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レンタルサロンを開業する際の注意点とは?注目される理由や開業の流れやポイントを解説

レンタルサロンの開業を考えているものの、具体的な手順がわからない人もいるのではないでしょうか。レンタルサロンの開業は、正しい手順を踏まえ、ポイントを押さえて準備を進めれば決して難しいものではありません。

本記事ではレンタルサロンを開業したい経営者やオーナーに向け、レンタルサロンの定義や求められている理由、開業するうえでの注意点とともに、開業までの具体的な流れや成功するためのポイント、活用できる補助金について解説します。

レンタルサロンの定義

レンタルサロンとは、エステや整体、リラクゼーションなどの施術ができるベッドを設置したスペースを、時間単位で貸し出すサービスです。主な利用者として挙げられるのは以下のとおりです。

  • エステティシャン
  • セラピスト
  • 鍼灸師
  • 柔道整復師
  • 理学療法士
  • ネイリスト
  • アイリスト など

1時間あたりの利用料金が定められており、予約して使うケースが一般的です。ただし、月極契約ができるサロンも存在します。

レンタルサロンと類似するサービスに「シェアサロン」がありますが、利用形態に違いがあります。レンタルサロンは一部屋丸ごと借りられるのに対し、シェアサロンは席単位で借りるのが特徴です。

シェアサロンは美容室として利用されるケースが多いのに対し、レンタルサロンはプライベート空間を重視する美容系サービス全般で利用される傾向があります。

料金相場は1時間あたり1,000円~2,500円程度となっており、時間帯による変動や30分単位での利用など、サロンごとに料金体系は異なります。

レンタルサロンが求められている理由

レンタルサロンが求められている理由として、以下の4つが挙げられます。

  • 開業資金や固定費を抑えられる
  • 場所を問わず柔軟な利用ができる
  • テストマーケティングに活用できる
  • 独立開業の仲間ができる

ここでは、それぞれの理由について解説します。

開業資金や固定費を抑えられる

レンタルサロンを利用する利点は、初期投資と固定費を削減できることです。自らテナントを借りる場合、契約費用や毎月の賃料、内装工事、機材購入などに多額の資金が必要です。自宅での開業も選択肢のひとつですが、生活感を消すためのリフォームや家族の理解など、クリアすべき課題は少なくありません。

一方、レンタルサロンは業務に必要なベッドやデスク、ネット環境などの設備があらかじめ整っています。内装工事も不要なため、浮いた資金を広告費や施術用備品の充実に回したり、将来の運転資金として手元に残したりできます。

alba暁子鍼灸治療院の山田さんも、レンタルサロンのメリットとして出費の少なさを挙げています。

レンタルサロンは会員になると、会費さえ払えばあとは時間貸し。1時間の施術を行うとして前後30分ずつ抑えたとしても、2時間分の出費で済みます。開業したばかりの人にはメリットが大きいですね。

引用:モアリジョブ|alba暁子鍼灸治療院 柔道整復師・鍼灸師 山田暁子さん

場所を問わず柔軟な利用ができる

サロン経営において、集客を左右する「立地」の選定は悩ましい問題です。一度店舗を構えると簡単には場所を変えられません。しかし、レンタルサロンであれば、ターゲット層に合わせて以下のように時間を分けて複数の場所を使い分けられます。

  • 平日の昼間は住宅街
  • 夕方以降はオフィス街や繁華街
  • 週末はショッピングモール近郊

自身のライフスタイルやターゲット層に合わせて、効率的に施術時間を設定できます。固定の場所に縛られない働き方は、多様な顧客ニーズに応える武器となるでしょう。

テストマーケティングに活用できる

実店舗を持つと移転のハードルは高くなりますが、レンタルサロンなら全国どこでも開業可能です。エリアによって客層や人の流れは異なるため、複数のエリアで営業してみれば、どの場所が自分のサービスに適しているかを見極められます。

例えば、本格的な出店前に、リスクを抑えた市場調査をするのも可能です。自分に合ったエリアや客層を把握してから実店舗を構えるステップを踏めば、事業の成功率を高められます。

独立開業の仲間ができる

個人での開業は相談相手が少なく、孤独を感じやすい環境になりがちです。レンタルサロンでは、同じ施設を利用する同業者と顔を合わせる機会が増えます。悩みや不安を共有したり、集客方法などの情報交換を行ったりする仲間を見つけられる環境は貴重です。

「BODY MAKE SALON BELLA SALUTE」の川崎さんも、さまざまなオーナーとの情報交換をレンタルサロンのメリットとして挙げています。

開業資金、月の家賃が抑えられているのは、やはりよかったです。また、同じフロアにいろんなオーナーさんがいるので、情報交換できるのもいいですね。

麻布十番通り店には5室あって、僕以外は女性のオーナーさん。それぞれフェイシャルやエステなど美容系のサロンを運営されています。僕はこういう風に集客しているんですが、どうしていますか?と聞けば、私はこうしてますよと教えてくれたり。そういった交流が自然とできるのはいいところだと思います。

引用:モアリジョブ|BODY MAKE SALON BELLA SALUTE ボディメイクセラピスト 川崎毅さん

レンタルサロンを開業するうえでの注意点

レンタルサロンを利用して開業した場合、さまざまなトラブルが発生します。トラブルを未然に防ぐために理解しておくべき点として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • 必要な備品を用意しなければならない
  • サロンを清潔に保つ必要がある
  • 明確な利用ルールの設定が不可欠
  • レンタルサロンにおける集客のコツを理解する必要がある

ここでは、それぞれの注意点やレンタルサロンのオーナーが意識していきたいポイントについて解説します。

必要な備品を用意しなければならない

多くのレンタルサロンでは、基本的な設備は整っています。しかし、消耗品については補充が追いつかず、不足してしまうケースは珍しくありません。そのため、バスタオルやオイルなどの消耗品は、利用者が毎回持ち込む必要があります。

レンタル業者によっては有料で貸し出しを行っている場合もありますが、品質や素材が自身のサービスに合うとは限りません。レンタルサロン側としては備品リストを作成するとともに、利用者が必要な備品を調査しておけば、利用者の満足度を高められます。

サロンを清潔に保つ必要がある

清潔感はサロンの評価に直結するため、妥協できないポイントです。しかし、レンタルサロンは共有スペースである以上、ルールや利用状況によっては清掃が行き届いていない場合が考えられます。

サロンによっては利用者が清掃を行うルールになっている場合もあり、入室時に清掃から始めなければならないケースも考えられます。サロンのお客様に不快感を与えないよう、清掃ルールを定めておくことが重要です。

明確な利用ルールの設定が不可欠

人気のレンタルサロンは予約が埋まりやすく、特に週末は利用者の希望通りに場所を提供できない可能性があります。そのため、予約状況や利用率が高い日の情報を提供し、スムーズに利用してもらえるようなルールを設定することが大切です。

また、建物によっては、お香やアロマなど香りの強い施術を禁止していたり、住所の公開を禁止していたりする場所もあります。施設のルールを確認したうえで、施術のルールを設定しましょう。

レンタルサロンにおける集客のコツを理解する必要がある

レンタルサロンは路面店のように看板を出して通行人にアピールできません。顧客自身に検索して見つけてもらう必要があり、認知されるまでのハードルが高いため、集客には工夫が必要です。

また、実店舗がないことに不安を感じる人も一定数存在します。待っているだけではお客様は来店しないため、開業前からWebサイトやSNSを活用し、サロンの雰囲気や施術内容を積極的に発信して信頼を獲得していく必要があります。

alba暁子鍼灸治療院の山田さんは、住所が公開できない場合があることを集客面でのデメリットに挙げています。

毎回荷物を運び入れないといけないので、道具が多い人は大変だと思います。あと「住所を公開しないでください」というところがほとんどなのと、毎回確実に場所が抑えられるわけじゃないのも集客面ではデメリットでしょう。「いくつか契約しておいて空いているところで施術する」という人もいますが、どちらにしても住所が公開できないので、大っぴらに宣伝するのは難しいんです。すでについているお客さまやファンが少ない人にとっては、厳しいかも知れません。

引用:モアリジョブ|alba暁子鍼灸治療院 柔道整復師・鍼灸師 山田暁子さん

レンタルサロンを開業する流れ

レンタルサロンを開業する際は、以下の準備を段階的に進めていく必要があります。

  1. 事業計画を立てる
  2. 開業資金を調達する
  3. 物件を見つける
  4. 必要な備品を準備する
  5. 開業届を提出する
  6. 宣伝する
  7. スタッフを採用する

ここでは、レンタルサロンを開業するまでの一般的な手順を解説します。

1.事業計画を立てる

レンタルサロンを開業したい動機を深く掘り下げ、「どういったお客様のためのサロンなのか?」など、コンセプトや主なターゲット層を明確にしましょう。レンタルサロンの営業形態には、以下のものが挙げられます。

  • 既存サロンの空きスペースを貸し出す
  • 既存サロンのアイドルタイムや定休日を活用してもらう
  • ワンルームマンションの一室などをレンタルサロン専用のスペースとして貸し出す

ターゲット層が決まれば、それに適したエリアや営業形態(既存サロンの一角か、マンションの一室かなど)が見えてきます。コンセプトに基づいて、運営方法や経営戦略、収支計画などを検討し、具体的な事業計画書に落とし込みましょう。

事業計画書は、これから始める事業をどのように進め、どのようにして収益を上げていくのかを具体的にまとめたものです。開業に必要な資金の調達方法や返済方法などの資金繰りの計画も、併せて考えましょう。

新規開業の場合、経営の実績がまだないため、金融機関からの信用がありません。そのため、事業計画書を丁寧に作成し、事業が成功する見込みがあることを示す必要があります。

マツエクサロン「salon de beaute Jolie」のMihoさんは、過去の採択データや見本を読み込みながら、書き方のコツをつかんだようです。

お金がかかることも多いですが、今は自治体ごとに小規模事業者向けの補助金制度もあるので、そういった情報をしっかりキャッチして積極的に活用しています。

申し込むには事業計画書を書いたり登録手続きをしたり、慣れないうちは大変ですが、過去の採択データや見本を隅から隅まで読むと書き方のコツがつかめてきました。苦手だったことまた1つ克服できたので、いい経験になりました!

引用:モアリジョブ|salon de beaute Jolie オーナー Mihoさん

事業計画書に書くべき内容は以下のとおりです。

  • 事業を始める動機
  • 経営者の略歴(経験やスキルなど)
  • 具体的なサービス内容
  • 従業員数(予定を含む)
  • 現在の借り入れ状況
  • 開業に必要な資金額とその調達方法
  • 事業の将来的な見通し(目標とする売上高や予想される経費など)

商工会や商工会議所に相談して事業計画書を作成するのもひとつの方法です。日本政策金融公庫では、次の書式が見本として紹介されています。

1.事業計画書

書式についても、以下のサイトからダウンロードできます。

各種書式ダウンロード 国民生活事業|日本政策金融公庫

融資を受ける際にも事業計画書の提出が求められるため、商工会や商工会議所に相談しながら作成するのもおすすめです。

2.開業資金を調達する

開業形態や自己資金にもよるものの、開業には少なからず費用が必要です。日本政策金融公庫総合研究所の「2024年度新規開業実態調査」によると、開業費の平均値は985万円、中央値は580万円でした。

開業費用の分布は500万~1,000万円未満の割合が最も多く、日本政策金融公庫が公開している「2024年度新規開業実態調査」によると、開業資金の調達先として「金融機関等からの借入」の平均額が780万円でした。

運転資金の目安としては、月間の売上目標額の3か月分~6か月分程度を準備しておくとよいでしょう。開業してから数か月は、集客が安定せず赤字経営になる可能性も考慮し、家賃や人件費などの固定費の支払いが滞ることのないよう、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

自己資金だけでは開業費用が不足する場合は、外部から資金を調達する方法を検討します。主な調達方法は以下のとおりです。

  • 親族や知人からの借入
  • 民間金融機関や日本政策金融公庫、地方自治体からの融資
  • クラウドファンディングによる資金集め
  • 国や地方自治体が提供している助成金や補助金の活用

内装が何もないスケルトン物件の場合、工事費用が高額になる傾向があります。そのため、前のテナントの内装や設備を利用できる居抜き物件を選んだり、中古やリースの設備や機材を利用したりして、初期費用を抑える工夫をしましょう。

3.物件を見つける

ターゲットとする顧客層が通いやすい立地を選ぶことが重要です。例えば、主婦層がターゲットであれば生活圏内、会社員ならオフィス街や駅近くなどが候補になります。Web上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、内装や設備の使い勝手、騒音などの周辺環境を確認しましょう。

都市部であれば駅からのアクセスが良い場所、郊外であれば利用者が車で来店しやすいよう、ある程度の広さがある駐車場を備えた場所を選ぶとよいでしょう。

賃貸マンション物件の場合、セキュリティを理由に商用利用を許可していないケースが存在します。そのため、管理会社にサロンの営業が可能な物件か確認しましょう。

また、実際に開業予定のテナントの前を通る人々の年齢層や性別といった属性や、時間帯ごとの人通りなども確認しておきましょう。最寄りの駅やバス停からの導線を、利用者の視点に立って確認する必要があります。

物件を決めたら賃貸借契約を締結します。物件契約にかかる主な費用は以下のとおりです。

  • 敷金・礼金・保証金
  • 仲介手数料
  • 保険料
  • 前払いで支払う分の家賃

契約時には登記簿謄本(法人の場合)や印鑑証明書、代表者の連帯保証などが必要です。必要書類は事前に確認しておきましょう。

BODY MAKE SALON BELLA SALUTE」の川崎さんは、妥協せず探し続け、条件を満たす物件に出会えたようです。

物件探しが一番大変でしたね。開業前に勤めていたサロンが東銀座で、そこで僕の施術を気に入ってくださったお客様がいたので、その方たちに来てもらえる場所というのが前提。そしてその地域の客層が自分に合っていて、イメージしている雰囲気の内装で、予算に合うかどうか…。いろんな要素をクリアできる物件を見つけるのは本当に大変ですが、妥協しないほうがいいと思います。

引用:モアリジョブ|BODY MAKE SALON BELLA SALUTE ボディメイクセラピスト 川崎毅さん

物件によっては、お灸が禁止されているケースがあるため、利用者のサービスが限定される可能性があります。

設備も会社によってさまざまで、個室ではなくパーテーションで仕切られただけのところもありました。煙が出るためお灸がNGのところも多いので、鍼灸師は要注意ですね。

引用:モアリジョブ|alba暁子鍼灸治療院 柔道整復師・鍼灸師 山田暁子さん

4.必要な備品を準備する

サロンに備え付けのもの以外で、施術に必要なアイテムを揃えます。施術ルーム内で必要となる主な備品は以下のとおりです。

  • 施術用ベッド
  • 椅子
  • 胸当て
  • 施術者用スツール
  • ワゴン
  • お客様の荷物入れ
  • ハンガー
  • 手元用照明
  • 枕やシーツ、タオル
  • 空調設備
  • カーテンなど

共用部に必要な主な備品は以下のとおりです。

  • くつ箱
  • スリッパ
  • 傘立て
  • 待合用の椅子
  • 冷蔵庫・電子レンジ
  • 消毒液
  • 非接触体温計
  • 時計
  • カレンダー
  • 電気ポット
  • 文房具 など

また、自身の運営スタイルに合わせて、以下のようなレンタルサロン運営に必要な契約や設備なども準備しましょう。

  • インターネット環境
  • 予約システム
  • 決済端末
  • 火災保険
  • 損害保険

タオルやテーピング、包帯などの消耗品は、ECサイトを利用すると手軽に購入できます。まとめ買いを活用すれば、比較的安価に入手できます。「トワテック」「アトラスストア」「からだはうす」などの、鍼灸院や整体院向けの備品を扱う複数のECサイトを比較検討するとよいでしょう。

5.開業届を提出する

レンタルサロンを開業するにあたっては、特別な資格や免許は必要ありません。管轄の税務署に開業届を提出すれば開業できます。個人事業主としてレンタルサロンを開業する場合は、開業届と併せて税務署へ「青色申告承認申請書」も提出しましょう。条件を満たせば、年間の所得金額から一定額(最高で65万円)を控除できるため、節税効果が期待できます。

開業届を税務署に提出する際に必要な主なものは、以下のとおりです。

  • 開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書。原則として開業日から1か月以内に提出)
  • 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
  • マイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード、個人番号通知書のコピー、個人番号が記載された住民票の写しなど)
  • 所得税の青色申告承認申請書(青色申告を希望する場合のみ。原則として開業日から2か月以内に提出)

業種によっては保健所への届け出も必要です。美容師やマツエクを行う場合は美容所登録、鍼灸やマッサージを行う場合は施術所開設届が必要になるため、管轄の保健所に確認しましょう。

6.宣伝する

開業後、スムーズに集客につなげるためには、開業前から宣伝活動を始めることが大切です。客単価が上がれば、集客難易度も上がるため、マーケティングを意識した集客戦略を練る必要があります。主な宣伝方法として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • 自店のホームページやブログを立ち上げ、情報発信する
  • Googleビジネスプロフィールに登録する
  • インターネット広告(リスティング広告やディスプレイ広告など)に出稿する
  • SNSを活用して情報発信する
  • チラシを配る
  • コミュニティに入る

モアリジョブが行ったアンケート調査によると、美容室ではホームページの作成やSNSの活用といった、オンラインでの集客活動に力を入れている店舗が比較的多いという結果が出ています。鍼灸院においても、オンラインでの情報発信は有効な手段のひとつといえるでしょう。

▼現在、集客のために導入している方法はありますか?(複数回答)

2.集客のために導入している方法

「エステサロン美寿(ビジュー。)」の 在間さんは、メニューを限定し友人限定での情報発信により想いを伝え、ファンを増やしました。

オープン初月は4日間だけの営業でしたが、22名の方にご来店いただきました。

「オープン記念価格60分¥5000」のメニュー一本だけにし、Facebookの友達限定記事のみで発信しました。ご来店いただいたのは全員、私の友達や知り合い、そのご紹介の方のみ。仕事に対する私の想いや、独立に向けての準備段階について発信していたので、記事を読んで応援してくれた方々が来てくださったんです。

数年やっているうちに、1週間に10〜15名、1日2〜3名のペースが安定してきました。

引用:モアリジョブ|エステサロン美寿(ビジュー。) オーナー 在間麻里さん

ターゲットによって効果的な宣伝方法は異なります。コンセプトを踏まえたうえで、ターゲットに刺さる集客方法を選択するとよいでしょう。スペースマーケットやインスタベースなどの、レンタルスペースの検索ポータルサイトへの登録もおすすめです。

7.スタッフを採用する

開業後に店舗の売上を伸ばしていきたいと考えている場合、スタッフの採用も視野に入れましょう。複数名のスタッフがいる体制を整えることで、繁忙期での予約の取りこぼしを防ぎやすくなります。宣伝活動をはじめとした施術以外の業務に取り組む時間的な余裕も生まれます。

スタッフを採用する際は、コンセプトや雰囲気に合った人材を選ぶことが大切です。自店の社風や求めるスキルと合わない人材を採用した場合、早期離職につながり、再度採用活動を行うためのコストが発生します。

経験者を採用する場合には、提供する施術メニューに対応できるスキルを保有しているかどうかも確認する必要があります。店舗の運営状況や予算に合わせて、雇用形態を検討することも大切です。

採用コストを抑える工夫も必要です。人材紹介サービスや総合型の求人サイトを利用する方法は、採用単価が高くなる傾向があります。自社の採用ページを充実させたり、SNSを活用して情報発信をしたりすれば、採用ブランディングにつながるため、長期的にみればコストを抑えた採用につながります。

柳田式インドエステRiseの柳田さんは、自分と違う視点を持つ人材を採用し、成長につなげています。

私は新しく開拓するのが得意だったので、同じように開拓精神を持っているよりも、私にはない視点や経験で「こうしたらもっと良くなるんじゃないか?」と枝を広げてくれるような人を求めていたんです。

引用:モアリジョブ|柳田式インドエステRise 代表 柳田きよみさん

自社で能力を発揮し、活躍できる人材を採用するためには、事前準備が重要です。リジョブでは、これから独立・開業をして将来的にスタッフの採用を検討している方に向けたノウハウを提供しています。手順を詳しく知りたい場合は、無料でダウンロードできる下記の資料をご覧ください。

レンタルサロンの開業を成功させるためのポイント

レンタルサロンは需要があるものの、すべてのレンタルサロンが経営に成功するわけではありません。東京商工リサーチの調査によるとエステティック業の倒産は増加傾向にあります。

3.エステティック業の倒産推移

厳しい業界で成功するためには、SNS・チラシ・ホームページでの集客のほか、チーム構築やDX推進などのポイントを押さえる必要があります。ここでは、レンタルサロンの開業を成功させるポイントについて解説します。

SNSやチラシを活用して集客する

予算を抑えて認知拡大を図りたければ、SNSを活用しましょう。多くの人がスマートフォンを使う現代では、SNSによる口コミの効果は計り知れません。最近では、サロン内での写真撮影を許可するところも増えています。

お客様が「自撮り」をし、SNSでその様子を発信してくれれば、口コミによる集客を狙えます。「シェアしたくなる空間」を作ることが、広報コストを抑えるポイントです。チラシを作成してサロン周辺でポスティングするのもおすすめです。

レンタルスペースによっては住所を公開できない場合があります。施術先を直接伝えるためにもSNSの活用は効果的といえるでしょう。

ホームページを充実させる

お客様は、セルフエステの利用を検討する際にホームページを閲覧する傾向にあります。そのため、ホームページを充実させれば、利用を迷っている人に対するアピールになります。

清潔感や分かりやすさはもちろん、予約しやすい動線作りも意識しましょう。マーケティングに取り組む際には、景品表示法や薬機法、医師法、医療法といった関連する法律を遵守した広告表現を心がける必要があります。

例えば以下の内容は広告に記載できないため、書き方に注意する必要があります。

  • 「むくみが消える」や「細胞を活性化する」など、症状の具体的な記載
  • 「治療」や「治る」などの表現(「治療」は「施術」に変更する)
  • 法律以外の疑似医療行為
  • クリニックや治療院などの医療機関と混同される表現
  • 「最先端」「満足度No.1」などの誇大広告や比較広告

施術のトラブルに備える

施術中にお客様に怪我をさせてしまったり、レンタルサロンの設備を壊してしまったりするリスクはゼロではありません。万が一の事故や怪我、備品の破損などに備えて、損害賠償保険に加入しておきましょう。

保険に加入しておけば、予期せぬトラブルが発生した際も金銭的なダメージを最小限に抑えられます。安心して施術に集中できる環境作りも、オーナーの責任です。

チームを作る

将来的に売上を伸ばしていきたいのであれば、スタッフを採用し、チームで運営していくことも必要です。売上が拡大するにつれて、やるべき業務が増え、ひとりでは手が回らなくなるケースは珍しくありません。

そのような場合には、案内を担当するスタッフを採用してオーナー自身がマーケティング活動に注力したり、ブログやSNSの運用経験があるスタッフを雇用してマーケティング業務を任せたりといった体制づくりが必要です。

「リラクゼーションサロンRIRACO」の内田さんと長崎さんは、それぞれの得意なスキルを活かし、お互いを助け合いながら経営しています。

私たち、性格が真逆なんです。私は表に出てしゃべったり人を集めたりするのが好きで、長崎さんは現場を支えて基礎を固めるのが得意。役割分担がはっきりしているのでケンカになることもないし、真逆だからこそ自分にできないところを補い合えるので、とても助かっています。

引用:モアリジョブ|リラクゼーションサロンRIRACO オーナー 内田知沙斗さん・長崎麻紀子さん

運用コストを把握しておく

レンタルサロンを運営するには、必要となるコストにどのような項目があるのかを把握しておくことが大切です。レンタルサロンを開業する場合に必要なコストの項目は以下のとおりです。

  • 固定費:売上の増減にかかわらず、毎月発生する費用(家賃・人件費・通信費・広告費・水道光熱費など)
  • 変動費:売上の増減に伴って変動する経費(材料費・消耗品・雑貨・清掃用品・修繕費用・交通費など)

健全な経営を続けるためには、これらの経費の種類や、それぞれの費用が全体の支出に占める割合などを把握し、管理することが重要です。

DXを推進する

デジタル技術を活用して業務効率を高めることも重要です。例えば、スマートロックを導入すれば鍵の受け渡しが不要になります。ネットワークカメラを設置すれば、防犯対策や利用状況の確認が可能です。

限られた時間とリソースを有効活用するために、便利なツールは積極的に取り入れましょう。オペレーションの自動化は、利用者の利便性向上にもつながります。

キャッシュレス決済を導入する

近年では、クレジットカードや電子マネー、QRコード(バーコード)決済といったキャッシュレス決済が社会に広く浸透しており、支払い方法としてキャッシュレス決済に対応している店舗を選ぶ利用者が増えています。

日常的に現金を持ち歩かない人も増えており、キャッシュレス決済に対応していないという理由だけで、利用されないケースも珍しくありません。顧客満足度の向上や会計業務の効率化のためにも、ターゲット層のニーズに合わせて、キャッシュレス決済システムの導入を検討しましょう。

予約システムを導入する

近年は、オンラインで手軽に予約ができるサービスが増えています。例えば、深夜や休日など、思い立ったときに予約ができなければ、他の予約可能なレンタルサロンにお客様が流れてしまう可能性もあるでしょう。

ホットペッパービューティーアカデミーが公開する、「美容センサス2025年上期」のデータによると、ネット予約できるかどうかでサロンを選ぶ、という割合が高くなっています。ネット予約システムを導入すれば、24時間365日の予約受付ができるため、機会損失を防げます。

空き状況も予約情報に連携する必要があります。車で来店されるお客様がいるサロンであれば、駐車場の空き情報も連携させておきましょう。

レンタルサロンの開業に活用できる補助金

レンタルサロンを開業する際には、国や地方自治体が設けている補助金制度を活用できる場合があります。これらの制度を活用すれば、開業時の資金負担の軽減が可能です。ここでは、レンタルサロンの開業時に活用を検討できる代表的な3つの補助金を紹介します。

また、これら以外にも、地域によっては以下のような独自の補助金や助成金制度が設けられている場合があります。

  • 東京都:「創業助成事業」「商店街起業・承継支援事業」「創業支援事務所等賃料補助金」
  • 大阪府:「大阪起業家グローイングアップ補助金」
  • 愛知県:「あいちスタートアップ創業支援事業費補助金(起業支援金)」「令和5年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金」
  • 北海道:「さっぽろ新規創業促進補助金(札幌市経済観光局経営支援・雇用労働担当部商業・経営支援課)」

自身の開業予定地域で利用できる制度がないか、確認してみましょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化への取り組みに対して、その経費の一部を補助する制度です。対象となるのは、常時雇用している従業員の数が20人以下である事業者です。ただし、商業・サービス業のうち宿泊業と娯楽業を除いた業種では、従業員数が5人以下の事業者が対象となります。

この補助金を利用するためには、地域の商工会議所や商工会から支援を受け、申請手続きを進める必要があります。レンタルサロンの開業時にこの補助金を活用する場合は、創業支援に特化した「創業枠」に申し込むとよいでしょう。

条件を満たせば、インボイス発行事業者としての特例と合わせて、最大で250万円までの補助を受けられる可能性があります。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、新しいサービスの開発や試作品の製作、生産プロセス改善に向けた設備投資などに対して、その費用の一部を補助する制度です。すでに創業している中小企業または個人事業主として開業している事業者が対象です。

過去には、整体院や整骨院がエコー測定器を導入した際に、この補助金が活用された事例があります。従来のレンタルサロンではあまりみられないような、新しいサービスや独自の仕組みを導入していくことが、補助対象となる条件です。

例えば、珍しい客層に向けた設備に対する投資やシステムを導入する際の投資などが該当します。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者などが、生産性向上を目的としてITツールを導入する際に、その費用の一部を補助する制度です。セルフエステの開業時であれば、IT導入補助金の申請要件を満たせるため、申請できます。

対象となるのは、業種ごとに定められている資本金や従業員数の上限が、国が定める基準以下である法人または個人事業者です。IT導入補助金を申請するためには、国から認定されたIT導入支援事業者と連携して手続きを進める必要があります。

▼IT導入補助金に申請する事業者と支援事業者の関係

4.IT導入補助金に申請する事業者と支援事業者の関係

引用:IT導入支援事業者とは|IT導入補助金2025

IT導入補助金を活用するためには、IT導入支援事業者により当該のITツールが、あらかじめ補助金対象として登録されている必要があります。セルフエステに関連するツールとしては、以下のものが挙げられます。

  • 電子カルテシステム
  • オンライン予約システム
  • キャッシュレス決済サービス
  • モバイルオーダーシステム(健康グッズなどの販売をする場合)
  • ECサイト構築システム(健康グッズなどの販売をする場合)
  • 勤怠管理システム
  • 会計システム など

これらのITツールの導入により、業務の効率化や顧客満足度の向上を図る際の費用負担を軽減できます。

まとめ

レンタルサロンは、特別な資格がなくても開業でき、人件費や消耗品費を抑えられるため、需要があるビジネスといえます。レンタルサロンを開業する際は、以下の手順で段階的に準備を進めていく必要があります。

  1. 事業計画を立てる
  2. 開業資金を調達する
  3. 物件を見つける
  4. 必要な備品を準備する
  5. 開業届を提出する
  6. 宣伝する
  7. スタッフを採用する

レンタルサロンで成功するためには、SNS・チラシ・ホームページでの集客のほか、トラブルへの備えやチーム構築などのポイントを押さえる必要があります。また、DX推進やシステムの導入も集客につながります。

本記事で解説した内容を参考に、レンタルサロン開業に向けて動きましょう。

田仲ダイ(Tanaka Dai) プロフィール画像
執筆者情報
田仲ダイ(Tanaka Dai)
エンジニアリング会社にて、人事・採用・従業員評価・業務管理・部門管理・社内監査など、さまざまな業務に計14年従事。これまでの経験を活かし、bizリジョブ編集部では、採用や店舗経営に役立つリアルな情報を記事として発信する。