採用難や従業員の離職により、人手不足に直面している企業は少なくありません。現在の日本では、多くの業界で人材確保が課題となっており、原因解明と適切な対策が求められます。
そこで本記事では、人手不足の現状と原因、企業ができる打開策を詳しく解説します。人手不足を解消した成功事例も3社紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
人手不足とは
厚生労働省の「第Ⅱ部 人手不足への対応」では、人手不足を下記のように定義しています。
企業の生産活動にあたって必要な労働力を充足できていない状況。
European Commissionによる定義では「世間相場並みの賃金・待遇において通常見込まれる離職者数を、欠員数が長期間にわたって上回っている状態」
引用:厚生労働省|第Ⅱ部 人手不足への対応
人手不足の状況を判断するには、「有効求人倍率」や「完全失業率」などが効果的です。有効求人倍率とは求人数と求職者数の比率であり、数値が高いほど人手不足の企業が多い状況を示唆します。また、完全失業率とは労働力人口に対する完全失業者の割合のことで、数値が多いほど仕事を探している求職者が多い状況を示します。
国内における人手不足の現状を把握するために、下記4つのポイントをおさえておきましょう。
- 過去に日本で発生した人手不足
- 現在の人手不足における特徴
- 雇用形態別の人手不足
- 人手不足が著しい職種
なお下記の記事では、なぜ社会全体で人手不足が発生するのか、原因と対策を解説していますので、ぜひご一読ください。
過去に日本で発生した人手不足
日本では、過去半世紀において下記の3期間で人手不足が発生しました。
- 1970年代前半
- 1980年代後半~1990年代前半
- 2010年代以降
▼雇用情勢の推移
厚生労働省の報告によると、企業の雇用人員判断D.I.が下記の4期間でマイナスでした。これは、人手不足を実感している企業が多い傾向を示しています。
- 1970年代前半
- 1980年代後半~1990年代前半
- 2000年代後半
- 2010年代以降
なお企業の雇用人員判断D.Iとは人手不足の過不足を指数化し、企業の業況感を数値化したものです。
▼企業の雇用人員判断D.I.の推移
こうした傾向の背景を、下記の「名目GDP成長率、有効求人倍率の推移」を踏まえて確認しましょう。
▼名目GDP成長率、有効求人倍率の推移
まず高度経済成長期の末期である1970年代前半は、景気が急速に上昇し労働力需要が急増したため、人手不足に陥りました。1970年代前半のGPD成長率・有効求人数の増加率は、過去半世紀において最も高い値を記録しています。
続いてバブル時期にあたる1980年代後半〜1990年代前半は、サービス産業化とフルタイム労働力が不足したため、人手不足に陥っています。バブル崩壊後の1990年代後半から2000年代前半においては、経済活動が停滞し雇用情勢も悪化しました。
そして、2000年代後半からコロナ禍に陥る2019年にかけて、雇用情勢が回復し各業界で人手不足が生じたのです。
現在における人手不足の特徴
現在の日本は、各業界で人手不足が発生しており、優秀な人材を取り合う苛烈な採用競争が繰り広げられています。
1970年代から1990年代の人手不足は、高度経済成長期やバブル期など好景気に伴う労働力需要の増加が要因でした。
しかし2000年代後半からの人手不足は、少子高齢化や業務量の拡大・離職者の増加が主な要因です。さらに終身雇用制の崩壊に伴い、転職が当たり前の社会になりました。その結果、長期就業者が減少し転職による離職者の増加も影響しています。
▼人材不足の要因
▼年齢別の不足感
また、事務職より専門・技術職や営業・販売職で人手が不足しています。
▼職種別の人手不足感
特に下記のように専門的な知識・スキルが必要な業種での人手不足が顕著です。
▼専門人材の不足
雇用形態別の人手不足
帝国データバンクが調査した「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」によると、正社員不足を感じている企業の割合が51.7%でした。さらに、非正社員不足を感じている企業の割合は29.5%であり、過去最高推移の2018年11月に次いで多くの企業が人手不足を実感しています。
また正社員不足が顕著な業種は、「情報サービス」「メンテナンス・警備・検査」「建設業」など専門職が多く、非正社員不足では「飲食店」「旅館・ホテル」「人材派遣・紹介」とサービス業が多い傾向にあります。
引用:人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)|帝国データバンク
人手不足が著しい職種
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和6年4月分)」によると、有効求人倍率が2以上の職種は次のとおりです。
有効求人倍率が高い(2以上)の職種 |
有効求人倍率(降順) |
建設躯体工事従事者 |
8.77 |
保安職業従事者 |
5.70 |
採掘従事者 |
5.57 |
土木作業従事者 |
5.38 |
建築・土木・測量技術者 |
5.04 |
建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) |
4.34 |
機械整備・修理従事者 |
3.96 |
介護サービス職業従事者 |
3.52 |
家庭生活支援サービス職業従事者 |
3.25 |
運輸・郵便事務従事者 |
3.17 |
生活衛生サービス職業従事者 |
3.07 |
電気工事従事者 |
3.02 |
接客・給仕職業従事者 |
2.98 |
保健医療サービス職業従事者 |
2.87 |
医療技術者 |
2.82 |
飲食物調理従事者 |
2.74 |
外勤事務従事者 |
2.40 |
自動車運転従事者 |
2.40 |
社会福祉専門職業従事者 |
2.38 |
販売類似職業従事者 |
2.77 |
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 |
2.12 |
製品製造・加工処理従事者(金属製品) |
2.11 |
営業職業従事者 |
2.09 |
特に建設業とサービス業・専門、技術職が人手不足に悩まされています。
人手不足の原因
日本が人手不足に陥っている原因は、次のとおりです。
- 少子高齢化に伴う労働人口減少
- DX推進の遅延
- 労働条件・希望のミスマッチ
- 海外流出の増加
- 人材の流動化
人材不足が生じる原因を理解して、採用力・定着率向上につながる施策立案に役立てましょう。
少子高齢化に伴う労働人口減少
現在の日本は、深刻な少子高齢化社会であり労働人口が減少しています。厚生労働省の「人口減少社会への対応と人手不足の下での企業の人材確保に向けて」によると、2020年の総人口は1億2615万人であるのに対して、2070年には総人口8700万人まで減少する見込みです。
▼日本の推計人口
特に15~64歳の労働人口が7059万人から4535万人と著しく減少し、国内の人手不足は更なる深刻化が予想されます。
IT人材に対する急速な需要拡大
DX推進を背景にIT人材の需要が急速に拡大している点も、人材不足の原因のひとつです。
近年は、自社の将来性や市場での競争力を強化するために、各社においてDXが推進されています。経済産業省の資料「IT人材需給に関する調査」によると、調査時点(2018年)でもすでに足りませんが、2030年にはIT人材が最大で79万人不足する見込みです。
▼IT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)の試算結果
このような状況でIT人材の獲得競争は激しさを増し、高待遇を提示できない企業は苦戦を強いられます。その結果、十分にIT人材を採用できない企業では、自社内でのIT人材育成の必要性やDXの遅延などが発生し、ますます人材不足に悩まされるリスクがあります。
労働条件・希望のミスマッチ
総務省統計局が公表した「労働力調査(詳細集計)2023年」によると、失業者が仕事につけない理由として、労働条件や希望のミスマッチが多く挙げられています。
▼失業者における年齢階級、仕事につけない理由別割合(2023年平均)
全年齢・性別でも「希望する種類・内容の仕事がない」が仕事につけない理由として最も多く、次に「勤務時間や休日と希望があわない」が続きました。
働き方改革や終身雇用制の崩壊、大企業志向などさまざまな要因により、求職者が仕事に求める条件が多様化しています。多様化する求職者の労働条件・希望に対して、速やかに適応できない企業が多いのも人手不足が生じる原因といえるでしょう。
海外流出の増加
日本国内の労働人口が減少している理由の1つとして、優秀な人材の海外流出が挙げられます。外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、2024年10月1日時点での海外在留邦人数は次のとおりです。
長期滞在者 |
71万2713人 |
永住者 |
58万384人 |
総数 |
129万3097人 |
2019年まで海外在留邦人数は、右肩上がりで増えていましたが、2020年のコロナウイルス蔓延で減少しました。しかしコロナ収束後の2023年から2024年では、海外在留邦人数にほとんど変化がありません。
今後も海外に進出する若年層が増加すれば、国内においては人材不足に悩まされる企業が増えるでしょう。
人材の流動化
終身雇用制が崩壊し、売り手有利の採用市場が続く現代では、人材の流動化が進んでいます。
ひと昔前までは終身雇用制が主流であり、新卒から定年まで勤続するのが一般的でした。しかし、現在は優秀な人材ほどキャリアアップのために、競合他社へ転職する傾向にあり、組織内の定着率が低下しています。
日本総合研究所の「経済社会構造の変化と新しい時代の働き方」によると、大手企業ほど勤続年数が減少しているのが明らかとなりました。
▼年齢階層別平均勤続年数の変化
副業やフリーランスなど新たな働き方も普及し、1つの組織のみに長年勤める人材が減少しています。
人手不足の企業が陥るリスク
厚生労働省の「人手不足が職場環境に及ぼす影響について」によると、企業と従業員双方が「人手不足が職場環境へ影響を及ぼす」と7割以上の企業・従業員が回答しました。
▼人手不足が職場環境へ影響を及ぼしていると感じる割合
人手不足が生じると「残業時間の増加、休暇取得率の減少」や「働きがいや意欲の低下」など、下記のような影響が想定されています。
▼人手不足による職場環境への具体的な影響
上記の結果から、人手不足によって生じる企業への悪影響は、次のとおりです。
- 労働環境や組織風土の悪化
- モチベーション低下やメンタル不調による離職率の増加
- 人材育成・キャリア形成の難航
- 倒産リスクの増加
それぞれのリスクを考慮して、早急に人手不足を改善しましょう。
労働環境や組織風土の悪化
人材が不足する企業では、労働環境や組織風土が悪化するリスクが高まります。
厚生労働省の調査では、人手不足が職場環境に与える影響として下記のようなものが挙げられています。
- 残業時間の増加、休暇取得数の減少
- 職場の雰囲気の悪化
- 従業員間の人間関係の悪化
- 労働災害・事故発生の頻度の増加
引用:厚生労働省|人手不足が職場環境に及ぼす影響について
業務を遂行する労働力が不足すれば、組織内の従業員がしわ寄せを受け、長時間労働や休暇取得数の減少が生じます。心身ともに疲弊した状態での労働を強いられると、労働災害や事故の発生頻度が増えるため危険です。
また、従業員のライフワークバランスを確保できず、組織内の雰囲気や人間関係が悪化し、休職や離職につながるリスクも生じます。
下記の記事では、人手不足に陥りやすい企業の特徴を解説しているので、自社が当てはまらないかチェックしましょう。
モチベーション低下やメンタル不調による離職率の増加
人手不足が深刻化すれば、組織内の雰囲気が悪化して従業員の負担が増えるため、次のような影響が生じます。
- 従業員の働きがいや意欲の低下
- 離職者の増加
- メンタルヘルスの悪化などによる休職者
引用:厚生労働省|人手不足が職場環境に及ぼす影響について
長時間労働やライフワークバランスの崩壊によって、従業員のモチベーションが低下すれば、転職・離職者が増加するでしょう。
また、メンタルヘルスの悪化は精神疾患や勤務中の怪我などを引き起こし、休職リスクも増加させます。その結果、人手不足の企業はさらに労働力が減少する「負のスパイラル」に陥りかねないのです。
人材育成・キャリア形成の難航
人員が不足すると人材育成に充てられるリソースは減り、従業員のキャリア形成に対する不安も高まります。厚生労働省の調査においても、下記の要素が挙げられています。
- 能力開発機会の減少
- 将来不安の高まりやキャリア展望の不透明化
引用:厚生労働省|人手不足が職場環境に及ぼす影響について
厚生労働省の「人材育成の現状と課題」によると、多くの企業で人材育成の施策として面談やOJT・Off-JTが取り組まれており、指導者や先輩従業員の存在が不可欠です。
人手不足の組織は、通常業務を遂行するだけで従業員に余裕がなくなり、OJTや面談に時間を割けません。そのため、人材育成やキャリア形成が難航し「この組織にいても成長できない」と、従業員の離職を促進してしまうのです。
倒産リスクの増加
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」によると、人手不足による倒産は、2024年に過去最多の287件に達しました。特に建設業や物流業の倒産が目立っており、全体の42.5%を占めています。
また従業員数別にみると、従業員数10人未満の小規模事業者が全体の77.7%を占めており、少人数の事業者ほど人手不足による倒産リスクが高いことがうかがえます。
下記の記事で、人手不足によって企業が倒産する理由を詳しく解説しているので、あわせて読んでおきましょう。
人材不足の打開策6選
エン・ジャパンが実施した「2024年企業の人材不足実態調査」によると、各企業は人材不足の打開策として、次のようなものを挙げています。
▼人材不足への対応策(複数回答)
上記の調査より、考えられる人手不足の主な打開策は、次のとおりです。
- 人材採用を強化する
- DX促進で業務を効率化する
- 教育・スキルアップ体制を整備する
- 従業員の処遇を改善する
- アウトソーシングを検討する
- 採用手法を多角化する
なお下記の記事では、人手不足に効果的な対策を3つ紹介しています。本記事の打開策とあわせて、人手不足対策の参考にしてください。
内部リンク:人手不足に効果的な対策とは?解消した事例を交えて解説!
1.人材採用を強化する
人材採用を強化すれば、新たな労働力を確保し人材不足の課題を解消できます。「人事白書調査レポート2023」によると、採用力強化を目的として57%の企業が、人材教育を拡充しています。
▼採用力強化を目的として、実施した(または予定している)施策
次に「長時間労働の是正」や「報酬の改定」「キャリアパスの多様化」など、労働条件や待遇の改善、人材育成・キャリア形成を強化する施策が注目されています。求職者が働きたいと思える組織体制・労働条件を整備することが、採用力の強化につながります。
なお、採用力を強化するには募集方法を工夫する必要があるため、下記の求人広告に関するコツをまとめた記事もあわせて読んでおきましょう。
2.DX促進で業務を効率化する
人手不足の組織は、従業員の負担が増えるため、DX促進で業務を効率化しましょう。業務効率化によって従業員の負担が軽減できれば、心身の疲弊を防いで休職率・離職率を抑えられます。さらに長時間労働や休暇取得率を改善できるため、ライフワークバランスが充実し、人材の定着率を向上させることも可能です。
野村総合研究所が実施した「IT活用実態調査(2022年)」によると、DX促進で「業務効率化」と「労働時間の削減」を実感した企業が約8割も存在します。
▼デジタル化の推進による効果(複数回答)
さらに業務効率化で顧客満足度や顧客単価が向上し、企業の発展にもつながっています。三菱総合研究所の「ICT によるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」によれば、ICTを活用することで業務プロセスが効率化し、労働生産性が2.5倍上昇するという調査結果が示されています。
▼ICTによる生産性向上の効果
限られた人員で効率的に業務を遂行するには、ICTや最新機器を活用したDX推進が効果的です。
3.教育・スキルアップ体制を整備する
人材育成・キャリア形成が疎かな企業は、従業員が将来性を見いだせず離職を検討してしまいやすい状況にあります。エン・ジャパンが実施した「本当の退職理由調査(2024)」によると、会社に伝えた退職理由と本当の退職理由ともに「成長を実感できなかった」が上位にランクインしました。
そのため教育・スキルアップ体制を整備すれば、従業員が「この企業で頑張れば成長できる」と希望を見いだし、定着する可能性が高まります。
また、HR総研が実施した「若手社員の育成に関するアンケート」によると、若手社員の育成に関する成果として、約7割もの企業が「離職率の適正化」を実感しています。
▼若手社員の育成に関する成果
将来性が高い若手社員の教育・スキルアップ体制を整備すれば、自社で働くモチベーションを高められるでしょう。
4.従業員の処遇を改善する
給与待遇や企業からの処遇に納得できず、退職する従業員は少なくありません。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」によると、次のような理由で前職を辞めた転職者も目立ちます。
- 給与など収入が少なかった
- 労働時間や休日など労働条件が悪かった
また、スターツコーポレートサービスが実施した「福利厚生に関する意識調査」によれば、「福利厚生が魅力的だと働くモチベーションが上がる」と回答した労働者は95.2%もいました。
▼福利厚生が魅力的だと働くモチベーションは上がりますか?
さらに学情が実施したインターネット調査によると、賃上げを実施した理由として、「従業員のモチベーションアップ」や「人材確保・定着」が約7割を占めています。
▼賃上げをした理由(複数回答)
以上のことから、給与待遇や福利厚生など従業員の処遇を改善すれば人材が定着し、人手不足を解消できるでしょう。
5.アウトソーシングを検討する
人手不足によって従業員に負担がかかり、業務効率も低下している場合は、外部へのアウトソーシングも有効です。アウトソーシングによって組織内の負担が軽減できれば、人手不足によって離職率が増加する負のスパイラルを防げます。
アデコが実施した「アウトソーシングの導入状況に関するインターネット調査」によると、アウトソーシングを利用した結果「人材不足を解消できた」と回答した企業は44.2%も存在します。
自社で不足しているリソースは、外部の専門企業に業務を委託して補いましょう。
6.採用手法を多角化する
現在の採用方法で人手不足を解消できない場合は、採用手法の多角化を検討してください。採用手法を多角化すると、多くの求職者に認知してもらえる機会が増え、求人への応募数増加を期待できます。
たとえば、1つの求人サイトで人材を募集するより、3つのサイトを併用した方がより多くの求職者にリーチできます。他にも人材紹介サービスの活用やSNSを活用したソーシャルリクルーティング、従業員の人脈を生かしたリファラル採用の推進が効果的です。
人材不足を解消した3社の成功事例
人手不足を解消するための施策を考案する参考として、下記3社の成功事例を確認しましょう。
- 株式会社doors|地域貢献プロジェクトで地元人材を獲得
- 株式会社トレンディ茨城|人材育成を強化し定着率を向上
- 株式会社CLUTCH|完全自由シフトでモチベーション維持
ぜひそれぞれの事例を参考に、自社の人手不足解消につながる施策をご検討ください。
なお、下記の記事では人手不足の解消に成功した事例を9社紹介しています。あわせてご覧ください。
1.株式会社doors|地域貢献プロジェクトで地元人材を獲得
株式会社doorsは、ふるさとへの恩返しとして地域の花火大会を復活させたことをきっかけに、行政や地域住民から地域開発プロジェクトを担っています。プロジェクトを通してつながった相手とビジネスに発展し、事業が多角化・大規模化し、さまざまなスキルを持つ人材が必要になりました。
その際、地域貢献プロジェクトの影響で「花火をやっているおもしろい会社」というよいイメージが定着し、多種多様な人材から応募が集まっています。またキャリアを問わず、若手社員にも積極的に仕事を任せる同社の方針が、意欲的な若者の関心を引き、更なる応募数アップにつながりました。
結果として、インフラメンテナンス事業では1.5倍の増員、飲食事業もレストランの出店に必要な採用数を確保できました。
意欲的な人材の獲得・定着や企業認知度の向上は結果論です。
「地域のため」を起点に、どのように面白く取り組むかが、人を惹きつけます。
引用:厚生労働省|「株式会社doors」代表取締役会長 八木 禅氏
2.株式会社トレンディ茨城|人材育成を強化し定着率を向上
運送業を営んでいる株式会社トレンディ茨木では、以前は個人の裁量が大きく、相互補完など組織的サポートができていませんでした。また、仕事は上司の背中を見て覚える組織文化が人材定着を阻害し、人手不足に悩まされていました。
そこで人手不足を解消するため、次の施策を実施します。
- 配送ルートなど業務の標準化
- 育成管理チームによる新人が独り立ちするまでの人材育成
- ジョブローテーションの実施
なかでもジョブローテーションで他の従業員と交代できる体制を整えたことにより、気兼ねなく休暇を取得できる組織風土が構築されました。有休取得率が大幅に上昇し、やりがいと働きやすさが向上し、人手不足の課題を解消した好事例といえます。
従業員間コミュニケーションが活発になり、ボトムアップ型の組織になりました。
全員で成長していける組織でありたいですね。
引用:厚生労働省|「株式会社トレンディ茨城」代表取締役会長 伊藤 忠士氏
3.株式会社CLUTCH|完全自由シフトでモチベーション維持
美容室・ネイルサロン・アイラッシュサロンなど8店舗を経営する株式会社CLUTCHは、従業員のモチベーションを下げず、働きやすい環境を整備するため完全自由シフト制を採用しています。
朝礼や終礼・ミーティングはなしで、休日や出勤を従業員が自由に決められる体制でサロンを経営しているため、「自分でスキルアップしたい、稼ぎたい」と考える意欲的なスタッフからの応募が集まります。従業員のモチベーションを下げず、自由に働ける環境を整備することで、離職を防止し同じスタッフが顧客と長く関われる職場を実現しました。
従業員の定着率を向上させるだけでなく顧客のリピート率を向上させ、売上げの増加につなげた成功事例です。
自由シフト制で、お休みも出勤も自分で決めることができます。朝礼、終礼、ミーティングはなし。帰るときに終わっていない人がいたら待ってなくてはいけない、退社するときにお客さまを連れていってはいけないというような、暗黙のルールもありません。
引用:モアリジョブ|「株式会社CLUTCH」代表取締役 濱浩太朗さん
まとめ
人手不足を解消するために必要なポイントは、次のとおりです。
- 人材採用を強化する
- DX促進で業務効率を向上させる
- 教育・スキルアップ体制を整備する
- 従業員の処遇を改善する
- アウトソーシングを検討する
- 採用手法を多角化する
日本は少子高齢化に伴う労働人口減少で、今後も人手不足が加速します。限られた採用市場で優秀な人材を獲得するためには、競合より魅力的な組織風土・労働条件の整備が欠かせません。
従業員がやりがいをもって働きやすく、将来性が感じられる職場風土を構築して、採用力・定着率の向上を目指しましょう。

- 執筆者情報
- Bizリジョブ編集部