があります。

ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、初回来店時にサロン選びで重視したポイントは「ネット(友人・知人)の口コミがよい」「ネットに掲載されている写真がよい」「ネット予約できる」でした。

▼初回来店時にサロン選びで重要視したポイント(n=591/15~69歳の女性/複数回答)

サロン選びで重要視したポイント

割合

ネットの口コミがよい

30.8%

ネットに掲載されている写真(スタイル・デザイン・施術の写真など)がよい

19.1%

ネット予約できる

17.9%

友人・知人の口コミがよい

17.1%

※ホットペッパービューティーアカデミー 美容センサス2024年上期を元に作表

初回来店では、ネットや知人の口コミ評価に加えてデザイン性や予約の利便性が重要視される傾向です。

もし既存の集客、つまりリピート率が悪いなら集客方法だけでなく、技術や接客の見直しも必要になります。

ホットペッパービューティーアカデミーの顧客満足度に関する調査でも「ネイルサロンを変えたい」と思った場面は「仕上がり確認」や「カウンセリング」が各年代で1位にきています。

▼ネイルサロンを変えたいと思った場面(20~49歳の女性/複数回答)

4.ネイルサロンを変えたいと思った場面

自店の強みを知る

集客を成功するためには「自店の強みを知る」必要があります。自店や在籍するネイリストの強みや特徴を知り、他店より優れたアピールポイントを明確にしましょう。

顧客は何かしらの魅力を感じて、行くネイルサロンを決定します。雨の日でも濡れずに行ける「駅直結」だったり、細かいアートが得意なネイリストが在籍していることだったり、アピールできる点がきっとあるはずです。

自店の強みを知るには口コミが参考になります。多くの顧客が口コミによいと書いてくれている点は、自店の強みといえるでしょう。もし口コミが少ないなら、アンケート用紙を作成し、来店した顧客に協力をお願いしましょう。

ネイルサロンにおすすめの集客ツール7選

ネイルサロンにおすすめの集客ツールは、以下の7つです。

  1. 予約・口コミサイト
  2. Instagram
  3. ネイルブック
  4. 既存客からの紹介
  5. 看板
  6. Googleマップ
  7. フリーペーパーやチラシ

各集客ツールの特徴とおすすめの顧客層について詳しく解説します。

1.予約・口コミサイト

予約・口コミサイトはネイルサロンを利用する女性が、現在のネイルサロンを知ったきっかけとして最も多かった集客ツールです。

▼現在利用ネイルサロンを予約・口コミサイト経由で知った割合(n=591/15~69歳の女性/複数回答)

年代別

割合

全体

41.3%

15~19歳(n=36)

34.6%

20代(n=204)

40.8%

30代(n=145)

39.7%

40代(n=110)

44.1%

50代(n=54)

51.1%

60代(n=42)

34.8%

ホットペッパービューティーアカデミー 美容センサス2024年上期〈ネイルサロン編〉を元に作表

すべての年代でSNSや知人の口コミなど、他の認知経路より高い割合でした。特に40代や50代の女性は、予約・口コミサイトを通じてネイルサロンを探している傾向が強いことがわかります。

予約・口コミサイトは多くのネイルサロンが登録しており、時間や場所を気にせず検索できるうえ、ネイルサロンの営業時間外でも予約可能です。

子育てや仕事で忙しく、ネイルサロンが空いている時間にサロン検索や予約できない人に重宝されています。

2.Instagram

写真投稿サイトであるInstagramは、デザインが売りであるネイルサロンに欠かせない集客ツールです。

画像やハッシュタグ検索から好きなデザインやサロンを探せるため、デザインからネイルサロンを探す人に重宝されています。

総務省の調査をみるとInstagramの利用率で最も高いのは10代から30代で、約7〜8割となっています。

▼主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率

5.主なソーシャルメディア系サービスアプリ等の利用率

※総務省作成の表から一部抜粋

10代から30代がターゲットなら、Instagramを活用した集客が向いています。

なお認知度を高めてフォロワーを増やすためには、小まめな投稿や更新が欠かせません。

インスタグラムは投稿の期間が空くとあっという間にフォロワーやいいね数が激減してしまいます。毎日投稿を続けて多くの方に認識してもらうことが重要だと実感しました。自分でネーミングすることや流行りをいち早く取り入れた投稿を心掛けることも大切だと思います。

引用:モアリジョブ|プライベートネイルサロン「Suu-」Tsumikiさん

Instagramは毎日投稿すれば多くの人の目に止まり、集客へとつながります。ただしInstagramで集客を目指すなら、効果が出るまで根気よく投稿を続けることが大切です。

3.ネイルブック

ネイルブックとは会員登録数160万人(※)を超える、日本最大のネイル情報サービスです。プライベートサロンを中心に、1万3900店舗以上(※)のネイルサロンが登録されています。

さらに827万枚以上(※)の豊富なネイルデザインから選べるうえ、キーワードや人気のデザイン、シーン、人気のネイリストやサロンなどランキングからも検索可能です。

掲載には、月額固定のビジネスプラン(8800円/税込)と新規予約時に20%の予約手数料が発生するライトプラン(1098円/税込)、そして無料のベーシックプランから選べます。

ネイルブックは大手予約サイトより低コストで始められるのが魅力です。さらにネイルに興味ある人が訪れるサイトのため、ターゲットに届きやすい利点もあります。

僕が使っているネイルブックは、海のなかに作られたフィッシングスポットです。その場所にはネイル好きが集まり、(中略)投稿する時間と投稿数を決め毎日きちんと更新していたら1ヵ月ほどで成果が現れ始めましたよ。

引用:モアリジョブ|NailZERO+ オーナー兼ネイリスト 塩見隼人さん

※2024年7月時点

4.既存客からの紹介

友人や知人からの紹介は集客のひとつとして欠かせません。

ホットペッパービューティーアカデミーの調査でも、現在利用しているネイルサロンを知ったきっかけとして、予約・口コミサイトに次いで多いものでした。

▼現在利用ネイルサロンを友人・知人の口コミで知った割合(n=591/15~69歳の女性/複数回答)

年代別

割合

全体

21.5%

15~19歳(n=36)

38.5%

20代(n=204)

19.3%

30代(n=145)

22.5%

40代(n=110)

23.7%

50代(n=54)

13.3%

60代(n=42)

19.6%

ホットペッパービューティーアカデミー 美容センサス2024年上期〈ネイルサロン編〉を元に作表

特に15〜19歳、30代から40代で多い傾向です。同年代はクラスメイトやママ友などリアルなつながりが多い年代であることから、ネット情報だけでなく、リアルな口コミも重視すると考えられます。

自店に同年代の顧客が多い場合やネイルサロンのあるエリアに対象者が多いのであれば、口コミ特典を用意するなど、紹介による集客に力を入れましょう。

5.看板

繁華街や駅に近いエリアなど人通りがある場所にネイルサロンがある場合は、看板による集客を検討しましょう。

ホットペッパービューティーアカデミーの調査では、現在利用しているネイルサロンを街で見かけて知った人は女性より男性のほうが多い結果でした。

全体で5.7ポイント高く、特に15〜19歳、20代で多い結果となっています。

▼現在利用ネイルサロンを街で見かけて知った割合(n=591:女性、n=309:男性/15~69歳の男女/複数回答)

年代別

割合(女性)

割合(男性)

全体

12.7%

18.4%

15~19歳(n=36/n=29)

13.5%

25.0%

20代(n=204/n=101)

12.3%

21.6%

30代(n=145/n=81)

11.9%

9.6%

40代(n=110/n=74)

11.8%

22.6%

ホットペッパービューティーアカデミー 美容センサス2024年上期〈ネイルサロン編〉を元に作表(年齢別調査対象人数、左:女性、右側:男性)

東京大学薬学部教授の池谷裕二氏によると、脳には同じ情報を送り続けると大事なものだと認識し、記憶を定着させる働きがあるといいます。(※WAOサイエンスパークの記事より引用)

つまり、毎日通勤や通学で行き来する場所に目立つ看板を出しておくことで、無意識の記憶として定着し、集客につながる効果が期待できるというわけです。

人通りのある場所にサロンがあり、かつ男性の若年層を集客したいなら看板に力を入れてみましょう。

6.Googleマップ

Googleマップは最近注目の集客方法です。営業時間や口コミなどを確認でき、マップ上にピンを立てて保存できる利便性から年代問わず多くの人に利用されています。

株式会社Giv‐ningの調査によると、月1回以上美容サロンに通う人が美容サロンを選ぶ際に重視している点は「料金」に次いで「通いやすさ」でした。

6.美容サロンを探す際、重視しているポイント

定期的に通う人は自身に合うサロンであるかを口コミで確認し、通い続けられる価格であるか、また行くのに不便が伴わない「通いやすさ」が重要と考えているようです。

Googleマップは「料金・場所・口コミ」をまとめて確認できるため、リピート率を重視した集客に向いています。

また通勤・通学で乗り換えするターミナル駅や住宅地などにある、ネイルサロンにおすすめの集客ツールといえるでしょう。

7.フリーペーパーやチラシ

オンライン集客が主流となりましたが、対象の顧客やサロンの立地によってはフリーペーパーやチラシも集客ツールとして有効です。

ネイルサロンが少ないエリアへ出店されたプライベートサロン『ディーネ』さんも近隣に済んでいる方をターゲットにしたため、チラシによる集客に力を入れ、集客に成功させたひとりです。

オープン当初は近隣に住んでいる方をターゲットに、手作りのチラシを1000部ほど配布しました。チラシにはメニュー内容とサロン案内を書き、クーポンも付けました。地道に活動を続けたところ少しずつお客さまが増えていき、集客が安定したのは半年くらい経った頃だったと思います。

引用:モアリジョブ|ディーネ 代表 柳原京子さん

またホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、フリーペーパーやチラシでネイルサロンを知った人の割合は男性に多く、なかでも15〜19歳、30代に多い傾向です。

▼現在利用ネイルサロンをフリーペーパーやチラシで知った割合(n=309/15~69歳の男性/複数回答)

年代別

割合

全体

7.4%

15~19歳(n=29)

10.0%

20代(n=101)

7.2%

30代(n=81)

10.8%

40代(n=74)

4.8%

集客力は他の集客ツールよりは弱いものの、自社の顧客層に当てはまるのであれば、他の集客ツールと合わせて活用を検討しましょう。

冒頭でも触れたように、韓国アイドル人気や美意識の向上で男性のネイル利用は増えています。

7.美容サロン市場規模(3カ年)男性・ジャンル別

 

画像出典:美容センサス 2024年上期 サロン利用動向|ホットペッパービューティーアカデミー

近隣住民や男性を対象とした集客を検討しているなら、チラシやフリーペーパーでも集客の効果が期待できるでしょう。

チラシ以外のオフライン広告については下記記事で紹介しています。

▼内部リンク「集客 広告」

既存顧客へ再来店をうながす集客方法とは?

既存顧客のリピート率が悪く、悩んでいる方におすすめの集客方法を紹介します。

リピート率を上げるための施策について下記の記事で詳しく解説しています。合わせてご一読ください。

ステップメール

ステップメールとは来店日を起点として、顧客ごとに個別に送るメールを指します。一斉送信のメルマガとは異なる性質と目的をもった集客方法です。

主に「来店日の数日後」「1カ月後」「3カ月後」などのタイミングで送り、既存客の再来店をうながします。

定期的に送ることで自店の存在を思い出してもらう効果が期待できます。

メールには、その時々の顧客の心情へ配慮した内容を記載するとよいでしょう。

たとえば「来店日の数日後」に送るステップメールには「来店のお礼」と「ネイルの仕上がり感の確認」を、1カ月後のステップメールには「ネイルの状態についての確認」や「次の来店をうながす」内容を記載するなどです。

フットネイルの場合、季節が過ぎると放置してしまう人も多いため「オフだけでも気軽に来店してください」など、ひと言添えておくことで顧客が足を運びやすくなります。

公式LINE

公式LINEは、一度来た顧客と接点を作れる貴重な集客ツールです。公式ラインを活用すれば、既存顧客へ空き状況やキャンペーンのお知らせを届けやすくなります。

来店時や施術後に登録をうながし、フォロワーを増やしましょう。デザインサービスなど登録特典を用意するほか、公式LINEの機能のひとつであるポイントカード機能を活用するのもおすすめです。

ポイントカード機能を利用するにはLINE登録が必須のため、スムーズにLINE登録をうながします。

ただし、来店するタイミング以外のお知らせが不要と感じる人もいるので、登録の案内と同時に、ミュート機能がある点もお伝えしておくと心象がよくなるでしょう。

次回予約

ネイルは一定期間でメンテナンスが必要なため、次回予約をおすすめしやすい美容ケアです。

ネイルブックの調査によると次回予約は「ネイルブックから予約する」に次いで「来店時に予約する」が多い結果となっています。

来店時に次回予約を取る理由は「予約が埋まってしまう不安」「必ず同じ周期で通いたい」などであり、綺麗なネイルをキープしたい心情が反映されているようです。

▼来店時に次回予約を取る理由(n=239)

8.来店時に次回予約を取るのはなぜですか?

上記の結果を参考にすると、来店時に次回予約をうながす場合は「綺麗な状態を維持するため」など、顧客にとってのメリットをお伝えするほうがスムーズに次回予約をしてもらえるかもしれません。

一方で来店時に次回予約をしない人に向けて、1カ月以内の再来店クーポンを用意し、ステップメールと合わせて一定期間の来店をうながしましょう。

ネイルサロンの集客を成功させる3つのポイント

ネイルサロンの集客を成功させるポイントを3つ解説します。

集客は長期戦です。焦って取り組み、かえって顧客を失うことのないよう、3つのポイントを意識して集客に取り組みましょう。

1.過度な値引きをしない

過度な値引きによる集客はおすすめしません。

値引きによる集客は一過性であり、価格だけで来店した顧客は他のネイルサロンが安ければ離れてしまいます。

また、商品価値を落とし既存顧客を失うリスクもあります。さらにネイリストのモチベーションダウンにもつながるため、過度な値引きによる集客は控えるようにしましょう。

値引きの形を取った集客をする場合は、ネイリストのデビュー記念として一定期間のみ低価格にするのがおすすめです。

他のネイリストより低い価格で設定していれば、デビューするネイリストも落ち着いて接客に挑めます。またサロンに愛着をもってくれている顧客は、ネイリストの成長に協力してくれるでしょう。

2.複数の集客ツールを併用する

集客で効果を出すには複数のツールを併用するのがおすすめです。顧客層にまとまりがあっても同じ集客ツールに反応を示すとは限りません。

20代でもSNSをほとんど使わず、近隣の生活圏で目に留まった店に入る人もいれば、50代でもInstagramからハッシュタグ検索でネイルサロンを探す人もいます。

また幅広い顧客層がいるネイルサロンでは、特に複数の集客ツールを併用するほうが効果も早く実感できるでしょう。

さらに集客ツールごとの特色を生かし、使い分けるのも複数のツールを使う利点といえます。

サロンオープン当初は、インスタグラムとブログを見て来てくださる方が多かったですね。その時は、オープンの1ヵ月前くらいから毎日更新を続けました。(中略)現在もインスタグラムとブログの2つを使ってほぼ毎日発信を行なっています。インスタグラムにはネイルの写真を、ブログには同じ写真を載せたうえで、より詳細にコメントを記載します。

引用:モアリジョブ|Le bijou 代表 松本幸子さん

3.PDCAを繰り返す

集客に取り組む際にはPDCAを行いましょう。

PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、品質管理の父と呼ばれたWilliam Edwards Deming(ウィリアムズ・エドワーズ・デミング)氏が1950年代に提唱したフレームワークです。

PDCAを繰り返すことで業務改善を図るもので、集客率の改善にも効果が期待できます。

P:誰をターゲットにするのか? どの手段を使うのか?

D:計画を実行する

C:結果を分析する、狙ったターゲットを集客できなかった理由はなぜか?

A:改善できる点を見直して修正する、再度実行する

以上のように、集客を行う際にはPDCAを繰り返し、集客率の改善に努めましょう。

集客に向けた設備投資が助成金対象になる可能性も

集客に向けた設備投資は、助成金の対象になる可能性があります。

たとえばコンサルティング導入など生産性向上を目的とした設備投資に加えて、事業内最低賃金をコースごとに定められた一定額以上に引き上げた場合、設備投資にかかった費用の一部を助成金として受け取れます。(業務改善助成金

オープンにあたって集客や発信、経営者のマインドなど、コンサルティングを受講したことは、とてもよかったです。まったく知らない分野だったので、多くの知識を身につけることができました。早い段階でお店が軌道にのったのもこの講座を受講したおかげです。

引用: モアリジョブ |silom nail 櫻井唯さん

上記のようにコンサルティングを導入すれば、集客の成功への近道となる可能性が高いです。他にもさまざまな助成金制度が用意されているので、ネイルサロン経営のオーナーの方はぜひ調べてみてください。

採用に使える助成金については下記の記事で詳しく解説しています。

集客アップには人材確保も重要!

集客アップには人材確保も重要です。

株式会社帝国データバンクの調査によるとネイルサロンの倒産件数はコロナ禍を上回り、過去最多となっています。

▼ネイルサロン倒産件数推移(負産1000万円以上の法的整理による倒産)

9.ネイルサロンの倒産件数推移

低資金で開業可能なため競争が激化すると、資金繰りに加えて人材不足で倒産につながる傾向にあります。

そのため人材を確保することに意識が向きがちですが、人材確保の際には集客アップが得意な人材を採用するのが先決です。

集客できればネイリストが満足できる給与を支払えるため、ネイリストの定着率が高まります。従業員満足度やネイリストの定着率は顧客満足度にもよい影響を与えるため(※)、同時に売上げの安定、向上につながるのです。

※参考記事:従業員満足度と顧客満足度の相関関係とは? | NISSAY Business INSIGHT

集客を考える際には同時に人材にも目を向けて、必要に応じて人材を導入しましょう。

まとめ

本記事を総括すると次のとおりです。

  • ネイルの市場規模は売上高、店舗数ともに増加傾向にある
  • 集客の前に現状の分析や自店の強みを知る
  • 各集客ツールの特徴を知り、自店に合ったものを取り入れる
  • 複数の集客ツールを併用し、PDCAを繰り返す
  • 集客が得意な人材を採用する
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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。