【どの求人媒体を選ぶべき?】中途採用に繋がった課題別で利用すべき求人媒体・特徴・選び方について解説!
中途採用で人材を獲得するためには、求人媒体の利用が欠かせません。
しかし、SNSやダイレクトリクルーティングなど、新たな採用手法や求人媒体がでてきています。どの方法で採用活動をすればよいのかわからず、以下のような悩みを抱えている人がいるかもしれません。
「求人媒体について把握したい」
「求人媒体の選び方を知りたい」
「求人媒体の利用方法を知りたい」
この記事では求人媒体の概要や、実際に中途採用につながった求人媒体を紹介するとともに、課題や目的別のおすすめ求人媒体や求人媒体を選ぶポイント、求人媒体の利用方法について解説します。
求人媒体とは?
求人媒体とは、企業の求人情報を掲載し、求職者からの応募を集める媒体です。「人材を募集する企業」と「就職先を探す求職者」をつなぐ役割を果たしています。「媒体 = メディア」というイメージから、Web求人サイトをイメージされるかもしれませんが、紙媒体の求人広告、ハローワークも求人媒体に含まれます。
中途採用につながった求人媒体ランキング
ここでは、 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 をもとに、中途採用につながった数の求人媒体ランキングを紹介します。ただし、日本の約94%の企業は、従業員数50名以下です。そのため本ランキングでは、50名以下の企業で中途採用につながった求人媒体のランキングを紹介します。
50名以下の企業で、中途採用につながったサービスのランキングは以下のとおりです。
この中で求人媒体といえるのは、上のグラフでピンクで示した7つです。
- ハローワーク
- 転職(求人)サイト
- 求人検索エンジン
- ダイレクトリクルーティング
- 紙媒体(有料求人情報誌・フリーペーパー・折込求人紙)
有料求人情報誌・フリーペーパー・折込求人紙を「紙媒体」にまとめたうえで、採用につながった各求人媒体について紹介します。
1. ハローワーク(公共職業安定所)
(図)
ハローワークは、厚生労働省が運営する総合的雇用サービス機関のことで、正式名称は「公共職業安定所」です。求人情報の提供と職業相談サービスを無料で提供しており、事業主であれば無料で求人を出せます。
求人情報は、ハローワークの専用端末のほか、Web上でも閲覧可能です。地域での採用に効果があることや、採用にかかる外部コストを抑えられる反面、求人票の作成や応募者対応は自社で行う必要があるため、内部コストはかかります。
また、 厚生労働省の一般職業紹介状況(職業安定業務統計) によると、ハローワークの利用者年齢層は約63%が40歳以上で、29歳以下の利用者は約18%でした。30代の利用者数は約18%となっており、即戦力で市場価値が高い人材は、ハローワークを利用していない傾向がみてとれます。採用ターゲットによっては、採用につながらない可能性が高いことを理解しましょう。
2. 求人サイト(求人広告)
求人サイトは、Web上に企業の求人情報を掲載し、転職希望者から応募を集める媒体です。 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 でも、平均採用人数が一番多い媒体であり、安定して応募者を集められます。
求人サイトには、総合型と特化型が存在します。総合型とは、幅広い業種や職種の求人を取り扱っている求人サイトです。対して、特化型は、ITや医療などの特定分野や地域に特化しています。
求人サイトのメリットとして、求人数の多さと掲載内容の情報量が多いことが挙げられます。自社の様子も発信できるため、求職者に社内の雰囲気を伝えることも可能です。
以下は情報量が豊富な求人サイトの特徴を使った採用成功事例です。
中途人材は就業経験を活かすため職種を重視する傾向があるので、それぞれの 職種に応 じてターゲットを絞ったアプローチ をすべき、というアドバイスを受けて、職種ごとに内容の 違う 2 つの広告を掲載しました。 写真付きの社員インタビュー記事 を掲載した結果、自社のことをわかりやすく伝えられるだけ でなく、広告の見た目が華やか になりました。 引用:経済産業省 民間求人サイト活用事例集 株式会社協同工芸社 |
ネイル業界での採用成功事例では、業界専門求人サイトであるリジョブを利用し求職者とのミスマッチを防いでいます。
検索をかけたときに上位表示されるので多くの求職者の方の目にとまりますし、求人内容の情報も量が多く掲載できるので、求職者の方と弊社のミスマッチを防ぐこともできるのがリジョブさんを選んでいるポイントです。 引用:リジョブアワード2023 株式会社Future Creations |
マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 では、50名以下の企業において、求人サイトの利用率は有料手法の中で1位でした。採用に投資をするのであれば、まずは求人サイトの利用を検討するとよいでしょう。
3. 求人検索エンジン
求人検索エンジンは、さまざまな求人サイトに掲載されている求人情報を検索できるサービスです。代表的な求人検索エンジンとして、Indeedや求人ボックス、スタンバイが挙げられます。求人サイトに掲載すると、自動的に求人検索エンジンにも掲載されるサービスがあります。
ただし、求人サイトとは異なり、求職者が細かい条件で探しにくく、ターゲットを限定できません。そのため、ターゲットとは異なる人材から応募が来る可能性もあります。また、求人検索エンジンの多くはクリック型課金となっているため、応募につながらなくても費用が発生する恐れがあります。
4. ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、求職者に対し直接アプローチをかける採用手法です。一般的には企業が収集した人材データベースやSNSを活用し、自社の求める人物像とマッチする人材を検索して企業から直接アプローチします。ただし、求人サイトのオプションとしてスカウトサービスという形でこの機能が付帯している場合もあります。
企業側からすると、自社の求める人物像に近い人材にアプローチをかけることにより、採用率が高まるのがメリットです。求職者にとっても「自分が企業から求められている」ことを実感できるため、応募に踏み出しやすくなります。
転職意思が高くない人でも、自分の市場価値を確認できたり、スカウトがあったことにより転職を考えるきっかけになったりするケースもあるようです。
マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 でも、利用後の満足度が高い結果となっており、募集を待つ「守り」の採用方法ではなく「攻めの採用方法」として、近年の採用方法のトレンドとなっています。
5. 紙媒体
紙媒体は、情報誌やチラシに求人情報を掲載し応募がくるのを待つ方法で、主に以下のものが挙げられます。
- 無料求人情報誌(フリーペーパー)の発行
- 有料求人情報誌の発行
- 新聞の折り込み広告
- 新聞への求人広告の掲載(新聞広告の代理店業務)
地域の人材の採用に向いているものの、紙媒体自体を手に取らなければ求人情報を確認できません。求職者の目にとまりにくいことはデメリットといえるでしょう。 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 でも、利用後の満足度は16の採用手法の中で最も低い結果となっており、下降気味の採用手法かもしれません。
中途採用につながった求人媒体以外の手法
求人媒体以外で採用につながったサービスとして挙げられるのは、以下の4つです。
- 人材紹介会社
- 自社サイト
- SNS
- 人材派遣・紹介予定派遣
ここでは、各手法について解説します。
1. 人材紹介会社
人材紹介会社は、企業と転職希望者とのマッチングから、雇用契約成立までを仲介するサービスです。採用活動にかかわる業務を人材紹介会社が代行するため、採用活動における自社の工数を削減できます。非公開で採用活動を行えることや、人材紹介会社が抱える人材によってはマッチング率が高い場合があることもメリットです。
ただし、採用ノウハウが自社に蓄積されないことや、採用にかかるコストが高くなることはデメリットといえます。
2. 自社サイト
自社サイトは、自社のホームページで採用ページを作成し、募集する方法です。 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 によると、50名以下の企業での利用率はハローワークに次ぐ4位となっており、多くの企業で採用されている採用方法であることがわかります。
自由に求人広告を作成できる反面、ホームページも自社で作成する必要があるため、工数がかかります。また、求人サイトや求人検索エンジンと比べると集客力がないため、求職者の目にとまりにくいこともデメリットです。
3. SNS
SNSは、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを使って採用活動をする手法です。20代は検索エンジンよりもSNSで情報収集することが当たり前になっています。友人とのコミュニケーションもSNSがメインとなっており、美容学生であれば、特にInstagramを利用している人が多いようです。
Instagramで採用活動をするのであれば、以下のように求人情報だけでなく、理念や教育方法を伝えることにより差別化につながります。無料体験サービスを提供するのもよいでしょう。動画を使って雰囲気を伝えるのも有効です。
マイナビの調査では、SNSで採用活動を実施している企業数自体は少ないものの、前年比満足度は他の手法と比べても高くなっています。今後、利用数が増加する見込みがある採用方法といえるでしょう。
4. 人材派遣・紹介予定派遣
人材派遣や紹介予定派遣は、企業と求職者との間に派遣会社が入り、派遣会社と企業が派遣契約を締結することにより人材を確保する方法です。労働者は派遣会社と雇用契約を締結しているため、社会保険や福利厚生は派遣会社が負担します。
緊急で人員補充が必要な場合に早く対応できるメリットがある反面、派遣手数料がかかってくるため、直接雇用よりも人件費が高くなることはデメリットです。
課題・目的別のおすすめ求人媒体
おすすめの求人媒体は、課題や目的別によって異なります。そのため、自社がどのような人材を採用したいのか、どのように採用したいのかを整理したうえで求人媒体を検討することが大切です。ここでは、課題や目的別の求人媒体について解説します。
具体的なサービスを比較したい場合は、以下の記事を参照してみてください。
経験者・即戦力採用がしたい
マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 によると、中途採用における経験者の選考基準のうち、厳しくした項目の上位3つは以下の項目でした。
- 職務経験 38.2%
- 仕事に対する考え方 37.5%
- コミュニケーション力 37.3%
そのため、経験者や即戦力の人材を採用したいのであれば、詳細な職務経歴を確認できたり、選考フローを長く自由にとれたりする手法がよいでしょう。求職者DBの情報が充実しているサイトや、スカウト機能がある求人サイトが該当します。目利きの評判がよい人材紹介会社を利用するのもひとつです。
職務経歴を重視するため、採用したい職種が特定の専門分野であれば、その職種に特化した求人サイトもおすすめです。
意欲やポテンシャルが高い人を採用したい
意欲やポテンシャルが高い人を採用したいのであれば、若手の採用に強い媒体がよいでしょう。 厚生労働省の調査 によると、20代の転職活動で最も利用されている媒体は、求人サイトや求人情報誌であることが明らかになりました。
新卒採用の場合は、新卒採用専門の求人サイトの利用も検討しましょう。 (株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー 美容就業実態調査2023 によると、美容師のような専門職の新卒採用の場合は、専門学校経由での採用もあることがわかります。
また、 厚生労働省の調査 によると、20-24歳の離職理由の上位に以下の理由が挙げられ、他の世代と比較しかなり高い割合となっています。
- 人間関係がうまくいかなかった 38.4%
- いろいろな会社で経験を積みたい 27.6%
意欲のある若手人材を狙うのであれば、組織文化や成長機会を求人広告でアピールするとともに、選考時に求める条件を聞き出すことが大切です。
中小企業・個人店舗で採用したい
中小企業や個人店舗での採用は、従業員規模の小さい企業の採用手法が参考にできます。前述したように、 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 では、50名以下の企業で、中途採用につながった求人媒体の上位3つは以下のとおりでした。
- ハローワーク:24.3%
- 転職サイト:17.6%
- 求人検索エンジン:15.4%
求人広告の出稿媒体を決める要因 をみてみると、価格・費用が1位となっており、50名以上の規模の会社が重視する割合は50-60%代なのに対し50名以下の企業は75%が重視する結果となりました。コストを重視するため、アフターフォローを重視する割合が他の企業規模の会社に比べて低く、自社の努力次第で採用できる媒体を選んでいることも読み取れます。
そのため、中小企業や個人店舗で採用したいのであれば、ブランドや知名度は低くても、採用実績のある媒体を選ぶとよいでしょう。
コストパフォーマンスを重視したい
コストパフォーマンスを重視したい場合の採用方法は、採用方法ごとの一人当たりの採用費(採用実績÷採用費用)から考えるとよいでしょう。 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 によると、2022年の費用が発生する求人方法での、採用費用実績の平均と採用人数の平均から、一人当たりの採用費は以下のとおりでした。
採用費 実績 |
採用人数 |
一人当たりの採用費 |
|
---|---|---|---|
人材紹介 |
340.7万円 |
4.1人 |
83万円/1人 |
求人広告 |
117.9万円 |
4.4人 |
27万円/1人 |
ダイレクトリクルーティング |
150.2万円 |
2.7 |
55万/1人 |
求人検索エンジン |
113.1万円 |
1.9人 |
60万/1人 |
この結果から、コストパフォーマンスを重視したいのであれば、求人広告を利用するとよいことがわかります。ただし、 厚生労働省の調査 によるとインターネットの求人情報まとめサイトでの一人当たりの採用費は6.4万円となっています。厚生労働省の調査は50名以下の企業が多く、使い方によって費用変動の大きい媒体であることが予想されます。
具体的なサービスの費用を確認したい場合は、以下の記事を参照してみてください。
無料で求人広告を出したい
採用にかける予算が少なく、無料で求人広告を出したいのであれば、以下の媒体を利用するとよいでしょう。
- ハローワーク
- SNS
- 自社サイト
自社で採用ページを作成する場合、 engage のような採用ページ作成サービスを利用するのもひとつです。ただし、無料で求人広告を出す場合は、広告の作成や運用に工数がかかります。露出が少ないため、応募数が少なくなる可能性も考えられます。
無料で求人広告を出すのであれば、デメリットを理解したうえで利用しましょう。
相性がよい・マッチング率が高い人を採用したい
マッチング率を求める場合に向いている採用方法は、求人媒体の利用社数や採用につながった社数から割り出せます。各媒体における、利用から採用につながった社数割合や、応募から採用につながった社数割合は以下のとおりです。
利用率 |
応募に至った率 |
内定に至った率 |
採用に至った率 |
利用からの採用率 |
応募からの採用率 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
転職サイト |
36.9 |
25.1 |
19.5 |
17.6 |
47.7% |
70.12% |
人材紹介 |
28.9 |
14.6 |
10.1 |
9.7 |
33.56% |
66.44% |
ハローワーク |
56.1 |
35.2 |
26.6 |
24.3 |
43.32% |
69.03% |
求人検索エンジン |
36.2 |
23.6 |
17.2 |
15.4 |
42.54% |
65.25% |
ダイレクトリクルーティング |
13.3 |
6 |
3.7 |
3 |
22.56% |
50.00% |
SNS |
11.3 |
3.4 |
2.2 |
1.9 |
16.81% |
55.88% |
自社HP |
38.9 |
15.7 |
9.7 |
9.7 |
24.94% |
61.78% |
この結果から、転職サイトのマッチング率が高いことがわかります。SNSや自社HPは、無料で利用できるため、利用から採用に至る率が低くなることは予想できます。SNSや自社HPは、自社が求める人材を獲得できる媒体であると考えている人が多いかもしれません。
しかし、たとえ採用率が低い媒体でも、応募者が多い媒体のほうが求める人材を採用できている結果となっていることは、意外な結果といえるのではないでしょうか。
スピード重視で採用したい
スピード勝負で採用したい場合は、利用しやすい手法から優先的に選ぶ必要があります。 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 によると、中途採用で応募者がでたサービスや採用につながったサービスの上位3つは以下のとおりでした。
- 転職サイト:39.9%
- 人材紹介会社:34.1%
- 求人検索エンジン:33.2%
厚生労働省の調査 によると、人材紹介を利用した理由で「迅速に人材を採用できる」が37%と他の手法より高い結果となりました。ただし、人材紹介の費用は他の手法よりも高く、すぐに予算を確保できない場合は利用できません。
転職サイトであれば、応募を待つ手法のため、人材紹介よりも求職者を確保できるスピードは落ちるものの、採用率や採用成功率は高くなっています。スカウトサービスがあるサイトもあり、求職者に対してアプローチもかけられるため、コストパフォーマンスを考えると、転職サイトのほうが利があるといえるでしょう。
また、転職サイトには、上位表示するプランを選べるサービスがあります。スピーディーに多くの求職者と出会いやすくするためには、プランのグレードを上げたり、仲介サービスを利用したりといったコストをかけることが重要です。
採用成功のための求人媒体を選ぶポイント
採用成功につなげるためには、自社の採用活動における問題や課題を把握し、対策を講じることが大切です。 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 によると、3〜50名規模の企業が「中途採用活動で厳しかったこと」として挙げた理由は、以下のとおりでした。
- 求職者の質が低かった:62%
- 母集団が確保できなかった:27%
- マンパワーが不足していた:18%
- 採用費用を削減した:18%
- 辞退が増加した:6.2%
上位2つは採用活動の効果が不足していたことを指しており、3・4位は費用及び人的工数のコストが不足していたことを指しています。そのため、少ないコストで質の高い人材確保につなげられるかどうかが求人広告を選ぶポイントといえます。
そのためには、以下のことを確認したうえで求人媒体を利用することが大切です。
- 採用ターゲットが多い
- 自社の求人が届きやすい機能や内容がある
- 運用工数が適切・採用努力がしやすい
- 相場にあった採用費用を投資する
ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
採用ターゲットが多い
どれだけコストをかけたとしても、自社の採用ターゲットが少ない媒体では、求める人材と出会えません。採用活動を成功させるためには、自社の採用ターゲットが多い求人媒体を利用することがポイントです。
採用ターゲットが多い媒体を探す方法として、採用ターゲットになったつもりで、転職サイトを探してみるのもよいでしょう。例えば、美容師を採用するのであれば、ホットペッパービューティーアカデミーの美容就業実態調査も参考になります。
(株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー 美容就業実態調査2023 によると、ヘア関連の求職者が利用している仕事の探し方の上位5つは、以下のとおりでした。
- ハローワーク:31.6%
- 親や知人からの紹介:30.6%
- 美容サロン検索サイト:25.0%
- 美容系専門の求人サイト:24.1%
- 以前働いていた店からの紹介:19.0%
この調査結果から、美容師の求人媒体には専門性が求められていることがわかります。コストをかけるのであれば、美容サロン検索サイトや、美容系専門の求人サイトの利用を検討するとよいでしょう。
自社の求人が届きやすい機能や内容がある
採用ターゲットが多い媒体を利用しても、自社の求人広告がターゲットの目に入らなければ、採用活動は成功しません。他の求人広告に埋もれず、自社の求人広告が検索される媒体を選ぶことが大切です。
例えば、以下の機能があるかを確認するとよいでしょう。
- 細かい検索条件を選択できる
- 掲載できる内容が充実している
- スカウト機能がある
細かい検索条件を選択できれば、マッチ率が高い人材に検索してもらえます。掲載できる内容が充実していれば、自社の魅力も伝えやすいでしょう。スカウト機能があれば、採用ターゲットに近い人材に対して直接アプローチをかけられます。
以下の美容・ヘルスケア業界の事例では、スカウト機能の活用により採用ターゲットに近い人材に直接アプローチし、2022年には197名のスタッフ採用に成功しました。
スカウトなどの機能を使い、こちらからダイレクトにほしい人材にアプローチしています。ひと昔前までは紙媒体やホームページなど、基本的にこちらが掲載して応募者からのアプローチを待つ形だったので、ダイレクトにやりとりができるのはありがたいですね。
引用:モアリジョブ 株式会社Createur
運用工数が適切・採用努力がしやすい
運用工数が適切で、採用努力がしやすいこともポイントです。採用予算が少なく、コストをかけられないのであれば、スカウトや求人広告の充実といった自社努力が欠かせません。ただし、自社努力には工数やノウハウが必要です。
- 専任の担当者がいるのか
- 担当者は求人原稿作成や面接対応、スカウトなどの採用業務ができるか
- 兼任になるのであれば採用活動にどのくらいの時間を確保できるのか
を確認し、採用活動にかけられる工数や運用イメージを把握しましょう。採用にかけられる工数が少ないのにもかかわらず、採用数の目標が高いのであれば、費用が必要です。
営業担当を利用できるプランや採用代行、パートナー企業といった採用のプロフェッショナルのサポートを得ることにより、自社の工数不足を補えます。また、短期間で採用しようとするのではなく、人材獲得が必要になる前から余裕をもって求人広告を出すことも大切です。
相場に適した採用費用を投資する
相場に適した採用費用を投資することも大切です。美容業界は専門性の高い職種です。そのため、採用難易度も高く、それに比例して採用単価も高くなります。 マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)」 によると、各業界の採用単価は以下のようになっています。
職種 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
---|---|---|---|---|
営業 |
53.9万円 |
37.1万円 |
36.3万円 |
47.2万円 |
管理・事務 |
36.8万円 |
32.7万円 |
33.7万円 |
42.8万円 |
医療・福祉 |
53.2万円 |
25.5万円 |
35.3万円 |
30.5万円 |
ITエンジニア |
63.9万円 |
51.3万円 |
40.5万円 |
55.9万円 |
建築・土木 |
59.6万円 |
45.8万円 |
37.7万円 |
45.7万円 |
美容業界の平均採用単価の参考として、美容師が含まれる「美容・ブライダル・ホテル・交通」の2022年の採用費用は23.8万円でした。
費用をかけないのであれば、工数を増やす必要があります。しかし工数が増えた結果、採用担当者の人件費が増えてしまっては費用を抑えた意味がありません。自社が求める人材を獲得するには、相場に合った投資が必要であることを理解しましょう。
求人媒体の利用開始〜運用方法
実際に求人媒体を選ぶ際の手順は、以下のとおりです。
- サービスへ問い合わせ
- 打ち合わせ
- 求人広告または求人票の作成
- 求人広告の運用または紹介
- 選考
- 採用〜入社・支払い
求人サイトと人材紹介では、利用する際の大きな手順は変わらないものの、確認事項や業務範囲が異なります。ここでは、求人サイトを利用する場合と人材紹介を利用する場合の手順について解説します。
求人サイトの場合
求人サイトを利用する際の手順は、以下のとおりです。
- サービスへ問い合わせ
- 打ち合わせ・申込
- 求人広告の作成
- 求人広告掲載スタート・運用
- 応募〜面接
- 採用〜入社・支払い
ここでは、それぞれの手順について解説します。
1 サービスへ問い合わせ
求人サイトを利用する際は、はじめにサービス提供者に問い合わせます。公式サイトで連絡先を確認しましょう。多くのサービスに企業向けの問い合わせフォームがあるはずです。問い合わせフォームがなければ、採用担当者へ電話やメールで問い合わせます。
2 打ち合わせ・申込
担当者と連絡がついたら、打ち合わせをして利用するプランを決めます。打ち合わせでは、プランの種類や掲載期間、費用などを確認するとともに、自社の採用計画も説明しましょう。採用ターゲットや予算、採用スケジュール、採用課題を説明したうえで、採用計画に適したプランを選びましょう。
3 求人広告の作成
利用するプランを決めたら、求人広告を作成します。作成方法はサービス内容によって異なり、一般的なパターンは以下のとおりです。
- 自社で作成する
- 決められたフォーマットに情報を入力する
- 取材を受けてサービス提供側が作成する
取材がある場合は、取材を受ける従業員のスケジュール調整が必要です。掲載できる内容にもよるものの、職場の写真や動画を掲載すれば、求職者がイメージをつかみやすくなります。
4 求人広告掲載スタート・運用
求人広告が掲載されれば、採用活動における運用期に入ります。求人広告を掲載すれば、応募が来るとは限りません。スカウト機能を利用できるサービスであれば、採用ターゲットに近い求職者に積極的にアプローチをかけましょう。応募状況によっては、求人広告内容の改善が必要です。
5 応募〜面接
求職者から応募があれば、求人サイトの管理画面で対応します。応募者の情報を確認し、採用ターゲットに近い人材であれば、面接を設定しましょう。面接を実施し、採用ターゲットとなる人材であることが確認できれば、採用します。
6 採用〜入社・支払い
採用が決まり、応募者からも承諾されれば、入社日を決めます。プランによっては、採用が決定した時点で費用が発生するものもあるため、採用が決まれば求人サイトの担当者に連絡し、費用を支払います。
まとめ
3〜50名規模の企業では、マンパワーや採用費用の不足が中途採用における課題と捉えられており、少ないコストで質の高い人材確保につなげられるかが求人広告を選ぶポイントといえます。そのためには、以下のことを確認したうえで求人媒体を利用する必要があります。
- 採用ターゲットが多い
- 自社の求人が届きやすい機能や内容がある
- 運用工数が適切・採用努力がしやすい
- 相場にあった採用費用を投資する
- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部