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採用とは?意味と目的、種類・手法による違いまで採用の基本を解説

採用とは?意味と目的、種類・手法による違いまで採用の基本を解説

採用が会社経営のうえで重要な業務だとは理解しているものの、具体的な目的やその手法までを正しく理解できていない人も多いのではないでしょうか。

東京商工リサーチが実施したアンケートでは、正社員不足は69.3%もの企業が該当、非正規社員でさえも38.7%と4割近い企業が人員の不足を実感しています。

業種別に見てみると、宿泊業や飲食店、道路旅客運送業はいずれも9割近くが人手不足と回答しました。

▼業種別の正社員不足・非正規社員不足の割合

不足業種別

このような事態に陥っている現状を打破するためにも、今回は改めて採用の意味や目的、種類について解説します。自社に効果的な採用について考えてみましょう。

採用とは

採用については、国語辞典では以下のように説明されています。

[名](スル)適当であると思われる人物・意見・方法などを、とり上げて用いること。「店員を三人—する」「企画案を—する」「—試験」

引用:weblio辞書

人事担当者が使う採用にも、上記の意味は隠されています。つまり採用とは、「自社の運営において適当(適切)な人物を取り上げて選ぶこと」といえるでしょう。

活動における本質を見失わないためには、言葉の意味も意識するとよいかもしれません。

採用をする5つの主な目的

採用活動には、主に5つの目的があります。自社が経営において何かしらの課題を感じている場合、以下の5つに当てはまることが多いです。

  1. 欠員の補充を行うため
  2. 従業員の不足を解消するため
  3. 自店舗の抱える課題を解消するため
  4. 新しい事業や出店を進めるため
  5. 先の未来のリーダー・責任者候補を育てるため

この後紹介するように採用の種類はさまざまあるものの、根っこにある問題はいずれかに該当するはずです。自社に適した効果的な採用活動をするためにも、まずは自社に当てはまるのは何かを考えてみましょう。

1.欠員の補充を行うため

日本商工会議所は、横手商工会議所が実施した採用の目的についてのアンケートの結果を発表しました。それによると、5割近くの企業が欠員補充を目的とした採用を行っていることがわかりました。

何かしらの理由で退職する従業員が出ることは仕方のないことです。しかし退職した原因をはっきりさせずに改善策を講じないと、残った従業員の満足度低下につながります。

働き方改革が重要視されている昨今では、芋づる式に従業員の退職が相次ぐリスクが高まるでしょう。有給休暇の取得ができなかったり、慢性的な残業があったりなどは避けなくてはいけません。

欠員の補充の場合、早急な現場回復が求められます。即戦力として活躍できるような人材の採用を目指す必要があるでしょう。

2.従業員の不足を解消するため

企業活動の基本は、前年以上の売上や利益を残すことです。目標を上げるならそれに伴っての従業員増加も行わなければ、現在いる従業員への負担は増す一方です。そのため、経営者は目標から逆算した採用を行うことで生産性をコントロールします。

人手不足の深刻さは多くの企業が抱えている問題です。中小機構の行った中小企業や小規模企業者を対象とした人手不足の深刻度についての質問では、「大変深刻」、もしくは「深刻でこのままでは経営に支障が出る状況」との回答が実に3割強も集まりました。

人手不足の深刻度

「重要な問題」との回答も合わせると、69.2%もの企業は人手不足を問題視しています。

このように多くの企業が人手不足を抱えている状態では、採用活動をしても順調に人が集まるとは限りません。現状では足りている場合にも、将来的に不足する見通しであれば早めのアクションも検討しましょう。

3.自店舗の抱える課題を解消するため

社内の成長を止めているボトルネックに対処するには、今いる従業員を育成するよりもスペシャリストを採用したほうが早期解決できるケースもあります。自店舗が抱える課題の解決策を考える際、選択肢のひとつに採用も含めてみましょう。

例えば、マネジメント力の強化や経理関係の書類を作成する担当者の増員などが挙げられます。また、株式上場のための準備なども法律や法令が関わるため専門家に任せることが多いです。

こういった専門性の高い業務を効率的に進めるためには、それを得意とするスペシャリストを採用するとよいでしょう。

ただし、長期的な取り組みの場合はコスト面で採用よりも人材育成が良いケースもあります。課題解決のための採用の場合、期間とコストも視野に入れて検討しましょう。

4.新しい事業や出店を進めるため

企業を成長させるのに、新規出店や新規事業は欠かせません。現在の状況を維持しながら新しいことを始めるためには、採用は必須です。

新しい事業や出店のための採用を進めるときには、まずは必要なポジションを考えましょう。次に当てはまるポジションに合わせて新規採用か現職場からの異動かを考えます。

特に責任者にはリーダーとしての総合的なマネジメント力が求められます。また、立ち上げ当初はコミュニケーションを綿密に取る場面が多いため、なるべく関係性が構築された従業員を起用することが望ましいです。

そのため新しい取り組みを想定して採用する場合、抜けた人員を埋めることを目的とした採用と、新規店舗の目標達成を目的とした人事・採用を考えて検討するとよいでしょう。

5.先の未来のリーダー・責任者候補を育てるため

多くの企業が次世代のリーダーや責任者候補の育成に関して課題を抱えています。株式会社リクルートの行った人材マネジメントについての調査では、人事の課題と感じているものについて、多くの企業が「次世代リーダーの育成」と回答しています。

現在人事課題と感じているもの

リーダー育成に付随して、「管理職のマネジメントスキル向上」や「中途採用の強化」についての回答も高い比率を占めました。

リーダーに必要な要素は、通常の従業員とは異なる部分も多くあります。ある程度の社会人経験があり、リーダーとしての素養がある従業員を新規で採用したほうがうまくいくこともあるかもしれません。

採用の種類と特徴

「採用する」とひと言で言っても、採用の種類にはさまざまなものがあります。目的に合わせた採用を行うには、それぞれの特徴を理解して判断しなければなりません。

ここからは、店舗責任者や経営者の方が参考になるように、正規雇用以外にも採用の種類を網羅的に説明します。内容をまとめると以下の通りです。

種類

特徴・概要

メリット

デメリット

新卒採用

学校卒業者を採用する

  • 伸びしろが多い
  • 自社に馴染みやすい
  • 育成期間が必要

中途採用

新卒以外の年齢を採用する

  • 即戦力人材の確保
  • 育成時間の短縮
  • 自社のやり方に馴染めないリスクがある

派遣・契約社員採用

有期雇用の社員採用

  • 人員調整がしやすい
  • 人員確保が迅速にできる
  • 成長を期待するのが難しい
  • 責任ある立場は任せにくい

アルバイト・パート採用

学生や主婦、フリーターを採用

  • 正社員よりも低コスト
  • 時給換算なのでコスト調整がしやすい
  • 任せられる仕事が限定される
  • 管理系の仕事は基本的にできない

業務委託採用

契約内容に基づいて一定期間だけの業務依頼をする

  • 即戦力人材がピンポイントで雇用できる
  • 人員調整がしやすい
  • 自社の従業員が育たず、ノウハウも蓄積できない
  • 契約に慎重さが必要

外国人採用

訪日外国人を採用

  • グローバル展開に大きく貢献
  • 外国人観光客を誘致しやすくなる
  • 働く条件、職種が定められている
  • 文化の違いに馴染むのに時間が掛かるケース有

障がい者採用

障がい者認定された人を採用

  • 助成金制度がある
  • 得意な業務によっては優れた一面がある可能性有
  • 健常者よりもしっかりとしたコミュニケーションやフォローが必要

高卒採用

高卒人材を採用

  • 意欲が高い傾向
  • 育成期間を長く確保できる
  • 離職リスクが高い
  • 採用のためのルールが多い

高齢者採用

60歳以上の高齢者を採用・再雇用

  • 助成金制度がある
  • 体力面や仕事内容に配慮が必要

詳しくはこの後から説明します。

新卒採用

新卒採用では、大学や専門学校といった学校を卒業してはじめて社会人になる学生を対象として採用活動を行います。

社会人経験やスキルがなく、入社後に育成する必要のある学生を採用する点が特徴です。そのためある程度軌道に乗っており、育成ができる環境が整っている中小企業や大企業が行う採用方法として有効です。

新卒採用のメリットは、伸びしろのある人員を確保できることです。社会人経験が少ない分、自社の経営方針や社風にも馴染みやすいでしょう。

デメリットは、独り立ちするまでは育成担当が必要となることです。基本的には、育てている期間は業務を一人では任せられません。また育成や研修制度が構築されていなければ、退職するリスクも高くなります。

中途採用

中途採用は、新卒以外を対象に採用活動を行います。転職して次の職場を探す人も多く、新卒採用に比べるとある程度の社会人経験を積んでいることも多々あります。

昨今では、中途採用の一種でキャリア採用という種類も注目されています。キャリア採用は、中途採用よりもより専門性の高い人材確保を目的としたものです。プログラマーやエンジニアなど、専門性がカギとなる職種でよく取り入れられます。

中途採用のメリットは、育成時間を短縮できることです。社会常識などの基本知識を教育する時間も減らせるうえ、同業種を経験している人材であれば自社ならではのやり方を伝えるのみで即戦力となる可能性を秘めています。

デメリットは、自分の考えややり方に固執する危険性がある点です。前職での経験がプラスに働かない場合もあり、「前はこれでうまくいったから」など、経験を元に新しい考えや方針をスムーズに受け入れられないこともあります。

派遣・契約社員採用

派遣・契約社員は、正社員とは異なり、期間満了とともに契約を終了できる点が特徴です。また同じ職場で継続して働ける期間は、どちらも3年までです。

派遣社員は、正規雇用よりも自由な時間や条件で働きやすく、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。そのため結婚・出産や介護をしている人が選択することの多い働き方です。

厚生労働省の派遣労働者の調査によると、採用するコストや時間が正規雇用よりも短くなるため、欠員補充や一時的な業務量の変化に合わせて採用することが多いとの回答でした。

派遣労働者を就業させる理由

契約社員採用は、正社員雇用の前に試用期間として行うことも多いです。

とはいえ、期間が限定される点はデメリットでもあり、責任ある仕事や立場はあまり任せられません。

また、昨今政府は、雇用期間の定めのない「短時間正社員制度」の導入も推進しています。働き方改革の推進や共働き世帯の増加もともない、正規雇用がフルタイムで働くという常識があてはまらない時代になってきているといえるでしょう。

アルバイト・パート採用

アルバイト・パート採用は、主に小売店やサービス業などの現場で取り入れられる採用方法です。両者に法的な違いはありませんが、世間的なイメージではアルバイトは学生や若いフリーターが働く場合を指し、パートは主婦(主夫)が行う短時間労働を指す言葉として使われます。

アルバイト・パート採用のメリットは、正社員雇用よりもコストを安くできることです。時給換算で労働してもらえるので、コスト調整もしやすくなります。

デメリットは、任せられる業務が限定的である点です。業務内容の範囲に定めはないため現場の方針にもよりますが、責任の伴う金銭や雇用についての管理は原則的に正社員の業務です。

またアルバイトの場合、役目を任せたとしても学生などは卒業とともに退職します。安定的な運営が難しくなるでしょう。

業務委託採用

業務委託採用は、副業やフリーランスの広がりとともに増えている採用方法です。キャリア採用に似ていますが、より短時間で即戦力となる人材をピンポイントで採用できます。

委託方法は成果物の納品で報酬が発生する請負契約型、委任された業務を実施することで報酬が発生する委任契約型の2つです。クオリティの高い納品物が必要なら請負契約型、継続したサポートをしてもらうなら委任契約型というように使い分けるのが一般的です。

必要な時にスポットで依頼できるため、業務の内容に合わせた人員調整もできます。

ただしデメリットは、自社の従業員が育たない点や、ノウハウが蓄積できない点です。また成果物に関する認識に齟齬があるとトラブルの原因になることもあり、契約時には成果物の定義や納品方法、納期などが明記された契約書の作成が重要となるでしょう。

外国人採用

外国人採用は、グローバル展開を目指す企業や、訪日外国人の利用者数増加を目指す店舗などが積極的に導入する傾向のある方法です。外国人採用をするときには、出入国管理及び難民認定法で定められている在留資格の範囲を守らなくてはなりません。就労が認められるのは、以下の通りとされています。

外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習、特定活動(ワーキングホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士、ポイント制等)

引用:厚生労働省「在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格18種類

留学生や滞在中の外国人がアルバイトなどで働く場合、入国管理局から資格外活動の許可が必要です。許可がある場合にも1週28時間まで、夏休み期間でも1日8時間までと就労時間にも決まりがあります。

外国人採用をする際には、国ごとの文化の違いにも留意しておかなければうまくいきません。言語だけでなく日本の文化やマナーもしっかりと伝えることで、顧客満足度を下げずに対応できるようになるでしょう。

障がい者採用

厚生労働省によると障がい者雇用は、従業員40人以上を雇用している事業所では1人の採用が義務となっています。民間企業での法定雇用率は障害者雇用促進法によって定められており、2.5%を遵守しなければなりません。

障がい者とは、以下の定義にあてはまる人のことです。

《「障害者」の範囲》

障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としています(短時間労働者は原則0.5人カウント)。

ただし、障害者雇用に関する助成金については、手帳を持たない統合失調症、そううつ病(そう病、うつ病を含む)、てんかんの方も対象となり、またハローワークや地域障害者職業センターなどによる支援においては、「心身の障害があるために長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な方」が対象となります。

引用:厚生労働省「障害者雇用のルール

障がい者雇用において、差別は禁じられています。また障がいの特性にも配慮した職場づくりも求められます。

障がい者採用では、通常の健常者よりも多くのコミュニケーションが重要です。得意としていることを任せれば、健常者以上の結果が期待できることも少なくはありません。

できること、できないことを確認し、負担に感じないような業務内容を明確にしたうえで業務を遂行してもらうようにしましょう。

高卒採用

高卒採用は、人手不足の現在注目されている採用方法です。新卒採用の一種ですが、大学よりもさらに早く採用することで教育時間をより一層確保できます。

大学や専門学校などの知識は不要なものの専門性の高い仕事に従事する人材や、専門学科で学んだ人材を確保したい場合には、特におすすめの方法です。

高卒採用した従業員は意欲が高い傾向であるうえ、初任給も大学に比べて低く設定されることからコストを抑えることもできます。

ただし、大学卒よりも高い離職率であることも忘れてはいけません。以下は厚生労働省の新規学卒者の離職状況です。大学卒の比率よりも高校卒のほうが高くなっています。

新規学卒者の離職率

より手厚く教育環境を整えなければ定着してもらうことは難しいことも覚えておきましょう。

高卒採用については、厳守しなければならないルールも数多くあります。詳しくはこちらの記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

高齢者採用

少子高齢化が加速している日本において、高齢者の働き方も広がっています。厚生労働省でも各種助成金制度を制定するなどからも、その力の入り方は伝わるでしょう。

助成金制度のなかでも「65歳超雇用推進助成金」は、以下3つのコースで推進活動をした事業主に対して助成金が支払われる制度です。

  1. 65歳超継続雇用促進コース:定年引上げ、定年廃止、66歳以上の継続雇用制度の導入
  2. 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース:雇用管理制度の整備等に関わる措置を実施
  3. 高年齢者無期雇用転換コース:50歳以上かつ低年齢未満の有期契約を無期契約に転換

参考:厚生労働省「65歳超雇用推進助成金の概要

高齢者でも働く意欲のある人は多くいます。事実、内閣府の高齢者社会白書での「何歳ごろまで収入を伴う仕事がしたいか」の結果では、60歳以上の人は9割近く働く意欲があるとの回答でした。

何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか

高齢者採用では、雇用に伴うルールの厳守や体力や仕事内容など、一層の配慮が必要となります。しかし人手不足の企業を救う一手となるかもしれません。

採用に活用される主な手法

採用したい人材に合わせて、取れる手法も多種多様です。ここからは代表的な採用手法について、説明します。

なお、こちらの記事では人材募集の手法についてより網羅的に解説しているので、より詳しく知りたい方はあわせて参考にしてください。

ハローワーク

ハローワークは、無料で行える採用手法です。知名度も高く、一度は利用を検討した経営者も多いのではないでしょうか。

はじめての利用の際は、事業所情報登録も必要です。管轄地域が決まっているため、掲載依頼は事業所を管轄しているハローワークかインターネットから行います。ただしインターネットからの登録は、事業所登録完了後ではないとできません。

ハローワークの大きな魅力は、費用の安さです。求人票の掲載に費用は発生しません。しかし、ミスマッチの多さが懸念されます。専門性・技術性が求められる職業の場合、能力不足と感じる人材が集まってしまうかもしれません。

ハローワークで求人を掲載する方法については、次の記事を参考にしてください。

就職・転職サイト

就職・転職サイトは、インターネットを通じて求人募集を行う採用手法です。就職・転職サイトには、さまざまな種類があります。

ハローワークよりも多くの人に利用されており、多くの応募者数も期待できます。料金体系は掲載課金型と成果報酬型の2つです。

費用面で不安がある場合、成果報酬型を選択すれば費用に見合った成果を得られるでしょう。ただし、成果報酬型は掲載課金型よりも割高な傾向のため、利用する前にはその点も踏まえて慎重に検討する必要があります。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業やエージェントが求職者に対して直接働きかける採用手法です。ダイレクトリクルーティングは、個人の能力を確認してから採用活動をすることで、ピンポイントに優秀な人材を集めやすくなります。

そのため、リーダー候補や即戦力人材の採用と相性が良い採用手法として有名です。

似た手法にスカウト採用がありますが、送信する規模感が異なります。ダイレクトリクルーティングは求職者個人へ送信する一方、スカウト採用は条件に合う求職者全体が対象です。

ダイレクトリクルーティングは比較的費用も抑えやすい反面、候補者の選定に時間がかかってしまったりスカウトメールの作成に手間がかかったりといったデメリットもあります。人材が必要になるまでの期間なども考慮して取り入れましょう。

リファラル・縁故採用

リファラル採用とは、自社の社員から友人・知人を紹介してもらう採用手法のことです。縁故採用と似ていますが、リファラル採用は正式な選考フローをはさみます。

どちらにも共通しているメリットは、採用コストが発生しない点と、紹介者によって会社の雰囲気や文化が伝わっているためにミスマッチが起こりにくい点です。

ただし、紹介できるような人材が現れなければ成立せず、採用までが長期化する傾向にあります。また、紹介できる人材=どこの会社からも魅力的な人材であることが多く、人材がいたとしてもうまく進まないことも起こりうるでしょう。

合同企業説明会

複数の会社が集まって説明会を行う採用手法が合同企業説明会です。コロナ禍の影響もあり、昨今ではWebやオンラインで開催することも増えています。Webで開催する場合、参加者を集めやすく、会場の準備にかかる費用を抑えられることが魅力です。

合同説明会には多くの企業が参加するので、ネームバリューのある大企業・有名企業に参加者が集中する傾向があります。とはいえ、他社目当ての参加者が思わぬきっかけで自社に注目することもあり、アピールの仕方さえ工夫すれば活路が見いだせるかもしれません。

自社サイト・SNS

自社の公式サイトで求人ページを設けたり、SNSを活用したりする採用活動はICT導入の促進に伴って、昨今注目されている採用手法です。

特にSNSを活用したソーシャルリクルーティングは、SNSに馴染みの深い20〜30代の若い世代の募集に取り入れられています。LINEやX(旧Twitter)など、ブランディングしたい内容に合わせて効果的なものを活用してみるとよいでしょう。

SNSでの求人活動は、ビジネスプランなどの導入をしない限り費用が必要ありません。自社HPをすでに持っている場合も同様です。

デメリットとしては、作成の手間がかかる点が挙げられます。閲覧数やフォロワー数に依存するため、日ごろからの更新や運用によって成果に大きな差が出るでしょう。

アルムナイ採用

アルムナイ採用とは、何かしらの理由で自社を一度退職した従業員を再度雇用する採用手法です。退職者からの希望や、在籍している従業員の紹介など、きっかけはさまざまにあります。

株式会社プロフェッショナルバンクの再雇用をしたことがあるかのアンケートでは、67%もの企業が再雇用したことがあると回答しています。

同アンケートでは、再雇用してよかった点として、即戦力としての活躍や、採用・教育コストを抑えられた点が挙げられました。

再雇用良かった点

しかし、アルムナイ採用には在職者の退職ハードルを下げたり、人事や給与面での調整の手間が必要になったりするデメリットもあります。

導入するには、しっかりとした話し合いができる環境作りや、従業員との信頼関係がある程度成り立っているかなどを確認してから行いましょう。

【ポイント付き】採用を成功させるための3ステップ

ここまでの内容を踏まえて、自社が採用活動を成功させるために踏むべき3つのステップについて解説します。

採用の目的がどんなものでも該当する項目になるので、情報をまとめて自社が動き出すときの参考にしてください。

ステップ1.自社を分析して求める人材を定める

自社が抱えている課題は何か、解決するためにはどんな人材が欲しいかを考えましょう。そのとき、具体的にどのような業務・仕事内容を任せるかを軸にすると、採用後の失敗が減らせます。

以下は具体的な例です。

美容室において1店舗目が順調に進んでおり新規出店を目指したい場合

  • スタッフ→「経験3年以上」や「アシスタント経験済」などの要件を定義。営業時間中の売上目標から逆算して、休憩時間や1人の労働時間を加味した必要な人数を算出する。
  • リーダー→「経験年数10年以上」、「店舗運営経験あり」、「技術面が優れておりスタッフ育成も担当できる」など、行う業務をイメージして要件を決める。

このとき、「妥協できる点」も考えておくと募集段階で調整がしやすくなります。既存の職場であれば、すでに働いているメンバーとのバランスも踏まえて検討しましょう。

ステップ2.いつまでに何人を採用するのか決める

次に、その人材はいつまでに揃っているのが理想的かも考えておくと、予算や手法を考えるヒントになります。

例えば最初のステップのような例であれば、店舗がオープンするタイミングから逆算していきます。考えるときには、教育する時間、準備などの時間を含めましょう。

人数を考える際には、採用後のトラブルやスタッフの希望にも対処できるよう、必要人数よりも余裕を持って採用できると理想的です。

ステップ3.ターゲットに合わせて手法を選ぶ

ターゲットに合わせて採用手法を決定します。長期的な取り組みができるのか、短期的に決着しないといけないのかによっても適した採用手法は異なります。

紹介している採用手法以外にも行える手法はさまざまです。特徴とメリット・デメリットがそれぞれにあるため、予算と期間に合わせて自社にあったものを選択してみてください。

今回の例のような、特に技術職や専門職の募集には特化型の求人サイトがおすすめです。欲しい人物像に合わせて、アピールしたい内容をしっかりと記載できる媒体を探してみましょう。

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まとめ

採用とは、自社の運営において適切な人物を取り上げて選ぶことです。この記事では、ほかにも以下のことを説明しました。

  • 採用をする5つの目的
  • 採用の種類とそれぞれの特徴、メリット・デメリットや注意点
  • 採用の主な手法と成功させるポイント

人手不足を解消するのに、採用は欠かすことのできないプロセスです。費用や期間によって適している手法は異なります。しかし課題を解決するための答えではなく、ひとつの手段ともいえます。

この記事を参考にして、採用について今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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Bizリジョブ編集部
Bizリジョブ編集部では、人材・採用、店舗運営、経営、美容・ヘルスケア業界などで経験があるメンバーで構成されています。 美容・ヘルスケア業界の経営者・オーナー様にとって、リジョブだからこそ集められる価値ある情報をわかりやすくお届けします。